天野純希のレビュー一覧
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今川義元、真柄直隆、六角承禎、三好義継、佐久間信栄、百地丹波、織田秀信という、信長に負けた7名の信長への思いがつづられた短編集。義元(と秀信)以外は信長の野望に出てくる程度には有名だがそれ以上の知名度はない感じだろうか。
そういう知名度の主人公を非常に人間味溢れる(溢れすぎているとして嫌う人もいると思う。山岡荘八で真柄直隆を知った身からは結構ギャップがある)かたちで描き、それぞれの生き様を見せてくれる作品。小説なので色々史実とズレるところはあるが、各人魅力的に書かれているので、この本を取っかかりに彼らについて学んでいく感じがよいかも。
この作家さんの書く小説をどんどん読んでいきたいと思わせられた佳作。 -
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ネタバレ平将門から西郷隆盛までの、もののふの歴史を通して日本という国の在り方を振り返る。
それぞれのパートはさほど長くはないので、特に目新しい事実というのはなかったけれど、目新しい解釈というのはあった。
どちらかというと幕府と親しかった島津斉彬に仕えていた西郷隆盛が、いつ、どこで、あそこまでかたくなな倒幕派になってしまったのかが、ずっと不思議だったけど、斉彬が幕府によって毒殺された、と西郷どんが思っていたのなら、さもありなんというところ。
この話の肝は、”長老”と言われる存在が海の者と山の者の争いをただ見ているだけではなく、時に干渉するということ。
しかし、干渉した結果世の中が良くなるというわけでもなく、”長老”の目的もわからない。
正体などはわからなくてもよいが、目的がわからないまま終わってしまったのは残念。
存在意義がわからん。 -
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螺旋プロジェクトのうちの1冊。
歴史小説のような舞台設定の小説は普段あまり読まないのだけれど、誰もが知っている歴史上の人物が主人公やライバルになっていることで、すごく読みやすくなっていた。そのうえで、オムニバス形式であることも、飽きずに読めた要因だったように思う。
小学校中学校での授業では、とにかく日本史の授業が嫌いだった。理由はごく単純で、暗記が苦手だったのだ。覚えられないからテストの点数が悪い。テストの点数が悪いから日本史そのものにも興味が持てない。興味が持てないからますます暗記ができないの悪循環だった。
そのうえ、出来事の年号を覚えなきゃいけない、というのがすごく腹立たしかった。だって、その年号って本当にあっているかもわからない、ただの推測のはず。それなのに、その年号をテストで覚えて書いて、○×をつけられるって、テストのありかたとしてどうなの、と。
1192で覚えた鎌倉幕府、今では1185が正しいっていうじゃない。1192の時代に、1185って書いて✕もらって、成績落として人生変わった子がいたかもしれない。ただの推測を、義務教育として暗記させ、人の人生を左右させる。そんな日本史への否定的な感情が今でも捨てきれないでいる。
でも、小説に罪はない。歴史小説をもっと楽しむために、日本史を知っておきたい、という気持ちが大人になって芽生えているのもまた事実である。
この本は、そんな私でも楽しめた。ぜひ、歴史小説に興味がない人ほど、読んでみてほしい一冊。 -
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螺旋プロジェクト、中世・近代編
海の一族と山の一族、1,000年にわたる戦国時代の交錯の物語。
平将門の乱から始まり、貴族と公家の時代から武士の時代に移り行く。
平氏はイソベリ、源氏はヤマノべ。
源平合戦を超え、鎌倉幕府、室町、戦国時代、家康と秀吉、そして幕末。
まさに戦国・幕末オールスター
そして本作で重要な役割は「長老」と呼ばれる存在。
シリーズ全書に出てくる両目の色が違う人の存在。
ネタバレになるので書かないが、「こういう考察ね。これは時代小説でよく見る説だな」という印象。
また、真田丸や幕末物の大河ドラマを観ているとすっとイメージが入ってくる。
最後の外伝もまたこれよし。 -
購入済み
鎌倉三代将軍家の時代の13篇の短編アンソロジー。
タイトルは『旅する』だけど、旅自体を扱った作品はなかったような?(^_^;)各作品の冒頭に、作品にちなんだ名所の写真と説明がついています。
前半は頼朝と政子の逸話が多く、後ろになるにしたがって時代があとになります。
砂原浩太朗さんの「実朝の猫」が好きかも。鎌倉に行きたくなりました(^.^)