梨木香歩のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
「新潮文庫の100冊」は今年で50周年。
キャラクターはYonda?パンダ、キュンタを経て、
今年は「ヨムム」になった。
当時、パンダグッズをもらうために
裏表紙の応募マークを必死に集めまくっていた私としては、
なんだか感慨深い気持ちです。笑
(同じって人いる~??)
そして、そんな50周年という節目の年にぴったりの一冊が、
豪華すぎる作家さんたちが並ぶアンソロジー『プレゼント』。
50年前の小冊子デザインをモチーフにした
初回限定カバーは、
タイトルの箔押しが本当に美しすぎる……!!
『プレゼント』アンソロジー
結論だけ言います。
もう、とんでもなくレベルが高いのだ。
本当に、すべての作品が。
それもそのはず。
こんなそうそうたるメンバーが揃うことなんて、
最初で最後なのでは?!と思うくらい豪華な執筆陣。
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◆伊坂幸太郎「ウッドペッカー荘事件」
正直、伊坂さんはいつもはそれほど得意な作家さんではない。
なのに、このラストの衝撃と、それと同時に訪れる切なさ。
このアンソロジーの中で、
いちばん度肝を抜かれた作品だった。
◆江國香織「二つの宇宙」
江國さんの紡ぐ文章は、本当に美しいと感じる。
大学一年生の夏の夕方。
甘酸っぱさと、戻ることのできない喪失感。
どこかノスタルジックな気持ちになる物語。
◆宮部みゆき「真実のトランク」
やはり宮部さんの筆力は圧倒的だった……
冒頭から没入感がすごい。
バーで働いていた20代の頃の記憶と現代が交錯する。
ほんのりSFチックな展開が、とてもとても好きだった。
◆町田そのこ「きっとあの日の光と同じ」
短編にもかかわらず、最初の数ページで心が引き込まれる。
親友にできた彼女と、あの頃のひと夏の思い出。
あぁ、いい話だ。
後半は思わず涙腺が緩んでしまった。
◆米澤穂信「無明」
このブラックさは、さすが米澤さん。すごく好きだ。
うだるような暑さの8月。
ある女性が突然、新宿駅で泣き続ける赤ん坊の首を絞めた。
あまりにも切ないミステリ。
◆梨木香歩「見越しのマツ」
松を中心に据えるところが、自然を大切にする梨木さんらしい。
松の木が生えた屋敷が取り壊されたところから始まる、
やさしく不思議な物語だった。
◆恩田陸「伝説の季節」
やはり恩田さん、好きだ……!
『六番目の小夜子』の前日譚。
都市伝説とノスタルジーがミックスされたような作風。
未読の方はぜひ『象と耳鳴り』も読んでほしい。
関根ファミリーがめちゃくちゃ魅力的に描かれているので。
「夏」をテーマにしたアンソロジー。
「新潮文庫の100冊」50周年にふさわしい一冊でした。 -
Posted by ブクログ
小さい映画館でひっそりと上映している映画のような絵本。
間違いなく絵本なんだけど、字も少なめの絵本なんだけど、厚い。
8ミリフィルムのカメラ(よく知らないけど)の一コマ一コマをみているみたいだった。
海が見える丘にあるひとつのブランコとそこを訪れる人たちの時間を切り取った絵本。
その時その時の季節や時間を美しく描いている。
んだけどね、私この絵本の前にゴーリー読んでたの。
怖いと思ってドキドキしながら読んでたの。
それの名残でこれから怖いことが起こるんじゃないかとページをめくるたびにハラハラしてしまったの。
これはゴーリーとセットで読んではいけない絵本だったわね。
読む時は皆さんご注意を。 -
Posted by ブクログ
あまり期待していなかったが、さすが皆売れっ子作家だけあり、どの短編も非常に面白く、満足度は高い。恋愛・SF・ミステリとバラエティに富み、それも良かった。
一番はダントツで、町田その子「きっとあの日の光と同じ」。ひと夏の爽やかな学生の恋とエピローグの多幸感。恋愛物は小説では久しぶりだったが、とても「エモい」。初めての作家だったが、非常に高い興味をもった。
梨木香歩『見越しのマツ』も素晴らしかった。静かで平坦な語り口から一転、急に突きつけられる辛辣なテーマ。抜かれた松は、本当に繁栄など望んでいるのだろうか。松からのメッセージとされる「繁栄への意思」を真美子が真っ向から否定し、自身の心情と重ね合わせる展開に深い示唆を感じた。