梨木香歩のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ作品紹介・あらすじ
『家守綺譚』『冬虫夏草』の姉妹編
著者によるあとがき「あの頃のこと」を収録
19世紀末のトルコ、スタンブール。留学生の村田は、ドイツ人のオットー、ギリシア人のディミィトリスと共に英国婦人が営む下宿に住まう。朗誦の声が響き香辛料の薫る町で、人や人ならぬ者との豊かな出会いを重ねながら、異文化に触れ見聞を深める日々。しかし国同士の争いごとが、朋輩らを思いがけない運命に巻き込んでいく――。色褪せない友情と戻らない青春が刻ま れた、愛おしく痛切なメモワール。
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再読。
記録によると前回は2009年2月8日に1日で読破している。その時は角川文庫からの出版だった。それ -
Posted by ブクログ
ネタバレぬか床から始まる日常物かと思いきや、どんどん話が膨らんでいき、最終的には生命の深淵をのぞき、そして読者にも問いかけるような内容となっている。
後半から挿入される「かつて風に靡く白銀の草原があったシマの話」はかなり抽象的だが細胞壁=ウォールを持つ生き物とそこに入り込んできた似て非なる生命のお話で(だと思っている)同じテーマをあつかっている。
もとはひとつの生命が生まれ、壁を作り、それを壊し、そしてまたひとつになることの不可思議さと奇跡、または呪いや祈り。
自分が何者かの定義の曖昧さもあれば、確固たる
自分の意思もあるような気がするその線引きの危うさと自由さ。
そういったものを深く考えさせられ -
Posted by ブクログ
ネタバレ"椿宿の辺りに"を読んだ後、再読してようやく、私はこの物語が好きだった事に気付いた。最初に読んだ際は、主人公の曖昧な記憶、過去と現在(現在と言っても、ファンタジーに満ちて象徴を読み取らないとならない)が入り交じる物語に囚われすぎ、印象を上手くまとめられていなかった。
蓋をしてしまうほどに辛い過去があり、そのせいで酷薄な態度を取っていたのが、精霊?土地神?達に導かれて少しずつ自分の記憶と向き合えるようになった。そして会うことの出来なかった息子とも言葉を交わし、何よりも、息子に名をつけることが出来た、というのは、自分の過去へのこだわりを捨てる上でも、息子への想いを昇華させるうえ -
Posted by ブクログ
ネタバレこんなに生死について書いてる本だとは
読み返しって大事だなあ
こんなにも印象が変わる、あの時は子供だったけど
旅が終わってまで親がびびるなんて、きつかったけど、この現実を自分の中に入れて生きていくんだなこの子はと
母親が知らなかった寛大さ、愛情の表し方を知ってるんだな
西の魔女が死んだも3代の女性のお話でしたよね…?
梨木香歩ってすごいんだなあ
照美の感情(環状)がごちゃ混ぜで、だからこそ私も一緒に旅をした実感があるのだと思う、結末を全て納得できるのだと思う
描き方がすごいってことなのね
ファンタジーや児童文学でこそ人生で大切なことって実感して学べる気がするな、私の場合は
とゆうか育ってい -
Posted by ブクログ
あなたは、「りかさん」を知っているでしょうか?
う〜ん、『りかちゃん』なら知ってるけど、違うのかなあ…そんな風に思う方もいらっしゃるでしょう。では、そんなあなたの思う『りかちゃん』だったとして、
あなたは、『今抱いているりかちゃんから声が聞こえた』としたらどう思うでしょうか?
う〜ん、”Hi!Alexa!”とか”Hey!Siri!”と同じで人形の体内にAIが埋め込まれているのかなあ、今の時代であればそんな風に答える方が多そうです。また、そんな答えに何の違和感もありません。
科学技術の進歩には驚かされるばかりです。人形に話しかけて、そんな人形が返事をしたとしても大人も子供もなんの違和感