梨木香歩のレビュー一覧

  • ほんとうのリーダーのみつけかた 増補版
    今の混沌とした時代だからこそ、リーダー不在の時代だからこそ、物事の本質を見失いそうな時代だからこそ、魂に訴えかける書であった。本書が出されたのがコロナが始まった時、そして増補版として出された。ともに言葉を大切とする若松英輔氏の解説も秀逸。シンプルに書かれているが、内容は深く、何度も自分の中で反芻させ...続きを読む
  • 沼地のある森を抜けて(新潮文庫)
    ☆5じゃ足りないです
    読み終わって世界の見え方が少し変わるような 
    自分の心や体の様子とともに周囲に五感を働かせてみよう
    読後、ぬか床に挑戦したくなる!?
  • ほんとうのリーダーのみつけかた 増補版
    ムラ社会という言葉が表しているように、日本という国は同調圧力が非常に強いようです。

    世間や組織、共同体の常識(それが正しいか正しくないかは関係ない)に反する人の声は無視され、酷い場合には排除されます。

    本書のタイトル、ほんとうのリーダーのみつけかたのリーダーとは自分自身のことです。

    物事に対し...続きを読む
  • 沼地のある森を抜けて(新潮文庫)
    ・動きや感触の表現が、読み返したくなるくらい綺麗だった。
    ・何について語っているのかはっきりと示されていない章もあり、色々想像しながら読み進めていくのが楽しかった。
    ・自分の意思がしっかりあって、冷静に適切な言葉で相手に伝えられる久美ちゃんのような大人になりたい。
    ・久美ちゃんと風野さんのその後がす...続きを読む
  • りかさん(新潮文庫)
    子どもに読ませてあげたい本だと思う。西の魔女が死んだの本と似ている感じで祖母との不思議な交流や小さな子にも分かる説明。ファンタジーなのに学ぶことが沢山ある本だと思った。
  • りかさん(新潮文庫)
    お雛様の時期に読みたいお話。私はお人形やぬいぐるみによく名前をつけていましたが、言葉が通じたらどのような話をしていただろうか。なんだか懐かしくて、毎年読みたくなります。
  • 西の魔女が死んだ 梨木香歩作品集
    多感な時期に逃避行先があるという選択肢は心の支えになります。私も同じ頃、悩んでいた自分に読ませてあげたい☺︎ 田舎に帰省が永遠の憧れです。
  • 西の魔女が死んだ 梨木香歩作品集
    読み終わった瞬間、私の中で思わず、快哉を叫ばずにはいられなかった程、素敵で完璧な終わり方だった。

    梨木香歩さんの作品は、「岸辺のヤービ」が初めてだったので、この作品も、日本の四季特有の移り変わる自然や動植物の美しさ、そこにおける素朴な生活の素晴らしさを謳っている話かと思っていました。

    しかし、そ...続きを読む
  • 西の魔女が死んだ 梨木香歩作品集
    読書好きになったきっかけの本であり、今でも1番好きな本。
    改めて読み返したけど、相変わらず心にスッと入ってきて、包み込んでくれる本。
    優しく背中を押してくれる様で、思いっきり叩いてくれる様で、この先もこの本には何度も帰って来ると思う。
  • 春になったら莓を摘みに(新潮文庫)
    文庫の内容紹介は「『理解はできないが、受け入れる』それがウェスト夫人の生き方だった」から始まっている。梨木作品は「家守奇譚」「ピスタチオ」を読んだ後だったこともあって、てっきり「不思議への理解」のことと思きや(そういうシーンもなくはないが)、「他人への理解」「異文化への理解」という意味だった。

    ...続きを読む
  • ある小さなスズメの記録 人を慰め、愛し、叱った、誇り高きクラレンスの生涯
    もう一度しっかり読みたい。
    鳥と暮らしたことがある人は、クレランスの姿が目に浮かぶはず。
    愛しい気持ちでいっぱいになります。
  • りかさん(新潮文庫)
    みんなが持ってるリカちゃん人形とは違う。
    でもりかさんのほうが良い。ようこがそう思ってくれてコチラも嬉しく感じた。よかった。
    心が清々しくなる優しいお話。

    青い目の人形の話は辛かった。
    傷つけられるために生まれた人形など居ないのに。
    無抵抗のものに暴力を振るった人の狂気がとても怖くて、悲しかった。
  • 冬虫夏草(新潮文庫)
    「家守綺譚」シリーズの2作目。前作では主人公綿貫の住む「家」が中心のお話だったが、本作では旅先での出来事が描かれる。

    愛犬ゴローと「イワナの宿」を探して、愛知川を上っていく歩き旅である。途中で出会う人々とその生活、自然、そして妖怪の類。前作にも増して不思議なことだらけだが、綿貫も地元の人も、さして...続きを読む
  • りかさん
    リカちゃん人形が欲しかった小学生のようこにおばあちゃんが贈ったのは、おかっぱ頭の市松人形のりかさんだった。

    落胆しながらも人形のお世話をしていくうちに、ようこはりかさんの声が聞こえるようになった。

    おばあちゃんの元に来る前の持ち主にも、おばあちゃんにも大切にされていたりかさんは、気立が良く賢く、...続きを読む
  • 裏庭(新潮文庫)
    こども時代、こんな大人になりたい。なりたくない。と思うことがあるだろう
    でも、気づいたら、ああ私あの時のなりたくない大人になってしまった。と
    そんな人にゆっくり時間をかけて、思案しながら読んで欲しい
    おとなだからこそ
  • 海うそ
    小説の舞台である「遅島」は実在する島ではないけど、文中では、さまざまな植物の名前、地形や地名などの描写が細かく、まるで本当に存在する島のようで、またその空気感、雰囲気が心地良かった。 ハッピーエンドとは言えないものの、明け方を思い出すときのような、どこか清々しさを感じる読後感と余韻。
  • 炉辺の風おと
    とても静かで心に静寂がおとずれる本。

    言葉遣いが独特で、まさに丁寧に紡いでおられる。
    著者の自然への愛と敬意がひしひしと伝わる。

    文章からだけで、火の暖かさ、厳しい寒さ、自然の驚異と凄みが全て伝わってくる。

    冬の夜にすごくおすすめです。
  • 裏庭(新潮文庫)
    年の瀬にとても素敵な本に出会ってしまった!もうこれはプレゼントでしょう。

    1回じゃ理解し切れていない部分が多々ある。2回、3回と読んで自分の中に落とし込まないと。

    最近自分の怒り方が母親と同じことに気付いた。何を言っても取り付く島のない母親の怒り方に、幼い頃の自分はどうしたらいいか分からなくて途...続きを読む
  • 冬虫夏草(新潮文庫)
    「家守奇譚」の続編。
    ページを開くと、相変わらずゆったりとした空気が流れていて、心が落ち着く。
    愛犬ゴローが失踪し、友人である菌類の研究者の南川に教えられ、綿貫は鈴鹿を探索することに。
    生駒、鈴鹿、若狭、敦賀など馴染みのある地名が出てきて、想像をかき立てられる。
    広々とのどかな風景や、山里の人々の生...続きを読む
  • 海うそ

    自然・史跡・遺構等々

    朗読サイトでこの本を知り購入。いつもながら自然描写が秀逸で、自然との共生の有様に思いを馳せる。古より心の拠り所としての民間信仰・仏教伝来・帰依、修験道等々様々な要因で各地でそれぞれの栄枯盛衰を経ているよう・・明治政府の神仏分離令はこの島でも容赦なく廃仏毀釈
    僧籍剝奪還俗その理不尽な状況も捉えてい...続きを読む