梨木香歩のレビュー一覧

  • 不思議な羅針盤(新潮文庫)

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    梨木香歩さん作品、高校生のときからずっと読んでます。
    エッセイも大好きで、自分の足元がぐらついたときに読むとちゃんと心地いい場所に戻ってこれる感じがします。
    植物に詳しくないので、わからないときもありますが、草花や動物への眼差しが好きです。
    透明な感じがして。

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    2019年01月05日
  • 僕は、そして僕たちはどう生きるか

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    苦くて消化しきれない草を飲み込まされたような感じ。
    だけど、それを抱えたまま熱をもって群れて生きていかねばならないと思わされた

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    2018年12月29日
  • 海うそ

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    作品を通して伝わってくる、なんともいえないもの哀しさが心地良い作品であった。
    人生に悲観している時に読めば、一文一句が体に染み渡るように感ぜるだろう。
    疲れている人、何かを失いその拠り所を求めている人などにおすすめしたい。

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    2018年12月01日
  • 僕は、そして僕たちはどう生きるか

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    言いたいことは沢山あるけど、まず最初に感嘆したのは人物描写の豊かさ。ちょっとした会話の間や視線の動かし方、とりとめもな(いように描かれてるけどきちんと読者に効果的に伝わるようおそらく計算されている)く展開し連鎖する人間的思考、それら全てが事細かく表現されているけれど全くくどく感じない、絶妙なバランスによって登場人物たち(会話や回想にしか登場しない母親たちでさえ)に"生身"を与えている。
    だからこそこの本の主題が"生きる"。なんでもない「普通の」男子中学生の一日(この分厚さで一日!)を何気なく描いているだけなのに、彼に(そして彼らに)舞い込んでくる&quo

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    2018年11月29日
  • エストニア紀行―森の苔・庭の木漏れ日・海の葦―(新潮文庫)

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    旅をする上で大切なことは、本当に自分が行きたいところに行くこと。
    だけど予定が変わってしまっても、それを楽しむこと。
    ふだんの生活においても、また同じ。

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    2018年11月26日
  • ぐるりのこと(新潮文庫)

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    ネタバレ

    私達をぐるりと取り囲む異世界。
    ぐるりの内側へ籠りがちな私に、もっとぐるりの外側へ開いていけよ、と梨木さんから温かくも厳しい言葉をもらった。

    ぐるりの内側と外側は言語や風習、文化等といった差異があり、その違いに混乱し時に大小様々な争いも否めない。
    ぐるりの内側に籠り隠れることはとても楽ちん。
    けれどそこに安住していてはいけない。
    一歩一歩確実に自分の足で歩いていく。
    「自らの内側にしっかりと根を張ること。中心から境界へ。境界から中心へ。ぐるりから汲み上げた世界の分子を、中心でゆっくりと滋養に加工してゆく」

    梨木さんの常に五感を研ぎ澄ませじっくり丁寧に物事を見極める姿勢は相変わらず。
    以前読

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    2018年10月18日
  • 海うそ

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    ベストセラー小説「西の魔女が死んだ」で有名な梨木香歩の作品。

    梨木香歩の作品は、「西の魔女が死んだ」くらいしか読んだことがなかったので、作風の違いにすごく驚いた。
    同時に作者の作家のとしての力量が卓越していることを思い知らされた。

    久しぶりに自分の好みに合った美しく心に残る小説に出合ったと素直に喜べた作品。
    人により好みが分かれる作品だと思うが、この小説の醸し出すノスタルジーと詩情あふれる美しさは格別である。
    読み終わった後、本当に心地よい余韻に浸ることができた。

    戦前、人文地理学を研究していた主人公がフィールドワークの為訪れた南九州の遅島での体験を綴ったもの。
    舞台となる島は、作者の創

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    2018年08月26日
  • 不思議な羅針盤(新潮文庫)

