梨木香歩のレビュー一覧

  • 不思議な羅針盤(新潮文庫)

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    植物にあまり詳しくない私は、度々名前を検索して画像を見ながら読むこともあったけれど、
    それでも楽しめるくらい、話の流れが良い。
    素敵なエッセイだった。

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    2017年11月02日
  • 丹生都比売 梨木香歩作品集

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    短編集でした。
    草壁皇子が主役の長編小説と思っていたので、ちょっとびっくり。

    しかも、少し川上弘美っぽい不思議系の話。
    それはそれで好きなのだけど、思っていたのとはちょっと違うので慣れるまで少し時間がかかりました。

    でも、「コート」「夏の朝」辺りから、しみじみといいなあと。
    慈しみという言葉が自然と思い起こされる。

    で、「丹生都比売」
    飛鳥時代、奈良時代は結構権力争いに負けて命を落とす皇子がたくさんいたけど、草壁皇子は圧倒的な後ろ盾をもって皇太子になったのに、天皇にならないで亡くなってしまった。
    病弱だった草壁皇子の少年時代を書いたお話。

    悲劇の皇子と言えば有間皇子や大津皇子が有名だけ

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    2015年09月18日
  • 丹生都比売 梨木香歩作品集

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    人と人の周りにあるものとが、柔らかく不思議にとけてゆく、神話のような短編集。
    目に見えないものの豊かさを感じることができ、おだやかな気持ちになります。
    特に表題作「丹生都比売」は秀逸。
    おごそかな装丁もいいです。

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    2016年01月01日
  • ぐるりのこと(新潮文庫)

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    矛盾を抱えて、生きていこう。考え続けて、生きていこう。

    梨木香歩が好きだ、と思った。この前読んだ『沼地のある〜』を構想していた頃のエッセイ。あの話に至るまでの思考の流れ、渦巻きを知って、より『沼地のある〜』が気になってきた。

    単純には割り切れない。違和感を感じる。だからといって、それを声高に叫ぶこともない。物語の力とは。「心を動かす」ことの危険性。「泣ける話」「全米が泣いた」という文句が嫌いなので、梨木香歩のとまどいが自分のことのように感じられた。梨木香歩の描く、「優しい冷たさ」は、私にとって心地よい。全員がわかってくれるなんて、怖い。でも、閉じこもらず、理解を得られるよう、働きかけること

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    2015年07月12日
  • 丹生都比売 梨木香歩作品集

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    長野まゆみさんのささみみささまめのような不思議な話の短編集。
    潮騒の月が好きだけど、最後のオチが月に呼ばれた後に飛び降りるみたいなのを想像してしまう。
    屋上だからかな。
    丹生都比売はああ、梨木さんだ。この流れは…と唸ってしまった。
    欲望のために弟、姉、果ては自分の息子まで殺した女。
    あの勾玉をみて獣のように泣いたのは後悔なのか罪悪感なのか。
    息子として愛してたはずなのに、自分の欲望には勝てなかったのか

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    2015年06月21日
  • 丹生都比売 梨木香歩作品集

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    絶版されて久しい丹生都比売をもう一度読みたくて手に取った。

    表題作、コート、夏の朝がとても良かった。

    梨木さんの静謐な文体が好きではあるものの、最近の心象世界に深く潜っていく系の作品があまりピンと来ずしばらく読んでいなかった。もう一度チャレンジしてみようか……

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    2015年06月14日
  • 丹生都比売 梨木香歩作品集

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    4.5。この本はいい本だ。何か私には響く。涼しく、薄ら淋しいが、悲しい寂しさじゃない。淡々とそのように在る。その感じが。あと、とても完成されてる、そういう印象をおぼえた。話もだが、文章、それで綴られる世界が。

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    2015年05月14日
  • 丹生都比売 梨木香歩作品集

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    鉄板の文体。
    美しい文字の流れを読むだけで
    心がすっと落ち着いていきます。

    淡さと畏怖、綻びと静けさ。
    そういう世界はなかなか現実でも
    小説でもないことです。

    贅沢です。

    夏の朝を読んだとき、
    あるワンシーンがはっきりと映像として
    私の体をすり抜けていきました。
    その光景に泣けた。。

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    2015年04月03日
  • 丹生都比売 梨木香歩作品集

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    うーん、これまで気付いた中で、一番素敵な紐のしおりの色だと。
    冷蔵庫の音に共感。とあるレオパレスに住み始めた当初、夜中に、海の音がする、っと驚いて音の出所を探してみたら、冷蔵庫だったのでした。本当に夜の海鳴りの音なのです。どういう作りの冷蔵庫だったのか、水冷?

