梨木香歩のレビュー一覧

  • 渡りの足跡(新潮文庫)

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    ネタバレ

    渡りをする鳥たちの跡をおって、「案内人」の導きで北海道を歩く。

    バードウォッチングの話かと思いきや、
    それだけにとどまらない。
    茸の話、戦争の話、それぞれの「案内人」に導かれ、その跡をおう。

    広くて深い。

    章のあとで、本文中に出てきた鳥について解説が書かれている。
    それが、またいい。
    「動物図鑑」にあるような学術的な無味乾燥な内容ではなくて、
    観察をしている梨木香歩さんの個人的な思い入れも反映されています。
    鳥にあまり関心がない人にとっては、とても分かりやすいし、
    ほほえましい内容が、うれしい。


    大好きな梨木香歩さんの作品です。

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    2013年04月11日
  • りかさん

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    このお話の主人公ようこが、「からくりからくさ」の蓉子になるんでしょうね。人形というものに対する様々な思いは、人形そのものに吸収されて、持ち主が消えたり変わったりしても残ってしまうんだろうな。愛は愛になって、憎しみは憎しみになって返ってくる。それは相手が人形でなくても、同じなのかもしれません。

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    2011年08月25日
  • 僕は、そして僕たちはどう生きるか

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    14歳のコペル君と友達のユージン、ユージンの親戚のショウコ、その友達のインジャ。不登校のユージンの家の庭で再会したショウコ。そして、そこに密かに住んでいたインジャ。この生きにくい現代を、確かな自分を持って生き抜く中学生たち。そして、ちょっと浮世離れしたおじさんのノボちゃん。今を生きる若い世代へのメッセージ。

     コペル君とおじさんと友人たちとくれば、当然「君たちはどう生きるか」(吉野源三郎)が下敷き。私にとって吉野さんの本は座右の書。なので、当然この本は読みます。そして、感動!!
     うれしくて、なんだか紹介文になってませんが、現代の「君たちはどう生きるか」になっていると思いました。

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    2021年08月14日
  • ぐるりのこと(新潮文庫)

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    作者の独特の感性を通して「今」が描かれている。その文章は美しく温和にも関わらず、鋭利な刃でもあるような気がした。確かに今を生きる僕たちは加速するばかりなのかもしれない。その先に何があるか分からないというのに。(2011年)

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    また読んでみた(2023年)
    ・多様性はただそこにいることを受け入れることなのか?共感のような互いの侵食を必要とするのか?
    ・言葉は不便なものである。誤解も不信も生む。語るより何か作業を一緒にやるといい。
    ・総合学習、なりたい職業を決めて、どうやったらなれるか調べてみよう。それはマニュアル化の始まり、本当になりたくてしょうがないのか?を考えるのが先なのでは。

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    2023年08月15日
  • りかさん

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    わたしが初めて読んだ梨木作品で、彼女の文章に魅了されるきっかけとなった作品。
    ようこと「いいお人形」りかさんとの小さな冒険のお話。
    ー「いいお人形は、吸い取り紙のように感情の濁りの部分だけ吸いとっていく」ー

    「お人形」の少し怖くて妖しい、でもどうしようもなく魅力的な世界にわくわくさせられた。いわゆる児童書だけど、読み込ませる魅力の詰まった本なので是非手に取ってみてください。

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    2011年02月28日
  • りかさん

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    色々な人生を人形の目から物語る。切ない系。人形の絵がリアルすぎるが、内容的にはこのくらい湿気というか影があってもいいのかもしれない。

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    2010年05月28日
  • エンジェル エンジェル エンジェル(新潮文庫)

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    さりげない日常が昔の記憶を呼び戻すことがある。聖書をちゃんと読んでいたらもっと理解が深まっただろうけど、個人の罪とその懺悔の物語の深さは十分理解できた、と思う。これ何度読んでもラストシーンで泣いてしまうんだよな。ラストがどうなるか分かってるのに。梨木香歩すきすぎる。

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    2021年10月05日
  • りかさん

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    私は後日談の「からくりからくさ」から読みましたが、どちらも楽しめました。登場人文の名前が出るたびに「へーそこで、そういう繋がりが」と再発見の喜びがありました。

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    2009年10月04日
  • 春になったら莓を摘みに(新潮文庫)

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    ネタバレ

    おもしろい、と思う本を書く人は、やっぱり魅力的な生活をしてた。
    そして、好きそうなものがなんとなく似てたことに、少々ニヤリ。
    赤毛のアンの舞台、プリンス・エドワード島とか、ベアトリクス・ポターとか。
    ニューヨークにあまり魅力を感じず、だったら羊の糞だらけの場所の方がいい…ってのも。
    私とじゃ、オツムの出来からして違うだろうけど、そのちょっとの共通点が妙にうれしかった。
    私がいつも読むエッセイは、笑えるものばかりだけど、これはすごくいろんなことを考えるきっかけになった。
    新年初のエッセイに、実にふさわしかった。

