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19世紀末の土耳古(トルコ)、スタンブール。留学生の村田は、独逸(ドイツ)人のオットー、希臘(ギリシア)人のディミィトリスと共に英国婦人が営む下宿に住まう。朗誦の声が響き香辛料の薫る町で、人や人ならぬ者との豊かな出会いを重ねながら、異文化に触れ見聞を深める日々。しかし国同士の争いごとが、朋輩らを思いがけない運命に巻き込んでいく――。色褪せない友情と戻らない青春が刻まれた、愛おしく痛切なメモワール。
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Posted by ブクログ
家守綺譚、冬虫夏草、そしてこの村田エフェンディ滞土録を三部作として貸してもらった。 からくりからくさ、西の魔女が死んだの世界とは別世界。 三作品に共通する、この世(と私が思い込んでいる)と違う世を違和感なくつなげていく。それが舞台となる時代へも誘う。あえて、トルコ、エジプト、ギリシャに漢字を当て書...続きを読むかれた、表現、音にして読めはなおさら、想像は映像のように広がっていく。異国とはどこか、経験した場所を物語は歩かせてくれた。 その中にハッとさせられる 私は人間だ。およそ人間に関わることで私に無縁なことは一つもない…。 この文が2度に出てきた時の 村田の心情たるや、胸中のシンのところをギュッと掴む。 この作品に出てくる人々に おいても争いは避けられていない しかし、この気持ちを持てれば どの土地、どんな宗教であれ、 生き方は違うだろ 鸚鵡が友よと発するように
すばらしいという感想しか出てこなくて困った。留めておきたい言葉がたくさん、たくさんありすぎていちいち手を止めてしまう。「私は人間である。およそ人間に関わることで私に無縁なことは一つもない」「人は過ちを繰り返す。繰り返すことで何度も学ばねばならない。人が繰り返さなくなったとき、それは全ての終焉です」 ...続きを読む『家守綺譚』の姉妹編ということで読んだけれど、『家守綺譚』とはまた違う、でも期待していた以上にずっとずっと深く、容赦なく、うつくしいものであふれていた。あとがきまで読んだあと、ため息が出た。
昔は面白さが分からず、読み進められなかった本。文章から立ち現れてくる土地の空気感、人々の息遣い、土壁や動物や食物の手触り感が、あまりにもリアルに、まるで私自身の五感が刺激を受け取っているように感じられた。神は、人間とはありようの異なる存在、ただそれだけ、と言う霊媒師ハリエットの説明が不思議と腑に落ち...続きを読むた。
めちゃくちゃよかった…… 読み終えた後、ゆっくりもう一周噛み締めて読んだ。 トルコへ留学していた考古学者の村田と、下宿先で出会ったいろんなものの友情(あえてこの言い方をさせてもらう)の、物語。 ずっと不穏な空気は流れていたのだけれど、前半と後半の対比があまりに鮮やかで後半はほろりと。鸚鵡〜〜。そこ...続きを読むで「友よ!」はないてしまう。 過去があるから現在があって、過去は、想いはモノに宿るのかもしれない。 戦争も革命も苦しいけれど、国を憎まず、それぞれの信じるものをもち、友情をもつことはできる。 「家守綺譚」と世界が共有されているようなのでそちらもすぐ読む
「家守綺譚」の姉妹編。 「家守綺譚」に出てきた村田氏が主人公の一冊です。 梨木氏の小説はどれもそうなのだけど、淡々とした語り口なのに、気づけば止まらずに読み切ってしまう魅力と力強さがあって、この作品もそうした小説の一つです。 世の中がだんだん焦臭くなってきている今だからこそ、心により強く響いた作...続きを読む品でした。
家守綺譚からの繋がりでトルコ滞在中の村田視点。 やっぱり不思議なことが起こる。 このシリーズ手元に置きたいくらい好み。 ゴローが息災なだけで満足だし、ラストの鸚鵡の一声には村田と一緒に泣いた。
温かくて、少し不思議で、切ない物語だった。 どこか海外の翻訳本や明治の文豪の作品を思わせるあまり砕けていない文体が好きだった。 私のお気に入りである、筒井康隆の『旅のラゴス』と少し似ていた。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 不思議な下宿。魅惑の異文化。かけがえのない友人たち。 留学生・村田が...続きを読むトルコで過ごした青春の日々。 19世紀末のトルコ、スタンブール。留学生の村田は、ドイツ人のオットー、ギリシア人のディミィトリスと共に英国婦人が営む下宿に住まう。朗誦の声が響き香辛料の薫る町で、人や人ならぬ者との豊かな出会いを重ねながら、異文化に触れ見聞を深める日々。しかし国同士の争いごとが、朋輩らを思いがけない運命に巻き込んでいく――。色褪せない友情と戻らない青春が刻まれた、愛おしく痛切なメモワール。
〈再登録〉「家守綺譚」でも触れられていた綿貫の友人・村田のトルコ滞在記。エフェンディ(学士)として過ごす村田から見た異国でのかけがえのない日々の記録。 奇妙な出来事に遭遇しながらも、国も宗教も違う人々と理解し合っていく村田。彼らとのやり取りが面白かっただけに、その後の世界状況の中、それぞれの運命を生...続きを読むきざるを得なかったのが悲しい。ムハンマドに拾われた生意気なオウムに楽しませてもらいました。このオウムが後に感動的な展開へと導きます。 百年前の架空の滞在記がこんなにも何かを訴えかけるのは、歴史の陰できっとこんな若者達が存在していたからだと思います。
異文化交流とか異文化理解と言うと大袈裟なわりに浅薄な感じになってしまう。異国の人(に限らず他者)と関係を築くことは肩肘張るような特別なことではなく日常の延長なんだと感じた。国籍を越えたおつきあいの場合は、〇〇人という認識も必要ではあろうけど、その上で〇〇さんというように個として理解することが、あたり...続きを読むまえだけど大事だなと改めて実感した。 その一方で、特に国際情勢が緊張感を増している時は国という概念は否が応でもつきまとうということも考えさせられる。いくら個人間で強いつながりを築いていても国同士の関係が悪化している場合は個人間の絆が断ち切られたり、時には不本意ながら殺しあうことになる可能性も生じてしまう。正に物語の終わりで村田が言っているように、国って何なんだろうというのは難しい問題だと思った。 自己と他者とか、他者との心地よい距離感とか、自己が属するコミュニティ(国)とかを考えさせられる点で、いつもの梨木さんらしい深いテーマの小説だと感じた。最後の章は胸に迫るものがあり二度読んだ。 余談だけど、コテンラジオで学んできたもろもろ(ギリシャ、ペルシア、ローマ、ビザンツ、オスマン、ヨーロッパ各国、と日本の維新とか日清日露戦争とか)の歴史の知識と結びつけながら読めたので、再読だけど登場人物たちの心の機微がイメージできて以前読んだ時よりかなり味わい深く読めた気がした。
読んだのは5回目くらい?大好きな本。 わたし的には、「THE 青春」なお話。村田みたいな感性を持って、村田みたいな友との出会いをして、村田みたいに得難い経験ができたらって、人生後半の真ん中くらいになった今でも思ってしまう。 鸚鵡の「友よ。」で毎回落涙。 そしてラストの村田の慟哭は、今日現在の世界情勢...続きを読むそのものにも通じる。 今また読んでおいてよかった。
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村田エフェンディ滞土録(新潮文庫)
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梨木香歩
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