梨木香歩のレビュー一覧

  • 家守綺譚(新潮文庫)

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    古風で悠然とした、美しいリズムの文体。
    植物への造詣がそのまま自然と物語として紡がれている構成
    朧げで、儚げで、それでいて親しみを感じる登場人物(?)たち。
    とてもとても、心地の良い読後感。

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    2025年06月11日
  • 春になったら莓を摘みに(新潮文庫)

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    面白かった!世界中の色んなバックボーンを持った人たちと心から関わり合えるのって素敵。個人的なことから人種やらのことまで幅広いエピソードがあって楽しかった。

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    2025年05月31日
  • 家守綺譚(新潮文庫)

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    以前読んだことがある気がするがいつか思い出せない。
    四季折々の草花、綿貫と人ならざるものたちとの邂逅が緻密に描かれている。

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    2025年05月29日
  • 本からはじまる物語

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    面白かったー。
    「本」からはじまるのがテーマといっても、それぞれの作家さんごとにアプローチが違って、ジャンルもそれぞれで楽しかった。
    恩田陸さんの「飛び出す絵本」、「飛び出す」の意味をそう持っていくか、というのが面白いし、阿刀田高さんの『本屋の魔法使い』も素敵。石田衣良さん三崎亜記が久々だった。
    どれもよかったけど、やっぱり、なんと言っても朱川湊人さん!ここで猫の話が読めるなんて、最高すぎる。朱川さん、大好きだー。お初の山本一力さんも猫♪
    はい、もう、これはかんっぺきに猫本である!!

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    2025年05月26日
  • りかさん(新潮文庫)

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    「りかさん」
    幼い頃大切に抱いていた人形は、ぬいぐるみは、どこにやってしまっただろうか。あんなに楽しかった人形遊びをしなくなったのはいつだったか。温かい懐古と今を生きる私に寄り添ってくれるようなりかさんやおばあちゃんの言葉で胸がいっぱいになる。初めは奇妙な世界の話だと思ったけれど、じわじわと馴染んで、泣きそうになるくらい優しい。梨木香歩の作品は、いつも優しい。
    「ミケルの庭」
    「りかさん」の続編。幼子を可愛がる女性たち、皆、一様に優しく見える、幼子とは赤の他人なのに。
    母性とはなんだろうと、いつも思う。純粋に「可愛い」と想う気持ちのようでもあるが、私がこれまで読んできた文学において、多くの場合

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    2025年05月22日
  • 西の魔女が死んだ 梨木香歩作品集

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    表題作に繋がる
    描き下ろしを含めた短編3作を含む
    西の魔女が死んだの愛蔵版

    森での暮らしを連想させる
    シンプルで落ち着いた美しい装丁

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    2025年05月21日
  • 不思議な羅針盤(新潮文庫)

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    日常のふとしたことから、梨木さんが徒然に思いを馳せてゆくエッセイ。

    「ゆるやかにつながる」では、ツルの群れの話から私たち人間もまた群れる生き物だという話へ。
    「できるならより風通しの良い、おおらかな群れをつくるための努力をしたい。個性的であることを、柔らかく受け容れられるゆるやかな絆で結ばれた群れを。傷ついたものがいればただそっとしておいてやり、異端であるものにも何となく居場所が与えられ生きていけるような群れを。ちょっとぐらい自分たちと違うところがあるからといって…(略)…詰め寄り排斥にかかることがないような群れを。」
    これにはとても共感した。

    「世界は生きている」では、清里の森から様々に

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    2025年05月18日
  • 西の魔女が死んだ 梨木香歩作品集

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    物語の中の世界観がとても素敵。マイが死に対する漠然とした不安な気持ちをおばあちゃんに相談したときの答えが心に響く。

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    2025年05月13日
  • 西の魔女が死んだ 梨木香歩作品集

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    少しずつ読み進めたが、いつ読んでも本の中の世界に入って帰ってきたような感覚になる不思議な本だった。
    読み終わるのが惜しかった。
    主人公と同じ年齢だった頃の自分の感情を心で思い出す本。今日からまた生きることを大切にしよう、と深く感じる一冊。

