梨木香歩のレビュー一覧

  • 西の魔女が死んだ 梨木香歩作品集
    繊細で傷つきやすい人にも、そんな彼らを見守る人にも、かつて繊細だったころを懐かしみたい人にも、ふさわしい。
    巷に溢れる自己啓発の書のように、はっきりとした答えが得られないかもしれないが、哀しみや傷や不安を抱えた人々にそっと寄り添ってくれる。
    時を超え、それを必要とする人が必ずいる。こういう物語を名作...続きを読む
  • 西の魔女が死んだ 梨木香歩作品集
    学校に行けなくなったまいが、ひととき一緒に暮らすことになったおばあちゃん。
    おばあちゃんの言葉が、どれも強く暖かく、まいへの愛情を感じる。
    子供と侮らず、まい個人と向き合っていることが伝わる。

    まいがおばあちゃんへ、しこりのような物を残しながら別れるところ、
    最後の西の魔女からのメッセージ、
    まい...続きを読む
  • 春になったら莓を摘みに(新潮文庫)
    理解は出来ないけど、受け容れる。分かってあげられないけど分かっていないことは分かっている。この考え事や姿勢がとても好きだなぁ。色々な人がいて、価値観や生き方が違って家族でも衝突することがあるけど、こんな風にお互いの考えもうまく受け容れていくことが出来るようになれたら…と思った。自分の中で人との向き合...続きを読む
  • 裏庭(新潮文庫)
    こんなに生死について書いてる本だとは
    読み返しって大事だなあ
    こんなにも印象が変わる、あの時は子供だったけど
    旅が終わってまで親がびびるなんて、きつかったけど、この現実を自分の中に入れて生きていくんだなこの子はと
    母親が知らなかった寛大さ、愛情の表し方を知ってるんだな
    西の魔女が死んだも3代の女性の...続きを読む
  • 西の魔女が死んだ 梨木香歩作品集
    おばあちゃんの優しい口調や思考が素敵でした。

    おばあちゃんって特別な存在。
    親に怒られた時の逃げ道で、どんな時も優しくて庇ってくれて味方になってくれて、。っていう存在だったなぁ。

    ほっこりした。
  • ある小さなスズメの記録 人を慰め、愛し、叱った、誇り高きクラレンスの生涯
    文春文庫のフェア「戦火の記憶を未来へつなぐ」で平積みになっていたのをたまたま手に取り呼んだ。“言葉を解さない”動物たるスズメと、これほどに感情を汲み交わし寄り添いあった事実があったのだ。
    読み終えて、というより読み進めるうちから、自らの傍らにあるものとの関係を(それが人であれ動物であれ、自然であれ)...続きを読む
  • りかさん(新潮文庫)
    あなたは、「りかさん」を知っているでしょうか?
    
    う〜ん、『りかちゃん』なら知ってるけど、違うのかなあ…そんな風に思う方もいらっしゃるでしょう。では、そんなあなたの思う『りかちゃん』だったとして、

    あなたは、『今抱いているりかちゃんから声が聞こえた』としたらどう思うでしょうか?

    う〜ん、”Hi...続きを読む
  • 家守綺譚(新潮文庫)
    とても味わい深い1冊だった。
    本書は、駆け出しの物書きである綿貫征四郎による随筆のような体をなした作品。
    物語は、ひょんなことから綿貫が、学生時代に亡くなった親友・高堂の実家の家守となるところからスタートする。
    死んだはずの高堂が出てきたり、植物であるサルスベリに慕われたりするのに、綿貫も物語も慌て...続きを読む
  • 春になったら莓を摘みに(新潮文庫)
    人種や性別を感じさせない、作者のフラットで真っ直ぐな視点とその表現力が素晴らしいエッセイ。

