梨木香歩のレビュー一覧

  • 丹生都比売 梨木香歩作品集

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     本のオビに「初の短篇集」とある。
     そうか、そういえば梨木果歩さんの短篇集って読んだことがなかったな、と気が付く。
     まぁ、あの「家守奇譚」なんかは連作短篇だったけど。
     全9篇の短篇で構成されている。
     短いものは数頁、最長で100頁の作品が収められている。
     古くは1994年、新しいもので2011年に発表され、2篇は未発表作品。
     最初の「月と潮騒」「トウネンの耳」は現実と非現実が混淆としている、少しとらえどころのない不思議な作品。
    「カコの話」も似たような作品だが、ユーモアやシニカルな味が加わっている。
     既婚の男性が読んだら、思わず考え込んでしまうかも。
     この「月と

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    2018年01月04日
  • 渡りの足跡(新潮文庫)

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    自分の庭に毎年来ているジョウビタキが、実はいつも同じ個体で、夏にはシベリアにいる、これを知ったときの感動、はい、わかります! 梨木香歩 著「渡りの足跡」、2013.3発行(文庫)です。「おつかれさま、よく来たね」心からそう思います(^-^)

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    2017年09月26日
  • 僕は、そして僕たちはどう生きるか

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    ものすごく、重たいテーマの話でした。

    私も、「軍隊で生きていける」「愛すべきやつ」の一人なのだろう。
    少しの違和感があっても、社会的な、そして多数決の持つ正義という「正しさ」の前に、自分を誤魔化し、守り、「正しさ」を刷り込んで、卑怯に、あたかも善人の様に生きていくのだろう。

    心が痛すぎる、一生気づかない方が完全な利己主義な考え方として、幸せなのではないかと思うエピソードがいくつかあり、本当に難しいし、入り込んでいて、答えは無いと思う。

    でも、考え続ける事が、ちゃんと向き合って、見ないふりをせずに、考え続ける事が何よりも大切なのだ。

    僕は、そして僕たちはどう生きるか

    すごい

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    2017年09月17日
  • 渡りの足跡(新潮文庫)

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    マイ癒しその③、と、軽率に書くことを少々躊躇う。
    梨木さんのエッセイは、私にとって大きな安心である。乱雑にくくればやはり「癒し」が該当するのだが、よく一般に言われるような手軽なそれでは決してない。
    機械や文明に頼りきりの人間たちによる想像などより、はるかに過酷な生きかたをしているいきものたち(そのことを、かれら自身は過酷とは思っていないだろうが)を思うと、背筋がいつしか、すっと伸びていることに気付く。また、自然の持つ要素から、ありがちな、安心やセラピー的なものだけではなく、険しさ厳しさも拾い出してくれていて、さらには人間(同じ人間に対してさえ、どこまでも非道になれるもの!)が環境を変異させてい

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    2017年06月19日
  • エストニア紀行―森の苔・庭の木漏れ日・海の葦―(新潮文庫)

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    ネタバレ

    私の気持ちのお薬。疲れたときに安心させてくれる気がする、梨木香歩さんのエッセイ。彼女のレンズを通して伝わる世界は、時折残酷なところもあるが、概して「ありのまま」に優しい。エストニアで出会うひとびとを捉えるときも、歴史についての述考を書く際も、レンズは誠実に(歪んだり、遠近をドラマティックに演出したり、色を付けることなく!)あり続ける。異国の風景を近くに、においをすぐそばに感じてうれしかった。

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    2017年04月23日
  • 僕は、そして僕たちはどう生きるか

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    私個人の少年期を振り返ると、群れるより一人で居るほうが楽で、本作のメッセージとはリンクしなかった。ただ、群れることで息ができなくなるような、考えることをやめてしまうような感覚はうまく描かれて居ると思う。
    AVの話しは要らなかったと思う。鶏解体の話しで十分重い。話しを盛り込み過ぎで、消化出来なかった。

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    2017年01月04日
  • 渡りの足跡(新潮文庫)

