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Posted by ブクログ
斎藤龍興が主人公。歴史好きならえぇ、あの暗愚な龍興?と疑問を持つこと必至。龍興と言えば信長正室として有名な帰蝶の父斎藤道三の孫(だから蝮の孫)、そして信長に負けなかった勇将斎藤義龍の子として有名だが、その有名さはかなり情けない武将としてである。家臣の竹中半兵衛には居城である稲葉山城を乗っ取られたこともあり、信長との戦いでは配下の3重臣に裏切られて敗走。今放映中の大河ドラマ「豊臣兄弟!」でもかなり駄目な君主として描かれていた。しかし史実の龍興はどうやらそこまで駄目な武将では無いらしい。逃亡後越前の朝倉氏に匿われた後、美濃再興を夢見て、信長との戦いに身を投じ、26歳でついには戦死するという、なかなかダイナミックな一生を送っている。さらには、どうやらその刀根坂の戦いを生き延びて、久右衛門という名で現在の富山県に村を作り、86歳まで存命したとの伝承があるらしい。この小説はそこに題材を取っているのです。龍興様、途中からはえらくかっこいい。実際どうだったかはともかく読後感とても爽やかな小説に仕上がっており、読んでよかったです。
骨肉の争いに塗れた斎藤家の末路
祖父が下克上で簒奪した国主の座を世襲した斎藤龍興。人間の獣性に満ちた時代に翻弄された彼が最後は一個の人間として生きていこうとするストーリーには救われる。
本書は織田信長への敵視を基軸にストーリーが展開していくが、斎藤家から正室として嫁いだ帰蝶の視点で信長の人生を是非描いてみてほしい。斎藤道三から明智光秀、豊臣秀吉、徳川家康など豪華絢爛なメンバーで、記録のほとんど残されていない帰蝶が縦横に生きる様を常日頃想像している。
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