梨木香歩のレビュー一覧

  • りかさん(新潮文庫)

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    「りかさん」
    誕生日におばあちゃんがくれたのが、欲しかったりかちゃん人形ではなく、市松人形の「りかさん」だったことから始まる。雛人形、賀茂人形、這子、紙雛、ビスクドール、色々な人形の思いや持ち主の思いををりかさんから教えられる。戦争中の日米親善大使としての人形の悲劇を改めて思い知ることもできた。

    「ミケルの庭」
    赤ん坊の命を預かるということは、覚悟をもってやらなければと思った。ミケルの眼にまた景色が広がったときは心からよかったと思った。

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    2022年03月07日
  • からくりからくさ(新潮文庫)

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    ネタバレ

    りかさん、の主人公のようこが大人になった蓉子としての新たな物語。

    祖母が亡くなって、かつて祖母が住んでいた家を下宿にすることになり集まった若い女性たち。

    孫の蓉子は染色、アメリカ人のマーガレットは鍼灸師を目指し、紀久は機を織り、与希子は機と図案の研究。
    4人とも手仕事を共通にしながらの共同生活。

    蓉子の大切な市松人形のりかさんは
    祖母の喪にふしたまま、ひっそりとしたままだった。

    4人で協力しながらの生活
    紀久の故郷で墓の中から見つかったりかさんそっくりの人形。
    それを辿っていく中でわかる与希子の家系と遠い親戚だったという事実。
    紀久が必死に書いた機織りの原稿を大学教授に横取りされそうに

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    2022年03月06日
  • ある小さなスズメの記録 人を慰め、愛し、叱った、誇り高きクラレンスの生涯

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    よく鳥を飼ったことがない人に、鳥は表情が無くて面白くない。と言われるけど、嬉しい時には喉の奥で甘えたように小さく鳴くし、羽はふわふわに広がりほんのり足が温かくなる。怒ったり驚いたときには体が流線形に引き締まり目がキリッと丸くなる。犬が友達なら鳥は恋人と言われるくらいパートナーとして甘えてくれるし、意思疎通もできる賢い生き物だと思います。いつ空襲に遭うかもしれない戦時下において、動物は今も昔も変わらず愛情に応えてくれる愛おしい存在。あらゆる生き物、幸せになってクラレンス。

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    2022年02月06日
  • りかさん(新潮文庫)

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    子どもの頃に初めて読んだ時も優しいお話だなと感じたが、今読んでもじんわりと暖かくなる感覚があって、時々読みたくなる。

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    2022年01月14日
  • 炉辺の風おと

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    旭川で買った『炉辺の風おと』(梨木香歩著:毎日新聞出版)をじっくり読む。読む量が一日10頁に満たなかったのは家事の隙間で開くからだが、「器用でもなく、意識をある深さに集中させる職人的な姿勢」(本書あとがき)で作られた文書を味わいたいからだ。『西の魔女が死んだ』の作者が、「人生の終焉近くなって、結局何がしたかったのかと問われれば『山の深みに届いた生活』と、心の中であこがれを込め、呟くだろう」と、八ヶ岳で山小屋暮らしを始めたことを「そうなんだ」と思って読んだ。



    立ち止まるのは『言葉』について言及しているところだ。言葉への強い信頼と軽んじる者への痛烈な批判は、根本的な人間らしさを吟味する切れ

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    2021年12月31日
  • 僕は、そして僕たちはどう生きるか

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    2007年から2009年にかけて掲載された本書は震災やコロナ禍を経てもその問題意識が古びることがない普遍性を持っている。
    思考停止しないことの大切さ、
    集団で生きるしかない人間どおしの思いやり、
    まごころ、素直さの大事さを改めて考えた。
    ユージンの家のマップを写真付きで作りたくなった。
    植物の描写が豊富で興味が湧いた。

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    2021年12月23日
  • 海うそ

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    ネタバレ

    一行目から 島の温度とかにおいとかが感じられる
    標高によって植物や虫や鳥 動物の種類が変わって
    それぞれの生活があるんだなぁ~って…感じられるなんて素敵すぎます!
    しかし、五十年たって変わってしまった島…
    変わらされてしまった島…
    泣きそうでした でも、生きていくって変わっていくことなのかもしれないとおもいました。

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    2023年08月30日
  • 僕は、そして僕たちはどう生きるか

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    ネタバレ

    中学生のコペル、叔父と一緒に野草をとりに、ユージンの家を訪れる。

    かつて子供の頃、何度も訪れたユージンの家。
    広大な庭に広がる草木とのふれあい、不登校になったユージンに、そのわけを聞ける勇気もなく核心には触れずに接する二人。

    ユージンの従姉妹のショウコも加わって、食べられる野草を探し、料理して食べる。
    ショウコが話してくれたのは、この庭に人生に休憩を必要として一人でキャンプしている傷ついたインジャの存在。

    迫害されたユダヤ人たちの過去と、自分が当事者だったとき集団の正義に目をくらましていたかもしれないという不安。

    ユージンが不登校になるきっかけになった出来事。
    教師がかざした教育の間違

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    2021年11月28日
  • りかさん(新潮文庫)

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    人形にも草木にも想いがあって、それぞれの物語があるっていう梨木さんの考えが優しくってとっても好きだ。何度も読み返すと、そのぶん物語の深みを感じられるところも好きなところ。なんだかうまく言えないけれど、小さい頃のわたしがこの物語を好きでいてくれて良かったなあと改めて。

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    2021年11月27日
  • 沼地のある森を抜けて(新潮文庫)

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    壮大なスケールの話を、淡々と書いた小説。
    表紙の螺旋状の何かの様に、現実から、想像へ、一歩ずつ、気づかないうちに踏み込んで行って、今がどちら側なのか、わからなくなっていくような。(境目なんてないのかもしれないけど)
    生と死と、それはごく普通で、当たり前のこと。

