梨木香歩のレビュー一覧
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ネタバレ多感な少女の苦しさや、本人にも捉えることが難しい感情なんかを、すごく的確に優しく描いていてとても読みやすかった。自分と重なる部分もあって、すっかり物語に入り込んでしまった。
小説なのに絵本を読んでいるみたいな感覚。
自然に溢れた暖かい暮らし、「魔女」みたいに不思議で達観したおばあちゃんとの生活。
鶏が死ぬ描写や、苦手な隣人を受け入れられないところや、祖母と母に少しぎくしゃくした関係が見えるところ、「おばあちゃんにうまく誘導されている」というまいの気付き。
まいは多感ゆえにとても聡い子だと思う。
おまけのお話?の中で、彼女らしく生きている様子を見られてよかった。きっとそれは、西の魔女が教えてくれた修行のおかげなんだと思う。
人の死というのはどうしてもドラマチックで悲劇的に描かれがちだけれど、この物語はそうではないのも面白い。そんなおばあちゃんの価値観や、おばあちゃんと暮らした記憶、教えてもらった色々なことが、まいに根付いてまいを強くする。
私もこの本を読んで感じたことを胸に、魂を成長させながら生きていきたいな。そして成長した魂がいつか肉体を脱出する。死ぬのが怖くなくなったと言うと嘘になるけれど、おばあちゃんの教えはまいだけじゃなくて私の心も軽くしてくれた。 -
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この本は、
とても身近なところに、すごく小さくて大きな世界があることを思い出させてくれました。
いつも歩く道の途中で、
立ち止まって周りに目を向けると、
地面の端っこに咲く花、その花の中にいる虫、花の細かな花粉や、その花の匂い、雨で濡れた花や草の美しさ、色んな雑草があることに気づきます。
そこにはものすごく小さな範囲の中に大きな世界が広がっていて、目を向けていないだけで、いつでもそこに存在しています。
子どもの頃見ていた世界はこんな世界だったなー。
山とか空とか宇宙とか、大きな存在ばかりに目が向くけれど、小さい世界もまた無限に広くて面白い。遠くに行かなくても、すぐそこに広い世界がある。
どこかに旅行や登山などで出かけたら、
もっと小さな世界に焦点を当てて楽しんでみよう。
そう思ったら急に世界は豊かだ、楽しいな〜と感じられるようになりました!
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ネタバレ村上先生の"夏帆"と梨木先生の"裏庭"は重層構造ファンタジー小説の二大巨頭かと思います。
友人の勧めで購入。
その友人は中学生の頃に読んだそう。まじ?難読漢字だらけやのに?めっちゃ秀才やないかい。
幼い照美が、ひょんなことから裏庭という不思議な世界へ入り、冒険する中で照美自身も成長していくストーリー。
裏庭で起こることと、現実は相関していて、その対比が楽しいです。
冒険の中の不思議な出来事は、物語だけとして読んでもとても面白いのに、大人になるまでの現実に対して感じることにリンクしています。
このシーンは、人間の気持ちにおけるここで、、みたいな感じで図解していくとより分かりやすいかもしれませんね。
どの登場人物も非常に大切なので常に集中して読んで頂きたいです。
情景描写が秀逸で、頭の中の映像化が容易に出来る点、その光景が夢に見るディストピアのような雰囲気である点において、非常に没入して読める1冊でした。 -
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登場人物の理解において、様々な国の宗教や歴史が重要な要素となっており、その点が難解だった。読み進めるのにも時間がかかった。文章として頭で理解しても、腹には落ちてこない…そんな状態のまま読み進めたが、6割ほど超えたあたりから、腹落ちせずともそれぞれの人物に感情移入出来るようになった。
宗教の違いという壁はそのままに、「遺跡の発掘」という共通点で村田たちが交流し、人間同士として認め合っていく様子に温かいものを感じた。本当の意味での多様性がここに在ると思った。
