天野純希のレビュー一覧

  • 北天に楽土あり 最上義光伝

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    頁数の割にはサクサクと読めた印象。
    本作の義光は当初予想してた謀略家のイメージとは異なり、家族思いで悩みながらもお家と山形の民の為に時には手段を問わず戦い続ける人物で描かれており、感情移入しやすい設定だった。勢力的に最上家が山形で一番の大名ではなかったとは知らなかったので改めて義光の功績の偉大さを知り、それ故最後は切なかった。

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    2021年12月13日
  • 紅蓮浄土 石山合戦記

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    宗教と政治。日本にこの問題がないのは、織田信長の隠れた功績なのかもしれない。
    同時に、織田信長と本願寺との争いは、罪ない門徒を巻き込んでの、歴史に現れない壮絶なものである事は間違いない。
    忘れてはならない歴史の闇を垣間見た気がする作品です。

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    2021年12月02日
  • 剣風の結衣

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    いつも時の権力者に押しつぶされそうになるのは、庶民だ。でも、その庶民にも意地がある。一矢報いて、自分たちなりの幸せな日々を築くのだ。

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    2021年11月27日
  • 燕雀の夢

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    天野純希さんの短編集。
    有名戦国大名の父親にスポットを当てた短編集でかなり興味深かった作品。
    長尾為景、武田信虎、伊達輝宗、松平広忠、織田信秀、木下弥右衛門と錚々たる父親達で次代に何を残せるか何を為せるかと思案する男達が多く読み応えあり。
    木下弥右衛門(燕雀の夢)は史実では謎に包まれているとは思うが面白かった。
    個人的には織田信秀の(黎明の覇王)が好きで少し感極まってしまった。
    戦国武将や戦国大名が好きな方には楽しめる作品だと思う。

    次は天野純希さんの島津家を描いた作品を読もうと思う。

    2021/11

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    2021年11月17日
  • 回天の剣 島津義弘伝(下)

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    衝天の剣の続編であり島津家シリーズの完結編。
    義弘、家康、三成など様々な人物の視点から物語は進み、それぞれの思惑を描くことで話の深みが増していました。今作でも多くの犠牲を払いながらも、最後まで島津家を守り抜くといった強い覚悟を感じさせられます。破天の剣を読んだ時から、作者の天野さんは人の感情に響かせる文や表現が上手い方だと思っていましたが今作ではそれをより実感しました。(島津の退き口や終章の場面)
    折を見て、また読み直そうと思います。

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    2021年10月23日
  • 衝天の剣 島津義弘伝(上)

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    島津義弘を主人公とした、朝鮮出兵時の島津家の物語で破天の剣の実質的な続編。
    島津家にとって災難の連続が起こるので、全体的に重苦しい雰囲気で話は進んでいくが、その中でも島津家の未来に向けて最善を尽くそうと直向きな姿勢を保とうとする義弘に好感が持てる一方、暗黒面に落ちかけている義久とサイコパス忠恒の存在が今後の展開に一抹の不安を感じさせ、下巻の期待感へと繋がる内容で良かったです。島津家がとにかく耐えてます。

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    2021年10月22日
  • 南海の翼 長宗我部元親正伝

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    長宗我部元親が嫡男信親を亡くしてからの晩節の変遷など、単なる歴史小説ではなく、人生ドラマとして読み応え充分なものに仕上がっている。
    本能寺の変での秀吉の関わり方など、真実味があり大変に面白い。
    久しぶりに読み応えある歴史小説に出会えた気分。

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    2021年10月05日
  • 信長、天が誅する

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    ネタバレ

    信長と関わりを持った5人の人物について描かれており、その時々の心境や各々の信長評が描かれていた。特に、最終話の主人公は、これまで多くの作品で描かれていた人物像とはやや異なる姿で描かれており、とても強く印象に残った。
    同日発売の、木下昌輝著の「信長、天を堕とす」と合わせて読むと、より面白さが増す作品だった。

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    2021年08月30日
  • 信長 暁の魔王

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    ネタバレ

    母親との関係に焦点を当てることで、いかにして、「魔王信長」が誕生したのかが描かれており、ごく僅かな期間の描写ではあるが、その後の信長の生き方を決定づける期間だったのだと感じた。

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    2021年08月05日
  • 戦国 番狂わせ七番勝負

    購入済み

    色々な味わい

    7人の作者による7本の短編集。いずれも不利な情勢から逆転した戦い、しかもそれほど有名でない戦い という共通点を持たせている。どの作者もそれなりに良い味を出しているが、私はいくらか滑稽味を帯びた岩井三四二の作品が一番のお気に入りである。

