梨木香歩のレビュー一覧

  • 不思議な羅針盤(新潮文庫)

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    梨木さんのエッセイは、深く、また思い至らないところまで広く。
    読んでいて、なぜか深い安心感を感じる。

    目にする草花にも
    「ひっそりとある、という風情が好きなのだった。自分を強く主張することもない、他の植物の陰になっていても自分が犠牲になっているなんて思わない、淡々と自分を生き切る、そういう日常の満ち足り方。だから華やかな他の花のように周囲に自分を誇る必要もない。」
    と、その在り方に、生き方の美しさを見出す。

    人との付き合い方、ものの見方についても
    あぁ、自分はまだまだ浅いなぁ、
    たくさんのことを知り、深く考えねばなぁ
    と反省もさせられるが、
    そのままでも良い、と受け入れられているような心地

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    2023年06月08日
  • 鳥と雲と薬草袋/風と双眼鏡、膝掛け毛布(新潮文庫)

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    梨木香歩さん。
    1月に買ってちまちまちまちまと読み進め、やっと読み終えたのが本日。
    丁度八重洲でモーニングしていた母が、今読む本がないというので差し上げてしまいました。
    土地にまつわるエッセイ。
    梨木さんの言葉遣い、視点が好きです。
    優しさがあって、柔らかくて。
    どれも1〜2、3ページくらいの短い内容なのも良かった。
    最近集中力が途切れがちだったから。
    ですけど、そろそろしっかり読書再開しますかねえ。

    思えば2023年4冊目だった模様(3冊目失念してたorz)

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    2023年05月27日
  • ぐるりのこと(新潮文庫)

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     タチアオイの花は、下から上へ花をつけてゆき、最後まで咲ききると梅雨が終わるそうです。梨木香歩さん、昭34年、鹿児島生まれ、英国留学、カヤックを趣味に、北方へ帰る鳥たちに会う旅を続け、大型犬と暮らしてるそうです。「ぐるりのこと」、2007.7発行、8編のエッセイ集。自分のぐるりのことにもっと目を向けてほしい。ぐるりから世界に心を開いてほしいとの思いが、このタイトルになったとか。「境界」もこのエッセイのポイントのようです。日本はアジアの中で、かつて歴史になかったほど西洋に近づいた一国。モデルはどこにもない。

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    2023年05月26日
  • 不思議な羅針盤(新潮文庫)

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    ネタバレ

     樹木・草花であれ、ものであれ、人であれ、ひとたび対象に向かうと、五感をフル稼働させて、大切なものを得ようとひたむきな梨木香歩さん。頼るもののあるときは頼り、支えのないときは一人で立つ生き方。植物や鳥たちとの付き合いが人との距離の取り方を教えてくれる。梨木香歩さん「不思議な羅針盤」、2015.10発行。読んでてほっとする28のエッセイ集。エッセイというより、詩情の浪漫を感じます。

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    2023年05月22日
  • 村田エフェンディ滞土録(新潮文庫)

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    「冬虫夏草」を読んでサラマンドラ(赤竜)と稲荷の関係が解らずにいたのですが本作を読んで合点がいきました。
    てか順番的には『家守奇譚』『村田エフェンディ滞土録』『冬虫夏草』なのかなぁって思いました。

    トルコに留学した村田氏の見聞録になりますがこれは東西の異文化が混在してごった煮のような味がでてました。混じりあった体臭が独特。
    宿舎の女主人はイギリス人、使用人のムハンマド、下宿人は村田氏の他にドイツ人とギリシャ人、宗教は、キリスト教にイスラム教、仏教にギリシャ正教とある。ギリシャ正教がなんなのかよく解らなかったのですがキリスト教の分派みたいです。
    あっ最後にオウム、(真理教じゃないですw)
    ムハ

