梨木香歩のレビュー一覧

  • 冬虫夏草(新潮文庫)

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    綿貫、旅に出る。ゴローを探すために鈴鹿の山中へ足を運ぶ。そこはそれ、うかつな綿貫故の不思議な出会いの数々。人なのか、人ならざるものなのか。夢か現か。そして、やっぱりうかつな綿貫が騒動の原因の一因である。ゴローが鈴鹿の山中を走り回っているのは、綿貫のせいなのか、ゴローの生まれ持った責任感か。神出鬼没の高堂のぶっきらぼうな一言が、厳しくも優しくも聞こえる。旅をすることは自分と向き合うことでもあり、知見を広めることであり、己の無知を自覚することでもある。どこへ行こうとも綿貫は綿貫なのがよい。

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    2025年08月24日
  • 不思議な羅針盤(新潮文庫)

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    梨木さんのエッセイ。身の回りの自然の事や、人との事、梨木さんの人柄がよくわかる暖かいエッセイ。
    「西の魔女が死んだ」の頃の、作品のヒントになるような話が良かった。大きな自然中に身をゆだねているような心地よさがある。
    個人的に「アクのこと」が気に入っている。「アク」があるから味わいが深くなるし、人の心にも「アク」がある。完璧じゃつまらないってこと。

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    2025年08月15日
  • やがて満ちてくる光の(新潮文庫)

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    とにかくタイトルと表紙が好み
    南米旅行とイギリス旅行に持って行って読んだけど、やっぱりエッセイと旅は相性が良い
    知識がある、ということは、ある景色の解像度を高めることに繋がるんだなと改めて思った

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    2025年08月13日
  • 西の魔女が死んだ 梨木香歩作品集

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    情景を脳内に描かせる表現が巧みな本だった。
    小学校高学年の多感な時期の少女が不登校になり祖母の田舎で暫く暮らす。
    おばあちゃんが孫に伝える言葉。
    「いちばん大切なのは意思の力。自分で決める力、決めたことをやり遂げる力。その力が強くなれば悪魔も簡単にはとりつきませんよ」
    「上等の魔女は外からの刺激には決して動揺しません」「ただこうべを高くあげて」

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    2025年08月07日
  • 渡りの足跡(新潮文庫)

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    梨木さんのエッセイ。
    今回は「渡り鳥」に関するエッセイで、鳥を見る為に北の大地に赴き、早朝からガイドさんと一緒に観察する。鳥だけでなく、そこの草木などにも関心を寄せ、人との繋がりを大事にする梨木さんの人柄が本当によく伝わってくる。
    鳥に関する説明も、梨木さんの言葉で表現されているので愛着が湧いてくる。鳥の写真も一緒に載ってたらなおよかったな~

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    2025年07月29日
  • ぐるりのこと(新潮文庫)

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    梨木さんの「沼地のある森を抜けて」の原点になるような事が描かれていたり、世界の悲しい出来事に対して、自分は何が出来るのかなど、生きる事にもがく様子がつづられている。世界を旅してそこで目にした景色、出会った人たちから刺激を貰うように、私もこの本から刺激を貰った。

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    2025年07月25日
  • ぐるりのこと(新潮文庫)

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    ネタバレ

    数冊著作を読んだことがある程度だが、ああいう話を描く人はこういうことを考えているのかと面白かった。知識が豊かで思考があちこちに飛ぶのでついていくのがしんどいが、手元において気が向いた時にぱらぱらめくるのがいいのかもしれない。

    長崎の幼児殺害事件に関しては、リアルタイムに感じたことを書いた著者と2025年にこれを読む自分とでかなり感覚に差があるなと思った。

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    2025年06月27日
  • 春になったら莓を摘みに(新潮文庫)

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    梨木さんのエッセイ初読。英国に下宿していた時の女主人ウェスト夫人と、様々な人種の人たちとの交流や文化、考え方の違いなどに驚かされたり共感したり。日本に帰って来てもその時の経験が生きたり、梨木さんの人生の深みを垣間見ることが出来て面白かった。

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    2025年06月21日
  • 沼地のある森を抜けて(新潮文庫)

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    最初に想像してたストーリーとは全然違った結末というか途中から予想してなかった話になってきて、
    途中からどういうことや?となりながらでも読む手は止まらず。だいぶ専門的な感じがエッセイしか読んだことなかったけどそこで感じた梨木さんらしくてこんなに小説に特徴が表れるんだなぁと。
    結局どうなったの?と言われれば全然わからないけど、すごく興味惹かれる内容ではあった。

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    2025年06月21日
  • 沼地のある森を抜けて(新潮文庫)

