梨木香歩のレビュー一覧

  • 西の魔女が死んだ 梨木香歩作品集

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    西の魔女の教えは、優しくて、強くて、あたたかい。
    私も西の魔女のような、かっこよくて素敵な人になりたい。

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    2025年08月15日
  • 冬虫夏草(新潮文庫)

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    『家守綺譚』続編。
    姉妹編の『村田エフェンディ滞土録』から思いがけずはじまった梨木香歩一気読みターン、最高の夏休みでした。

    今作の綿貫くんはゴローを探して旅をします。
    旅の過程でもやっぱりたくさん不思議なことに出会うんだけど、それをすんなり受け入れて進んでいく綿貫、本当に良い奴で気持ちが良い。
    ゴローに出会えたのかどうか、ぜひ読んで確かめてほしい。

    赤竜とサラマンドラの話が知りたい方は絶対『村田〜』のほうも読むべき。あーあ、もっと読みたかったな。続き、出ないかな。

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    2025年08月14日
  • 村田エフェンディ滞土録(新潮文庫)

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    めちゃくちゃよかった……
    読み終えた後、ゆっくりもう一周噛み締めて読んだ。

    トルコへ留学していた考古学者の村田と、下宿先で出会ったいろんなものの友情(あえてこの言い方をさせてもらう)の、物語。
    ずっと不穏な空気は流れていたのだけれど、前半と後半の対比があまりに鮮やかで後半はほろりと。鸚鵡〜〜。そこで「友よ!」はないてしまう。

    過去があるから現在があって、過去は、想いはモノに宿るのかもしれない。
    戦争も革命も苦しいけれど、国を憎まず、それぞれの信じるものをもち、友情をもつことはできる。

    「家守綺譚」と世界が共有されているようなのでそちらもすぐ読む

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    2025年08月12日
  • 西の魔女が死んだ 梨木香歩作品集

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    「ただ、身体は生まれてから死ぬまでのお付き合いですけれど、魂のほうはもっと長い旅を続けなければなりません。赤ちゃんとして生まれた新品の身体に宿る、ずっと以前から魂はあり、歳をとって使い古した身体から離れた後も、まだ魂は旅を続けなければなりません。死ぬ、ということはずっと身体に縛られていた魂が、身体から離れて自由になることだと、おばあちゃんは思っています。きっとどんなにか楽になれてうれしいんじゃないかしら」

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    2025年08月09日
  • 冬虫夏草(新潮文庫)

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    ネタバレ

    「家守綺譚」の続編。

    前作よりも現代的な文体になっていて、前作の語り口が好きだった私としてはちょっぴり寂しい気もしましたが、前作同様「あるものをあるがままに受け入れる」という梨木氏の哲学が貫かれている。

    「そのときどき、生きる形状が変わっていくのは仕方がないこと。(中略)人は与えられた条件のなかで、自分の生を実現していくしかない。」

    こちらも見事な一作でした。続きを読みたい気もするのですが、この作品で終わりのようですね。名残惜しいです。

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    2025年07月22日
  • 村田エフェンディ滞土録(新潮文庫)

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    「家守綺譚」の姉妹編。

    「家守綺譚」に出てきた村田氏が主人公の一冊です。
    梨木氏の小説はどれもそうなのだけど、淡々とした語り口なのに、気づけば止まらずに読み切ってしまう魅力と力強さがあって、この作品もそうした小説の一つです。

    世の中がだんだん焦臭くなってきている今だからこそ、心により強く響いた作品でした。

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    2025年07月12日
  • 春になったら莓を摘みに(新潮文庫)

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    面白かった!世界中の色んなバックボーンを持った人たちと心から関わり合えるのって素敵。個人的なことから人種やらのことまで幅広いエピソードがあって楽しかった。

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    2025年05月31日
  • 本からはじまる物語

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    面白かったー。
    「本」からはじまるのがテーマといっても、それぞれの作家さんごとにアプローチが違って、ジャンルもそれぞれで楽しかった。
    恩田陸さんの「飛び出す絵本」、「飛び出す」の意味をそう持っていくか、というのが面白いし、阿刀田高さんの『本屋の魔法使い』も素敵。石田衣良さん三崎亜記が久々だった。
    どれもよかったけど、やっぱり、なんと言っても朱川湊人さん!ここで猫の話が読めるなんて、最高すぎる。朱川さん、大好きだー。お初の山本一力さんも猫♪
    はい、もう、これはかんっぺきに猫本である!!