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    梨木さんのエッセイ集。梨木さんの物語はいつも静かに思想を放っていて好きなのだけど。エッセイでは逆に思いの丈を語り尽くすスタイルになっていて、それがまた自分の対外的なものに対しての漠然とした不満を代弁してくれたような快感がある。ふと目撃した物事から社会、文化の問題点に想いを馳せる想像力の飛翔が素晴らしい。

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    2018年07月24日
  • エストニア紀行―森の苔・庭の木漏れ日・海の葦―(新潮文庫)

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    数々の自然に対する造詣が深い梨木香歩のエストニア紀行文。エストニアがどこにある国なのか先ず確認する作業は厭うまでもなく、ページを開くと直ぐに地図が現れます。北欧のバルト海に面したロシアと隣合わせた位置でした。その旅の紹介は行きの飛行機内での様子から始まります。副題に「森の苔・庭の木漏れ日・海の葦」とあり、林の向こうに大きな虹が架かる写真がこの本の表紙。その国の歴史を知らなければ、旅はただ通り過ぎるものだけになってしまうけど、案内人のお話や人柄の紹介もあり臨場感溢れる展開。市街地から郊外へ向かううちに段々と梨木さんの興味ある植物や、渡り鳥や小動物が登場します。森の中に住む蛭で治療するおじいさんの

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    2017年11月19日
  • 僕は、そして僕たちはどう生きるか

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    ネタバレ

    人がいかに簡単に周囲に流されるか、ということ。
    この物語の中に、流れに流されたくなくて一人になることを選んだ三人が出てくる。
    戦時中徴兵されることを肯じなかった人。
    命の授業という名目で自分のかわいがっていた鶏を絞めて食べることを強制された少年。
    心ならずもAVに出ることになってしまった少女。
    もう一度、書く。人はいかに簡単に周りの圧力に抗しきれなくなるものなのか。その結果を受け止められなくなったとき、いったん群れから離れて一人で生きることを選んだ。
    一緒に命の授業を受けていて、ペットを殺されることになる友達の気持ちに気づけなかったコペルが述懐する。「何かがおかしい」って「違和感」を覚える力、

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    2017年11月17日
  • ある小さなスズメの記録 人を慰め、愛し、叱った、誇り高きクラレンスの生涯

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    ネタバレ

     クレア・キップス著、梨木香歩訳「ある小さなスズメの記録」、2015.1(文庫)発行です。口絵・イラストは酒井駒子さん、解説小川洋子さんです。感動の書でした。第二次大戦下のイギリス、老ピアニストが出会った生まれたばかりの傷ついた小雀。愛情深く育てられた雀のクレランスとキップス夫人が共に暮らした12年間の記録。1940.7.1~1952.8.23、11歳を過ぎてからは老衰と闘いながら、最期は夫人の手の平の中で穏やかな死を迎えたいとしいスズメの物語です。
     人間との意思の疎通、哺乳類は勿論ですが、鳥類もかなりの疎通ができるのですね。昆虫、魚類、両生類、爬虫類は難しそうですが、共に暮らしていると愛情

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    2017年10月03日
  • 僕は、そして僕たちはどう生きるか

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    中学校でブックトーク。地味に見える本なので、なかなか手にとってもらえないけど、西の魔女…といっしょに紹介した。/辻塚

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    2017年09月18日
  • 不思議な羅針盤(新潮文庫)

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    ネタバレ

    先日読んだ本『金曜日の本屋さん』の中で、梨木さんの文章が「文字に色がついているみたい」とありこのエッセイ集を読んだ。
    ほんとその通り!
    何気ない日常のあれこれについて、梨木さん目線で描かれてあり、五感を大いに刺激された。

    野に咲く貝母やスミレを「彼女」と親しみを込めて呼んだり、カラスとも意志疎通したりと自然や生き物に対して丁寧に接する姿勢が伺われた。
    中でも「シロクマはハワイで生きる必要はない」「百パーセント、ここにいる」は心に突き刺さり涙が出た。

    私にとって刺激されたり感心したりしながら、進むべき道を指し示す「羅針盤」となった。

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    2017年08月20日
  • 丹生都比売 梨木香歩作品集

