天野純希のレビュー一覧

  • 戊辰繚乱

    Posted by ブクログ

    会津の視線、いや鉄四郎の目線で見た新撰組が新鮮。

    使い古された主題ではあるが、戦争の悲惨さ、権力に取り憑かれた人間の醜さ、変わるもの変わらないもの様々な要素を織り込みながら、物語は進んでいく。

    寡聞にして主人公が実在の人物とは知らなかったが、鉄四郎が会津の政道に関わることがでければ、少しは事態は好転したかなと思わずには入られない。薩長も酷いが、旧態依然を改めようともせず、体面だけの会津軍務局も相当狂っている。

    それもこれもが、戦争の愚かさである。

    0
    2017年01月09日
  • 破天の剣

    Posted by ブクログ

    島津四兄弟の末弟・家久が主人公。
    4人兄弟の中でたった一人だけ母親が違う、そして実は父親は貴久ではないのでは?などという噂まであった家久。
    家久自身、戦でしか居場所がない。と思い続け、兄たちや周囲の人に認めて貰いたい一心で「軍神」といわれる立場まで登りつめる。
    本当に求めたものって?
    居場所は戦場ではなかった。
    最後に気付いたけれどそれを掴み取る事が出来なかった家久。
    戦いのシーンと家久の内面との差が悲しい。
    長兄・義久は弟たちに劣等感を持ちつつ当主として、兄として毅然と立とうとしている。
    次兄・義弘は初め家久に対抗心を持っていた。
    三兄・歳久はなんだかんだと家久の面倒を見ている。
    この本の中

    0
    2016年07月04日
  • 覇道の槍

    Posted by ブクログ

    初読み著者ながら読み応え充分!、世知辛い人の気持ち。戦のない世の中、乱世を終わらせる夢を追いながらも、、。真っ直ぐに貫かれた忍びの志に清々しさと切なさと…♪。

    0
    2016年05月10日
  • 破天の剣

    Posted by ブクログ

    父親から勧められ読む。天野さんの小説は初めて手に取った。ライトテイストな部分もありながら、味わい深い戦国時代の雰囲気を十分に感じられる。司馬さんなどの大御所はこうは描かなかったのではないか、というような解釈に感じた。
    そもそも歴史背景として戦国末期の島津が4兄弟ということもしらなかった。島津奔る、や、関ケ原で出てくる以前の九州を切り取っていく時代を知れたのは面白かった。とはいえ、上記二小説で目にしていた「義家」は、本小説では最後まで「義珍(よしたか)」のままだったが。できれば、家久亡き後の島津家も天野さんの筆で読ませてもらいたかった。

    0
    2016年04月04日
  • 戊辰繚乱

    Posted by ブクログ

    201603/史実ベースで涙なくしては読めない。鉄四郎の変わっていく様が切ない。戊辰、会津モノは多々あるけど、設定もキャラも見事で、登場人物達の息吹が強く感じられこの世界に没頭した。新撰組の描写は木原敏江先生の作品観に近いような印象をうけた。

    0
    2016年03月06日
  • 破天の剣

    Posted by ブクログ

    薩摩の戦国武将・島津の四兄弟の物語。本書の中心は末っ子の家久だが、家久の詳細な情報収集、それに基づく緻密な戦略立案は今の仕事にも繋がると思った。自分の足で現場を見て、感じる。とても大切なことだ。戦場の様はとても臨場感があり、思わず本を握りしめてしまった。家久が軍神のように周りには思われるが、実は戦が好きではないということが徐々に紐解かれていく話の展開はとても感慨深い。

    0
    2016年02月14日
  • 桃山ビート・トライブ

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    面白かった~!
    秀吉の時代のロックバンド小説