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    2025年05月26日
  • 西の魔女が死んだ(新潮文庫)

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    自然豊かな場所で、植物の知識や、鶏が産んだ新鮮なたまごを朝食にしたり、基本的な生活のあれこれをおばあちゃんから教わり、自分で1日のスケジュールを立て、その通りに行動する。こんな生活って素敵だなあと思いながら読んでいました。


    おばあちゃんが亡くなるのは分かっていても、ラストは少し泣きそうになりました。
    引っ越すときに、おばあちゃん大好きって言わないまま別れて、それ以降おばあちゃんに一度も会えないまま永遠のお別れになってしまったのがとてもつらかった。


    私の祖母も去年亡くなり、畑で花や野菜を育てるのが上手だったのもあり、まいのおばあちゃんと重なるところもあって、自分の幼少期を思い出して寂しく

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    2026年05月07日
  • りかさん(新潮文庫)

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    「りかさん」
    幼い頃大切に抱いていた人形は、ぬいぐるみは、どこにやってしまっただろうか。あんなに楽しかった人形遊びをしなくなったのはいつだったか。温かい懐古と今を生きる私に寄り添ってくれるようなりかさんやおばあちゃんの言葉で胸がいっぱいになる。初めは奇妙な世界の話だと思ったけれど、じわじわと馴染んで、泣きそうになるくらい優しい。梨木香歩の作品は、いつも優しい。
    「ミケルの庭」
    「りかさん」の続編。幼子を可愛がる女性たち、皆、一様に優しく見える、幼子とは赤の他人なのに。
    母性とはなんだろうと、いつも思う。純粋に「可愛い」と想う気持ちのようでもあるが、私がこれまで読んできた文学において、多くの場合

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    2025年05月22日
  • 不思議な羅針盤(新潮文庫)

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    日常のふとしたことから、梨木さんが徒然に思いを馳せてゆくエッセイ。

    「ゆるやかにつながる」では、ツルの群れの話から私たち人間もまた群れる生き物だという話へ。
    「できるならより風通しの良い、おおらかな群れをつくるための努力をしたい。個性的であることを、柔らかく受け容れられるゆるやかな絆で結ばれた群れを。傷ついたものがいればただそっとしておいてやり、異端であるものにも何となく居場所が与えられ生きていけるような群れを。ちょっとぐらい自分たちと違うところがあるからといって…(略)…詰め寄り排斥にかかることがないような群れを。」
    これにはとても共感した。

    「世界は生きている」では、清里の森から様々に

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    2025年05月18日
  • エストニア紀行―森の苔・庭の木漏れ日・海の葦―(新潮文庫)

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    ネタバレ

    梨木さんの心情とともにエストニアを深く感じられる。エストニアに行ったことはないが、行ってみたくなり、人々の感性と優しい情熱が好きだった。

    エストニア人は、個人主義的な性格の強い、シャイな人たちで、群れるのを嫌うとこがあります。家の周りにも木を植える。防風林、というような実利的な面もありますが、なるべく人目を避けて、周りの人から見えないところに住みたいという気持ちが強いのだそうです。自然が大好きな人たちで、木も大好き。だから町中ですと生け垣が多いですが、田舎では、あんなふうに生長していく木を植えますね。目隠しの意味もあって。

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    2025年04月19日
  • からくりからくさ(新潮文庫)

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    4人の下宿生と一体の人形が暮らす家を中心に物語は進む。

    登場人物は、染織、機織りなどの手仕事に関わっていて、自然や手仕事を通して、人の生きることに対しての心持ちと言えるようなことが語られる。

    機を織る。布を織る。

    様々な色の糸を縦横に使い、一枚の布を織る。

    簡単には織れない、地道な作業。

    織り上がった布には表裏があり、様々な顔を見せる。

    至る所で機織りはされ、たしかにその土地に根付いている伝統はあり、脈々と伝えられてきた。

    自分の気持ちや境遇、良い時も悪い時も、ただ機を織る。

    そうして手仕事をつないできた歴史があるということを知ることは、少しだけ人生を豊かにしてくれると思う。

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    2025年04月13日
  • 裏庭(新潮文庫)

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    20年くらい前に読んで衝撃を受けた作品
    本の世界に没入するという体験を初めてした作品でもあります。

    主人公の照美の近所にある
    丘の麓のバーンズ屋敷
    お化け屋敷とも呼ばれるそこは
    子どもの頃の大人に怒られるかもしれないけど
    行ってみたいという
    子どもの好奇心をくすぐるような不思議な場所
    照美のお父さんもお母さんも
    実は小さい頃にそこで遊んでいたり
    近所に住む友達のおじいちゃんから
    そこの屋敷にまつわる話を色々聞いたり