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    シンプルな紺地のカバーが、文学的な雰囲気の短編集。
    しんとした気持ちで読みたい。

    短篇集とはいえ、表題作の『丹生都比売』(におつひめ)は独立して一冊で出版されたことのある長さであり、あとがきによれば、これは核になるお話で、他の作品もここから同じ蔓が伸びていった…ということだ。

    対象年齢も主人公の年齢もまちまちの、「ジャンル分けできない一冊」になった、というが、確かに同じ種から伸びている蔓のように感じられる。

    登場人物も、人なのかどうなのかよく分からない物もあり、しかし読んでいて、目に見える形が人であれ植物であれ鳥であれ、それは些細なことのようにも思えてくる。

    草壁皇子に関する、吉野裕子

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    2017年04月24日
  • 僕は、そして僕たちはどう生きるか

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    物語中盤まで油断してた〜
    確かに、タイトルからして何か重いものを示唆していたのだけれど、内容は多感な14歳の僕の日常ぐらいのものかななんて気軽な気持ちで読んでたのだけれど、途中、インジャちゃんが登場した辺りから、あ、やっぱり重い、今回の梨木さんはいつも以上に強いメッセージを持っていて、だから私も気軽な気持ちで読んでいられないって思った。
    崩してた足をきちんと揃えて、これは真剣に考えなくてはいけないなと。
    性のこと、戦争のこと、そして生のこと、頭パンクしそう。
    自分、だいぶいい歳の大人なのに、コペルやユージンやその周りの大人みたいに、自分の脳味噌でちゃんと考える習慣ないから、つい思考停止。大多数

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    2017年02月26日
  • エンジェル エンジェル エンジェル(新潮文庫)

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    ネタバレ

    文体から、いい子ちゃん小説かと思いきや、まったく逆ベクトルの凄まじい小説だった……!
    悪意、暴力、女性性、旧約聖書の世界、罪と罰、罪悪感、の連鎖。
    死体を石で幾度も打ち付ける場面には背筋が凍る思いをした。
    願わくば最後に飛び出してきたエンジェルが、さわちゃんの心に届かんことを。

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    2021年02月17日
  • ぐるりのこと(新潮文庫)

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    私にとって大切な本になった。
    自然のことに精通している梨木さんの人間観察について書いてるところがとても好きだ。
    思慮深くて読みながらうなずいてしまう。
    特に好きなのは西郷隆盛について書いてるところ。通り一辺の分析ではない部分は読みごたえがあった。
    儒教的精神について書かれているところも共感した。
    「春になったら苺を摘みに」も良かったけどこちらの方が読みごたえがあった。

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    2016年09月10日
  • 不思議な羅針盤(新潮文庫)

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    雑誌『ミセス』に連載されたものだそうです。梨木さんの穏やかで芯の強いお姿がぎゅっと詰まっています。いろいろ大変な世の中でも、ため息つきながら、くすっと笑いながらくっきりと生きている感じ。憧れます。

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    2016年07月30日
  • 不思議な羅針盤(新潮文庫)

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    こういう文章はどうやったら書くことができるのだろう、とそんなことばかり考えながら、ひたすら優しくて穏やかな梨木さんの語りに癒やされました。

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    2016年06月04日
  • 丹生都比売 梨木香歩作品集

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    奇譚とか異聞とかいうとやたら観念の公房戦wを繰り広げるのが昨今の流行のようになってしまっているがそんななかシンプルな言葉を紡いで肌触りの良い上質なファンタジーを仕立てることの出来る作家のひとりが梨木さんだと思う。
    今回も老いの侘しみや生の寂しみを時を超え多面的な視点で捉えた九つの物語、アイデンティティである鳥や植物も散りばめられて梨木ワールドに彩りを添えている。
    表題作「丹生都比売」も史実の論議を外して読むならば母と子の「個」を見詰めたしっとりとした趣きで読み応えあり。
    単行本もあるようなのでそちらも読んでみたい

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    2016年05月17日