梨木香歩のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
あぁ、なんて優しい世界なのでしょう
植物の名前がついた28章
1話ずつ丁寧にゆっくり読み進めました
主人公の征四郎は、学生時代に亡くなった親友の実家に〝家守〟として住んでいる。
最初の【サルスベリ】の章から、次々と不思議な現象が起き、えっ?と思ったものの美しい文章にのせられて、気付けば物語世界に身を委ねていた。
掛け軸の中から出てくる亡き友
サルスベリの木に惚れられた征四郎
タツノオトシゴを孕んだ白木蓮
ふきのとうを取りに来た子鬼
──等々
これらをごく普通に受け入れ、植物や怪異たちと心を通わせながら巡る季節は、とても豊かなものに思える。
本書を読んでいる間、現代社会で一日を終えた私は、早くこの本を開きたくて仕方なかった。
優しさに満ち、ゆったりと時の進むこの世界に帰りたくて…
この本は、私の心が〝帰る場所〟になるのかもしれない。
大切な一冊になった。
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Posted by ブクログ
小学生の時、塾の国語のテストで西の魔女が死んだ、が題材として出ました。小説の面白さに、塾の帰りに本屋さんに行き、黄緑色の背表紙の小さな文庫本を買って、それから私の読書人生は始まりました。
社会人になって、一年に数冊しか本を読まなくなり、引越しのタイミングでほとんどの本を手放したりしましたが、何がきっかけであったか。また、すっかり読書は生活の一部に戻ってきました。
年老いた父に貰ったら図書カードで、ずっと大切にできる本を買いたいと思い、約20年振りに、このとても素敵な装丁の西の魔女が死んだを購入しました。
父の膵臓癌の手術の待ち時間で読もうかと思い、手術の待合室に持っていきましたが、どうしてか、持って行っていた別の本を読んで過ごしました。
そして手術から10日、今日は見舞いはやめて部屋の掃除でもして、のんびり過ごそうと決めた午後に、手に取り読んでみました。
どうしてこんなにこの本が好きだったのか、当時は分かりませんでした。
私は学校にずっと行っていましたが、わたしもまいのように敏感なところがあったのだと今は思います。
そして大学生の夏休み、海外で暮らす父の姉と、ワイルドベリーを摘んでジャムを作った記憶が鮮明に蘇ってきました。
私には西の魔女は居ないんだと思っていましが、確かにいるんだと、わたしもとても、貴重な体験をしていたんだと記憶に感謝しました。
自分で決めて、傷つきながら、後悔しながらも生きていかなければいけないと、大人になっても励まされますね。
こんな風に、人生を通して心に寄り添ってくれる本に出会えたことを幸せに思います。