天野純希のレビュー一覧

  • 決戦!新選組

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    幕末ものや新撰組を描いた小説は度々読んでしまうもののひとつ。 どの本も、新撰組に対する見方や人物の性格・背景の描写が異なり、真実は定かになるものではないけれど、それゆえにどれも想像力を掻き立てられてまた他の本を探したくなる。 このアンソロジーは沖田総司、近藤勇、藤堂平助、永倉新八、斎藤一、土方歳三それぞれの視点から描かれている。 ひとつの目的に向かって、でも思いは各々の胸の中に…というのは、読んでいて歯痒くもあり美しくもあり。 そしてどうしてもNHK大河の新選組!のキャストを思い浮かべてしまうワタシ…。

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    2020年11月16日
  • 覇道の槍

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    三好元長の小説。理想だけでは、新しい世は作れない。そして、油断大敵。侮ってはいけない。人生は有限なのだから。

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    2020年10月25日
  • 紅蓮浄土 石山合戦記

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    信長vs浄土真宗本願寺派の長い闘いを、本願寺側の女忍び・千世(ちせ)の視点で描く。

    信長と仏教徒との闘いと言えば比叡山焼き討ちがまずは思い浮かぶが、この本願寺派との闘いも凄まじい。
    畿内を制した信長は莫大な戦費を本願寺に要求、さらに大坂から立ち退くことを命じる。
    当然それを撥ね付ける本願寺だが、そこから泥沼の闘いが始まる。
    信長のやり方は徹底した焼き払い、逃げて来た者は坊官、門徒、町民、老人女性子供にいたるまで撫で切り、または人買い商人に売り払うという酷いものだ。

    信長側からの視点で言えば、重要な港や商いの拠点としての大坂を何としても手に入れたい、そのために本願寺一派を追い払いたいというのは分かる。ただここまでしなければならないのか、という疑問は尽きない。
    一方で本願寺側も一枚岩ではない。法主・顕如を支える御堂衆は権力争いをしていて信長と徹底抗戦するか和睦するかで意見が分かれる。
    そしてこの御堂衆の中には門徒を単なる駒扱い、喜捨という名の富を吸い上げる財布程度にしか考えていない者がいる。
    仮にも仏法を戴く聖職者がこれでは門徒たちも付いていかないのでは…と思うが、仏敵信長を倒す闘いに命を投げ出せば極楽浄土に行ける、闘わねば地獄に落ちると説かれれば戦に突入するしかない。なんと汚ないやり口だろう。
    という、どっちもどっちの闘い。

    肝心のヒロイン千世だが、彼女は幼い頃に織田軍に村を焼き払われ、武士だった父親と弟妹も殺されるという酷い過去を持つ。その直後に本願寺派の護法衆・如雲に拾われ忍びとして鍛え上げられ、本願寺と信長との闘いが始まるや様々な諜報活動や工作、暗殺まで行っている。
    その中で長島、叡山、越前など様々な戦争を目にして行く。
    千世は本願寺の門徒同様、如雲から本願寺の法灯を守るために仏敵信長軍の人間を殺せば殺すほど極楽浄土に行け、そこで亡き父親や弟妹に会えると教えられそれを信じている。
    しかし長島で出会った大島新左衛門、忍び仲間の重蔵の影響で次第に揺れ動いていく。

    形振り構わぬ本願寺内部の権力争いと信長との闘いのための様々な工作、門徒たちを人と思わぬ残酷な闘い方。
    そして次第に内部崩壊していく本願寺派と見切りをつけ反発、あるいは離反や脱走していく門徒たち。
    何とか全面戦争を避けようと画策する新左衛門たち。
    信長と闘うために沢山の血が流れ、戦を避けるためにもまた沢山の違って流れる。この虚しい闘いを幾度人間は繰り返すのか。

    『大坂にいる門徒たちが、無辜の民だとでも? 坊主どもの口車に乗せられたとはいえ、あの連中は自分の意思で、織田家と戦うことを選んだ。殺す以上、殺されることもある。この乱世じゃ、当たり前の話よ』

    千世と敵対する忍びの言葉だが、これは戦国の世に限ったことではない話のように聞こえる。一時の熱狂にあてられて物事の本質を見誤ったり、俯瞰で見ることを放棄したりしていないか。
    後になって騙されたのだ、みんなそうしていたじゃないかという言い訳が通るのか。

    物語は殺し殺されの場面が続くので辛い。千世もあまりに人を殺し過ぎている。致し方ないこととは言え、こんなヒロインが良い結末を迎えられるのかと心配になる。
    しかし一方で新左衛門の『虚しさに呑み込まれるな』という強い言葉に励まされもする。

    それにしても、信長のこんなやり方では光秀でなくてもいずれ誰かに殺されていただろうな、と思ってしまう。
    武田信玄が死に、上杉謙信も死に、様々な運にも恵まれ天下を着々と手にしていった信長だが、そこで運が尽きた。

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    2020年09月25日
  • 決戦!三國志

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    決戦シリーズって、それぞれの短編が関係しているのが面白いのに、これは全く関係なし。最初の2本は短編として面白かった。

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    2025年04月13日
  • 決戦!新選組

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    ネタバレ

    戦国時代の小説は好きだが、幕末はそれ程は興味が無かった。
    正直、思想が色々とあってどれが正しいのかが分からない。
    時代が大きく変わるのであるから仕方ないとは思うが、この時代に死ななくてもいい若者を多く失ったのが何とも惜しい。

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    2020年07月02日
  • 蝮の孫

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    斎藤龍興の一代記
    竹中半兵衛との関係性を軸に物語は展開。
    龍興のイメージは通説と全然違う。
    おもしろかった。