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    2025年05月11日
  • 西の魔女が死んだ 梨木香歩作品集

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    魔女と暮らした優しい日々のおはなし。心がじんわりあたたかくなった。
    話をする時にマイ、と必ず呼んでくれるのが愛情を感じた。短編のブラッキーの話も好き。愛犬とリンクしてちょっと涙が出た。

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    2025年05月03日
  • 西の魔女が死んだ 梨木香歩作品集

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    “魔女修行”ってきっと、「誰かの理想に合わせる」ことじゃなくて、
    「自分で決めたことを、自分のペースでやり抜く」ことなのだと思う。
    外の声に揺れずに、自分との小さな約束を積み重ねていくこと。
    それはやがて“自己信頼”になって、“自己受容”に繋がっていく。

    特に心に残ったのは、何気ない日常のなかに込められたさりげない優しさ。
    過去に受け取った愛を、未来に贈り返していくような、静かで美しい循環。

    そして、物語の中には「相手を理解しようとする対話」の大切さも描かれていて、
    感情をそのままぶつけるのではなく、背景ごと受け止めようとする眼差しが印象的だった。

    「変わらなくても大丈夫」とまっすぐに肯

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    2025年04月23日
  • エストニア紀行―森の苔・庭の木漏れ日・海の葦―(新潮文庫)

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    ネタバレ

    梨木さんの心情とともにエストニアを深く感じられる。エストニアに行ったことはないが、行ってみたくなり、人々の感性と優しい情熱が好きだった。

    エストニア人は、個人主義的な性格の強い、シャイな人たちで、群れるのを嫌うとこがあります。家の周りにも木を植える。防風林、というような実利的な面もありますが、なるべく人目を避けて、周りの人から見えないところに住みたいという気持ちが強いのだそうです。自然が大好きな人たちで、木も大好き。だから町中ですと生け垣が多いですが、田舎では、あんなふうに生長していく木を植えますね。目隠しの意味もあって。

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    2025年04月19日
  • からくりからくさ(新潮文庫)

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    4人の下宿生と一体の人形が暮らす家を中心に物語は進む。

    登場人物は、染織、機織りなどの手仕事に関わっていて、自然や手仕事を通して、人の生きることに対しての心持ちと言えるようなことが語られる。

    機を織る。布を織る。

    様々な色の糸を縦横に使い、一枚の布を織る。

    簡単には織れない、地道な作業。

    織り上がった布には表裏があり、様々な顔を見せる。

    至る所で機織りはされ、たしかにその土地に根付いている伝統はあり、脈々と伝えられてきた。

    自分の気持ちや境遇、良い時も悪い時も、ただ機を織る。

    そうして手仕事をつないできた歴史があるということを知ることは、少しだけ人生を豊かにしてくれると思う。

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    2025年04月13日
  • 裏庭(新潮文庫)

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    20年くらい前に読んで衝撃を受けた作品
    本の世界に没入するという体験を初めてした作品でもあります。

    主人公の照美の近所にある
    丘の麓のバーンズ屋敷
    お化け屋敷とも呼ばれるそこは
    子どもの頃の大人に怒られるかもしれないけど
    行ってみたいという
    子どもの好奇心をくすぐるような不思議な場所
    照美のお父さんもお母さんも
    実は小さい頃にそこで遊んでいたり
    近所に住む友達のおじいちゃんから
    そこの屋敷にまつわる話を色々聞いたり

    近所ではあるけど
    日常ではないそこがミステリアスで
    なんともいえない魅力を放っています。

    バーンズ屋敷に関わる"裏庭"
    照美はそこに足を踏み入れていく

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    2025年04月05日
  • 春になったら莓を摘みに(新潮文庫)

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    今の季節にあった題名である。都会より自然のある生活を愛する著者の大学出たてで英国Sワーデンの下宿先を二十年後訪ね湖北地方を旅し、山を登り土地の人たちと交流して自分のアイデンティティを確かめながらまた、ニューヨークに渡りニューヨークの刺激に魅了し反核運動に参加したり、クリスマスパーティーに参加した話、カナダトロントに滞在してプリンスエドワード島での旅での老車掌とのやりとり、自閉症児との話など、爽やかな読後感のエッセイです。
     季節は今、題名の通りの時期ですが著者の温かな感性がただよう本でした。