    軽く読み進めることができるのに現代を生きる私達へのメッセージ性も充分にあり非常に満足しました。

    “相反するベクトルを、
    互いの力を損なわないような形で
    一人の人間の中に内在させることは可能なのだろうか...続きを読む
  • 西の魔女が死んだ 梨木香歩作品集
    一番好きな本は?と聞かれたら、間違いなくこの本を選ぶだろう。
    何度読んでも最後には胸をぎゅっと掴まれ、温かい気持ちにさせてくれる。
    ページをめくる度に想像ができる美しい景色、おばあちゃんの優しさが感じられるこの物語が私は大好きだ。
    毎年夏になると読みたくなる、私の読書の原点とも言えるこの本。来年の夏...続きを読む
  • 春になったら莓を摘みに(新潮文庫)
    家守綺譚を読んで、同じ作者の本を読みたくなりました。
    家守は日本的な話だったので、イギリスに語学留学されていたことに驚きました。
    梨木さんに更に興味が湧いてきました。
  • 家守綺譚(新潮文庫)
    私が初めて読んだ梨木さん作品です

    何事もなかったかのようにボートで帰ってくる亡くなったはずの友人高堂、綿貫に恋慕を寄せるサルスベリ、
    仲裁犬ゴロー、信心深い狸、河童や小鬼と
    不思議なことが日常の一部となって物語が紡がれています

    解説の吉田伸子さんが書かれていた、読後の「間違ってなかった」との感想...続きを読む
  • 家守綺譚(新潮文庫)
    日本にまだ不思議な生き物が沢山いて、人と生きている話だった。

    犬のゴローが不思議の世界に通じているみたいで面白いし、隣のおかみさんは何を聞いても知らないと言わずに答えをくれる。
    狐やたぬきは、きっちりと人を騙すし、川にはカッパが来る。
    こんな世界に居てみたい。

    また、忘れた頃に読んでみたい。
  • ある小さなスズメの記録 人を慰め、愛し、叱った、誇り高きクラレンスの生涯
    読みたかった本の一冊。 いやー、冒頭から何かしら良い雰囲気を感じてましたが…、綺麗、興味が湧く、ドキュメンタリー、 良かった!! 実話なんですね。余計に凄い。 鳥を飼ったことがある人ならば、必ず頭に画が浮かびます。そして顔がニヤけます。 読んで良かった✨
  • 炉辺の風おと
    自然を題材にした小説やエッセイを多く書いている梨木香歩さんのエッセイ集。最近新聞に連載したものを刊行したもの。西欧の紀行文や様々な場面での動植物の細やかな観察眼は、自然に対する造詣が深く尊敬の念を覚えています。
    今回のエッセイの内容は、梨木さんの普段の生活に根ざしたものや家族に関することも含まれてい...続きを読む
  • 西の魔女が死んだ 梨木香歩作品集
    久々に読むが全然色褪せる事なくストレートに胸に染み渡る。丁寧な暮らしに頭のよさ、そして1人で生活する楽しさ。孫の目線から見た祖母だけど、私の中で祖母が際立って孫との数週間の暮らしより、孫が来る前の生活に思いを寄せてしまう。そして孫が帰った後の寂しさ。孫は新しい生活で祖母を忘れ、祖母は孫の内向的な性格...続きを読む
  • 椿宿の辺りに
    「椿宿の辺りに」(梨木 香歩)を読んだ。
    前回読んだ時の感想で『評価が分かれるかもしれない』と書いたが、やっぱり今回読んでみても、後半の手紙にまとめられてしまった部分が少し残念だという思いは変わらない。
    がしかし、それでも私はこの作品が好きだな。
    できれば続編を、とも思うが屋上屋か。
  • ほんとうのリーダーのみつけかた 増補版
    再読。文庫化で追補された『村八分の記』がよかった。世の中がどうあれ、世界がどうあれ、他人がどうあれ、自分の中にリーダーを見出し、堅持できるか。考え続ける姿勢だけは放棄したくないと思う。
  • ほんとうのリーダーのみつけかた 増補版
    梨木の著者である『僕は、そして僕たちはどういきるか』が岩波で文庫化された時の2015年にジュンク堂の池袋本店での若者向けの講演会がありそれを基に書籍化された。
    「僕は、そして今僕らは」吉野源三郎著の『君たちはどう生きるか』を意識しているのとのこと。(それは良いそうだよね。どなたがみたってね)ファシズ...続きを読む
  • 西の魔女が死んだ 梨木香歩作品集
    読み終えて、、久々によい本に出会えて嬉しい。
    おばあちゃんと女の子のやりとりや心や言葉選び、草花や自然に関する表現が個人的にとても気に入りました。