梨木香歩のレビュー一覧
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うだつの上がらない主人公が暮らすことになった家には広い庭がある。その庭や近くの山などの四季折々の様子が描かれる中で、植物が不思議な振る舞いをしたり、河童やら狸やら不思議な生き物が現れたりするのが、いかにも梨木香歩さんの世界で良い。次々と現れる不思議なものたちを、そういうものだからと大らかに受け容れる人たちの物語を読んでいくうちに、気持ちが明るく軽くなってくる。
梨木香歩さんの作品に通底する「分かっていないことは分かっている」、「理解はできないが受け容れる」ことは、排外主義が蔓延り、同調圧力が強まっている今の世の中で、大切にしなければいけないことだとあらためて思った。 -
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話は、マイが中学3年の授業中に西に住む祖母が心臓発作で倒れた連絡が来た所から始まり、母と車で祖母の家に向かう時に、2年前の祖母と2人での生活を思い出す。
中学1年の春マイは母親に「わたしはもう学校へは行かない。あそこは私に苦痛を与える場でしかないの」と告げ、不登校に。
人里離れた山の中で1人暮らしの祖母(イギリス人)に預けられる事に。
祖母は母から電話で、マイは「扱いにくい子」「生きにくいタイプの子」と説明されても喜んでマイを引き受けた。
「私(祖母)の家系は魔女の能力を持つ人が多いからマイにもその血が流れていて、鍛練すれば、あなたにも出来る様に成るわよ。」
マイと祖母の生活が始まった。
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植物や鳥を見て感じたことから、人の生き方や人間関係へと思いを巡らせていく。見過ごしてしまいそうな小さな草花や生き物のちょっとした動きにも興味を持って見ているところや、その人らしくあればいいというメッセージが、梨木さんらしくて良い。
2007〜2009年に雑誌で連載されたエッセイをまとめたエッセイ集で、当時はあまりにも急激に右傾化したので危機感が強まったことが反映されたものとなったそうだが、今読んでいても違和感がない。2015年文庫版あとがきでは「以前にも増して国の先行きに危機感を感じる世の中になってきた」と書かれているが、今はさらに危機感が強まっているのではないだろうか。 -
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読み終わりたくなかったけど読み終わっちまった!2025年の100冊目に相応しい作品だった!!
家守奇譚からの村田エフェンディ滞土録からの…冬虫夏草!!!最高のシリーズだった。
夏目友人帳とか好きな人本当に読んでほしい…
この作品を紹介するならまず家守奇譚を読んでほしいのであえて紹介はしないんだけどとにかく最高だった、本当に心の底からずっとずっと読んでいたかった。
特に桔梗と寒菊が好きだったな、どっちも泣いたし、主人公である綿貫を私はすでにめちゃ信頼してるんだけどそれをさらに強固にさせてくれる感じ、非常に好きだわ〜。
あーー、最高だったなー。このシリーズの3冊はいつでも読めるように買う!! -
Posted by ブクログ
ゆるゆる、あわあわと不思議な日常が綴られた一冊。
「左(さ)は学士綿貫征四郎(わたぬきせいしろう)の著述せしもの。」という一文から始まる本書。
小説家を志す主人公の綿貫征四郎は親友の高堂(こうどう)の父親から「年老いたので嫁に行った娘の近くに隠居する、ついてはこの家の守をしてくれないか」という話を持ち掛けられる。人の住まない家はすぐに傷むので、綿貫がここで暮らして毎日窓の開け閉めをしてくれるのならば、いくばくかの月謝を払おうという申し出に対し、綿貫は英語学校の非常勤講師という副業を辞め、いそいそとこの一軒家で暮らし始める。
私にはピンと来なかったのだけれど「山一つ越えたとろにある湖」「家