梨木香歩のレビュー一覧

  • やがて満ちてくる光の(新潮文庫)

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    梨木香歩さんのファンなら必ず手元に置いておきたい本。

    デビューから2019年までに色々なところで発表されたエッセイをまとめたもの。
    鳥のこと、バードストライクのこと、植物のこと、イスタンブールやエストニアのこと、時間・空間の境界のことなど。

    これまで梨木さんがどれだけ丁寧に生きてきたかがよく分かる。
    一つ一つ丁寧に向き合う姿勢が素晴らしい。
    もっと早くに梨木さんの小説に触れ、この本を読んでいたら、自分ももっと丁寧に生きてこれたかも。
    少なくともこれからはもっともっと丁寧に生きてゆこうと思いました。

    いつかお会いしてお話を伺いたい、そんなことが出来たら夢のようですね。

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    2023年08月30日
  • エンジェル エンジェル エンジェル(新潮文庫)

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    中学生くらいの時は全く意味がわからなかったけど、30過ぎて読んだら面白かった。いろんなところが呼応しててドラマの脚本みたい。

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    2023年08月19日
  • 炉辺の風おと

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    八ヶ岳の裾野の山小屋で過ごす時間を軸に、動植物や自然と自分のくらし、父、人生の終わり、言葉と政治など、身の回りのことを語るエッセイ。

    梨木さんはいつも、表層を一枚ずつ剥がしてその深層まで描きこむようなお話を書く人だと思っていて、エッセイは「渡りの足跡」以来であまり読んでいませんが、こちらは小説と同じでかなりディープな部分まで踏み込んで書かれたんだなあ、という印象(他のをあまり知らないのでここは何とも、なんですが)。
    ちなみに「渡りの足跡」は鳥の渡りという事象からさまざまなことに思いを馳せるエッセイ集。これを読んで梨木さんがガチのナチュラリストだったんだ、と知りました。

    このエッセイ集では八

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    2023年08月10日
  • 炉辺の風おと

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    静かで豊かな文章で、読み終えるのがもったいなくてゆっくりゆっくり読みました。手元に置いておきたい一冊です。

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    2023年08月03日
  • 春になったら莓を摘みに(新潮文庫)

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    エッセイなのに物語のような1冊。
    ウエスト夫人の人柄に惚れ惚れしてしまう。
    こんな素敵な経験が梨木香歩さんを作ったのかなと思うと彼女の柔らかくも強い文章に納得する。

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    2023年06月20日
  • 椿宿の辺りに

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    なんでこんなに大きな話が生まれるんだろう
    この国つまり日本の土の香りとか、そういう局所的なテーマからのようでいて、宇宙とかセカイとか4次元以上の世界とか、とんでもなく大きいもののことを聞かされてる気になる
    梨木さんはほんと何なんだ?

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    2023年06月14日
  • 不思議な羅針盤(新潮文庫)

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    梨木さんのエッセイは、深く、また思い至らないところまで広く。
    読んでいて、なぜか深い安心感を感じる。

    目にする草花にも
    「ひっそりとある、という風情が好きなのだった。自分を強く主張することもない、他の植物の陰になっていても自分が犠牲になっているなんて思わない、淡々と自分を生き切る、そういう日常の満ち足り方。だから華やかな他の花のように周囲に自分を誇る必要もない。」
    と、その在り方に、生き方の美しさを見出す。

    人との付き合い方、ものの見方についても
    あぁ、自分はまだまだ浅いなぁ、
    たくさんのことを知り、深く考えねばなぁ
    と反省もさせられるが、
    そのままでも良い、と受け入れられているような心地

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    2023年06月08日
  • 鳥と雲と薬草袋/風と双眼鏡、膝掛け毛布(新潮文庫)

