【感想・ネタバレ】雑賀のいくさ姫のレビュー

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Posted by ブクログ

ネタバレ

 ジョアンはマルコ・ポーロの『東方見聞録』を読み、かつて十字軍に参加した先祖のようになりたいと願い、下働きなどで金を稼ぎ、イスパニアのフィリピン総督府で会計官の募集に飛びついた。四か月の航海に耐えてたどり着いたものの、目指すハポン(日本)は遠い。

 だが、そんなある日、彼はようやく憧れのジパングへ行くことになるのだが……。

 乗った船は仲間割れの最中に嵐にあい、ジョアンのみが生き残った。
 食べるものも飲むものもなくなり、考えることを放棄したジョアンはそのまま眠りについたであるが、目覚めたときには穴倉の中に閉じ込められていた(^▽^;)

 そして、彼は一人の若い女性に出会う。鶴と呼ばれる紀伊雑賀のいくさ姫と呼ばれる雑賀孫一の娘であった。

 ジョアンの乗ってきた南蛮船を修理しながら目を輝かせる鶴。彼女にあこがれのセニュリータの姿を求めるジョアンは、彼女が軍船に興味を持つことを諫め、止めるために家宝のレイピアで鶴に勝負を挑むのだが、ぼろ負けしてしてしまう。

 そんなことからジョアンは鶴の下僕となるのだが、このポン〇ツ下僕と女傑姫の行先は。

 本当に楽しい一冊でした。

 女性陣のかっこいいこと。いくさ姫こと鶴も、島津の巴姫も、鶴の仲間でる銃の名手の蛍もしとやかな女性に見えて肉食系女性の智もみんな大好きです。

 とくに鶴の敵方になる月麗もいいなぁ。

 そんな女性たちもそうですが、彼女たちと共に戦う男性陣もユニークな人物ばかり。その中のピカ一なのはジョアンなのでしょうが、鶴の父・孫一や奴隷として日本へ連れてこられたアントニオ。鶴の目付け役・喜兵衛。

 そして、九州を奪い取ろうとする海賊・林凰との海戦も読みごたえがありました。

 楽しかったです。そして、こういう本を読むと元気がでるなぁと思うのです。

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2022年01月16日

Posted by ブクログ

さまざまな人物の視点で話が展開されており、それぞれの登場人物がどのような想いを持ちながらその場にいたのかが想像でき、とても読み応えがあった。
また、どの登場人物も個性が際立っており、とても愛着を持てた。

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2022年09月10日

Posted by ブクログ

これこれ。天野さんのこういうの待ってた。武将が主人公よりも、やっぱり市井の民の希望や心意気が感じられるこういう物語がいい。
キャラクター造形も好きだし、物語の締めくくりも素敵だった。
漫画チックな王道だっていいじゃない。

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2022年06月01日

Posted by ブクログ

NHK「ブラタモリ」の対馬で蒙古襲来時に
三万の軍勢と船体のCGを見て、
コレだったのね!とぞーとしました。



林鳳が頭の中で「ラオウ」に変換されて困りました。---ケンシロウは居ないのに---



孫一が
「鶴。お前に一つ、教えておく。人は
海の上だけでは生きてはいけん。帰る港、拠って立つ大地があってこそ、人は人でいられる」
--------

「なににも縛られることなく、思うままに生きろ。だがこれだけは忘れるな。お前は俺の娘で、お前の帰る港は雑賀だ。」


もう!孫一に惚れてまうじゃない‼️




それに兵庫もいいけど、左近!
左近~!がんばれー!と応援したいなぁ~。
ジョアンはしおれた茄子よ。(笑)



久々の海戦もので、面白かったです。



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2022年10月23日

Posted by ブクログ

紀州雑賀水軍の「いくさ姫」と呼ばれる鶴は、操船と射撃の名手で男まさりの19歳の少女。イスパニアのイダルゴ(栄誉ある戦士の末裔)の家系に生まれ、ジパングにやってきたものの、難破し囚われの身になっていたジョアンを救い、家来にする。
鶴は、ジョアンの乗ってきたカラベルという型のイスパニア船を修復した「戦姫丸」で異国に向け商いの航海に出るが、瀬戸内海で、村上水軍に捕まる。さらには、毛利、大友、島津と戦国の西国大名オールスター水軍と、日本を狙う明国の強大な海賊・林鳳との海戦に巻き込まれていく。
終盤の奄美大島周辺での壮絶な海戦シーンはボリュームをたっぷり取り息もつかせぬシーンの連続。ただ、日本水軍と林鳳率いる水軍、時折立場を変え、それぞれの視点から描かれているため、「敵」、「味方」が入れ替わり、少し分かりづらかった。
主人公・鶴はとにかくワンマンだが、複雑な生い立ちも持っている。また、島津の姫・巴、林鳳の手下だが怪しげな月麗と、強い個性と魅力を持った女性を登場させ、物語に彩りも持たせている。
全体的にテンポと歯切れの良い文章で書かれ、夢を抱きながらも臆病なところがあるジョアンや鶴を追いかける許嫁の左近に滑稽さがあり、読みやすく、楽しませる海洋冒険小説になっている。

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2022年06月25日

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