梨木香歩のレビュー一覧
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「感性の豊かな私の自慢の孫」
と、独り言のように呟いたので、まいは大いに照れてしまった。おばあちゃんにはそういう、誰はばかることなく身内をほめるところがあった。そして自分がそれを誇りにしていると、まるで植物に水を遣るかのように、さりげなく伝えるところも。
「そうね、何が幸せかっていうことは、その人によって違いますから。まいも、何がまいを幸せにするのか、探していかなければなりませんね」
「その時々で決めたらどうですか。自分が楽に生きられる場所を求めたからといって、後ろめたく思う必要はありませんよ。サボテンは水の中に生える必要はないし、蓮の花は空中では咲かない。シロクマがハワイより北極で生きる -
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タイトルは前から知っていたけど、読んでみたら勝手に想像していたファンタジーの世界とは全く違って、ものすごくリアリティがある内容と展開だった。自然や田舎の描写がとても素敵で、情景が浮かびやすくさくさく読めた。
主人公まいは中学校という狭い世界の中でみんなと同じように振る舞うことに息苦しさを覚えつつも、孤高を貫けるほど自分に自信もなく、学校に行けない日々が続いていた。学校を休んでも自宅で過ごしても変わらないのであればと田舎のおばあちゃんの家にしばらく療養に行くことになる。まいのおばあちゃんはイギリス人で、日本人よりも日本の文化を大事にしながら1人田舎で丁寧な毎日を送っている。
まいはおばあちゃ -
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ネタバレ国籍も宗教も違う夫人の下宿先に集う個性豊かで魅力的な人々と鸚鵡の、ちょっと不思議で、あたたかな交流を描く本作。
トルコの歴史ある遺跡や道端の臭いまで伝わってきて、自分も下宿先に居候させてもらって日常を覗いているような気持ちで読めました。
このあたたかな時間がずっと続いてくれたらと思うけれど、突然帰国しなければならなくなったり、出兵する事になってその後…という方々もいたり、時代や国という大きな枠組みの中で逆らえず、思い通りにいかず切ない中で、最後に救いがあったり、チャイやトルココーヒーを飲みながら読み返したくなります。
みなさんが書かれている、この本とリンクしている2作品も読んでみます。 -
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まいの心がグンと成長する場面、そこにいざなう雨の森の白い花々と銀龍草。ものすごく神秘な映像が浮かぶ。
動かずいつもそこにいて、まいのすべてを包んでくれる大きな庭と、出来事や人のたたずまいでざわめく、まいの小さな心の動き。
おばあちゃんは庭のようにつつみこんでくれる存在で、ゲンジさんはテリトリーに入れるのは無理な存在。
学校に行けないでどうしようもなくもがいていたまいと、規則正しく自分の意思で生活していろんなことができるようになったまい。
偉大な魔女のように思えていたおばあちゃんと、おばあちゃんだってひとりの人間だったんだって思えたまいの心の変化。
この、対比というのかな?すてきな物語だと、 -
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最近読んだ新潮文庫のアンソロジー『プレゼント』掲載の梨木香歩作品が面白かったので、他の作品も読みたくなり探したところ、本作がバーネットの『秘密の花園』に影響を受けているとのことで、興味を持って読んでみた。
読んでみると児童文学というより、日本を舞台にした本格ファンタジーだった。ストーリーは王道で、トラウマを抱えた少女が異界に旅立ち、困難に立ち向かいながら自分と向き合い、成長して帰ってくるいわゆる「行きて帰りし物語」だが、物語の構造が複雑で子供向けの単純なものではない。
全体的には楽しく読んだが、正直なかなか飲み込めなかった部分があったり、目まぐるしい展開に物語に入りきれないまま読み終えてしま -
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第二次大戦下の英国、女性ピアニストの著者がイエスズメのクラレンスと暮らした12年の記録(紹介文には「老ピアニスト」とあるが、著者のキップス夫人がクラレンスに出会ったのは50歳のことであるから、現代の感覚とは合わない)。
翼や足に障害をもって生まれたクラレンスだったが、著者と暮らしていく中で、自作の歌を歌ったり芸をしたりと、スズメらしかぬパフォーマンスをみせる。生き物がサバイバルから解放されたとき、有り余った力を何に使うか。秘められたポテンシャルは未知数である。
また、年老いてからのクラレンスの、生きることをあきらめない姿勢にも感銘を受けた。
本書は(序文で著者が示す通り)「気取りのない文