梨木香歩のレビュー一覧

  • 西の魔女が死んだ 梨木香歩作品集
    何度も読み返した物語。に連なる短編が三作、一緒におさめられている愛蔵版的作品集。何度読んでも、やっぱり好きな作品。ぴりっとした厳しさと、甘くない優しさ。こんな大人になれそうにはないけれど、繰り返し繰り返し思い出したい姿。
    #ブラッキーの話 のなかの一文は、空太を迎えたときのタロウへの思いに重なって、...続きを読む
  • 西の魔女が死んだ 梨木香歩作品集
    自分をしっかりと持ち、周りの声や雑音に振り回されず、毎日をシンプルに真摯に生きるおばあちゃんの生き方、言葉はとても胸に響いた。
    そして愛情も。

    かまどに小枝を
    まいの置いて行ったマグカップ。
    何とも言えない気持ちになった。
  • 家守綺譚(新潮文庫)
    久しぶりにこの作者の本を読んだ。一時はよく読んんでいたのだが、なんとなく遠のいてしまっていた。
    亡くなった親友の家に家守として住み込むことになった。広い庭には池があり、多くの樹木や草花が生い茂る環境。時代は多分1890年頃、場所は琵琶湖の周囲のよう。池にカッパが流れ着いたり、不思議なことがたくさん起...続きを読む
  • 家守綺譚(新潮文庫)
    綺譚だけあって、不思議な話ばかり。それが話の中で淡々と、自然に受け入れられている書き方なので何故か違和感がなく読める。そして季節感があり、動植物にも心があることを感じさせる世界観がとても好き。読んでいて、何だか心が落ち着いてくるのは何故だろう。各章の最後はどれも心地良い余韻がある。出会えて嬉しかった...続きを読む
  • 裏庭(新潮文庫)
    中学時代に梨木さんの「西の魔女が死んだ」を読んで、他の作品も興味を持ち購入。
    家族旅行の際にこの本を持っていき、夜ホテルで読み始めると、先が気になって、ページを捲る手が止まらなくなり、ほぼ徹夜をして読んでしまったことは今でも覚えています。
    学生時代の私に良い読書体験をもたらしてくれた、かけがえのない...続きを読む
  • 炉辺の風おと
    梨木香歩さんのエッセイ
    八ヶ岳での山小屋探しからはじまる。
    贅沢は論外、本格ログハウスも身の丈に合わず、
    新建材だらけもちょっと‥‥‥
    とか、このエッセイ全体を通しての、価値観、本質に通じる部分かな。

    冬の八ヶ岳おろしは凄まじく、
    「あの突風具合ときたら。漫然とただ吹いていると言うのではなく、とき...続きを読む
  • 西の魔女が死んだ 梨木香歩作品集
    感性が豊かな人は周りを気にしてしまうし、聞いても居ない声を聞き取ってしまう。そうやって疲れてしまいがちな人は多いのでは無いだろうか。

    この本を読む事で、疲れない考え方を学べた気がします。私自身も西の魔女が教えてくれた呪文は今でも役に立っています。

    西の魔女の優しさに涙があふれました。
    ずっと手元...続きを読む
  • 炉辺の風おと
    本当に大好きだなぁ

    p.115 昔された質問に、ようやく答えられる時が来たのだと思う。
    のところが、じわっときた。
  • やがて満ちてくる光の(新潮文庫)
    梨木香歩さんのファンなら必ず手元に置いておきたい本。

    デビューから2019年までに色々なところで発表されたエッセイをまとめたもの。
    鳥のこと、バードストライクのこと、植物のこと、イスタンブールやエストニアのこと、時間・空間の境界のことなど。

    これまで梨木さんがどれだけ丁寧に生きてきたかがよく分か...続きを読む
  • からくりからくさ(新潮文庫)
    前に一度読み終わっていたけれど、最近また読み直していた。

    女として生きていると、確かにコントロールしきれない得体の知れない存在が、自分のどこかに隠れているような気もする。それは、ほかの女性を見ていても思う。それを不気味だ嫌だと避けるのではなくて、しっかり見つめてみれば、怖くはないのだ。

    唐草模様...続きを読む
  • 西の魔女が死んだ 梨木香歩作品集
    魔女というと特別な存在であると思いがちですが
    ある分野に特化した人のことを言うとするならば
    現代にも魔女、魔法使いはたくさんいるのでは
    ないかと思わせてくれました

    冬の午後が個人的に1番心に沁みました
  • エンジェル エンジェル エンジェル(新潮文庫)
    中学生くらいの時は全く意味がわからなかったけど、30過ぎて読んだら面白かった。いろんなところが呼応しててドラマの脚本みたい。
  • 炉辺の風おと
    八ヶ岳の裾野の山小屋で過ごす時間を軸に、動植物や自然と自分のくらし、父、人生の終わり、言葉と政治など、身の回りのことを語るエッセイ。

    梨木さんはいつも、表層を一枚ずつ剥がしてその深層まで描きこむようなお話を書く人だと思っていて、エッセイは「渡りの足跡」以来であまり読んでいませんが、こちらは小説と同...続きを読む
  • 炉辺の風おと
    静かで豊かな文章で、読み終えるのがもったいなくてゆっくりゆっくり読みました。手元に置いておきたい一冊です。
  • 春になったら莓を摘みに(新潮文庫)
    エッセイなのに物語のような1冊。
    ウエスト夫人の人柄に惚れ惚れしてしまう。
    こんな素敵な経験が梨木香歩さんを作ったのかなと思うと彼女の柔らかくも強い文章に納得する。
  • 椿宿の辺りに
    なんでこんなに大きな話が生まれるんだろう
    この国つまり日本の土の香りとか、そういう局所的なテーマからのようでいて、宇宙とかセカイとか4次元以上の世界とか、とんでもなく大きいもののことを聞かされてる気になる
    梨木さんはほんと何なんだ?
  • 不思議な羅針盤(新潮文庫)
    梨木さんのエッセイは、深く、また思い至らないところまで広く。
    読んでいて、なぜか深い安心感を感じる。

    目にする草花にも
    「ひっそりとある、という風情が好きなのだった。自分を強く主張することもない、他の植物の陰になっていても自分が犠牲になっているなんて思わない、淡々と自分を生き切る、そういう日常の満...続きを読む
  • 鳥と雲と薬草袋/風と双眼鏡、膝掛け毛布(新潮文庫)
    梨木香歩さん。
    1月に買ってちまちまちまちまと読み進め、やっと読み終えたのが本日。
    丁度八重洲でモーニングしていた母が、今読む本がないというので差し上げてしまいました。
    土地にまつわるエッセイ。
    梨木さんの言葉遣い、視点が好きです。
    優しさがあって、柔らかくて。
    どれも1〜2、3ページくらいの短い内...続きを読む
  • ぐるりのこと(新潮文庫)
     タチアオイの花は、下から上へ花をつけてゆき、最後まで咲ききると梅雨が終わるそうです。梨木香歩さん、昭34年、鹿児島生まれ、英国留学、カヤックを趣味に、北方へ帰る鳥たちに会う旅を続け、大型犬と暮らしてるそうです。「ぐるりのこと」、2007.7発行、8編のエッセイ集。自分のぐるりのことにもっと目を向け...続きを読む
  • 西の魔女が死んだ 梨木香歩作品集
    また読みたい。自然と、私と、祖母と。日々の暮らしの中で、ただ真摯に生きること。私自身の思い出も想起させられる、良い本。