天野純希のレビュー一覧

  • 猛き朝日

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    結末分かってても、やっぱり哀しい。悲劇の起点が義仲側から描かれてないところが、より情緒を乱された。頼朝には色々と苦情を言いたい。

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    2025年08月11日
  • 決戦!大坂城

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    ネタバレ

    決戦シリーズは、作家ごとのさまざまな解釈を楽しみながら、複数の視点から戦いを立体的に見ることができる良企画。
    大阪城では、「日ノ本一の兵」のラストに情緒を掻き乱された。また、「黄金児」にせよ「男が立たぬ」にせよ、淀殿の陰に隠れて見過ごしがちな秀頼という人間に焦点を当てているのがとても良い。一方、その強烈な母君である淀殿に新しいイメージを与えてくれるのが「鳳凰記」。
    シリーズの他の編も楽しみになる。

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    2025年08月03日
  • 歴屍物語集成 畏怖

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    面白かった!
    怒涛の一気読みでした。

    天野先生の『死霊の山』がお気に入りです。信長が仏閣を焼け打ち、撫で斬りにしているのは有名ですが、この物語のラストシーンが胸に染み入ります。

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    2024年04月25日
  • 決戦!新選組

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    新撰組のアンソロジー。
    剣で斬り合うのは決して好きではない。
    なのに惹かれる新撰組。
    時代が移ろう中で、自分の信念を生きる姿に惹かれる。
    馴染みの隊士のイメージがちょっと違ったりして、
    そんなところも面白かった。

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    2024年01月26日
  • もののふの国

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    面白かった!
    螺旋プロジェクトともののふ(武士)たちの歴史、生き様が見事に融合され、歴史的に有名な合戦では、テンポの良い戦の描写と武将たちの想いに胸が熱くなりました。

    平将門から西郷隆盛までの戦いを、海と山の対立に当て嵌め、謎の多い人物とされる歴史上の人物が「超越的な人物」として配される。

    歴史に造詣が深いわけではないですが、歴史史実を大きく歪めることはなく、歴史の空白をうまく描いているなと感じました。

    時代を逆行して読んでいるせいで、次の作品「蒼色の大地」にも共通して出てくるキャラの末路を知っているだけに、何とも言えない想いが。

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    2023年08月03日
  • 猛き朝日

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    読み終えて呆然としている。ものすごくよかった。木曽義仲と、それから同時代に生きた人々が、それぞれの生を生き、それぞれの戦いを戦い、それぞれの死を死んでいく。読みながらメモをとった登場人物が全部で百四名。それぞれが血肉を持った人物として眼前に浮かぶ。あの日本史の教科書では「以仁王の令旨」との文字でしかなかった王までもが(場面に登場しないものの)人間としての匂いを持っている。義仲と今井四郎兼平の最期はもう、涙無くして読めなかった。そして義高あわれ。いや、いい歴史小説だ。

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    2023年05月28日
  • 猛き朝日

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    ネタバレ

    「俺は、源氏の世など望んではいない。源氏も平氏も、百姓も貴族も無い。すべての者が、人として等しく生きられる。そんな世を、俺は望んでおります」

    木曾義仲(源義仲)。私欲や野心もなく、常に"正しい"漢。
    人としてはいいのだけれど、天下を取るような武将としてはだめなのだろう。天下人は毒を持ち周囲を欺く位聡い漢でないと。
    もう少し要領良く立ち回ることができたなら…けれどこの要領の悪さが義仲の人としての良さなのだろう。だから配下の者たちにこんなにも愛されていたのだろう。

    大河ドラマ『鎌倉殿の13人』で巴御前のことが気になっていたので、巴御前がたくさん出てきてとても嬉しかった。特に

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    2023年05月18日
  • 猛き朝日

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    よかった。結末を知っている後半がつらいけれど、仲間の結束が揺らがないところが、また泣ける。子どものくだりは大河ドラマと重ねて...ついでに行家も大河と重ねてしまった

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    2023年04月23日
  • 猛き朝日

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    木曽義仲は源平合戦の先駆けで千運に恵まれず一敗地で生涯を閉じるまでの一生を語った物語は人の心を鷲掴みにして離さない。時代が違っていたら人格者で人望もあったろう。登場人物も多士済々時の経つのも忘れて読み終わってしまった!