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    2021年11月23日
  • 不思議な羅針盤(新潮文庫)

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    ネタバレ

    いるかさんの本棚で見つけました

    梨木果歩さん
    濁りのないその目差しにとても憧れる
    だけど遠いなあ
    だけどとても近く感じる

    ふとした動植物、土や風景、人、食べ物にに注がれる見識と愛情が素敵だ
    やっぱ遠いなあ

    澄み切った秋空のようなエッセイ集でした

    ≪ 生きていく その羅針盤 すぐそこに ≫

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    2021年11月11日
  • りかさん(新潮文庫)

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    最初の読み初めはなんだ?という感触だったが、途中から世界観に一気に引き込まれた。
    我が家の雛人形もこんな感じ?と少し見る目が変わった

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    2021年09月19日
  • 不思議な羅針盤(新潮文庫)

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    この本は2010年刊行。人との繋がり、時を満たすことの大切さ・・・コロナ禍にこの本を読む事は、何とも胸が苦しくなるが力づけられる読書ともなった。人と触れ合える時を取り戻してから必ず再読したい。

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    2021年08月14日
  • f 植物園の巣穴

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    夢の中の迷路に迷い込んだような荒唐無稽な不思議なお話。
    途中から主人公のように理屈で物を考えるのを放棄し、この世界観にどっぷり嵌まると、なんと心地よいことか。
    物語は過去へ過去へと遡り、当時味わいきらなかったため膿のように溜まっていた感情を思い出し、知らぬ間に書き換えられていた真実があきらかになっていくにつれ、本来の自分を取り戻す。
    それは癒しの旅となる。

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    2021年08月13日
  • 僕は、そして僕たちはどう生きるか

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    人が悩んだり傷ついたりって、ほんとに本人しか感じない些細なことなんだろう。ユージンに取ったら些細なことではなかったけど、僕にとったら、え!あのことで!?ってなってた訳だから、人を傷つけたり泣かせたりしないで生きるって難しい。知らない虫の名前とか草木の名前が出てきて面白かった。

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    2021年06月26日
  • りかさん(新潮文庫)

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    主人公で小学生のようこが2週間前に友達の家に遊びに行った時、偶然その時に来たみんながリカちゃん人形を持って来ていました。どうしてもリカちゃん人形が欲しくなり、おばあちゃんがプレゼントしてくれることになったのですが、届いたのは市松人形でした。名前はりかさん。もらった時はとても悲しかったのですが、そのお人形が喋り出し、ようことりかさんの人形をめぐる不思議な生活が始まります。りかさんを通じて色々な人形の物語や歴史に触れ、そして素敵なおばあちゃんとのことばで、ようこは優しく育っていきます。この素敵な人形物語に心が魅了されました。
    ようこが大人の蓉子になった時のお話「ミケルの庭」も併録されています。

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    2021年05月27日
  • 不思議な羅針盤(新潮文庫)

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    梨木香歩(1959年~)氏は、鹿児島県出身、同志社大学卒の児童文学作家、小説家。児童文学関連はじめ、多数の文学賞を受賞している。
    本書は、月刊誌「ミセス」に「不思議な羅針盤」として2007~2009年に連載された28篇のエッセイをまとめて2010年に出版され、2019年に文庫化された。
    私は、ノンフィクションを好み、小説をあまり読まないため、これまで残念ながら著者の作品に目が留まることはなかったのだが、小川洋子のエッセイ集『とにかく、散歩いたしましょう』を読んだ際に、その中で著者の『渡りの足跡』から引用していた一節に惹かれ、本書を初めて手に取った。
    エッセイ集については(当然ノンフィクションな

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    2021年05月18日
  • 沼地のある森を抜けて(新潮文庫)

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    代々受け継がれてきた「ぬか床」が来たら、変なことが…、って、それが「ぬか床」という、おおよそ物語のテーマになることがないものだけに、かえって興味を引くんだけど、読んでいて、どーもイマイチ。

    というのも、「ぬか床」の話だからか、登場人物がなんだか妙にベチャベチャしていて。
    そのベチャベチャ人たちのベチャっとした人間関係に、たぶんうんざりしちゃったんだろう。
    と言っても、主人公はサバサバ、さらっとした性格なのだ。
    でもさ。なんだろ? 女性作家の小説って、なぜかこういう性格の女性が多くない?(^^ゞ
    それって、作家みたいに知性を価値観におく女性が思う理想の女性像みたいな気がしちゃって(そうなのかは

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    2021年05月05日
  • f 植物園の巣穴

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    てっきり植物ほのぼの日記のようなていかと思いきやミステリーというかホラーというか。夢うつつの夢遊感の中進む物語。やっぱり梨木香歩さんと植物の相性バツグン。

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    2021年04月21日
  • エンジェル エンジェル エンジェル(新潮文庫)

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    コウコが熱帯魚を飼った現在と
    おばあちゃんが少女だったころの過去の記憶が
    交互に描かれ、巧妙にリンクする
    短いけど深く重い作品。

    読み進めるたび強くなる不穏な香りに
    導かれるように一気読み。

    透明で上品で精巧で、ほの暗く切なく苦しい。

    特に少女のさわちゃんが
    自分は暗い世界に行ってしまったんだと、
    もう明るい世界には戻れないんだと
    絶望する描写は心を抉った。


    天使が、熱帯魚が、神様が、カフェインが、お茶の木が、聖書が、シュークリームが、木彫りが……
    些細な描写が重要な意味を持って、
    この作品の世界を形作っている。

    細部まで意思がこもっていて、
    一瞬たりとも気が抜けない。
    (しかもこ

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    2021年04月10日