梨木香歩のレビュー一覧
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本作を読んで、まず胸に強く響いたのは"おばあちゃんと過ごした時間"の記憶だった。
主人公まいが祖母と過ごす穏やかな日常を描く場面は、私自身の祖母との思い出を鮮やかに呼び起こした。父方の祖母と同居していたこと、母方の祖母も近くに住んでいたこと。昨年亡くなった祖母の姿が、まいの物語を通して甦ってくる。
まいに強く感情移入してしまったのは、私の中にも「もっとこうすればよかった」「もっと好きだと伝えればよかった」という後悔が、今も頭のどこかで蠢いているからだ。
人は、相手が亡くなったから悲しいのか、それとも、してあげられなかったことを数えて悲しくなるのか。私の場合は後者に近い。生 -
Posted by ブクログ
こんな風に最初から心を掴まれる小説には,なかなか出会えない。
紅茶を飲みながら,大切に読んだ。
そして,読み終わるのが惜しくて,もう少し,もう少しだけ...と願っていた。
細やかで鮮明な描写には植物のきらめきやパンの匂いを感じた。
おばあちゃんの生き方,考え方,言葉...全てが尊い。
間違いなくわたしの人生において、なくてはならない宝物になった。
植物のこと,もっと知りたいなあ
- 心に残った部分のメモ -
「まいは、自分が相手によく思われたいのではなくて、正しく理解されたいだけなのではないですか」
と、繭の中からそっと糸を繰り出すようにいった。
* * *
「どんなことが起こって -
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野暮用続きで全く読書時間が取れない日々…
そんな時にしっかりと癒してくれた本書。
梨木香歩さんが、八ケ岳の自宅周辺を中心に出逢う山野草達をひとつひとつ紹介してくれるエッセイ。
イラストも美しくて、写真で見るより特徴がよくわかるし、心にじんわり効いてくる。
山野草だけでなく、街なかで見かける花もいくつか登場する。
梨木香歩さんの花々への思い出を語る文章を読みながら、私自身もいくつかの花々達の思い出が甦ってくる。
花の名前を覚えた時のことや、思いがけない場所で出会えた時のエピソードなど、梨木香歩さんと同じように様々なエピソードが自分の中から湧き出てくるのが心地よい。
印象的だったのは、岩煙草 -
Posted by ブクログ
ネタバレずっと気になっていた本、タイトルから全く想像できない話だったが、心を動かされるやさしい物語だった。
西の魔女、ことおばあちゃんは心にキズを負った孫娘に魔女修行と称して生きていく上で大切なことを教えていく。
ところどころで出てくるおばあちゃんのニヤリとする表情が、魔女を思わせて印象的だ。
大きな愛で孫娘を包み込むおばあちゃんだが、夫を亡くし、娘と考え方の違いで対立することがあったりと、ずっと順風満帆できた訳ではなく、おばあちゃんもずっと魔女修行をしてきたのだと思う。
家族それぞれ考え方が違って、関係がうまくいかないことがあっても、家族は繋がっていてそこに愛があるのを感じた。
まいと野いちごを摘み -
Posted by ブクログ
学校へ行けなくなったまいが、おばあちゃんとの暮らしの中で少しずつ心を整え、成長していく姿がとても良かった。静かで温かい気持ちになれる作品だった。
“魔女修行”として描かれていたのは、特別なことではなく、早寝早起き、きちんと食事をすること、身体を動かすことなど、生活の基本だった。こういう日々の積み重ねが、心を整えることにも繋がるのだと感じた。
野いちごのジャム作りやラベンダーの上で乾かすシーツなど、自然に囲まれた丁寧な暮らしの描写にも癒された。
特に印象に残ったのは、「自分の意思で決めること。決めたことをやり通すこと」が大切だという言葉。そして、「感情や直感に振り回されないこと」も忘れたくない -
Posted by ブクログ
中学生の時に1度読み、社会人になって再読。
中学生の私には平坦で退屈な印象を持っていたと記憶しています。当時の私の鈍く健やかなメンタルは、主人公の繊細な感覚や物語全体の暗さや明るさをはじき飛ばしていたのでは無いかと思います。あるいは、「私は誰かに諭されなくても上手くやっている」という幼いプライドが言葉を直視することを避けていたような気がします。完全に反抗期でした笑
社会人の今、再び読んでみると、まいの気持ちに共鳴しておばあちゃんの言葉の一言一言が心に染み渡りました。自身の感性の成長と社会の中で受けた小傷を認識して、私も魔女トレーニングが必要だと思いました。
心持ちの教科書として読み返せるように