梨木香歩のレビュー一覧

  • 春になったら莓を摘みに(新潮文庫)

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    寒さが少し和らぎ、花粉が飛び始めてムズムズし始める時期が旬のエッセイだと思う。
    あらゆる人々との出逢いが、この250ページに詰め込まれていて、現実の出会いを億劫に思う気持ちを撫でて解いてくれる気がする。

    暮らしの中で問を見つけては真摯に思考を重ねる著者の姿には、なぜだか、エッセイに出てくる車掌や駅員寄りのイメージを重ねていた。

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    2023年02月23日
  • 村田エフェンディ滞土録(新潮文庫)

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    ネタバレ

    作品紹介・あらすじ

    『家守綺譚』『冬虫夏草』の姉妹編
    著者によるあとがき「あの頃のこと」を収録
     
    19世紀末のトルコ、スタンブール。留学生の村田は、ドイツ人のオットー、ギリシア人のディミィトリスと共に英国婦人が営む下宿に住まう。朗誦の声が響き香辛料の薫る町で、人や人ならぬ者との豊かな出会いを重ねながら、異文化に触れ見聞を深める日々。しかし国同士の争いごとが、朋輩らを思いがけない運命に巻き込んでいく――。色褪せない友情と戻らない青春が刻ま れた、愛おしく痛切なメモワール。

    *****

    再読。
    記録によると前回は2009年2月8日に1日で読破している。その時は角川文庫からの出版だった。それ

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    2023年02月23日
  • 村田エフェンディ滞土録(新潮文庫)

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    やはり好きなシリーズ。「家守綺譚」「冬虫夏草」と読みきてこの一冊はまた繋がっているのでやはり期待どおりだった。青春かぁ…想い返してそう呼べる期間は大切です。前に進む、進化進歩せよと世は言うが、国柄、宗教、人種、時代、様々に絡み合う世界は本当に進歩しているのか。薄々そうかと思って読みすすめたが、やはり最後は涙した。もっと日常の些細な生活を読みたかった。

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    2023年02月18日
  • 春になったら莓を摘みに(新潮文庫)

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    何度も何度も読んで、カバーがぼろぼろになってきたけど買い替えず持っている本。やりきれない、わかり合えない、けど誰かとつながっていく。

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    2023年02月10日
  • 沼地のある森を抜けて(新潮文庫)

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    生生しく体をかき回されるような描写に取り込まれて、官能小説のようだなと思った。
    ぬか床をかき回したくなる。

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    2023年02月10日
  • 冬虫夏草(新潮文庫)

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    ネタバレ

    続編があるとは知らず…見つけた時は小躍りした(笑)ゴローの出演回数が少なかったのが残念だが、最後は感動して涙が出そうになった。ゴロー、ちゃんと愛されてる…ダアリヤにももっと出てほしかった。

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    2023年01月31日
  • 村田エフェンディ滞土録(新潮文庫)

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    角川文庫版からの移籍、ということになるのでしょうか。内容は鉄板です。著者あとがきが嬉しい。未読の方も既読の方も是非。

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    2023年01月30日
  • 沼地のある森を抜けて(新潮文庫)

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    ネタバレ

    ぬか床から始まる日常物かと思いきや、どんどん話が膨らんでいき、最終的には生命の深淵をのぞき、そして読者にも問いかけるような内容となっている。

    後半から挿入される「かつて風に靡く白銀の草原があったシマの話」はかなり抽象的だが細胞壁=ウォールを持つ生き物とそこに入り込んできた似て非なる生命のお話で(だと思っている)同じテーマをあつかっている。

    もとはひとつの生命が生まれ、壁を作り、それを壊し、そしてまたひとつになることの不可思議さと奇跡、または呪いや祈り。
    自分が何者かの定義の曖昧さもあれば、確固たる
    自分の意思もあるような気がするその線引きの危うさと自由さ。
    そういったものを深く考えさせられ

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    2023年01月23日
  • f 植物園の巣穴

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    ネタバレ

    "椿宿の辺りに"を読んだ後、再読してようやく、私はこの物語が好きだった事に気付いた。最初に読んだ際は、主人公の曖昧な記憶、過去と現在(現在と言っても、ファンタジーに満ちて象徴を読み取らないとならない)が入り交じる物語に囚われすぎ、印象を上手くまとめられていなかった。
    蓋をしてしまうほどに辛い過去があり、そのせいで酷薄な態度を取っていたのが、精霊?土地神?達に導かれて少しずつ自分の記憶と向き合えるようになった。そして会うことの出来なかった息子とも言葉を交わし、何よりも、息子に名をつけることが出来た、というのは、自分の過去へのこだわりを捨てる上でも、息子への想いを昇華させるうえ

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    2023年01月22日
  • 鳥と雲と薬草袋/風と双眼鏡、膝掛け毛布(新潮文庫)

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    これは眠る前に少しずつ読むのに最適だった!(^^)地名の謎♪行ったことがある所が出てくると嬉しいし、全然知らなかった所を読むのは楽しい!( ゚∀゚)自分にも梨木さんくらい行動力があればなぁ~と羨ましく感じた(*^-^*)

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    2022年12月30日
  • 春になったら莓を摘みに(新潮文庫)