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    途中までは軽快に次はどうなるかと想像しながら読み進めましたが がらりと変わってからはむずかしかった。
    ちょっとついて行けなくなりましたが 命の始まりのことが最初からずっと繋がってたのかと思いあまりにも壮大すぎて きっとどんどんはまっていくと面白いのだと思いましたがやっぱり私にはむずかしいテーマでした。
    島に着いてからはテンポ良く読みましたがなんとなく胸にひっかかりが残ってしまった
    最後の詩はよかった。


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    2025年06月12日
  • 西の魔女が死んだ(新潮文庫)

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    24年前の本だったのが驚いた。もっと最近の本だと思ってた。
    主人公と同じ中学一年の時に読んでおきたかったな。
    思春期の難しさに悩んでいる人に、
    その時から時間が経って大人と呼ばれる歳になったけれどはっきりとした答えが出せていない人に、
    まだ中学一年になっていない人に、ちょうど今中学一年の人に読んでほしい本。

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    2025年11月30日
  • 沼地のある森を抜けて(新潮文庫)

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    先祖から伝わる「ぬかどこ」をめぐって奇妙な出来事が起こる。その「ぬかどこ」から自分のルーツを探しに行くんだけど予想の付かない出来事の連続で夢をみているようだった。 ただ、主人公を大事にしてくれた叔母さんの愛情が心に響いた。「血」の繋がりはどんなことがあっても切っては切れないものなのだなあと、ふと自分の家族の事を思い出してしまった。

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    2025年06月09日
  • 冬虫夏草(新潮文庫)

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    ゴロー!!!!居なくなってしまうとは悲しすぎる!ゴローを探しつつ、イワナの夫婦が営む宿を目出して旅に出る主人公。出会う人々や景色など、家を飛び出しても不思議な世界観はそのまま。主人公の見えている世界は、まるで子供の頃見た無限に広がるキラキラした世界の様である。

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    2025年06月04日
  • 西の魔女が死んだ 梨木香歩作品集

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    魔女の価値観は今では古い部分もある。
    けれど揺らがない言葉もあった。
    きっと読む年齢によって受け取り方が違ってくるだろう。
    この本について考えると、青々とした木々が思い浮かぶ。大きく心を揺さぶられた訳ではないけど、確実に私の土壌を肥やしてくれた。

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    2025年06月02日
  • ある小さなスズメの記録 人を慰め、愛し、叱った、誇り高きクラレンスの生涯

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    すごい。
    2019年に「読みたい」で登録して、2025年に願いがかなった笑
    表紙のスズメに惹かれたのが一つ。
    梨木香歩さんの翻訳というのがもう一つ。
    鳥好きというのは前提。
    愛のお話でした。
    スズメと意思の疎通ができたと思ったことはないけど、きっと、こんな奇跡もあるのだなあと思った。

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    2025年06月01日
  • 冬虫夏草(新潮文庫)

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    なんか良かったなあ。言葉にしづらい良さ。
    軽快で、安心して楽しめる。
    ものすごくイメージしやすい文章の中に、時折不思議な生き物(?)たちがさも当たり前のように登場して少し混乱する、そんなのも全部楽しかった。
    どうやら前作があるようで、それも読んでみたいな。

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    2025年05月24日
  • エンジェル エンジェル エンジェル(新潮文庫)

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    とても短い本なのに、質がいいってこういう本のことなのかな。二つの物語のスイッチ、入れ替わる時の滑らかさが、とても素敵。若さゆえの傲慢さとか、やるせなさとか、切なさとか、後悔とか…

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    2025年05月18日
  • 春になったら莓を摘みに(新潮文庫)

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    ネタバレ

    メルヘンなタイトルだけど、イギリスでの一筋縄ではいかない生活を綴った、芯の通ったエッセイ。ウェスト夫人の人柄が素晴らしい。

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    2025年05月14日
  • 家守綺譚(新潮文庫)

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    行方不明になった友人の家を管理する事になった作家。その庭では不思議な事が日常のように繰り広げられる。まるで夢を見ているような、でもそれが当たり前の世界なのか、そんな細かい事は気にせずゆったりと季節を廻りながら過ごす生活がとても贅沢に感じる。
    ゴローは賢いね、沢山ヨシヨシワシワシしてあげたいね

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    2025年05月09日
  • 春になったら莓を摘みに(新潮文庫)

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    む、難しかった。登場人物が多い、ローマ字表記、そして知らない言葉が多くて読み終えるまでに時間を要した…

    とは言っても、外国の文化や、梨木さんの想いがよく伝わる文章で良書。もう少し言葉を知って読み返そうと思う。

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    2025年05月06日