梨木香歩のレビュー一覧
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ちょっとしたことで入院することになり、まとまって読書する時間がとれた。その時に読んだのがこの本。この本があったから、寂しい入院生活を乗り越えられたと思う。
征四郎にとって高堂は、自分と対を成すような人。自分でそこまで自覚していなくても、きっと憧れや尊敬を感じていた、本当に大切な友だったのだろう。そんな友を亡くし、悲しみより寂しさの方が強かったのではないか。
そのぽっかり開いてしまった穴を埋めていくのは、木々や花など自然界のもの、妖怪、優しい隣のおかみさん、新しい大切な相棒のゴローなど、征四郎と絶妙な距離を保ってくれるものたちとの日々の暮らし。そしてあちらの世界から時々現れる高堂その人。特にこ -
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登校拒否になった中学生の女の子が、田舎のおばあちゃんちで過ごすお話
おばあちゃんは実は魔女で不思議な力を持っているという事から、魔女修行に励む事になる
魔女修行は精神力の鍛錬
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自分を生き抜く力を伝える、ロングベストセラー小説の愛蔵決定版。中学に進んでまもなく、どうしても学校へ足が向かなくなった少女まいは、夏のひと月をママのママ、西の魔女と呼ぶおばあちゃんと共に暮す。感受性が強く生きにくいと言われたまいは、その性質を抱えて生きるために魔女修行に取り組む――初刊から23年を経て、書下ろし短篇おばあちゃんのモノローグ「かまどに小枝を」等表題作に?がる三作も収録。
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心に響く。
買うかどうか迷ってここを訪れた人は安心して、この本を手に取って欲しい。この本は、あなたの人生に、少なくとも影響を与えるものだろうから。
こういう類の小説を読むたび、思う。小説というものは、物語というものは、その作者の今までの人生の集大成なのだということを。
文学には、学校の教科書なんかよりも、よっぽど濃い学びがある。その学びとは、作者が、頭を抱え悩み、考え、そして至った結論の数々である。それは、登場人物の台詞を通して、我々読者に伝えられるものであり、我々が本文約200頁の中から唯一覚えて、吸収しなくてはいけないものだ。
匂いや温度を感じるような、まるで自分もおばあちゃんの家にいるよ -
Posted by ブクログ
ネタバレ人を慰め、愛し、叱った、誇り高きクラレンスの生涯
古書店巡りしてたときに偶然見かけて、
普段なら買わないジャンルなのですが妙に目が惹かれて、
購入。
読み、泣きました。
実話であり、できる限り感情を省いた記録だと著者が心がけており、
それでも滲み出る「この子が愛おしかった」故の表現の数々に私はとても嬉しくて……。
内容ですが、
戦時中、あるピアニストの婦人が拾ったスズメの記録です。
12年生きたスズメの生涯について、
老いて大病を患った彼の傍らで、思い出を語ってくれています。
小鳥と暮らしたことのある人なら
共感や想像が簡単だと思います。
首にぴったりくっついて同じベッドで眠るな -
Posted by ブクログ
「西の魔女が死んだ」を読んで改めて感じたのは、しっかり寝て、しっかり食べて、しっかり運動するという、人間が生きるうえで本来とても大切なことを丁寧にやるだけで、私たちは自然の一部としてのサイクルにちゃんと戻っていけるということでした。
心も身体も、そして脳の中も余計な不純物が少しずつ抜けていくようで、それがとても心地よかったです。
おばあちゃんの言葉にはいつも温かい温度があり、心を温かくさせてもらえました。
まいが魔女修行をする姿を見ながら、私自身も一緒に修行しているような感覚になり、これからの人生でも、私なりの魔女修行を続けていこうと思いました。
自分で決めて、自分で決めたことをやり遂げる