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    2020年05月03日
  • 決戦!本能寺

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    本能寺を主題に沿えた、7作家によるアンソロジー。
    実行者は明智光秀であるが、その動機あるいは黒幕については、いまだに諸説紛々。
    本作では、葉室麟著『鷹、翔ける』は、明智光秀の家臣斎藤内蔵助こそ、変を起こした随一の者としている。
    木下昌輝著『幽斎の悪采』では、細川藤孝の謀を示唆する。
    天野純希著『宗室の器』は、宗室の独白で信長への思惑が語られる。
    裁判などで分かるように、事実の裏にある真実や当事者の心理などを正確に明らかにすることは、現代の事件においてさえ困難を極める。まして、過去の歴史上の事件など。
    だからこそ、あれやこれやと、作家の想像力を刺激するのだろう。読者にとっても、歴史小説を読む楽しみとなる。

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    2020年02月18日
  • 決戦!関ヶ原2

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    とても好きなシリーズだ。
    でも回を重ねていくうちにクオリティーが下がっている気がする。それでも秀作に会えると次回も是非読みたいと思ってしまう。
    「名だけを残して」、「蜻蛉切」は秀作。

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    2019年10月08日
  • 戊辰繚乱

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    もう少し纏められたような気もするが、最近せごどんの影響で新撰組や会津目線の物語からかけ離れてたから、歴史の裏面を見るのは大切だと思わせてくれた作品。

    でも、最後の方駆け足で読んじゃった

    2019.8.20
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    2019年08月20日
  • 決戦!関ヶ原

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    同時刻で起こったことが、様々な作家からの視点で、書かれている。もっと立体的になるかと期待して読んだ。新しい説での展開は良いが、ちょっとしっくりこない印象であった。

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    2019年04月06日
  • 幕末疾風伝

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    前半と後半で作品の空気感がガラっと変わります。
    正直、軽いノリのまま終わったら個人的にはちょっとキツいな、と思っていたので、重過ぎるくらいの展開になってくれてバランスが取れた感じです。
    あと、幕末維新の大物が場面場面で出てくるので、それも楽しかったです。

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    2018年11月22日
  • 決戦!本能寺

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    ついつい読んでしまうシリーズだ。
    最初の感動程はないがやはり面白い。

    一つの戦いに関わる人物達を別々の作家が書いている為に、事柄や登場する人物の捉え方がこの1冊の本の中でも全く異なってくる。
    本当はどうだったのだろうかが分からなくなるシリーズだ(笑)。

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    2018年06月09日
  • 決戦!大坂城

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    このシリーズは間違いがないと思う。
    例えばこの「決戦! 大阪城」で言えば、秀頼、淀殿、真田信繁は知っていてもその他については全くと言っていいほど知らなかった。何万人もの人々がこの戦いに絡んでおり、その何万人ものストーリーがあるのだとも思った。
    一般的の史実を分かっているとフィクションの部分も楽しめて面白みも感じる。

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    2018年05月15日
  • 決戦!大坂城

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    寄せ集めてもストーリーにはなりえないのだが、それでも各作家の特徴は良く出ていると思う。
    司馬遼太郎、池波正太郎、松本清張はとても詠みやすいし、安部龍太郎、火坂雅志は短いながらも濃厚。

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    2018年02月11日
  • 決戦!大坂城

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    うーん、無知な私には人間関係がわかりにくく難しかった。
    こんなにもいろんな解釈が成り立つのかと驚き。
    けれども、つくづく家康嫌いと思ってしまった。

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    2017年12月20日
  • 覇道の槍

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    実は気の進まない室町末期というか、戦国時代直前あたりの名前の似た足利将軍や、豪族レベルの武将達がわさわさ出てきて、ゴチャゴチャ勝ったり負けたり騙したり騙されたりするパターンのやつ。わかっちゃいたけど、作者に期待して読んでみた。つまらなくはないし、前半、中盤までそれなりに興味を持って読めたけど、やっぱり最後は息切れしてしまった。作者は悪くない。室町がいけない。

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    2017年06月30日
  • 覇道の槍

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    ネタバレ

    期待してたけど、ちょっと合わんかった。
    時代が合わんのかな。
    でも後半からラストにかけては、面白くなってきた。

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    2017年06月15日
  • 決戦!三國志

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    それぞれの作品は面白かった。

    でも、こうなると決戦シリーズとしてはどうなんだろう。
    一つの戦いを、そこに関わっているそれぞれの視点で描くという点が面白かったのに。

    三国志なら、それも十分に可能。三国志で何作かシリーズしてくれたら良かったのに。
    それこそを読みたかったなあ。
    これでは単に、三国志の普通のアンソロジーでしかない。

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    2016年06月19日
  • 決戦!三國志

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    決戦シリーズでの日本の合戦ネタが尽きたか、先の本能寺に続き、国を変えた三国志ネタとなっているが、やはり中国では合戦の背景となった武士の葛藤という根幹の部分での感情移入ができず、イマイチか。戦国ものからさかのぼった応仁の乱とか源平ものとかに戻っていただければなとは思うが、武士階級が確立していない時代では、それはまた違うものになってしまうかな。

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    2016年03月19日
  • 決戦!三國志

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    ネタバレ

    中国を舞台にしたことといい、広大なテーマといい、シリーズ番外編の趣き。5篇の短編集。昔吉川版三国志を一度読んだきりなのでついていけるかどうか不安だったけれど、まずまず楽しめた。でもやはり有名どころの周瑜を主人公にした「天を分かつ川」(天野純希)が一番楽しめた。彼が長生きしてたらどうなっていたかな。

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    2016年02月13日