    太鼓と三味線と笛と踊り

    時代ものは面白い

    0
    2015年07月07日
  • 南海の翼 長宗我部元親正伝

    Posted by ブクログ

    父と子の物語。切なすぎる晩年。長宗我部元親は、長男信親を失ってからの壊れ方が武田信玄や伊達政宗などと一線を画す人間的弱さが特徴。その辺りの描き方がいい。

    0
    2013年12月02日
  • 青嵐の譜 下

    Posted by ブクログ

    二郎、宗三郎、麗花それぞれの立場から二度目の蒙古襲来が描かれている。脇役の視点での話もあり群像劇の様でもある。

    0
    2013年09月10日
  • 青嵐の譜 上

    Posted by ブクログ

    壱岐島に住む幼なじみの二郎と宗三郎、母国高麗を追われ流れ着いた麗花。過酷な運命を背負った三人は元寇という巨大な嵐に巻き込まれていく。

    0
    2013年09月09日
  • 桃山ビート・トライブ

    Posted by ブクログ

    現代の話だったらイマイチだったろうけれど、
    それを時代を変えて描いたところが良かったかな。
    面白かったです。

    0
    2013年01月05日
  • 青嵐の譜 上

    Posted by ブクログ

    前巻で未だ結末は見えないが、元寇の時期を3人の若者の成長譚として描いている。そのうちの一人は朝鮮半島から渡った女性であるが、この時代から近い両国はいききがあり、相互に侵したり侵されたする境界の島として対馬とか隠岐のあり方が描かれている。もともと、そういう世界だったのだが、今の両国並びに背後の大国たる中国と日本との今のあり方を鑑みるに、なんでこんなことになっているのかと思う。

    0
    2012年10月23日
  • 北天に楽土あり 最上義光伝

    Posted by ブクログ

    戦を無くすことのできるのは、より強大な武力を持つ者のみ。弱き者の言葉など、誰の耳にも届きはせぬ

    主人公の最上義光には、家臣たちに自分が支えてやらなければと思わせるような、不思議な人徳がある。それも器量というものだろう。

    0
    2025年12月03日
  • 破天の剣

    Posted by ブクログ

    面白かった。
    戦国の島津四兄弟のなかでも突出した戦巧者、家久を描く。
    脳内で、俳優の菅田将暉さんを配役して読み進めた。
    大河で扱ってほしい。豊臣兄弟もいいけど。

    0
    2025年11月20日
  • サムライ漂海記

    Posted by ブクログ

    八弥は南蛮貿易の商人に売られてイスパニアの奴隷にされてしまう。イスパニアからイングランドへ。ドレイクも出て来る。イスパニア艦隊とイングランド艦隊の戦いも。

    0
    2025年11月09日
  • 北天に楽土あり 最上義光伝

    Posted by ブクログ

    最上義光の青年期から没後までを描いた作品。
    東北の小さな勢力から、一代で57万石の大大名にまで登り詰めた名君。
    戦だけでなく、民や家族思いな面もあって読み応えのある内容。
    時の権力者と上手く関係を築きながらも、翻弄されてしまう場面にはやるせなさも。

    0
    2025年11月02日
  • もののふの国

    Posted by ブクログ

    歴史が紡がれる。平将門、源頼朝、足利高氏、楠正成、足利義満、明智光秀、豊臣秀吉、徳川家康、大塩平八郎、土方歳三、西郷隆盛。山の者、海の者の対立。そして少しずつ歴史がちがう。安徳帝は平家残党に守られて暮らしているし、義満は子を帝にしようと企み、土方歳三は西南の役まで生きている。海と山の対立の必要性はあまりよくわからなかった。

    0
    2025年10月31日
  • 猛き朝日

    Posted by ブクログ

    木曽義仲の物語。これまで読んできた歴史小説では、義仲は、暴虐で愚かな田舎侍のような描き方をされているものが多く、そのようなイメージを持っていたけど、本書ではすごく魅力的で凛々しい武者として描かれている。もちろん、田舎っぽさや無邪気さはそのまま描かれているが、決して暗愚ではなく、仲間を思いやり、民衆を思いやる心がある武士として魅力的に描かれている。

    0
    2025年10月22日
  • もののふの国

    Posted by ブクログ

    大分長い歴史の時間を一冊にまとめた本。

    武士という戦にかけた人々の戦い、思いをそれぞれ受け継がれていく形で続いていったのが面白かった。

    いつか先生が言っていた、歴史は時代ごとで切れているものでも暗記でもなく物語であるという言葉が思い出された。
    海族、山族という二項対立の螺旋プロジェクトはここでも面白さと同時に歴史の理解のしやすさにもアクセントを与えている。

    0
    2025年08月17日
  • 破天の剣

    Posted by ブクログ

    爽快な北方謙三から少しハードボイルド感を抑えて司馬遼太郎感を付け加えたような作品。よい著者を知った。

    内容は、中央では信長などが台頭してくる中、島津が九州で覇業を成そうと戦を進めていたと言うところから、最後は秀吉との決戦に向けてと言った内容。中でも、家久の活躍が爽快だ。

    島津家第十五代当主貴久は病の床で次の当主義久に言った

    大将たる者、みだりに動じず、しかと腰を据えておるがよい。それが、戦で勝ちを得る大本ぞ

    と。

    0
    2025年05月23日