梨木香歩のレビュー一覧

  • 西の魔女が死んだ(新潮文庫)
    このページ数で、プラス小話が入っているのでボリュームは少なめ。さくっと読みやすい。おばあちゃんとまいの、穏やかで、温かくて、じんわりと優しさが沁み入る日々。いっしょにジャムを作ったり、ご飯を食べたり、お洗濯したり。このいとおしい日々があればまいはこれからも強く生きていけるだろうなって思った。とにかく...続きを読む
  • 裏庭(新潮文庫)
    こんな感じ、知っているような知らないような、空を飛ぶような地を這うような。
    英国人別荘の裏庭から繋がる異世界への旅。
    仏教の輪廻転生(六道)を旅するということ、言語化するとこんな感じなのかも。
    恐ろしい美しさと共に、抗えないほどの凄まじい肯定がある。

  • 村田エフェンディ滞土録(新潮文庫)
    〈再登録〉「家守綺譚」でも触れられていた綿貫の友人・村田のトルコ滞在記。エフェンディ(学士)として過ごす村田から見た異国でのかけがえのない日々の記録。
    奇妙な出来事に遭遇しながらも、国も宗教も違う人々と理解し合っていく村田。彼らとのやり取りが面白かっただけに、その後の世界状況の中、それぞれの運命を生...続きを読む
  • 西の魔女が死んだ(新潮文庫)
    梨木香歩さんの「ピスタチオ」を読んだのをきっかけに、10年前課題図書で読んだこの本を再読。

    最後、10年前もボロ泣きしたが、今回もしっかりボロ泣きした。大筋の展開覚えてたのに笑。

    人の考えも、幸せも、一面を見て決まるものではない。複合的に絡み合っているんだということを思い出させてくれる。

    「悪...続きを読む
  • 西の魔女が死んだ(新潮文庫)
    昔、映画化された際にロケ地に行き
    生々しい現場にゾッとすると共にどこか懐かしくて安らぐ雰囲気を感じ取った記憶がある。

    10年ぶりの再読。
    中学生当時は分からなかった、この作品の細かな表現の素晴らしさや、ボタニカルな暮らしぶりによってますます素敵な作品に感じられた。
    人間らしく、大人らしくありたい時...続きを読む
  • 西の魔女が死んだ(新潮文庫)
    祖母のご飯で育ったおばあちゃんっ子の自分には少し現実的過ぎるくらい主人公の気持ちが伝わってくる作品でした。初めて読んだ10年前からずっと大好きな本です。今でも時折祖母が死んでしまった時の事を考えて泣きそうになるんですけど後悔しないように会った時には何においても感謝を伝えるようにしています。

    ナイ ...続きを読む
  • 西の魔女が死んだ(新潮文庫)
    皆がいろいろな価値観で、それぞれの想いを持って生きている。自分の価値観を持ちつつ、他の価値観も受け入れながら生きていく。強いというのは、こういうことなのだろうな。いろいろ考えさせられる読書体験でした。
  • 西の魔女が死んだ(新潮文庫)
    良かった。気付いたら、もう亡くなってしまったおばあちゃんを思い出しながら読んでました。

    魔女というのは本当は最も人間らしい人間なのかなと思った。
    悩んだり負の感情に押しつぶされそうになったらこの本を開いて、少しだけ私もおばあちゃんのお家でくつろいで、もう一度魔女についての訓練を受けたいと思います
  • 西の魔女が死んだ 梨木香歩作品集
    西の魔女の暮らしや考え方は、忘れられていくものなのかもしれない。時代の流れに合っていないし、もっと便利なものが溢れてる。それでも貫き通す信念こそ、魔女の証。想いは受け継がれ、ずっとそばにいる。何年も色褪せないものになる。薄れてしまう記憶もあるけれど、死後も祈りは消えない。

