梨木香歩のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
短編で不思議な話や心温まる作品などたくさん入っていて楽しいアンソロジーでした。
作品の色が出ていて読んでいて楽しかったです
飛び出す、絵本 恩田陸
十一月の約束 本多 孝好
招き猫異譚 今江祥智
白ヒゲの紳土 二階堂黎人
本屋の魔法使い 阿刀田高
サラマンダー いしいしんじ
本棚の片隅から 柴崎友香
読書家ロップ 朱川 湊人
バックヤード 篠田 節子
閣魔堂の虹 山本 一カ
気が向いたらおいでね 大道珠貴
さよならのかわりに 市川 拓司
メッセージ 山崎 洋子
迷宮書房 有栖川有栖
本棚にならぶ 梨木香歩
23時のブックストア 石田衣良
生きてきた証に 内海隆一郎
The Book Day 三崎亜記 -
Posted by ブクログ
ネタバレ国籍も宗教も違う夫人の下宿先に集う個性豊かで魅力的な人々と鸚鵡の、ちょっと不思議で、あたたかな交流を描く本作。
トルコの歴史ある遺跡や道端の臭いまで伝わってきて、自分も下宿先に居候させてもらって日常を覗いているような気持ちで読めました。
このあたたかな時間がずっと続いてくれたらと思うけれど、突然帰国しなければならなくなったり、出兵する事になってその後…という方々もいたり、時代や国という大きな枠組みの中で逆らえず、思い通りにいかず切ない中で、最後に救いがあったり、チャイやトルココーヒーを飲みながら読み返したくなります。
みなさんが書かれている、この本とリンクしている2作品も読んでみます。 -
Posted by ブクログ
最近読んだ新潮文庫のアンソロジー『プレゼント』掲載の梨木香歩作品が面白かったので、他の作品も読みたくなり探したところ、本作がバーネットの『秘密の花園』に影響を受けているとのことで、興味を持って読んでみた。
読んでみると児童文学というより、日本を舞台にした本格ファンタジーだった。ストーリーは王道で、トラウマを抱えた少女が異界に旅立ち、困難に立ち向かいながら自分と向き合い、成長して帰ってくるいわゆる「行きて帰りし物語」だが、物語の構造が複雑で子供向けの単純なものではない。
全体的には楽しく読んだが、正直なかなか飲み込めなかった部分があったり、目まぐるしい展開に物語に入りきれないまま読み終えてしまった。
しかし、消化しきれないくらいの著者の思い入れたっぷりで濃密な読書体験だったとも言える。他の人の感想も色々と聞きたくなる。しっかり心に残る物語でした。
児童文学の中でも『秘密の花園』はとても好きで、「行きて帰し物語」と、運命に選ばれた英雄が苦難の末に世界に平和をもたらす「英雄譚」という児童文学の二つの王道を、庭のあるお屋敷という小さな舞台にものの見事に収めてしまったところが秀逸で物語としての強度が高い。
『秘密の花園』と比べると本作はファンタジー小説なので、着想元ではあるが内容はかなり異なる。自分が読んだものの中で比較すると、宮崎駿の『君たちはどう生きるか』が影響を受けたジョン・コナリーの児童文学、『失われたものたちの本』が近いかもしれない。
本作ではファンタジーを夢物語ではなく心の深いところを描くために用いていて、子供の側に立って物語を書く姿勢がひしひしと感じられた。日本を舞台にファンタジーを描くのはハードルが高いと思うが、異世界への導入やキャラクターの描き方などに日本でファンタジーを描く気概を感じた。
日本では(世界でも?)マンガや映画、ゲームの影響でファンタジーの一側面(剣と魔法、ドラゴンやゴーレム)がよく知られているように思うので、長い歴史のあるファンタジーの精神性は意外と身近ではないのではないかと思ったりする。そんなイメージに自分が引っ張られていることも考慮しなければならなかったかもしれない。
ファンタジーの文法やその精神性を伝える意味でも、本作は日本の優れた本格ファンタジーなのだと思う。梨木香歩作品は本作が初めてなので他の小説も読みながら、本作をゆっくり味わいたいと思った。 -
Posted by ブクログ
第二次大戦下の英国、女性ピアニストの著者がイエスズメのクラレンスと暮らした12年の記録(紹介文には「老ピアニスト」とあるが、著者のキップス夫人がクラレンスに出会ったのは50歳のことであるから、現代の感覚とは合わない)。
翼や足に障害をもって生まれたクラレンスだったが、著者と暮らしていく中で、自作の歌を歌ったり芸をしたりと、スズメらしかぬパフォーマンスをみせる。生き物がサバイバルから解放されたとき、有り余った力を何に使うか。秘められたポテンシャルは未知数である。
また、年老いてからのクラレンスの、生きることをあきらめない姿勢にも感銘を受けた。
本書は(序文で著者が示す通り)「気取りのない文体を使い、シンプルに物語ろう」とされているのだが、あえて言えばもっとドラマチックな演出で観たい気がする(アニメかCGで映画化してほしい)。
日本語訳は梨木果歩氏。「訳者あとがき」と「訳者文庫版あとがき」も掲載。文庫版解説は小川洋子氏。