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    2023年04月30日
  • 椿宿の辺りに

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    梨木香歩の椿宿の辺りにを読みました。

    主人公の佐田山幸彦(通称山彦)は化粧品を開発する会社の会社員です。
    最近、原因不明の痛みに悩まされています。
    彼の従姉妹の海幸比子(通称海子)もまた原因不明の痛みに悩まされています。

    海子が通っている仮縫鍼灸院の治療師の亀シの提案で山彦は彼らの祖父の実家のある椿宿に行ってみることになります。
    なぜ彼らはそのような神話に関連するような名前をつけられることになったのか、祖父の実家の椿宿はどのような場所なのか。

    祖父の実家に長年住んでいた竜子さん、その実家を歴史的な建造物として保存しようとしている珠子さん、竜子さんの長男の宙幸彦さんなどとの交流により、椿宿

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    2023年04月30日
  • 村田エフェンディ滞土録(新潮文庫)

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    ネタバレ

    国や宗教が違う人たちがどうしたら分かりあえるのか、分かりあえなくても互いの考え方を尊重して共存することはできるのではないか、そんなことを模索しようとするような丁寧な筆致がとても心地よい、そんな読書時間。
    第一次世界大戦勃発直前という作品の中の時代背景が、今のギスギスした世界情勢とも重なって、考えさせられるのだけど、梨木さんの文章は夏目漱石みたいなおかしみもあって本当に好き。明治時代の異国の地の、においや感覚までが伝わってくるよう。
    私の大好きな『家守綺譚』の姉妹編とは、しらなんだ…

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    2023年04月23日
  • 裏庭(新潮文庫)

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    自分の中の庭をどう育み、生きていくのか。
    少女が自分の心の中にある家族へのわだかまりや罪悪感を抱きしめられる強さを得るためには、こんなにもしんどい試練を受けなきゃいけないのかと。何度も涙したし、一生読み続けたい大作。

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    2023年04月13日
  • りかさん(新潮文庫)

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    からくりからくさの伏線。
    あの時のあれは、ここからつながってたのかーというのが上手くまとまってて面白く、蓉子がりかさんをあんなに大切にしていたのも納得でした。

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    2023年03月26日
  • からくりからくさ(新潮文庫)

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    古民家で自然と共にのんびりと暮らしている女性たちの物語りかと思いきや、りかさんにまつわる過去や彼女たちの内に秘めた激しい思いが淡々と描かれていて、心にぐっと刺さりました。
    能面にまつわる過去のつながりがイマイチ理解しきれなかったのですが、伏線がちゃんと回収されていたのでだいたい分かりました。

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    2023年03月25日
  • 沼地のある森を抜けて(新潮文庫)

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    何書いても余計になる気がするけど、書いてみたいから書く。
    読み進めていくと、綺麗な情景や人間との関わり(個人的にそう感じた)と相対するように生物の底なしの存続への渇望が醜く表現されすごく絶妙な話だと思った。
    最後、風野さんと久美ちゃんはどういう結末を迎えたんだろうか。
    きっとしばらく経ってから読み返すべき話だ。
    私には少し早すぎたのかもしれない。

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    2023年03月18日
  • 春になったら莓を摘みに(新潮文庫)

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    寒さが少し和らぎ、花粉が飛び始めてムズムズし始める時期が旬のエッセイだと思う。
    あらゆる人々との出逢いが、この250ページに詰め込まれていて、現実の出会いを億劫に思う気持ちを撫でて解いてくれる気がする。

    暮らしの中で問を見つけては真摯に思考を重ねる著者の姿には、なぜだか、エッセイに出てくる車掌や駅員寄りのイメージを重ねていた。

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    2023年02月23日
  • 村田エフェンディ滞土録(新潮文庫)

