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Posted by ブクログ
登場人物の理解において、様々な国の宗教や歴史が重要な要素となっており、その点が難解だった。読み進めるのにも時間がかかった。文章として頭で理解しても、腹には落ちてこない…そんな状態のまま読み進めたが、6割ほど超えたあたりから、腹落ちせずともそれぞれの人物に感情移入出来るようになった。
宗教の違いという壁はそのままに、「遺跡の発掘」という共通点で村田たちが交流し、人間同士として認め合っていく様子に温かいものを感じた。本当の意味での多様性がここに在ると思った。
だからこそ、この結末には涙が出た。でも、これこそリアルだとも思った。まるでノンフィクションのよう。村田という人物が実在し、その人から直接体験談を聞いたような読後感。そんな気持ちのままあとがきを読んで、梨木先生がいかに研究や勉強に時間を費やし、温度感やリアリティを追求してこの物語を書かれたかを知り、なるほど、だからこのリアリティかと納得した。
確かに分かりにくい部分はあった。でもそれを超えて、感動に至った。国、宗教、侵略、戦争…私が知らねばならぬことを、ほんの少しだけど知れたと思った。とにかく余韻がすごい。いまこの時代だからこそ、多くの人に読んでほしい一冊と思った。
Posted by ブクログ
家守綺譚、冬虫夏草、そしてこの村田エフェンディ滞土録を三部作として貸してもらった。
からくりからくさ、西の魔女が死んだの世界とは別世界。
三作品に共通する、この世(と私が思い込んでいる)と違う世を違和感なくつなげていく。それが舞台となる時代へも誘う。あえて、トルコ、エジプト、ギリシャに漢字を当て書かれた、表現、音にして読めはなおさら、想像は映像のように広がっていく。異国とはどこか、経験した場所を物語は歩かせてくれた。
その中にハッとさせられる
私は人間だ。およそ人間に関わることで私に無縁なことは一つもない…。
この文が2度に出てきた時の
村田の心情たるや、胸中のシンのところをギュッと掴む。
この作品に出てくる人々に
おいても争いは避けられていない
しかし、この気持ちを持てれば
どの土地、どんな宗教であれ、
生き方は違うだろ
鸚鵡が友よと発するように
Posted by ブクログ
めちゃくちゃよかった……
読み終えた後、ゆっくりもう一周噛み締めて読んだ。
トルコへ留学していた考古学者の村田と、下宿先で出会ったいろんなものの友情(あえてこの言い方をさせてもらう)の、物語。
ずっと不穏な空気は流れていたのだけれど、前半と後半の対比があまりに鮮やかで後半はほろりと。鸚鵡〜〜。そこで「友よ!」はないてしまう。
過去があるから現在があって、過去は、想いはモノに宿るのかもしれない。
戦争も革命も苦しいけれど、国を憎まず、それぞれの信じるものをもち、友情をもつことはできる。
「家守綺譚」と世界が共有されているようなのでそちらもすぐ読む
Posted by ブクログ
温かくて、少し不思議で、切ない物語だった。
どこか海外の翻訳本や明治の文豪の作品を思わせるあまり砕けていない文体が好きだった。
私のお気に入りである、筒井康隆の『旅のラゴス』と少し似ていた。
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不思議な下宿。魅惑の異文化。かけがえのない友人たち。
留学生・村田がトルコで過ごした青春の日々。
19世紀末のトルコ、スタンブール。留学生の村田は、ドイツ人のオットー、ギリシア人のディミィトリスと共に英国婦人が営む下宿に住まう。朗誦の声が響き香辛料の薫る町で、人や人ならぬ者との豊かな出会いを重ねながら、異文化に触れ見聞を深める日々。しかし国同士の争いごとが、朋輩らを思いがけない運命に巻き込んでいく――。色褪せない友情と戻らない青春が刻まれた、愛おしく痛切なメモワール。
Posted by ブクログ
〈再登録〉「家守綺譚」でも触れられていた綿貫の友人・村田のトルコ滞在記。エフェンディ(学士)として過ごす村田から見た異国でのかけがえのない日々の記録。
奇妙な出来事に遭遇しながらも、国も宗教も違う人々と理解し合っていく村田。彼らとのやり取りが面白かっただけに、その後の世界状況の中、それぞれの運命を生きざるを得なかったのが悲しい。ムハンマドに拾われた生意気なオウムに楽しませてもらいました。このオウムが後に感動的な展開へと導きます。
百年前の架空の滞在記がこんなにも何かを訴えかけるのは、歴史の陰できっとこんな若者達が存在していたからだと思います。
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