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    梨木さんの作品は植物の描写が素晴らしいので植物の造詣が深いのだろうなあと思ってましたが、鳥の知識もこれほどまでに豊富だとは知りませんでした。渡り鳥を見るために地方へ遠征までされていたのですね。観察者としての抑え気味の筆致の中に、時折擬人化していたりするあたりに鳥への深い愛情を感じます。私も、野山を歩くようになってもっと鳥のことを知りたいと思うようになり、動画サイトで検索してみたりもしてますが、まだまだ修行が足りないなあと実感しました。いつか、さらりと「〇〇の鳴き声だ」なんて言える人になりたいものです。

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    2016年11月15日
  • 丹生都比売 梨木香歩作品集

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    梨木さんらしい、ほの暗い世界
    自分が孤独であっても寂しくない
    いろんな世界があるから大丈夫って教えてくれる

    ファンタジーと言えばそうかもしれないけど
    ちょっと違う気がする

    ・月と潮騒/冷蔵庫
    ・カコの話
    ・夏の朝/夏ちゃんにガンダムとは…意外な表現(^_^;
    ・丹生都比売/再読 筋が分かっているので草壁がより可哀相に感じた
     ハッピーエンドになればいいのにと何度も思った
    ・ハクガン異聞/ピアノ調律

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    2016年09月02日
  • エストニア紀行―森の苔・庭の木漏れ日・海の葦―(新潮文庫)

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    作家梨木香歩によるエストニア紀行。さてエストニアとはどこにあったっけ? それくらいの知識しかもたずに読み始めましたが、すぐにその地に引き寄せられました。
    梨木さんの目を介してエストニアの文化と自然を見る。きっと自分がその地に立った時には気付きもしないものに気付かされ、エストニアの魅力に心を寄せます。
    人の営みである文化や歴史。それは侵略を受けそれでも守り通したもの。僻地であり境界であるが故に生まれた世界。過去から連綿と続く人々の息吹を感じさせます。そして人が介しなかったが故に残った自然。人が人の理屈で離れた土地だから動植物がそれぞれの様相を成す。しかし人が介することによって姿を現す自然もまたあ

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    2016年07月13日
  • 丹生都比売 梨木香歩作品集

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    ネタバレ

    短編集

    『月と潮騒』
    ごく短い、冷蔵庫のお話。梨木さんのイメージとちょっと違うな、と思いつつ、でも読み終わると梨木さんの紡ぐ世界だなと。

    『トウネンの耳』
    これもごく短いお話で、梨木さん鳥が好きだからね、と思いながら読んでいる間に終わってしまう。この本の中ではあまり印象に残っていない。

    『カコの話』
    ようやくこの短編集の流れに慣れてきたのか、大好きな家守奇譚あたりに雰囲気が寄ってきたからか、この話あたりから引き込まれ始める。過去は人魚の姿をしていたりするのだ。

    『本棚にならぶ』
    部分の欠損。独特で、印象には残っている。抽象的すぎてちょっとなー。

    『旅行鞄のなかから』
    これも独特。ずっ

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    2016年06月03日
  • 僕は、そして僕たちはどう生きるか

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    植物と、それを食べることへの視線が真摯で優しい作品が多いけれど、今回もそれが遺憾なく発揮された作品。山菜が美味しそう。
    大勢に流されることの安易さと残酷さ、その中で自分の意志を貫くことの難しさと尊さを描いていて、身につまされる部分が大きい。
    ただ、これからのことを考える作品だから仕方ないのだろうけど、なんとなく尻切れとんぼ感があるのが残念。

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    2016年05月21日
  • 渡りの足跡(新潮文庫)

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    私には、梨木香歩さんの文章について
    語れるほどの何も持ってはいない。

    それでもちょっぴり
    この本で分かったような気がすることを
    かいつまんで紹介してレビューとしたい。

    渡りの足跡を追う、梨木さんの立ち位置に
    背筋が伸びる思いがする。

    筆者は、種としての生きものを
    きちんと意識しつつ、しきりに「個体」と
    いう呼称を用いている。様々な鳥たちは
    彼女にとって、個々に向き合い、自分という
    人間の、生きものとしての品格を証明しようと
    試みる相手なのかもしれない。

    人もまた、渡る。
    知床開拓団の1人だったあや子さんの言葉や
    身振りを再現してみせる筆者の文章の、
    それはそれは饒舌なこと。あや子

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    2016年04月29日
  • ある小さなスズメの記録 人を慰め、愛し、叱った、誇り高きクラレンスの生涯