    最後のモノローグ、
  • 西の魔女が死んだ 梨木香歩作品集
    自分も本の中の祖母と同じような年齢になってきた。
    自分は、娘や孫たちに同じような振る舞いができているのだろうか?考えさせられる。
    ほのぼのとした生活の一部で心も温まる小説であった。
  • 春になったら莓を摘みに(新潮文庫)
    「西の魔女が死んだ」も好きでしたが、こちらは英国好きの私には堪えられないエッセイでした。
    旅行で行くのと暮らすのでは違うとわかっているけど、私も暮らしてみたい。久しく訪ねていませんが、また旅行したくなりました。
    ウエスト夫人の飾らない、でも暖かい人柄に惹かれます。こんなふうに歳を重ねたいものだと思い...続きを読む
  • 西の魔女が死んだ(新潮文庫)
    大人をやってしばらく経つが、通して読んだことがなかったので読んでみた。
    「自分のことは自分で決める、決めたことをやり遂げる、上等の魔女は外からの刺激に反応しない」

    おばあちゃんとまいのお母さんの考え方の違いに少し寂しくなった。
    大切なものはいっぱいある。昔からの家族、新しい家族、友人、仕事…わたし...続きを読む
  • 西の魔女が死んだ(新潮文庫)
    「おばあちゃんはいつも自分がそのときやるべきことがわかっている。庭の草木のように確かな日々を暮らしている。」
    この一節は私の心に強く響いた。
    こうなりたいと強く思わせた。

    題名にある魔女とは、「自分がそのときやるべきことをわかっていてそれを実行できる人」である。自分にとって正しい方向をキャッチする...続きを読む
  • 西の魔女が死んだ(新潮文庫)
    疲れた時に読みたい一冊。まいは学校生活に馴染めず不登校ぎみに。田舎のおばあちゃんちで自然に囲まれた環境で人間らしい生活を送るうちに元気になっていくまい。おばあちゃんから魔女修行を通して強く生きるためのヒントを教えてもらった。
    まるで自分も同じ空気を吸っているかのような感覚になる不思議な本。
    おばあち...続きを読む
  • 村田エフェンディ滞土録(新潮文庫)
    ――

     大満足の222頁。
     久し振りに溢れるように泣いた…西武新宿線の車内でね。ええ。


     自分は世界を知らないなぁ、と思いながらも頑張って読む。もっと真面目に世界史に取り組んでおけばよかった、って後悔は何度も何度もしています。これからもしていくことでしょう。勉強しろって? いやぁ…ねぇ?
     ...続きを読む
  • 冬虫夏草(新潮文庫)
    前作『家守綺譚』を読んでからというもの、すっかりこの世界観の虜になってしまった。あっという間に読み終わってしまい、さみしい気持ちで本屋の梨木香歩のコーナーをふらふらと見ていたら、この『冬虫夏草』が続編だということが判明したので、嬉々として手に入れて読んだ。やっぱり好きだなあ。ふらっと現れる高堂と主人...続きを読む
  • 西の魔女が死んだ(新潮文庫)
    生きていく上で必要なものが思い出せる本だった

    1番印象に残ったのは、森の中にある自分のお気に入りの場所にまいがいるシーン

    あの自然から得られるパワー、経験がある気がした
    いいなって羨ましく思った

    あとはやっぱりおばあちゃんの窓のメッセージ

    良すぎる
    美容室で髪染められながら泣いた。笑

  • 椿宿の辺りに
    『f植物園の巣穴』の姉妹編。
    めちゃくちゃ面白かった!
    この面白味も『f植物園の巣穴』があってこそ。
    ということで、☆4だった『f植物園の巣穴』も☆5に修正し、こちらも勿論☆5!
    ご興味がおありの方は是非、『f植物園の巣穴』から読んでいただきたい。

    まだ三十代だが頭痛・腰痛持ちのうえ四十肩と鬱に悩...続きを読む
  • りかさん(新潮文庫)
    『からくりからくさ』の蓉子がりかさんと出会った頃の話とマーガレットの子が生まれた後の話。「養子冠の巻」と「アビゲイルの巻」は人が人形を幸せにすることで人形もまた良い性質を持つことが何処か育児のようだった。「ミケルの庭」は蓉子と下宿人が赤子の面倒を見る話で母性と人形を愛する心はやはり似ているのかも知れ...続きを読む
  • f 植物園の巣穴
    f植物園に転任してきた佐田豊彦。
    造成された水生植物園が担当だ。
    彼はそこを「隠り江」と名付けて情熱を注ぐ。
    が、ある日大切にしていた日本水仙がなぎ倒されていることに気付く。
    何物かが通ったように、椋の大木の"うろ"から水辺へと倒れていたのだ。

    思い起こせば、自分はその"うろ"に落ちたのではなかっ...続きを読む