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    理解は出来ないけど、受け容れる。分かってあげられないけど分かっていないことは分かっている。この考え事や姿勢がとても好きだなぁ。色々な人がいて、価値観や生き方が違って家族でも衝突することがあるけど、こんな風にお互いの考えもうまく受け容れていくことが出来るようになれたら…と思った。自分の中で人との向き合い方に悩んだときに、読み返して確認したくなる大事な本だな…と思う。

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    2022年12月11日
  • 裏庭(新潮文庫)

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    ネタバレ

    こんなに生死について書いてる本だとは
    読み返しって大事だなあ
    こんなにも印象が変わる、あの時は子供だったけど
    旅が終わってまで親がびびるなんて、きつかったけど、この現実を自分の中に入れて生きていくんだなこの子はと
    母親が知らなかった寛大さ、愛情の表し方を知ってるんだな
    西の魔女が死んだも3代の女性のお話でしたよね…?
    梨木香歩ってすごいんだなあ

    照美の感情(環状)がごちゃ混ぜで、だからこそ私も一緒に旅をした実感があるのだと思う、結末を全て納得できるのだと思う
    描き方がすごいってことなのね

    ファンタジーや児童文学でこそ人生で大切なことって実感して学べる気がするな、私の場合は
    とゆうか育ってい

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    2022年11月24日
  • ある小さなスズメの記録 人を慰め、愛し、叱った、誇り高きクラレンスの生涯

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    文春文庫のフェア「戦火の記憶を未来へつなぐ」で平積みになっていたのをたまたま手に取り呼んだ。“言葉を解さない”動物たるスズメと、これほどに感情を汲み交わし寄り添いあった事実があったのだ。
    読み終えて、というより読み進めるうちから、自らの傍らにあるものとの関係を(それが人であれ動物であれ、自然であれ)疎かにせず慈しもうと、そう思えてくる本だった。

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    2022年11月10日
  • りかさん(新潮文庫)

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    あなたは、「りかさん」を知っているでしょうか?
    
    う〜ん、『りかちゃん』なら知ってるけど、違うのかなあ…そんな風に思う方もいらっしゃるでしょう。では、そんなあなたの思う『りかちゃん』だったとして、

    あなたは、『今抱いているりかちゃんから声が聞こえた』としたらどう思うでしょうか?

    う〜ん、”Hi!Alexa!”とか”Hey!Siri!”と同じで人形の体内にAIが埋め込まれているのかなあ、今の時代であればそんな風に答える方が多そうです。また、そんな答えに何の違和感もありません。

    科学技術の進歩には驚かされるばかりです。人形に話しかけて、そんな人形が返事をしたとしても大人も子供もなんの違和感

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    2022年11月05日
  • 春になったら莓を摘みに(新潮文庫)

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    人種や性別を感じさせない、作者のフラットで真っ直ぐな視点とその表現力が素晴らしいエッセイ。

    軽く読み進めることができるのに現代を生きる私達へのメッセージ性も充分にあり非常に満足しました。

    “相反するベクトルを、
    互いの力を損なわないような形で
    一人の人間の中に内在させることは可能なのだろうか。”

    “あれはドリス(人名)そのものよ。
    全て青天白日にさらして、何の後ろめたいこともない。”

    上記2つのフレーズが、特に印象的。
    周囲の友人に自信を持って勧めたくなる一冊でした。

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    2022年10月26日
  • 春になったら莓を摘みに(新潮文庫)

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    家守綺譚を読んで、同じ作者の本を読みたくなりました。
    家守は日本的な話だったので、イギリスに語学留学されていたことに驚きました。
    梨木さんに更に興味が湧いてきました。

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    2022年10月17日
  • ある小さなスズメの記録 人を慰め、愛し、叱った、誇り高きクラレンスの生涯

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    読みたかった本の一冊。 いやー、冒頭から何かしら良い雰囲気を感じてましたが…、綺麗、興味が湧く、ドキュメンタリー、 良かった!! 実話なんですね。余計に凄い。 鳥を飼ったことがある人ならば、必ず頭に画が浮かびます。そして顔がニヤけます。 読んで良かった✨

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    2022年09月25日
  • 炉辺の風おと

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    自然を題材にした小説やエッセイを多く書いている梨木香歩さんのエッセイ集。最近新聞に連載したものを刊行したもの。西欧の紀行文や様々な場面での動植物の細やかな観察眼は、自然に対する造詣が深く尊敬の念を覚えています。
    今回のエッセイの内容は、梨木さんの普段の生活に根ざしたものや家族に関することも含まれていて、興味深くもありながら心に沁み入りました。表題にある「炉辺」の暮らし先を探し出す経緯やその八ヶ岳の山小屋での暮らしの場面の数々、そして彼女のお父様の看取りの経緯など、共感を伴う貴重な内容でずっしりときました。

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    2022年09月20日
  • 椿宿の辺りに

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    「椿宿の辺りに」(梨木 香歩)を読んだ。
    前回読んだ時の感想で『評価が分かれるかもしれない』と書いたが、やっぱり今回読んでみても、後半の手紙にまとめられてしまった部分が少し残念だという思いは変わらない。
    がしかし、それでも私はこの作品が好きだな。
    できれば続編を、とも思うが屋上屋か。

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    2022年08月28日
  • ほんとうのリーダーのみつけかた 増補版

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    再読。文庫化で追補された『村八分の記』がよかった。世の中がどうあれ、世界がどうあれ、他人がどうあれ、自分の中にリーダーを見出し、堅持できるか。考え続ける姿勢だけは放棄したくないと思う。

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    2022年08月25日