梨木香歩のレビュー一覧
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水彩画のような本だった。
森や草木、おばあちゃんとの暮らし、季節の移ろい。淡く優しい色が少しずつ重なって、一枚の絵になっていくような物語だった。
特に心に残ったのは「自分で決める」ということ。
自分の人生なのに、自分で決めることは案外難しい。私自身にもまだ足りないところだと感じた。
自分で決める力を持つこと。それが、不安や恐れ、自分を惑わせるものから自分自身を守ることなのかもしれない。
そして、おばあちゃんには自分の死が近いことが見えていたのだろうか。
最後のメッセージには胸がいっぱいになった。
身体がなくなっても魂まで消えてしまうわけではなく、身体から離れた魂は自由になれる。
静 -
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ネタバレよかった。この話は家守奇譚の続編。前作もかなりの名作。前作は水墨画のような幻想的な印象だった。今作は、テイストはそんなに変わらないけど、色彩が豊かな印象。活力を感じた。
名作の条件は、余韻があるかないかだと思う。冬虫夏草、これは余韻がすごい… なんかもう泣けたわ。なんで泣けたのかわからん。50近くもなるおっさんが、涙腺が緩くなっているとはいえ、最後には涙を目に溜めながら読み終えた。最後のページの余白を少しの間読んでいた。うん。よかった。
手に負えぬ煩いは放っておけ。
このフレーズにいろんな想いが詰まっているよなぁ。グッときた。 -
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ネタバレ「西の魔女が死んだ」は私が大好きな本で何回も読んでいます。何回も読んでいるのにラストシーンでは必ず泣いてしまいます。
おばあちゃんのしている田舎の暮らしにもすごく憧れます。読んでいるだけで自分もスローライフを味わってるようで心が穏やかになるようで癒されます。
この作品集は「西の魔女が死んだ」の他に、その作品に出てくる登場人物のアナザーストーリーの短編も入っており、本編を読み終わった後もより味わい深く楽しめます。短編は短いですがどれもこころがほっこりと温かくなるようなお話で素敵でした。とくに最後の「かまどに小枝を」は、孫を思う大きな愛と温かな気持ちと切なさもあり、短編の中で一番心に残りました。 -
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家守綺譚、冬虫夏草、そしてこの村田エフェンディ滞土録を三部作として貸してもらった。
からくりからくさ、西の魔女が死んだの世界とは別世界。
三作品に共通する、この世(と私が思い込んでいる)と違う世を違和感なくつなげていく。それが舞台となる時代へも誘う。あえて、トルコ、エジプト、ギリシャに漢字を当て書かれた、表現、音にして読めはなおさら、想像は映像のように広がっていく。異国とはどこか、経験した場所を物語は歩かせてくれた。
その中にハッとさせられる
私は人間だ。およそ人間に関わることで私に無縁なことは一つもない…。
この文が2度に出てきた時の
村田の心情たるや、胸中のシンのところをギュッと掴む -
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ネタバレいい本だった。12年と7週と4日を1940年の世界大戦初期から1952年まで生き抜いたクラレンスというオスのスズメの飼主キップスとの交流を描いた愛溢れるノンフィクション。
150ページ余りの本文と40ページほどの解説からなる文庫。1952年に出版されこの本は2010年に梨木香歩訳で再び世に出た秀作だ。ジュリアン・ハクスレーという英国の鳥類学者の解説とともにネイチャーリストの梨木香歩、作家の小川洋子の解説はこの本を一層高めている。
生まれて間もなく巣から落ちて障害をもったスズメがピアニストのキップスに拾われて12歳の天寿を全うするまでを描いている。野生のスズメだったら老いれば天敵に食べられ -
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自然の豊かなところにあるかわいらしい家。花の咲く庭。畑で育てる野菜。お茶にしたり、料理に使ったり、洗濯したシーツをかけて干して香りをつけたりと大活躍のハーブ。そして、愛情深く、良き理解者となってくれるおばあちゃん。素敵なもの、「こうだったらいいな」と思うものをこれでもかとたくさん詰め込んだような物語だ。そういう意味では現実味がないと言えるのかもしれない。でも、たいていの人は多かれ少なかれ主人公のまいのように悩みや生きづらさを抱えているのだから、「こうだったらいいな」を詰め込んだ物語は必要なんだろうと思う。精神的栄養補給になるような心温まる物語だった。
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購入済み
ありがとう、ありががとう
Xで話題になっていたので、再読。
新たに付け加えられた祖母のモノローグがとても優しく丁寧で、祈りに満ちてる日々だったことを知りました。
そして若い頃に読んで、無意識に私の理想的な暮らしになっていたことを認識しました。
魂と身体のこと、死後の世界のこと、生きる理由、大切なことが明快に描かれています。そして、亡くなった動物でさえ、愛があればあの世から守ってくれる。
自然と共に、他者に与える生き方があり、そこに私は本来の人の生き方を見出します。
現実世界で社長としてお金集めと再配分をしなくてはならないけれど、本当の幸せってみんながこうして自分の土地と繋がってサンクチュアリを持つことなんじゃない