    近所ではあるけど
    日常ではないそこがミステリアスで
    なんともいえない魅力を放っています。

    バーンズ屋敷に関わる"裏庭"
    照美はそこに足を踏み入れていく

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    2025年04月05日
  • 春になったら莓を摘みに(新潮文庫)

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    今の季節にあった題名である。都会より自然のある生活を愛する著者の大学出たてで英国Sワーデンの下宿先を二十年後訪ね湖北地方を旅し、山を登り土地の人たちと交流して自分のアイデンティティを確かめながらまた、ニューヨークに渡りニューヨークの刺激に魅了し反核運動に参加したり、クリスマスパーティーに参加した話、カナダトロントに滞在してプリンスエドワード島での旅での老車掌とのやりとり、自閉症児との話など、爽やかな読後感のエッセイです。
     季節は今、題名の通りの時期ですが著者の温かな感性がただよう本でした。

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    2025年03月31日
  • 海うそ

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    ネタバレ

    梨木香歩さん、こんなところにまで達してしまわれたんですね、と深く深くため息をつくように思ってしまう作品でした。
    以前、どこかに掲載されていたインタビューで、この「海うそ」という作品を境に、何か大きく変わったというようなことを語っておられた記憶があります。この記憶もかなりあやふやなのですが、それからなんとなく、この作品は、重要な作品だと自分の中で位置づけてきた気がします。そういう先入観で読み始めたのですが、それが確信となるような、なんだかどっしとした重みのある作品でした。

    昭和の始めに、人文地理学研究者の秋野が研究のために訪れる南九州の遅島は、読むにつれて実在の島としか思えなくなり、思わず地図

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    2025年03月27日
  • ある小さなスズメの記録 人を慰め、愛し、叱った、誇り高きクラレンスの生涯

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    愛し愛され逞しく一生を駆け抜けたクラレンスの物語に出会えて本当に胸がいっぱいになった。

    我が家にいる生後半年の桜文鳥と重なり、読み進めるほど愛おしさが募っていく。キップス夫人の、客観的でありながらクラレンスへの愛情が伝わってくる文章が心地よかった。
    我が家の小鳥の成長と共に、またいつか読みたい。

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    2025年03月26日
  • 冬虫夏草(新潮文庫)

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    大好きな家守綺譚の続編。相変わらず読んでいてずっとこの世界にいたい読み終わりたくないという気持ちになる。
    明治時代が舞台のこの作品、ファンタジックとか幻想的という感じではなく、解説にもあったが科学的ではない出来事があくまで普通の世界として淡々と語られていくところが不思議と心地良い。これを読むと科学の常識で縛られた世界って安心するようで窮屈で居心地が悪かったんだなと思えてくる。
    綿貫、高堂、南川、犬のゴロー、河童の少年、、、
    綿貫と友人たちの会話がなんとも好き。みんなそれぞれいいキャラ。淡々とした中にそこはかとなく漂う綿貫の高堂へのなんとも言えない感情が良い。ゴローは相変わらず素晴らしい犬でたま

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    2025年03月31日
  • 海うそ

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    植生や遺跡の描写が緻密で
    実在の島ではないかと疑ってしまう
    島を歩いて伝承や考察
    信仰の対象であった名残を
    感じさせるシーンなど
    自分もフィールドワークに
    参加しているようだった

    最後にバブル期の開発?を
    思わせる場面があって
    面変わりをしんみりと感じつつも
    そういった開発は
    意外に失敗した事を
    知っているので
    この物語はまだ続いていて
    変化し続けている気がする

    ここ数年読んだ本の中で
    マイベストに入る本だなぁ
    どこか鄙びた温泉地に
    持っていって
    じんわりじっくり読みたい

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    2025年03月16日
  • ある小さなスズメの記録 人を慰め、愛し、叱った、誇り高きクラレンスの生涯

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    序に「私は野生の鳥は基本的には野にあるべきだと思っている」とある。だから、作者のキップスさんは生まれたばかりで巣から落ちた障害のあるスズメを深い愛情を持って育てながらも、彼がスズメであることを尊重して適度な距離感を保った視点で見ていたのだろう。この本がスズメの生態や人と一緒に暮らしていたからこそ開花した潜在的な能力などの観察記録としても興味深いものになっているのは、そのおかげだろうと思う。
    科学的な興味もさることながら、このスズメの愛らしさと逞しさには驚かされる。巣に見立てたベッドで迸るような歓喜の歌をひとくさり歌ったり、老いて病気になってからも生きる意志と聡明さで自由が利かなくなっていく状況

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    2025年03月15日