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    2019年12月31日
  • りかさん

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    からくりからくさを読み終えてから少し間をおいて手に取った。

    読んでいる間ずっと、「西の魔女…」と同じ安心感に包まれている感じがした。この世界のことをよく知っていて、どんなことにも動じない、とても信頼できる大人がそばにいる…という感じ。

    自身の経験との共鳴かもしれない。

    私が社会人になり結婚して間もなく亡くなった祖母。田舎から息子(私の父)を訪ねてくる時は、いつも和服に羽織を重ねた正装だった。苦労に苦労を重ねた祖母は、再婚して改姓していたが、父のところへは定期的に顔を見に来た。

    祖母は何でも知っていて、どんなこともくしゃくしゃの笑顔でやり過ごしていた。

    祖母のそばにいるのが好きだった。

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    2014年09月14日
  • 渡りの足跡(新潮文庫)

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    これはノンフィクション。
    彼女が植物や鳥に造詣が深いことは知っていたけれど、渡り鳥を見るために何度も北海道を訪れていたとは知らなかった。
    サロマ湖や長都沼は知っているけれど、チミケップ湖なんて北海道に住んでいても聞いたこともなかった。

    とにかく彼女は自然が持つ力というものを絶対的に信じていて、人間が自然破壊をしたのも自然の意志かもしれないし、自然を回復しようとささやかながら努力することすらも自然の計算のうちかもしれない、と。
    ここまで来たら、もう、自分が信じる行動をとるしかないよね。

    太古の自然にもどすことは今さら不可能なのだから、無駄に自然を損なうことなどないように気を付けながら、文明の

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    2014年09月13日
  • ぐるりのこと(新潮文庫)

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    ネタバレ

    「ぐるりのこと」とは身の回りの事。九州、イギリス、トルコ等で出会った出来事を綴ったエッセイ。トルコ編は「からくりからくさ」で著者が見せたキリム等への造詣もうかがえます。著者の作品を読むたびに、自分も梨木さんのように、真摯に周りを見なければと反省させられます。

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    2014年06月01日
  • 渡りの足跡(新潮文庫)

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    渡り鳥というとどの鳥もみな同じで十把一絡げみたいな印象になりますが、この作品に相応しい表現になると渡りの鳥とでも言えばよいのでしょうか。
    渡りをする鳥たちや自然への作者の深い愛情や畏敬が感じられるしみじみした作品になっています。ですから、単なるバードウオッチングという点で成り立つものではなく、北海道を中心とした渡りの鳥たちの観察記録はネイチャーライテイングという多面的な要素を持つ作品であるというのもうなづけます。
    梨木さんは海外での暮らしの経験もおありなので、鳥たちの大陸横断の旅をみつめる眼は彼女自身の持つ大陸的な雰囲気も相まっているように感じました。ところどころに色々な種類の鳥を、彼女自身が

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    2014年05月11日
  • 渡りの足跡(新潮文庫)

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    梨木香歩の渡りの足跡を読みました。
    バードウォッチングをテーマとしたエッセイでした。(ネイチャーライティングというらしい)

    屈斜路湖、福島潟、ニセコ、諏訪湖、ウラジオストク、知床と言った場所で鳥たちの生態を記述しながら、「渡り」をテーマとした人々の物語が語られます。

    アメリカの日系二世で強制収容所に入れられてしまった人たちの物語が、渡り鳥たちの渡りと重ね合わせて語られていきます。
    サハリンの森の人「デスルー・ウザラー」の物語もおもしろく読みました。

