梨木香歩のレビュー一覧

  • 不思議な羅針盤(新潮文庫)
     樹木・草花であれ、ものであれ、人であれ、ひとたび対象に向かうと、五感をフル稼働させて、大切なものを得ようとひたむきな梨木香歩さん。頼るもののあるときは頼り、支えのないときは一人で立つ生き方。植物や鳥たちとの付き合いが人との距離の取り方を教えてくれる。梨木香歩さん「不思議な羅針盤」、2015.10発...続きを読む
  • 村田エフェンディ滞土録(新潮文庫)
    「冬虫夏草」を読んでサラマンドラ(赤竜)と稲荷の関係が解らずにいたのですが本作を読んで合点がいきました。
    てか順番的には『家守奇譚』『村田エフェンディ滞土録』『冬虫夏草』なのかなぁって思いました。

    トルコに留学した村田氏の見聞録になりますがこれは東西の異文化が混在してごった煮のような味がでてました...続きを読む
  • 椿宿の辺りに
    梨木香歩の椿宿の辺りにを読みました。

    主人公の佐田山幸彦(通称山彦)は化粧品を開発する会社の会社員です。
    最近、原因不明の痛みに悩まされています。
    彼の従姉妹の海幸比子(通称海子)もまた原因不明の痛みに悩まされています。

    海子が通っている仮縫鍼灸院の治療師の亀シの提案で山彦は彼らの祖父の実家のあ...続きを読む
  • 西の魔女が死んだ 梨木香歩作品集
    昔に読み終わってたけど、私の次女の読書感想文の推薦図書に上がってて再度読んだ。って、これ、その後の続きの話も出てて面白かった!
    そして読み返してもおばあちゃんは、私も死んだことないから分からないわって、ナイス!残してったメッセージもナイス!私も自分のおばあちゃん、大好きだった〜と思い出した。
  • 村田エフェンディ滞土録(新潮文庫)
    国や宗教が違う人たちがどうしたら分かりあえるのか、分かりあえなくても互いの考え方を尊重して共存することはできるのではないか、そんなことを模索しようとするような丁寧な筆致がとても心地よい、そんな読書時間。
    第一次世界大戦勃発直前という作品の中の時代背景が、今のギスギスした世界情勢とも重なって、考えさせ...続きを読む
  • 裏庭(新潮文庫)
    自分の中の庭をどう育み、生きていくのか。
    少女が自分の心の中にある家族へのわだかまりや罪悪感を抱きしめられる強さを得るためには、こんなにもしんどい試練を受けなきゃいけないのかと。何度も涙したし、一生読み続けたい大作。
  • りかさん(新潮文庫)
    からくりからくさの伏線。
    あの時のあれは、ここからつながってたのかーというのが上手くまとまってて面白く、蓉子がりかさんをあんなに大切にしていたのも納得でした。
  • からくりからくさ(新潮文庫)
    古民家で自然と共にのんびりと暮らしている女性たちの物語りかと思いきや、りかさんにまつわる過去や彼女たちの内に秘めた激しい思いが淡々と描かれていて、心にぐっと刺さりました。
    能面にまつわる過去のつながりがイマイチ理解しきれなかったのですが、伏線がちゃんと回収されていたのでだいたい分かりました。
  • 沼地のある森を抜けて(新潮文庫)
    何書いても余計になる気がするけど、書いてみたいから書く。
    読み進めていくと、綺麗な情景や人間との関わり(個人的にそう感じた)と相対するように生物の底なしの存続への渇望が醜く表現されすごく絶妙な話だと思った。
    最後、風野さんと久美ちゃんはどういう結末を迎えたんだろうか。
    きっとしばらく経ってから読み返...続きを読む
  • 西の魔女が死んだ 梨木香歩作品集
    久しぶりに再読!まず装幀がシンプルでステキ!内容もやっぱり素敵。おばあちゃんの言葉に胸が熱くなる。たくさん出てくる草花を検索したい気持ちになったけど、読書してるときの自分の信念としては、その言葉から想像すること!どんな花かなあ〜、どんな景色かな〜と。それを想像すると本当に素敵な庭で、家なんだろう、と...続きを読む
  • 村田エフェンディ滞土録(新潮文庫)
    作品紹介・あらすじ

    『家守綺譚』『冬虫夏草』の姉妹編
    著者によるあとがき「あの頃のこと」を収録
     
    19世紀末のトルコ、スタンブール。留学生の村田は、ドイツ人のオットー、ギリシア人のディミィトリスと共に英国婦人が営む下宿に住まう。朗誦の声が響き香辛料の薫る町で、人や人ならぬ者との豊かな出会いを重ね...続きを読む
  • 春になったら莓を摘みに(新潮文庫)
    寒さが少し和らぎ、花粉が飛び始めてムズムズし始める時期が旬のエッセイだと思う。
    あらゆる人々との出逢いが、この250ページに詰め込まれていて、現実の出会いを億劫に思う気持ちを撫でて解いてくれる気がする。

    暮らしの中で問を見つけては真摯に思考を重ねる著者の姿には、なぜだか、エッセイに出てくる車掌や駅...続きを読む
  • 村田エフェンディ滞土録(新潮文庫)
    やはり好きなシリーズ。「家守綺譚」「冬虫夏草」と読みきてこの一冊はまた繋がっているのでやはり期待どおりだった。青春かぁ…想い返してそう呼べる期間は大切です。前に進む、進化進歩せよと世は言うが、国柄、宗教、人種、時代、様々に絡み合う世界は本当に進歩しているのか。薄々そうかと思って読みすすめたが、やはり...続きを読む
  • 春になったら莓を摘みに(新潮文庫)
    何度も何度も読んで、カバーがぼろぼろになってきたけど買い替えず持っている本。やりきれない、わかり合えない、けど誰かとつながっていく。
  • 家守綺譚(新潮文庫)
    植物や動物と触れることで人間は生きていけるのかもしれない。何となく受け入れて、それとなく面白がって過ごしている感じがとてもよい。
  • 沼地のある森を抜けて(新潮文庫)
    生生しく体をかき回されるような描写に取り込まれて、官能小説のようだなと思った。
    ぬか床をかき回したくなる。
  • 冬虫夏草(新潮文庫)
    続編があるとは知らず…見つけた時は小躍りした(笑)ゴローの出演回数が少なかったのが残念だが、最後は感動して涙が出そうになった。ゴロー、ちゃんと愛されてる…ダアリヤにももっと出てほしかった。
  • 村田エフェンディ滞土録(新潮文庫)
    角川文庫版からの移籍、ということになるのでしょうか。内容は鉄板です。著者あとがきが嬉しい。未読の方も既読の方も是非。
  • 沼地のある森を抜けて(新潮文庫)
    ぬか床から始まる日常物かと思いきや、どんどん話が膨らんでいき、最終的には生命の深淵をのぞき、そして読者にも問いかけるような内容となっている。

    後半から挿入される「かつて風に靡く白銀の草原があったシマの話」はかなり抽象的だが細胞壁=ウォールを持つ生き物とそこに入り込んできた似て非なる生命のお話で(だ...続きを読む
  • 鳥と雲と薬草袋/風と双眼鏡、膝掛け毛布(新潮文庫)
    これは眠る前に少しずつ読むのに最適だった!(^^)地名の謎♪行ったことがある所が出てくると嬉しいし、全然知らなかった所を読むのは楽しい!( ゚∀゚)自分にも梨木さんくらい行動力があればなぁ~と羨ましく感じた(*^-^*)