梨木香歩のレビュー一覧
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ネタバレ先日読んだ「からくりからくさ」のようことりかさんのお話でした。
これを読むとなおさら、「からくりからくさ」のりかさんがようこにとってただの人形ではないことが理解できます。
それにしてもなんという想像力。人形たちが話す過去の出来事もそうですが、桜の古木にようこが捕まってしまうところも・・・。ようこは「そういう質の、お子なんだねぇ」と言われますが、私は「そういう質」ではないなぁ、作者はきっと「そういう質」なんだろうな~と羨ましいような、それはそれでちょっと大変だろうなという気持ちもあったり。
おばあちゃんやりかさんの言葉や、モノや世の中への向き合い方などで幼いようこはたくさんのことを感じ取って、 -
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ネタバレ難しかったです。ずっと前に読んで、どうにもこうにも自分の中で「読めた」という感触がなかった記憶があり、今回はもうだいぶ歳も重ねたし、「読める」と思ったのですが・・・(以前、全く楽しめなかった「村田エフェンディ滞土録」は、数年後に読んで大好きになったという経験があったのですが、今回はそうはいかなかった・・・!)
草木染めの修行をしている蓉子は、亡くなった祖母の家に住むことにし、学生の下宿として部屋を貸すことにします。集まってきた下宿人は、同世代である美大の学生の紀久、与希子とアメリカ人のマーガレット。紀久は紬、与希子はキリム織りの研究をしており、マーガレットは東洋医学を学んでいます。4人に共通 -
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「家守綺譚」の続編になるんかな?
とりあえず、主人公は同じ。
このゆっくりと流れる空間というか…ええ感じ。
主人公の家がね。
前にも書いたけど、安倍晴明の家みたいな感じ。特に庭が自然のままな感じが。
自然との一体感が良い!
まぁ、京都の疏水近辺が家なんで、ご近所といえばそうかも?
ぽっかりと空いた異空間に入り込んでって感じやなく、自身が見えてなかった隣りにいる精霊たちが見えるような独特な世界観が良いね。
今回は、ワンちゃん探し(愛犬ゴロー)が目的の旅へ!
鈴鹿の辺になるんかな。
そこにも、天狗、河童、イワナが、人と共に暮らしてる。
こんな世界に老後暮らすのええかも?
色んな精霊たちと -
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このクラランスの伝記を読んでいると、
作者とスズメの関係が、
単なる飼い主とペットの主従の関係ではなく、
一人の人間に接するかのように、
時には一人前に男として、
スズメを尊重し、愛情と敬意をもって
スズメを大事に育てたのかが伝わってくる。
空襲の中、明日、死ぬかもしれない
戦時下の中を、12年間も長く生きる事が
できたのは、作者の深い愛情と支え。
逆も然りで、
クラランスの存在自体が、作者や
戦時下の人々の喜びに。
だから尚さら一層、脳卒中を患ってから、
だんだんと弱って行く姿を読むのは、辛い。
不自由な体になってからも、生きることを諦めずに、最後はぼろぼろの羽毛になったが、
命を全う -
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熱帯魚を飼う代わりにおばあちゃんの夜のトイレの介助をする事になってから起こる不思議な出来事
おばあちゃんが昔の事を思い出したり、エンゼルフィッシュが攻撃的になったり……
以下、公式のあらすじ
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コウコは、寝たきりに近いおばあちゃんの深夜のトイレ当番を引き受けることで熱帯魚を飼うのを許された。夜、水槽のある部屋で、おばあちゃんは不思議な反応を見せ、少女のような表情でコウコと話をするようになる。ある日、熱帯魚の水槽を見守る二人が目にしたものは――なぜ、こんなむごいことに。コウコの嘆きが、おばあちゃんの胸奥に眠る少女時代の切ない記憶を呼び起こす……。 -
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しゃべる市松人形「りかさん」との出会いと他の人形とのあれこれ
「からくりからくさ」の蓉子さんの子どもの頃の話と、本編の後日談を含む
以下、公式のあらすじ
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「彼女」と一緒なら、きっと大丈夫。書下ろし「ミケルの庭」併録。
リカちゃんが欲しいと頼んだようこに、おばあちゃんから贈られたのは黒髪の市松人形で、名前がりか。こんなはずじゃ。確かに。だってこの人形、人と心を通わせる術を持っていたのだ。りかさんに導かれたようこが、古い人形たちの心を見つめ、かつての持ち主たちの思いに触れた時??。成長したようことその仲間たちの、愛と憎しみと「母性」をめぐる書下ろし「ミ -
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若い女性4人の古民家共同生活の中で発覚する意外な繋がりのお話
以下、公式のあらすじ
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祖母が遺した古い家に女が四人、私たちは共同生活を始めた。糸を染め、機を織り、庭に生い茂る草が食卓にのる。静かな、けれどたしかな実感に満ちて重ねられてゆく日々。やさしく硬質な結界。だれかが孕む葛藤も、どこかでつながっている四人の思いも、すべてはこの結界と共にある。心を持つ不思議な人形「りかさん」を真ん中にして――。生命の連なりを支える絆を、深く心に伝える物語。
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以前読んだ時は誰が誰の先祖だって?と色々と混乱しながら読んだけ -
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ネタバレ『西の魔女が死んだ』は随分前に文庫版を読んで、映画も見た。
本書には、未読の短編が収録されていると知って読みたくなった。
「ブラッキーの話」
「冬の午後」
「かまどに小枝を(書き下ろし)」
文庫版に収録されていた「渡りの一日」がないのが残念。
文庫版を読み返したい。
決めつけてしまうわないようにするのは、案外大人でも難しい。
西の魔女のように生きられたらと思う。田舎暮らしがしたいとかでなく。
感受性の塊な思春期少女と無神経なおじさんが相容れないのは仕方がない気がするが、まいがおばあちゃんにぶつけた言葉、おじさんにぶつけなくて良かった。
祖母と孫の話だと思っていたが、読み返してみると、母 -
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「椿宿の辺りに」の書評で皆さんが本書のことを触れている。椿宿はそんなに感銘した本ではなかったが、手を出してみる。
植物園の水生植物園の園丁である主人公。歯医者の家内の前生は犬、下宿の女大家の頭は鳥に見える。子どもの頃のねえやの千代、妻の千代、レストランの女給の千代が混然としてくる奇妙な暮らし。やがて植物園の水辺で椋の木の巣穴に落ちたことを思い出す。
大叔母から聴いたアイルランドの妖精譚、アイルランドからの招聘教授マルクーニ先生から貰ったウェリントン・ブーツ、ねえやの千代や妻の千代との昆虫や木花の思い出。やがて水の中に入り、相棒と出会い、川に沿って進んでいく。
次々に奇想天外なことが起こり