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    梨木香歩さん。
    1月に買ってちまちまちまちまと読み進め、やっと読み終えたのが本日。
    丁度八重洲でモーニングしていた母が、今読む本がないというので差し上げてしまいました。
    土地にまつわるエッセイ。
    梨木さんの言葉遣い、視点が好きです。
    優しさがあって、柔らかくて。
    どれも1〜2、3ページくらいの短い内容なのも良かった。
    最近集中力が途切れがちだったから。
    ですけど、そろそろしっかり読書再開しますかねえ。

    思えば2023年4冊目だった模様(3冊目失念してたorz)

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    2023年05月27日
  • ぐるりのこと(新潮文庫)

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    ネタバレ

     タチアオイの花は、下から上へ花をつけてゆき、最後まで咲ききると梅雨が終わるそうです。梨木香歩さん、昭34年、鹿児島生まれ、英国留学、カヤックを趣味に、北方へ帰る鳥たちに会う旅を続け、大型犬と暮らしてるそうです。「ぐるりのこと」、2007.7発行、8編のエッセイ集。自分のぐるりのことにもっと目を向けてほしい。ぐるりから世界に心を開いてほしいとの思いが、このタイトルになったとか。「境界」もこのエッセイのポイントのようです。日本はアジアの中で、かつて歴史になかったほど西洋に近づいた一国。モデルはどこにもない。

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    2023年05月26日
  • 不思議な羅針盤(新潮文庫)

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    ネタバレ

     樹木・草花であれ、ものであれ、人であれ、ひとたび対象に向かうと、五感をフル稼働させて、大切なものを得ようとひたむきな梨木香歩さん。頼るもののあるときは頼り、支えのないときは一人で立つ生き方。植物や鳥たちとの付き合いが人との距離の取り方を教えてくれる。梨木香歩さん「不思議な羅針盤」、2015.10発行。読んでてほっとする28のエッセイ集。エッセイというより、詩情の浪漫を感じます。

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    2023年05月22日
  • 村田エフェンディ滞土録(新潮文庫)

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    「冬虫夏草」を読んでサラマンドラ(赤竜)と稲荷の関係が解らずにいたのですが本作を読んで合点がいきました。
    てか順番的には『家守奇譚』『村田エフェンディ滞土録』『冬虫夏草』なのかなぁって思いました。

    トルコに留学した村田氏の見聞録になりますがこれは東西の異文化が混在してごった煮のような味がでてました。混じりあった体臭が独特。
    宿舎の女主人はイギリス人、使用人のムハンマド、下宿人は村田氏の他にドイツ人とギリシャ人、宗教は、キリスト教にイスラム教、仏教にギリシャ正教とある。ギリシャ正教がなんなのかよく解らなかったのですがキリスト教の分派みたいです。
    あっ最後にオウム、(真理教じゃないですw)
    ムハ

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    2023年04月30日
  • 椿宿の辺りに

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    梨木香歩の椿宿の辺りにを読みました。

    主人公の佐田山幸彦(通称山彦)は化粧品を開発する会社の会社員です。
    最近、原因不明の痛みに悩まされています。
    彼の従姉妹の海幸比子(通称海子)もまた原因不明の痛みに悩まされています。

    海子が通っている仮縫鍼灸院の治療師の亀シの提案で山彦は彼らの祖父の実家のある椿宿に行ってみることになります。
    なぜ彼らはそのような神話に関連するような名前をつけられることになったのか、祖父の実家の椿宿はどのような場所なのか。

    祖父の実家に長年住んでいた竜子さん、その実家を歴史的な建造物として保存しようとしている珠子さん、竜子さんの長男の宙幸彦さんなどとの交流により、椿宿

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    2023年04月30日
  • 村田エフェンディ滞土録(新潮文庫)

