あらすじ
元禄の世の風俗や世情を記した日記『鸚鵡籠中記』で知られる尾張の御畳奉行・朝日文左衛門の素顔は、密かに私事を書き留めた「秘本」の中にあった――。酒好きで、女好きで、噂話好き。武士としての志を立てるも、怠け者ゆえに、時に欲に溺れ、時に修羅場も経験するダメ男。あまりに不器用だけれども、どこか愛さずにはいられない男の一代記。
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Posted by ブクログ
これは楽しい(^^)
鸚鵡籠中記という日記は読んだことはありません。
本当に、こんな内容なんでしょうか!? すごく興味が湧きました。
普通の武士の暮らしというか、主人公の若い頃から晩年まで辿ることができて面白かったです。
若気の至り、酒の上の失敗などなど、声出して笑わせてもらいました。
Posted by ブクログ
軽いテンポでなかなか楽しかった。江戸時代の市井を描いているが、特に大きな事件も起きず少し不幸な日常が繰り広げられる。江戸時代の武士は本当に生産性のない暇な職業だったのだなと感じた。
そして実に清々しく綺麗な終わり方。日記中ではぼやき節だった文左衛門だが、最後は多くの友や家族に看取られ、笑顔の最期を迎えられるのは彼の広い人脈の成せる技。流行りに乗って始めた鉄砲に皆がやめた後も一人通い続けたり、全く理解できない文会にで続けたりと、だらしなくとも決して人を裏切らないところが愛される理由かなと感じた。
だらしない一人称、日記という共通点では森見登美彦の『恋文の技術』を思い出した。