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    2023年03月15日
  • 決戦!大坂城

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    すごくおもしろかった。
    子ども向けの本だと出てこない武将が登場するのがうれしい。それから、いろいろな作者の短編集だから、この人から見たあの人と、別の人から見たあの人が違うのもおもしろい。このシリーズは全部読みたい。
    一番よかったのは「黄金児」で、その次は「忠直の檻」。(小5)

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    2023年03月05日
  • もののふの国

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    螺旋プロジェクトによる歴史物語
    人はなぜ戦いをやめられないのか?
    歴史上の英雄たちの遣る瀬無い思いに、人の生きる意味は所詮儚いものだと思わされる。
    ましてや名もなき人の人生に意味を見出す必要があるのか?
    生まれた時代にただ生きているだけなのかもしれない。
    生きる意味を考えることが意味のないことなのかもしれない…

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    2023年02月23日
  • もののふの国

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    ネタバレ

    螺旋プロジェクト3冊目。
    超ネタバレなので空白入れとこ。




    源平の戦いで平将門と源頼朝、平教経。
    南北朝で足利高氏、楠木正成、足利義満と世阿弥
    戦国で明智光秀と織田信長、徳川家康と豊臣秀吉、天海。
    幕末維新で大塩平八郎、坂本龍馬と土方歳三、そして西郷隆盛。

    それぞれが山と海の一族、そしてその間の存在に割り振られ、でも歴史通りに動いていく。日本の歴史なので知ってる話が多いが、それに山と海のスパイスが効いてより美味しく頂ける。確かに自分みたいなにわか日本史知識持ちでもライバル的存在が結構いることに気づく。そうか、山と海の一族だったのか…秀吉は耳大きそうだしな。

    ただ、結局もとの歴史は変え

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    2023年02月02日
  • 紅蓮浄土 石山合戦記

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    期待通りの読みごたえとスピーディーな展開で、大満足でした。いわゆる忍者が主役の話はカッコいいけど、切ないところが多く痺れます。お坊さんと信長のイメージが逆転してしまいました。

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    2022年08月17日
  • 覇道の槍

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    人間が持つ暗部の連鎖は今も

    続いている。しかし、作者は人間の持つ善なるものに期待されていると私は読んだ。その視点から続編として三好長慶の物語を出して頂けたら思う。

    それにしても応仁の乱から織豊期へと至る時代はなかなか頭に入ってこない。幕府、管領家、そして家臣群それぞれの階層で個々の利害、思惑で動いていくため、結果的に当事者自身も振り回されているからだ。この小説は作者の語り口で三好元長の人生を淡々と描き出している。この時代の一部ではあるが、前後の時代もあわせて私自身の頭の整理に大いに役立った。

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    2022年07月09日
  • 回天の剣 島津義弘伝(下)

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    島津四兄弟の物語

    破天の剣、衝天の剣、回天の剣と通して読んだ。
    島津四兄弟が生きた時代の史実を踏まえ、作者が紡ぐ物語に凄まじいものを感じた。歴史は勝者が作るとよく言われるが、その過程で数多の人生が交錯し人間の本質が曝け出されていることも改めて突きつけられた。この時代の沸々たる思いが数百年の時を超えて明治「維新」へとつながっていったのだろうか。
    読み応え充分の作品だった。

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    2022年07月03日
  • 南海の翼 長宗我部元親正伝

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    長宗我部元親の話。とても良かった!元親と共に夢を見、野望を見、そして、共に苦しんだ時間だった。
    天野さんの中で、一、二を争う、良い作品。

    どんなことがあろうと、子どもに先立たれるのは、耐えられそうにない……

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    2022年06月16日
  • 剣風の結衣

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    一気読み。
    次から次へと問題が起こり息つく間もない展開にあっという間に読み終えてしまう。

    人として生まれたからには最期まで足掻き続けろ。俺が弥陀なら生きる事を諦めた者など地獄に叩き落す。

    この言葉が胸に刺さる。小説で胸に刺さるのは初めてで年齢を重ねて経験を積んだからなのか、それともリンクしたのか。

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    2022年06月16日
  • 破天の剣

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    島津四兄弟の物語

    島津氏に関してはとかく義弘に興味が集まる。私もそう思い込み義弘ゆかりの城々を巡った。
    しかし、本書を読み、家久の出自、行状、やがて明らかとなる軍才係る葛藤を乗り越えて如何に四兄弟が結束したかを見せつけられていたく感動した。
    家久なくして秀吉の荒波は乗り切れなかったであろうし、後の家康の荒波も家久の息子、豊久が命をかけて義弘を生還させた結果乗り切れたと思えば家久、豊久父子の島津家に尽くした貢献は計り知れない。

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    2022年04月21日
  • 読んで旅する鎌倉時代

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    「13人」の小説家が「鎌倉」時代について書いた作品集。どの作品も面白いし、最新研究や資料を読み込まれている感じがして、興味もそそられる。
    この本片手に鎌倉を歩きたい。

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    2022年04月09日
  • 読んで旅する鎌倉時代

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    ネタバレ

     歴史小説が苦手な人にも読みやすいと思います。
     
     様々な思惑がうごめく武家のはじまりの時代。その時代背景がよくわかりますし、素敵な話もたくさん。

     そして、何より出かけたくなる。あー、修善寺の温泉でゆったりしたい~。

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    2022年02月17日