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    ネタバレ

    人間以外の生き物と暮らしたことがあって、『はたして彼らは私と共にあって幸せなんだろうか?』と、自問した事のある人は少なくないだろうけれど、この本はその幸運で幸福な例を示してくれたと思う。
    じんと胸に迫るお話でした。

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    2025年05月28日
  • 僕は、そして僕たちはどう生きるか

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    コペル君のような子が自然体でいられる世の中だといいな、と思う。
    私はノボちゃんのような大人でいたい。

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    2016年01月10日
  • 僕は、そして僕たちはどう生きるか

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    生活スタイルが個人的にすごく好き!
    植物とか食とかの、その視線が好き。
    そんな理由で登場人物が好きになっちゃう!

    でもそんな彼らは、悩みがあるんだけど
    ぜんぜん年相応じゃなく、僕からすると
    オトナな悩みだし、尊敬の眼差しで本を読んじゃった。

    なんか群れみたいなの嫌いだったんだけど
    適切な?群れだったりしたら、いいかも
    って思えたりするんだよね。

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    2015年12月15日
  • 不思議な羅針盤(新潮文庫)

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    植物にあまり詳しくない私は、度々名前を検索して画像を見ながら読むこともあったけれど、
    それでも楽しめるくらい、話の流れが良い。
    素敵なエッセイだった。

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    2017年11月02日
  • 丹生都比売 梨木香歩作品集

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    短編集でした。
    草壁皇子が主役の長編小説と思っていたので、ちょっとびっくり。

    しかも、少し川上弘美っぽい不思議系の話。
    それはそれで好きなのだけど、思っていたのとはちょっと違うので慣れるまで少し時間がかかりました。

    でも、「コート」「夏の朝」辺りから、しみじみといいなあと。
    慈しみという言葉が自然と思い起こされる。

    で、「丹生都比売」
    飛鳥時代、奈良時代は結構権力争いに負けて命を落とす皇子がたくさんいたけど、草壁皇子は圧倒的な後ろ盾をもって皇太子になったのに、天皇にならないで亡くなってしまった。
    病弱だった草壁皇子の少年時代を書いたお話。

    悲劇の皇子と言えば有間皇子や大津皇子が有名だけ

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    2015年09月18日
  • 丹生都比売 梨木香歩作品集

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    人と人の周りにあるものとが、柔らかく不思議にとけてゆく、神話のような短編集。
    目に見えないものの豊かさを感じることができ、おだやかな気持ちになります。
    特に表題作「丹生都比売」は秀逸。
    おごそかな装丁もいいです。

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    2016年01月01日
  • ぐるりのこと(新潮文庫)

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    矛盾を抱えて、生きていこう。考え続けて、生きていこう。

    梨木香歩が好きだ、と思った。この前読んだ『沼地のある〜』を構想していた頃のエッセイ。あの話に至るまでの思考の流れ、渦巻きを知って、より『沼地のある〜』が気になってきた。

    単純には割り切れない。違和感を感じる。だからといって、それを声高に叫ぶこともない。物語の力とは。「心を動かす」ことの危険性。「泣ける話」「全米が泣いた」という文句が嫌いなので、梨木香歩のとまどいが自分のことのように感じられた。梨木香歩の描く、「優しい冷たさ」は、私にとって心地よい。全員がわかってくれるなんて、怖い。でも、閉じこもらず、理解を得られるよう、働きかけること

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    2015年07月12日
  • 丹生都比売 梨木香歩作品集

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    長野まゆみさんのささみみささまめのような不思議な話の短編集。
    潮騒の月が好きだけど、最後のオチが月に呼ばれた後に飛び降りるみたいなのを想像してしまう。
    屋上だからかな。
    丹生都比売はああ、梨木さんだ。この流れは…と唸ってしまった。
    欲望のために弟、姉、果ては自分の息子まで殺した女。
    あの勾玉をみて獣のように泣いたのは後悔なのか罪悪感なのか。
    息子として愛してたはずなのに、自分の欲望には勝てなかったのか

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    2015年06月21日