梨木香歩のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ梨木さんのエッセイはある時から、見つけると必ず手に取っている。
日常に繋がるエピソードでありながら、彼女の視点が、ことばが、非日常に導いてくれる、あるいは別の価値観、選択肢を見せてくれて、日常の行き詰まりを緩和してくれるので、だいたいいつもすがるように読んでいる(笑)
しかし、今回は書かれた時期や媒体のためか、全体に「焦燥感」のようなものを感じた。
それでも、いくつかのことばに、胸がすっとしたり、「これでよいのだ」と救われた。
また、引用された本のほとんどが私の「読みたい本リスト」に追加された。
自分のペースでやりたいことをやりたいときにやりたいだけやって、なんとか死ぬまで生き延びよう!との決 -
Posted by ブクログ
家守奇譚などを読んでいて和風のイメージがあったため、梨木さんが海外で暮らしていたことを知らず驚いた。
クリスマスの話が好きです。
ゲストをたくさん呼んだり、各々料理を準備したり、ネームプレートを用意したり、みんなでツリーの下にプレゼントを積んだり…
そんな文化祭みたいなイベントが日常に組み込まれていることが羨ましい。
それと、最後の章の、マイ箸を機内食で使用した後に客室乗務員の方が「お洗いしましょう」というところ。ホスピタリティがすごい。
「自分が彼らを分からないということは分かっていた。好きではなかったが、その存在を受け容れていた。
理解はできないが受け容れる。ということを、観念上だけの -
Posted by ブクログ
ネタバレ梨木さんの本は何冊か読んできたけど、中でも少しハードな題材の物語だったという印象。
自己、生殖、性、生命、循環…。
幻想的ではありながらも、SF的な要素もあって新鮮な読み心地だった。
風野さんの「性別への嫌悪感」みたいなものがすごくリアルで共感した。私自身も「男の子になりたい」というより「女の子をやめたい」と思ったことが何度もあったし、「みーんな細菌になって無性別になればいいのに」って思っていたこともあったので、風野さんの考えを馬鹿らしいとは思えなかった。
特に印象的だったのは、最後の沼地での富士さんのセリフ。
『沼地は、もう、前のような方法では生殖を行わないから、彼らはこの種の、最後の人 -
Posted by ブクログ
"西の魔女が死んだ"を中学生の時に読んで好きだったので、同著の本を見つけて読んでみた。
あれよりも格段にファンタジー色が強くて、海外児童書のファンタジーが好きな人は好きだと思う。
雰囲気としてはミヒャエルエンデのモモとかに近いかなと思った。
分かるような分からないような、ポエティックな感じ。
雰囲気は好きだったんだけど、メタファーや意味するところが分からない箇所が多くて、そこは少し難しく感じてしまった…
もうちょっと集中して読むべきだったのか、感受性が鈍っているのか…
物語が進むにつれてテルミィや周りのキャラクターたちが自分の傷や醜い感情なんかと向き合い、わかり合ってい