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    2014年03月22日
  • 渡りの足跡(新潮文庫)

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    ネタバレ

    「西の魔女が死んだ」の短編「渡りの一日」では、ほんの片鱗も見えなかった「渡り」への想いが、諏訪湖、新潟、知床、ウラジオストク、カムチャツカと「渡り」を取材するほど熱心だったとは。「からくりからくさ」で見えた、織物・デザイン・工芸への造詣にも負けないほど、知識・情熱も並々ならぬものを感じます。私の出身地も水鳥の越冬地で、通学で渡りの鳥たちを朝夕見て過ごしたのに、何とも知識の乏しい事か。改めて「渡り」について少し勉強してみようかという気になりました。

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    2014年03月17日
  • 渡りの足跡(新潮文庫)

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    この鳥たちが話し掛けてくれたら、それはきっと人間に負けないくらいの冒険譚になるに違いない。
    梨木香歩の2作目のネイチャーライティング。2011年読売文学賞受賞。

    ネイチャーライティングというジャンルを読んだのも初めてでしたが、最初に手にしたのが梨木さんだったのがラッキーでした。
    筋金入りのアクティブなバードウオッチャーな梨木さんの姿にも驚かされつつ、渡りを行う鳥たちの生体の先に旅の最中に出会った案内役の人々の様子や
    移民、開拓者の人々の人生を見つめた内容はとても深く、また梨木さんの自然と他者への関心を強く感じた作品だった。

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    2014年03月10日
  • 渡りの足跡(新潮文庫)

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    エッセイ。
    鳥の話だけでなくノーノーボーイと呼ばれる第二次世界大戦にアメリカで収容所に入っていた日系の人のことや
    知床の開拓団の人々の話など

    梨木さんらしい目線のエッセイだった。

    書かれてる鳥の写真とかがあったらいいなって思う。

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    2013年08月12日
  • 渡りの足跡(新潮文庫)

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    まさか梨木香歩に対して「かわいいい」ともだえる日が来るなんて思わなかった。
    ...何を言ってるんだ私は。

    人間が生きることを、どこまでもまじめに、真摯に追求するのが梨木さんだ。うっかり通り過ぎてしまいそうな気持ちを拾い上げて形を与え、途方に暮れてしまう問いかけも少しずつ言葉を探して近づいてゆく。一緒に遠回りしていると、いつのまにかとても深いところへたどり着いている。そんな読書体験ができる。

    「春になったら苺を摘みに」の文庫版の解説で「あまりにもすきを見せまいとする用心深さに、時折わずかな隔たりを感じる。もっと正直に自分をさらけ出したって大丈夫だ、梨木香歩なんだから。」というようなことが書か

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    2013年08月05日
  • 渡りの足跡(新潮文庫)

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    梨木香歩のエッセイは難しいです。でもただ単に難しいのでなく、実に面白いんです。咀嚼するのに時間が掛かるだけ。それだけ読み応えのある1冊です。
    渡り鳥の観察を通じて「渡るもの」たちへ想いを寄せる。単なる自然観察エッセイに留まらず、鳥たちの想いを想起し鳥たちへの畏敬の念と親近感を抱かせる。そして話は鳥たちに留まらず渡る(移民する)人々へも広がっていく。作者の観察眼が客観的でありながら、対象を自分の元へ引き込み想像たくましく想いを寄せる術が実に面白いんです。そのため、今まで興味を全くもっていなかった鳥たちをしっかりと感じることが出来ます。それはそれぞれの鳥たちの解説にも表れており、学術的な説明だけで

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    2013年05月22日
  • りかさん

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    私は人形が苦手です。
    ぬいぐるみはまだマシですが。
    そこに「居る」という気配がするのが怖いんですね。

    人形には魂が宿るという話は洋の東西を問わず多いのではないでしょうか。この物語も日本人形のりかさんやお雛様たちが魂を持ち、その思いに主人公の女の子が巻き込まれる、というものです。
    しかし、こうした人形ものにありがちなおどろおどろしさというのは比較的薄く、読みやすかったです。

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    2013年05月17日