天野純希のレビュー一覧
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ネタバレ「俺は、源氏の世など望んではいない。源氏も平氏も、百姓も貴族も無い。すべての者が、人として等しく生きられる。そんな世を、俺は望んでおります」
木曾義仲(源義仲)。私欲や野心もなく、常に"正しい"漢。
人としてはいいのだけれど、天下を取るような武将としてはだめなのだろう。天下人は毒を持ち周囲を欺く位聡い漢でないと。
もう少し要領良く立ち回ることができたなら…けれどこの要領の悪さが義仲の人としての良さなのだろう。だから配下の者たちにこんなにも愛されていたのだろう。
大河ドラマ『鎌倉殿の13人』で巴御前のことが気になっていたので、巴御前がたくさん出てきてとても嬉しかった。特に -
Posted by ブクログ
ネタバレ螺旋プロジェクト3冊目。
超ネタバレなので空白入れとこ。
源平の戦いで平将門と源頼朝、平教経。
南北朝で足利高氏、楠木正成、足利義満と世阿弥
戦国で明智光秀と織田信長、徳川家康と豊臣秀吉、天海。
幕末維新で大塩平八郎、坂本龍馬と土方歳三、そして西郷隆盛。
それぞれが山と海の一族、そしてその間の存在に割り振られ、でも歴史通りに動いていく。日本の歴史なので知ってる話が多いが、それに山と海のスパイスが効いてより美味しく頂ける。確かに自分みたいなにわか日本史知識持ちでもライバル的存在が結構いることに気づく。そうか、山と海の一族だったのか…秀吉は耳大きそうだしな。
ただ、結局もとの歴史は変え -
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人間が持つ暗部の連鎖は今も
続いている。しかし、作者は人間の持つ善なるものに期待されていると私は読んだ。その視点から続編として三好長慶の物語を出して頂けたら思う。
それにしても応仁の乱から織豊期へと至る時代はなかなか頭に入ってこない。幕府、管領家、そして家臣群それぞれの階層で個々の利害、思惑で動いていくため、結果的に当事者自身も振り回されているからだ。この小説は作者の語り口で三好元長の人生を淡々と描き出している。この時代の一部ではあるが、前後の時代もあわせて私自身の頭の整理に大いに役立った。 -
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島津四兄弟の物語
破天の剣、衝天の剣、回天の剣と通して読んだ。
島津四兄弟が生きた時代の史実を踏まえ、作者が紡ぐ物語に凄まじいものを感じた。歴史は勝者が作るとよく言われるが、その過程で数多の人生が交錯し人間の本質が曝け出されていることも改めて突きつけられた。この時代の沸々たる思いが数百年の時を超えて明治「維新」へとつながっていったのだろうか。
読み応え充分の作品だった。 -
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島津四兄弟の物語
島津氏に関してはとかく義弘に興味が集まる。私もそう思い込み義弘ゆかりの城々を巡った。
しかし、本書を読み、家久の出自、行状、やがて明らかとなる軍才係る葛藤を乗り越えて如何に四兄弟が結束したかを見せつけられていたく感動した。
家久なくして秀吉の荒波は乗り切れなかったであろうし、後の家康の荒波も家久の息子、豊久が命をかけて義弘を生還させた結果乗り切れたと思えば家久、豊久父子の島津家に尽くした貢献は計り知れない。 -
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