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    ネタバレ

    国や宗教が違う人たちがどうしたら分かりあえるのか、分かりあえなくても互いの考え方を尊重して共存することはできるのではないか、そんなことを模索しようとするような丁寧な筆致がとても心地よい、そんな読書時間。
    第一次世界大戦勃発直前という作品の中の時代背景が、今のギスギスした世界情勢とも重なって、考えさせられるのだけど、梨木さんの文章は夏目漱石みたいなおかしみもあって本当に好き。明治時代の異国の地の、においや感覚までが伝わってくるよう。
    私の大好きな『家守綺譚』の姉妹編とは、しらなんだ…

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    2023年04月23日
  • 裏庭(新潮文庫)

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    自分の中の庭をどう育み、生きていくのか。
    少女が自分の心の中にある家族へのわだかまりや罪悪感を抱きしめられる強さを得るためには、こんなにもしんどい試練を受けなきゃいけないのかと。何度も涙したし、一生読み続けたい大作。

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    2023年04月13日
  • りかさん(新潮文庫)

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    からくりからくさの伏線。
    あの時のあれは、ここからつながってたのかーというのが上手くまとまってて面白く、蓉子がりかさんをあんなに大切にしていたのも納得でした。

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    2023年03月26日
  • からくりからくさ(新潮文庫)

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    古民家で自然と共にのんびりと暮らしている女性たちの物語りかと思いきや、りかさんにまつわる過去や彼女たちの内に秘めた激しい思いが淡々と描かれていて、心にぐっと刺さりました。
    能面にまつわる過去のつながりがイマイチ理解しきれなかったのですが、伏線がちゃんと回収されていたのでだいたい分かりました。

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    2023年03月25日
  • 沼地のある森を抜けて(新潮文庫)

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    何書いても余計になる気がするけど、書いてみたいから書く。
    読み進めていくと、綺麗な情景や人間との関わり(個人的にそう感じた)と相対するように生物の底なしの存続への渇望が醜く表現されすごく絶妙な話だと思った。
    最後、風野さんと久美ちゃんはどういう結末を迎えたんだろうか。
    きっとしばらく経ってから読み返すべき話だ。
    私には少し早すぎたのかもしれない。

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    2023年03月18日
  • 春になったら莓を摘みに(新潮文庫)

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    寒さが少し和らぎ、花粉が飛び始めてムズムズし始める時期が旬のエッセイだと思う。
    あらゆる人々との出逢いが、この250ページに詰め込まれていて、現実の出会いを億劫に思う気持ちを撫でて解いてくれる気がする。

    暮らしの中で問を見つけては真摯に思考を重ねる著者の姿には、なぜだか、エッセイに出てくる車掌や駅員寄りのイメージを重ねていた。

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    2023年02月23日
  • 村田エフェンディ滞土録(新潮文庫)

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    ネタバレ

    作品紹介・あらすじ

    『家守綺譚』『冬虫夏草』の姉妹編
    著者によるあとがき「あの頃のこと」を収録
     
    19世紀末のトルコ、スタンブール。留学生の村田は、ドイツ人のオットー、ギリシア人のディミィトリスと共に英国婦人が営む下宿に住まう。朗誦の声が響き香辛料の薫る町で、人や人ならぬ者との豊かな出会いを重ねながら、異文化に触れ見聞を深める日々。しかし国同士の争いごとが、朋輩らを思いがけない運命に巻き込んでいく――。色褪せない友情と戻らない青春が刻ま れた、愛おしく痛切なメモワール。

    *****

    再読。
    記録によると前回は2009年2月8日に1日で読破している。その時は角川文庫からの出版だった。それ

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    2023年02月23日
  • 村田エフェンディ滞土録(新潮文庫)

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    やはり好きなシリーズ。「家守綺譚」「冬虫夏草」と読みきてこの一冊はまた繋がっているのでやはり期待どおりだった。青春かぁ…想い返してそう呼べる期間は大切です。前に進む、進化進歩せよと世は言うが、国柄、宗教、人種、時代、様々に絡み合う世界は本当に進歩しているのか。薄々そうかと思って読みすすめたが、やはり最後は涙した。もっと日常の些細な生活を読みたかった。

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    2023年02月18日