だからこそ、この結末には涙が出た。でも、これこそリアルだとも思った。まるでノンフィクションのよう。村田という人物が実在し、その人から直接体験談を聞いたような読後感。そんな気持ちのままあとがきを読んで、梨木先生がいかに研究や勉強に時間を費やし、温度感やリアリティを追求してこの物語を書かれたかを知り、なるほど、だからこのリアリティかと納得した。
確かに分かりにくい部分はあった。でもそれを超えて、感動に至った。国、宗教、侵略、戦争…私が知らねばならぬことを、ほんの少しだけど知れたと思った。とにかく余韻がすごい。いまこの時代だからこそ、多くの人に読んでほしい一冊と思った。 -
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水彩画のような本だった。
森や草木、おばあちゃんとの暮らし、季節の移ろい。淡く優しい色が少しずつ重なって、一枚の絵になっていくような物語だった。
特に心に残ったのは「自分で決める」ということ。
自分の人生なのに、自分で決めることは案外難しい。私自身にもまだ足りないところだと感じた。
自分で決める力を持つこと。それが、不安や恐れ、自分を惑わせるものから自分自身を守ることなのかもしれない。
そして、おばあちゃんには自分の死が近いことが見えていたのだろうか。
最後のメッセージには胸がいっぱいになった。
身体がなくなっても魂まで消えてしまうわけではなく、身体から離れた魂は自由になれる。
静かな物語なのに、生きることや死ぬこと、自分の人生を自分で選ぶことについて、たくさんのものを残してくれた。
読み終わったあとにも淡い色がずっと心に残っているような、優しくて美しい一冊だった。 -
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ネタバレよかった。この話は家守奇譚の続編。前作もかなりの名作。前作は水墨画のような幻想的な印象だった。今作は、テイストはそんなに変わらないけど、色彩が豊かな印象。活力を感じた。
名作の条件は、余韻があるかないかだと思う。冬虫夏草、これは余韻がすごい… なんかもう泣けたわ。なんで泣けたのかわからん。50近くもなるおっさんが、涙腺が緩くなっているとはいえ、最後には涙を目に溜めながら読み終えた。最後のページの余白を少しの間読んでいた。うん。よかった。
手に負えぬ煩いは放っておけ。
このフレーズにいろんな想いが詰まっているよなぁ。グッときた。 -
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ネタバレ「西の魔女が死んだ」は私が大好きな本で何回も読んでいます。何回も読んでいるのにラストシーンでは必ず泣いてしまいます。
おばあちゃんのしている田舎の暮らしにもすごく憧れます。読んでいるだけで自分もスローライフを味わってるようで心が穏やかになるようで癒されます。
この作品集は「西の魔女が死んだ」の他に、その作品に出てくる登場人物のアナザーストーリーの短編も入っており、本編を読み終わった後もより味わい深く楽しめます。短編は短いですがどれもこころがほっこりと温かくなるようなお話で素敵でした。とくに最後の「かまどに小枝を」は、孫を思う大きな愛と温かな気持ちと切なさもあり、短編の中で一番心に残りました。
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Posted by ブクログ
家守綺譚、冬虫夏草、そしてこの村田エフェンディ滞土録を三部作として貸してもらった。
からくりからくさ、西の魔女が死んだの世界とは別世界。
三作品に共通する、この世(と私が思い込んでいる)と違う世を違和感なくつなげていく。それが舞台となる時代へも誘う。あえて、トルコ、エジプト、ギリシャに漢字を当て書かれた、表現、音にして読めはなおさら、想像は映像のように広がっていく。異国とはどこか、経験した場所を物語は歩かせてくれた。
その中にハッとさせられる
私は人間だ。およそ人間に関わることで私に無縁なことは一つもない…。
この文が2度に出てきた時の
村田の心情たるや、胸中のシンのところをギュッと掴む。
この作品に出てくる人々に
おいても争いは避けられていない
しかし、この気持ちを持てれば
どの土地、どんな宗教であれ、
生き方は違うだろ
鸚鵡が友よと発するように