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    ネタバレ

    作品紹介・あらすじ

    『家守綺譚』『冬虫夏草』の姉妹編
    著者によるあとがき「あの頃のこと」を収録
     
    19世紀末のトルコ、スタンブール。留学生の村田は、ドイツ人のオットー、ギリシア人のディミィトリスと共に英国婦人が営む下宿に住まう。朗誦の声が響き香辛料の薫る町で、人や人ならぬ者との豊かな出会いを重ねながら、異文化に触れ見聞を深める日々。しかし国同士の争いごとが、朋輩らを思いがけない運命に巻き込んでいく――。色褪せない友情と戻らない青春が刻ま れた、愛おしく痛切なメモワール。

    *****

    再読。
    記録によると前回は2009年2月8日に1日で読破している。その時は角川文庫からの出版だった。それ

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    2023年02月23日
  • 村田エフェンディ滞土録(新潮文庫)

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    やはり好きなシリーズ。「家守綺譚」「冬虫夏草」と読みきてこの一冊はまた繋がっているのでやはり期待どおりだった。青春かぁ…想い返してそう呼べる期間は大切です。前に進む、進化進歩せよと世は言うが、国柄、宗教、人種、時代、様々に絡み合う世界は本当に進歩しているのか。薄々そうかと思って読みすすめたが、やはり最後は涙した。もっと日常の些細な生活を読みたかった。

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    2023年02月18日
  • 春になったら莓を摘みに(新潮文庫)

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    何度も何度も読んで、カバーがぼろぼろになってきたけど買い替えず持っている本。やりきれない、わかり合えない、けど誰かとつながっていく。

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    2023年02月10日
  • 沼地のある森を抜けて(新潮文庫)

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    生生しく体をかき回されるような描写に取り込まれて、官能小説のようだなと思った。
    ぬか床をかき回したくなる。

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    2023年02月10日
  • 冬虫夏草(新潮文庫)

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    ネタバレ

    続編があるとは知らず…見つけた時は小躍りした(笑)ゴローの出演回数が少なかったのが残念だが、最後は感動して涙が出そうになった。ゴロー、ちゃんと愛されてる…ダアリヤにももっと出てほしかった。

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    2023年01月31日
  • 村田エフェンディ滞土録(新潮文庫)

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    角川文庫版からの移籍、ということになるのでしょうか。内容は鉄板です。著者あとがきが嬉しい。未読の方も既読の方も是非。

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    2023年01月30日
  • 沼地のある森を抜けて(新潮文庫)

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    ネタバレ

    ぬか床から始まる日常物かと思いきや、どんどん話が膨らんでいき、最終的には生命の深淵をのぞき、そして読者にも問いかけるような内容となっている。

    後半から挿入される「かつて風に靡く白銀の草原があったシマの話」はかなり抽象的だが細胞壁=ウォールを持つ生き物とそこに入り込んできた似て非なる生命のお話で(だと思っている)同じテーマをあつかっている。

    もとはひとつの生命が生まれ、壁を作り、それを壊し、そしてまたひとつになることの不可思議さと奇跡、または呪いや祈り。
    自分が何者かの定義の曖昧さもあれば、確固たる
    自分の意思もあるような気がするその線引きの危うさと自由さ。
    そういったものを深く考えさせられ

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    2023年01月23日
  • f 植物園の巣穴

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    ネタバレ

    "椿宿の辺りに"を読んだ後、再読してようやく、私はこの物語が好きだった事に気付いた。最初に読んだ際は、主人公の曖昧な記憶、過去と現在(現在と言っても、ファンタジーに満ちて象徴を読み取らないとならない)が入り交じる物語に囚われすぎ、印象を上手くまとめられていなかった。
    蓋をしてしまうほどに辛い過去があり、そのせいで酷薄な態度を取っていたのが、精霊?土地神?達に導かれて少しずつ自分の記憶と向き合えるようになった。そして会うことの出来なかった息子とも言葉を交わし、何よりも、息子に名をつけることが出来た、というのは、自分の過去へのこだわりを捨てる上でも、息子への想いを昇華させるうえ

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    2023年01月22日