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    2021年04月04日
  • 蝮の孫

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    酒色に溺れた愚将として描かれることの多い斎藤龍興を、国主時代のみではなくその先についても描かれており、これまでとは全く異なる人物像を抱いた。

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    2021年04月02日
  • 信長嫌い(新潮文庫)

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    それまでの常識に囚われない信長だからこそ、様々な人物の人生にその余波を与えているというのがとても面白かった。
    特に六話目の結末は、斬新ではあるものの、非常に面白い解釈だと感じた。

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    2021年03月22日
  • 紅蓮浄土 石山合戦記

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    フィクションの要素が多いけど、信長など特定の武将を中心にしたお話では詳細に描かれることのない本願寺側の視点からこの時代を知ることができ、面白く読める一冊です。同じ本願寺の合戦を別の視点から描いた和田竜さんの「村上海賊の娘」も合わせて読んでみるのもよいかも(^^)

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    2021年02月15日
  • 紅蓮浄土 石山合戦記

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    ネタバレ

    戦国時代、本願寺の話。
    彼女に関わった者は次々と死んでいく……訳でもない。
    展開も良く、非常にスピード感のある作品。

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    2020年07月24日
  • 幕末疾風伝

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     江戸末期どちらかと言うと保守的な会津、個性溢れる新撰組面々の方が好きで色々と読んだが、逆サイドからの面々(高杉晋作、桂小五郎事木戸孝允、竜馬等々)を主軸に描く内容もそれなりに面白く読めた。

    時は幕末。尊王攘夷だ、佐幕だ、倒幕だ皆が熱狂に包まれていた時代。
     平凡な主人公の浪人、松浦佐太郎が長屋の隣に引越してきた「勤王の志士」と名乗る水戸藩出身の船越平太夫との出会いから不純な欲を夢見て尊王攘夷論に乗っかり 攘夷志士となり生きる姿を描く。佐太郎は武術&学問も秀でた男で無いが何故か?修羅場(池田屋事件での沖田総士、土佐の岡田以蔵等の太刀から逃れ)を潜って生き延びる幸運な漢。
    その過程で志

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    2020年07月23日
  • 回天の剣 島津義弘伝(下)

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    人生において、何を大切にするのかは人によって異なる。そこに哀しみが生ずる。しかし、如何ともし難い。それもまた人生か。

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    2020年07月12日
  • 有楽斎の戦

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    織田信長の弟・有楽斎が見た本能寺の変、関ヶ原の戦い、大坂の陣。

    信長の弟でも、戦が苦手で茶の湯大好きでも良いじゃないか、人間だもの。って感じ。

    実際のところはどうかは分からない。もしかしたら信長同様、好戦的な人物だったかも知れない。
    ただこの作品で描かれるように、戦場ではヘタレで何度も窮地に陥っては身内に助けられるという面も、早く隠居して茶の湯を心置きなく楽しむために武功を挙げたいと足掻くものの空回りするという面も人間らしくて面白い。

    有楽斎から見れば血気に逸り命を惜しげもなく捨てる武将たちなど狂気の沙汰でしかないし、何故戦でしか物事を決することが出来ないのか、馬鹿馬鹿しいことこの上ない

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    2020年05月26日
  • 決戦!三國志

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    「奸雄遊戯」許攸
    「天を分かつ川」周瑜
    「応報の士」法正
    「倭人操倶木」操倶木
    「亡国の後」劉禅
    5つのエピソードからなる短編集。ある程度三国志に知識がある人には登場人物の個性が足されより深く三国志が楽しめる作品。

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    2020年05月07日
  • 衝天の剣 島津義弘伝(上)

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    天野純希は、感情の表現が巧みだ。読んでいて、一緒に喜んだり、苦しんだり、悲しんだりする。
    戦国時代の島津家を義弘を中心に描く。兄龍伯、弟家久、息子忠恒。その他、皆それぞれに苦しかったのだと思う。

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    2020年05月05日
  • 燕雀の夢

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    知名な戦国武将の父の姿を描く
     長尾為景→長尾景虎(上杉謙信)
     武田信虎→信玄
     伊達輝宗→政宗
     松平広忠→松平竹千代(徳川家康)
     織田信秀→信長
     木下与右衛門→藤吉郎(豊臣秀吉)
    三者三様で其々の父の生き様から見た子との繋がりが面白かった。それにしても戦国武将の肉親の繋がりは、肉身同志の敵対感、露骨な政略結婚等々改めて凄い。今川と織田の間で苦労した三河武士の松平家当主松平広忠は馴染みが薄かったので興味深かった。どの親も子の中から家系の繁栄を願い後取りを決める英断がその後の時代に大きな影響を成す。

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    2020年04月25日