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    2023年08月30日
  • りかさん

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    ようこは誕生日プレゼントにリカちゃん人形が欲しかったのに、おばあちゃんから市松人形「りかさん」を贈られる。「りかさん」には取扱説明書がついていて、世話をしていくうち、やがて話し出す。りかさんにつられて、他の人形たちも喋りだし…。不思議な世界です。アビルゲイの話は深刻でした。独特の文章が癖になりそうです。「だけど、このりかさんは、今までそりゃ正しく大事に扱われてきたから、とても、気立てがいい。」

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    2009年10月04日
  • ぐるりのこと(新潮文庫)

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     いろいろなことを考えて頭が痛い。世の中は広くて、知らないことが多すぎて、わたしは果たして、この世界に対峙してゆけるのかしら。
     “ぐるりのこと=身の回りのこと”から始めよう、と梨木さんは書いていた。地に足をつけて、そこから徐々に、自分を世界へ向けて開いてゆくのだ。うん、頑張ろう。

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    2022年11月20日
  • りかさん

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    主人公の「ようこ」は、「おひな祭りに欲しいものがあるかい」と、おばあちゃんに尋ねられて、「リカちゃんが欲しい」とお願いする。
    しかし、しばらくして届いたのは、ほっそりしたリカちゃんではなく、その倍近くも大きい、「りかさん」という名前の真っ黒髪の市松人形。
    ぷっ。ありそう。ありそう。
    でも、そこからの展開がすごい!りかさんが、ようこに話かけるのだ。それは、周りの人たちには聞こえない、不思議な言葉。
    いつの間にか、ようこは、人形や木や、声を出すことができぬものたちの声を、聞くこと(感じること)が出来るようになっていく。そして・・・
    最高に面白かった。
    お人形遊びが好きだった、かつての少女たち、そし

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    2009年10月04日
  • 家守綺譚(新潮文庫)

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    ネタバレ

    この不思議な世界にひきつけられた。最後の森の中の話が一番印象的で…自分も異世界に行ってみたくなった。高堂のことも最後にわかって、納得した。全体的にしっとりした雰囲気。

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    2025年06月07日
  • りかさん

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    梨木さんの作品って、涙無しに読めないところが本当にすごいと思います。最初は「うわー面白いなー好きだなー」と思って読んでるんですが、そのうちにしっかり感情移入しちゃってるんですよね。(あぁ…アビゲイルのお話が…)何より本当にこの方の作品は優しい。『西の魔女が死んだ』でもそうなんですけど、「死」とか「戦争」とか、絶対に避けられない厳しい現実も取り扱っているのに、とっても優しいんです。この本の読後には人形と言うものに対しての価値観とか、接し方が変わってしまいますね。児童文学分類なんだから、これはもっと沢山の人が、高学年…せめて中学生の間に読んで欲しいなぁと思いました。

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    2009年10月04日
  • りかさん

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    初、梨木作品。児童書とばかにしてはいけないお話でした。話す人形ってコワイけど、りかさんならいいかな。

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    2009年10月04日
  • りかさん

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    「リカちゃん人形」が欲しかったはずのようこにおばあちゃんが贈ってくれたのは、市松人形の「りかさん」だった。それ以来、ようこにはいろんな人形の想いや記憶がみえるようになる、というお話。
    設定が巧みで、いろんな背景を負った人形が出てくる分、人間の業みたいなものがいろんな形で描かれてるんですが、欲張っている感じはしない。いい本です。
    ちくしょう、いい作家だな梨木香歩!と思わず涙ぐみながらこぶしを握りしめました。読んでみて!とにかく!
    視点がきちんと主人公の小学生におりていて、かつ文章の雰囲気は彼女を見守るおばあさんのやわらかさやあたたかさが感じられます。

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    2009年10月04日
  • りかさん

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    リカちゃん人形が欲しいようこにおばあちゃんがくれたのは「りかさん」という名の市松人形でした。がっかりするようこでしたが、りかさんは不思議な力を持ち、ようことおしゃべりできる素敵なお人形でした...ということでこのお話はいろんな日本の古いお人形が出てくるとても素敵なファンタジーです。作者の梨木果歩さんは「西の魔女は死んだ」、「裏庭」などで有名な方です。お人形が見てきた歴史と人々の思いはさまざまな物語を奏でます。ようこやりかさんといっしょに体験するお人形の世界はいかがですか?

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    2009年10月04日
  • りかさん

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    1番大好きな本。ほんとうに大好き。ここには書ききれないよ。この本を読んで考え方が変わりました。生き方も少し変わったと思う。りかさんもおばあちゃんもすてき。からくりからくさのあとに読んだほうがいいかも。好みだけど。

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    2009年10月04日
  • 西の魔女が死んだ(新潮文庫)

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    ネタバレ

    タイトルは物騒だけれど、一人の人間が成長していく美しい物語。

    魔女修行という名目で、現代人がなおざりにしているものに向き合ってトレーニングを行い成長していく。

    心温まる一冊だった。

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    2025年12月22日
  • 西の魔女が死んだ(新潮文庫)

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    なんと読みやすいこと。一気に読めました

    まいが学校でかかえるややこしいこと
    それの一次退避として英国人の祖母の家で暮らすことになる
    祖母と生活をしていきながら、暮らしの知恵と、魔女修行をしていく

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    2025年12月10日