天野純希のレビュー一覧
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余り馴染みの無い時代の話だが、読み易く漢気溢れる内容で面白く読めた。
木曽(源)義仲の生涯を描き、父が同じ一族の源氏に討たれ、信濃木曽の地にて養育され物心ついて源頼朝の従兄弟で有る素性を知り、「平家にあらずんば、人にあらず」と荒れ果てた京の都で人であることを踏みにじる平家の世を目の当たりにし、平家に子を虐殺され恨みを持つ女武者の巴、兄弟として育った兼平、兼光等の仲間と打倒平家に立ち上がる。奥州の藤原氏とは不可侵の手を結ぶも従兄弟にあたる源頼朝との対立し子を人質に取られる中、頼朝より先に京に登り平家を西に追いやるも腐りきった朝廷・公家に手を焼き、頼朝の先遣隊義経を将とする戦いに敗れる。
「俺は、 -
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螺旋プロジェクトのうちの1冊。
歴史小説のような舞台設定の小説は普段あまり読まないのだけれど、誰もが知っている歴史上の人物が主人公やライバルになっていることで、すごく読みやすくなっていた。そのうえで、オムニバス形式であることも、飽きずに読めた要因だったように思う。
小学校中学校での授業では、とにかく日本史の授業が嫌いだった。理由はごく単純で、暗記が苦手だったのだ。覚えられないからテストの点数が悪い。テストの点数が悪いから日本史そのものにも興味が持てない。興味が持てないからますます暗記ができないの悪循環だった。
そのうえ、出来事の年号を覚えなきゃいけない、というのがすごく腹立たしかった。だ -
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螺旋プロジェクト、中世・近代編
海の一族と山の一族、1,000年にわたる戦国時代の交錯の物語。
平将門の乱から始まり、貴族と公家の時代から武士の時代に移り行く。
平氏はイソベリ、源氏はヤマノべ。
源平合戦を超え、鎌倉幕府、室町、戦国時代、家康と秀吉、そして幕末。
まさに戦国・幕末オールスター
そして本作で重要な役割は「長老」と呼ばれる存在。
シリーズ全書に出てくる両目の色が違う人の存在。
ネタバレになるので書かないが、「こういう考察ね。これは時代小説でよく見る説だな」という印象。
また、真田丸や幕末物の大河ドラマを観ているとすっとイメージが入ってくる。
最後の外伝もまたこれよし -
購入済み
鎌倉三代将軍家の時代の13篇の短編アンソロジー。
タイトルは『旅する』だけど、旅自体を扱った作品はなかったような?(^_^;)各作品の冒頭に、作品にちなんだ名所の写真と説明がついています。
前半は頼朝と政子の逸話が多く、後ろになるにしたがって時代があとになります。
砂原浩太朗さんの「実朝の猫」が好きかも。鎌倉に行きたくなりました(^.^) -
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著者の天野純希さんの作品を読むのは初めてだったのですが、カバーイラストを見て「読みやすいかも?」と淡い期待を抱きながら読み始める(笑)
内容は南北朝時代のお話。歴史を学び直しをしている身なので、という言い訳もありつつ、学生の頃から「室町時代」はなんとなく苦手というか陰気な感じを持っていて苦手。だから登場人物もいまいちピンとこなかったのですが、そんな自分でも十分に楽しく読む進めることができました。
時代小説にもかかわらず恐らく文体?が読みやすかったのが大きな要因かな、と。読みやすいの大事。特にあまり読まないジャンルや著者に関しては。
色々な思惑といざこざがあり、どう進むのかハラハラしておりました -
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螺旋プロジェクトの私にとっての7作品目!
今回の時代はプロジェクト中最長の900年超!!!
平将門〜西郷隆盛まで・・・
入れ替わり立ち替わり登場する海と山の一族の両方の特徴を持つ長老達は、歴史を刻む者たちを促す・・・
歴史を刻む者たちは不遇と戦い、光明を掴み、栄え滅びていく。
祇園精舎で始まる平家物語のように歴史の長い目で見れば勝者の一族はいずれ敗者の一族となってしまう・・・
螺旋プロジェクトだからこそ、900年の歴史に一本の串を通して読むことができる、武士の生きた時代の物語ダイジェスト!
→楠木正成や平将門について、もう少し掘り下げて読みたいと思った!
政治のあり方や、統治者がどの -
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☆4.4
出羽にて単なる小さな勢力のひとつでしかなかった最上家を、東北でも有数の大名へと栄えさせたとして有名な最上義光。
彼の波瀾に満ちた一生を書き上げた作品。
若い頃は妹の義にも小言を言われてしまうような、ちょっと頼りなさもあった人。
でも、大切な妹を守るためなら身を投げだしてでも守ろうとするような、優しい優しい人。
そんな人が戦の世を生き抜き、大切な領民や領土を守るために、時には調略を用いて非道な決断も下しながら戦う。
その覚悟を、決して軽く見るなどできないよな、と今の平和な世に生きるのんきな人として思う。
何が起きてもおかしくないほどに乱れた世で裏切り裏切られ、家族であっても争った