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    2025年03月31日
  • 海うそ

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    ネタバレ

    梨木香歩さん、こんなところにまで達してしまわれたんですね、と深く深くため息をつくように思ってしまう作品でした。
    以前、どこかに掲載されていたインタビューで、この「海うそ」という作品を境に、何か大きく変わったというようなことを語っておられた記憶があります。この記憶もかなりあやふやなのですが、それからなんとなく、この作品は、重要な作品だと自分の中で位置づけてきた気がします。そういう先入観で読み始めたのですが、それが確信となるような、なんだかどっしとした重みのある作品でした。

    昭和の始めに、人文地理学研究者の秋野が研究のために訪れる南九州の遅島は、読むにつれて実在の島としか思えなくなり、思わず地図

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    2025年03月27日
  • 冬虫夏草(新潮文庫)

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    大好きな家守綺譚の続編。相変わらず読んでいてずっとこの世界にいたい読み終わりたくないという気持ちになる。
    明治時代が舞台のこの作品、ファンタジックとか幻想的という感じではなく、解説にもあったが科学的ではない出来事があくまで普通の世界として淡々と語られていくところが不思議と心地良い。これを読むと科学の常識で縛られた世界って安心するようで窮屈で居心地が悪かったんだなと思えてくる。
    綿貫、高堂、南川、犬のゴロー、河童の少年、、、
    綿貫と友人たちの会話がなんとも好き。みんなそれぞれいいキャラ。淡々とした中にそこはかとなく漂う綿貫の高堂へのなんとも言えない感情が良い。ゴローは相変わらず素晴らしい犬でたま

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    2025年03月31日
  • 海うそ

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    植生や遺跡の描写が緻密で
    実在の島ではないかと疑ってしまう
    島を歩いて伝承や考察
    信仰の対象であった名残を
    感じさせるシーンなど
    自分もフィールドワークに
    参加しているようだった

    最後にバブル期の開発?を
    思わせる場面があって
    面変わりをしんみりと感じつつも
    そういった開発は
    意外に失敗した事を
    知っているので
    この物語はまだ続いていて
    変化し続けている気がする

    ここ数年読んだ本の中で
    マイベストに入る本だなぁ
    どこか鄙びた温泉地に
    持っていって
    じんわりじっくり読みたい

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    2025年03月16日
  • ある小さなスズメの記録 人を慰め、愛し、叱った、誇り高きクラレンスの生涯

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    序に「私は野生の鳥は基本的には野にあるべきだと思っている」とある。だから、作者のキップスさんは生まれたばかりで巣から落ちた障害のあるスズメを深い愛情を持って育てながらも、彼がスズメであることを尊重して適度な距離感を保った視点で見ていたのだろう。この本がスズメの生態や人と一緒に暮らしていたからこそ開花した潜在的な能力などの観察記録としても興味深いものになっているのは、そのおかげだろうと思う。
    科学的な興味もさることながら、このスズメの愛らしさと逞しさには驚かされる。巣に見立てたベッドで迸るような歓喜の歌をひとくさり歌ったり、老いて病気になってからも生きる意志と聡明さで自由が利かなくなっていく状況

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    2025年03月15日
  • 沼地のある森を抜けて(新潮文庫)

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    ネタバレ

    なんとゆうか、これは、語彙力を試されているかのような話だった。

    あらすじをゆうと、主人公の叔母が亡くなり、一族の故郷の島にある、沼の成分が入った家宝の「ぬか床」を受け継いだところから話が始まります。

    ぬか床って、わたしもかつて世話をしていましたが、毎日手を入れて底からかき混ぜて空気を入れないといけない、けっこう手間のかかるものです。
    それを引き取るかわりに叔母のマンションも譲り受けるのですが、そのぬか床の手入れを怠ると、ぬか床から文句を言われたり酷い匂いがしてきたり、昨日まではなかったはずの卵がぬか床の中から生まれて、卵からは人が生まれて、それが子供の頃亡くなった同級生の男の子に見えたり、

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    2025年03月11日