天野純希のレビュー一覧
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これは秀逸。
戦国時代の脇役の心理がわかる。作者によって見方が少しづつ変わるのも面白い。作品の並びも素晴らしい。秀吉の朝鮮出兵が与えた武将らの心持ちが、それ以降の人生を変えていく様もしゆういつ。
・人を致して、伊藤潤
人に致されてきた家康、今回も三成が取り除きたいと考えた武将に絡む策に乗る。
・笹を噛ませよ、吉川永青
敗軍の将につかい続けた槍の名手可児歳三、とった首には笹を噛ませる。一番槍を横取りした味方の井伊直政を追う。何のために戦うかを学んだ才蔵、直政の配慮。
・有楽斎の城、天野純希
信長の13歳下の弟、父信秀の11番目の男子として生まれた。武芸よりも芸事。武運にも見放され茶の湯にハマる。武将らからは蔑まれるものの兄の威光で本能寺後も配慮される。その有楽の心の動きを一人称で追う。
・怪僧恵瓊、木下昌輝
恵瓊は元々武田の一棟、安芸の武田。信長や秀吉の行先を予言。父が毛利に殺された恨みは忘れてはいない。毛利に恨みと感謝、どのような策を練るのか。吉川広家を主人公に展開。
・丸に十文字、矢野隆
島津維新義弘、激情の男。家康の依頼に意気を感じたものの、また三成は三成、急激に冷めた心を、また、燃え上がらせたものは。
・真紅の米、冲方丁
小早川金吾中納言秀秋、子どもの頃から必要なものは全て与えられてきた。食としての米、財政としての米、を知り、朝鮮出兵の総大将も経験。三成の所業に不満。こだわった米に毒。
・狐狼なり、葉室麟
三成は誤算ではなく、自ら計算づくでこの結果を導いたと言う。これは無理あるんちゃう?と思いました。すいません。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ螺旋プロジェクト3冊目。
超ネタバレなので空白入れとこ。
源平の戦いで平将門と源頼朝、平教経。
南北朝で足利高氏、楠木正成、足利義満と世阿弥
戦国で明智光秀と織田信長、徳川家康と豊臣秀吉、天海。
幕末維新で大塩平八郎、坂本龍馬と土方歳三、そして西郷隆盛。
それぞれが山と海の一族、そしてその間の存在に割り振られ、でも歴史通りに動いていく。日本の歴史なので知ってる話が多いが、それに山と海のスパイスが効いてより美味しく頂ける。確かに自分みたいなにわか日本史知識持ちでもライバル的存在が結構いることに気づく。そうか、山と海の一族だったのか…秀吉は耳大きそうだしな。
ただ、結局もとの歴史は変えられないので、山と海の一族の思惑どおりに進んだという設定になってしまっていて、そこは仕方ないけどifが読みたかったようなそうでもないような。
ともかく、一つの壮大な物語として非常に面白く読めた。
3冊目になると螺旋の仕組みがわかってきて、最初から裏の世界観を理解した状態で読めるから更に楽しいな。
次はコイコワレを読む。 -
購入済み
人間が持つ暗部の連鎖は今も
続いている。しかし、作者は人間の持つ善なるものに期待されていると私は読んだ。その視点から続編として三好長慶の物語を出して頂けたら思う。
それにしても応仁の乱から織豊期へと至る時代はなかなか頭に入ってこない。幕府、管領家、そして家臣群それぞれの階層で個々の利害、思惑で動いていくため、結果的に当事者自身も振り回されているからだ。この小説は作者の語り口で三好元長の人生を淡々と描き出している。この時代の一部ではあるが、前後の時代もあわせて私自身の頭の整理に大いに役立った。 -
購入済み
島津四兄弟の物語
破天の剣、衝天の剣、回天の剣と通して読んだ。
島津四兄弟が生きた時代の史実を踏まえ、作者が紡ぐ物語に凄まじいものを感じた。歴史は勝者が作るとよく言われるが、その過程で数多の人生が交錯し人間の本質が曝け出されていることも改めて突きつけられた。この時代の沸々たる思いが数百年の時を超えて明治「維新」へとつながっていったのだろうか。
読み応え充分の作品だった。 -
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島津四兄弟の物語
島津氏に関してはとかく義弘に興味が集まる。私もそう思い込み義弘ゆかりの城々を巡った。
しかし、本書を読み、家久の出自、行状、やがて明らかとなる軍才係る葛藤を乗り越えて如何に四兄弟が結束したかを見せつけられていたく感動した。
家久なくして秀吉の荒波は乗り切れなかったであろうし、後の家康の荒波も家久の息子、豊久が命をかけて義弘を生還させた結果乗り切れたと思えば家久、豊久父子の島津家に尽くした貢献は計り知れない。 -
Posted by ブクログ
ネタバレまず、日本は広いなぁと読みながらしみじみ。
戦国時代と言えば、信長、秀吉、家康しかいないような錯覚を覚えてしまうけれども、戦国の沼に嵌っていろんな作品に出合ったことに感謝。
この小説の主人公は伊達政宗の伯父である最上義光。
自分の父、甥、上杉と戦い続ける人生を送った戦国武将らしい人なのでしょう。
ですが、信長が死に、秀吉が台頭に立ったことで今まで自分が得たものを失い(この辺りは高校の日本史もでもやってるんですが、検地や刀狩りってものすごく意味のある政策だったんだと再認識!)、最愛の娘・駒と駒が死罪にされたために妻の康子も自害。
そして、豊臣から徳川へ派閥替えをしたところが、長男の廃嫡命令の末の暗殺。
本当に駒姫のシーンにボロボロ泣いてしまいましたよ。本当に彼女は戦国で一二を争うほどかわいそう(´;ω;`)ウゥゥ
だって秀吉の甥の関白秀次の側室になる予定で、彼に会ったこともないのに京都三条河原で死罪。彼女の生涯は他の本でも読んでますが、本当に駒姫や細川ガラシャの事を思うと石田光成が大〇〇〇になります。(〇に部分は自分で埋めてくださいね♪)
彼の生涯の最後、戦国が終わり、子供たちが紅花を摘むのを彼が見て、紅花を育てることを決めるところがあるのですが、ここに行きつくために戦を乗り越えてきた最上義光という人物が大好きになっていました。
戦国とは日本中で内乱が起っていたことで、それが終わっても、海外へ挙兵する秀吉の傲慢さや現地で戦う武将たちの苦労。後方支援をしなければならない残った者たち。
そんなことを考えるとやはり豊臣ではだめだったんだなと思いを新たにしたりもしました。(この時、すでに秀吉は認知症を患っていたという説もありますしね)
胸の奥に深く刻まれるような作品でした。