梨木香歩のレビュー一覧

  • 渡りの足跡(新潮文庫)

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    梨木さんのネイチャーライティング、エッセイ集。

    渡りをする鳥たち、周りの自然。
    とても深い知識に基づいたエッセイだけど文学的表現に富んだ、読み応えたっぷりの一冊。

    「街の機嫌」

    「ノーノーボーイ」

    「存在」は移動し、変化していく。生きることは時空の移動であり、それは変容を意味する。それが「渡り」の本質だろう。

    梨木さんの世界観に魅せられる、そんな一冊でした。
    これも手元にずっと置いておき、また何度も読み返したいと思います。

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    2021年04月30日
  • 海うそ

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    ネタバレ

    梨木さんの世界観。

    あまりに詳細な地図・場所の表現から、実際にある島かと思っていたけれど、実在はしない「遅島」。
    そこに住む人、動物、植物、そして水、風、海うそなどの自然。
    この世とあの世の境界が分らなくなるようなモノミミや洞窟の存在。
    静かに流れる時間が愛おしい。

    そして50年後の世界。
    家族との時間。

    色即是空、空即是色の世界。

    最後に出てくる木切れに書かれてあった「吾都」。
    ゾクゾクしました。

    私が一番気になったのはカモシカの存在でした。
    切ない・・

    この本もずっと手元に置いて、何度でも読み返したいと思います。

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    2021年04月20日
  • 僕は、そして僕たちはどう生きるか

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    たくさんの、本当に沢山の事を考えさせられる本やった。
    『群れ』の恐ろしさ。でも、群れてないと生きていけない人間。
    同調圧力。そして、無意識に圧力に押されて考える事をやめてしまう自分の心。
    怖い。
    きちんと、学んでおかないと、気付いたら戦争がおきてるかもしれない。おきてしまった後に気付いても遅すぎる。
    きちんと、学ばなければ。

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    2021年03月28日
  • 炉辺の風おと

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    読んでいて、体の奥底からふつふつと温められているような気がした。
    激しい言葉や暴力に訴えなくても、人は人を「焚きつける」ことができるのだなあと実感。

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    2021年03月02日
  • 不思議な羅針盤(新潮文庫)

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    2007年から2009年までの三年間、雑誌「ミセス」に連載されたエッセイ集。

    随所に梨木さんらしさが出ている。
    動植物
    への深い知識、人間としての大きさ、深い愛情。。
    特に最後の「どんぐりとカラスと暗闇」は梨木さんの思いが詰まっている。
    この本もまたずっと一緒にいたい一冊になりました。

    最近 良い本ばかりに巡り合い、とても充実しているように思います。

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    2021年02月07日
  • エストニア紀行―森の苔・庭の木漏れ日・海の葦―(新潮文庫)

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    すっかり梨木香歩さんにハマってしまっている。

    梨木さんがガイドさんとエストニアに取材。
    ただの海外取材ではなく、きちんと梨木さんの動植物、料理に対しての深い知識と想い、世界観が込められている。

    もうすっかりエストニアには行ったことがあるような気分。
    そして、今度はゆっくりと滞在したいと思ってしまう。
    コロナが治まったら絶対に行くぞ!!

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    2021年01月18日
  • からくりからくさ(新潮文庫)

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    素晴らしい梨木さんの世界。

    「りかさん」という本の続編だと、読み終わってから知りました。

    祖母の遺した家に住む蓉子とアメリカから日本の鍼灸の勉強をし蓉子とランゲージエクスチェンジをしているマーガレット、機織りをする紀久、テキスタイルの図案を研究している与希子の4人の女性の共同生活。

    草木染め、機織り、紬、能面、人形と日本の伝統文化とクルド人の背景も交えながら生きることの意義を教えてくれる。

    これも大切にしたい一冊になりました。
    手元に置いていて何度も読み返したい一冊です。

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    2020年12月29日
  • 炉辺の風おと

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    梨木香歩さんのエッセイを読むと、どの文章も、厳しく鋭く突き刺さってくるようだ。辛くなることもある。
    なにかを感じずにはいられない。感じなくてはならない、このまま読み飛ばしてはならない。非常に覚悟を問われるのだ。

    ———

    自分が死んだ後も世界はなくならない、自分だけが消えるのが怖い、といった感情は、確かに(精神が)幼いころにあった。
    そして今は、自分が死んだ後も鳥は樹々は海は空はずっとある、と思う。そうあって欲しい。
    『炉辺の風おと』p.115を読んでの感想。

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    2020年12月15日
  • 炉辺の風おと

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    ゆっくり、ひとつひとつの文章を、言葉を、味わいながら読んだ。

    梨木さんの野鳥や植物を観察する力、気にかける眼差しがとても素敵だなと憧れるも、私には何かが欠けている。いつか同じ景色を見ることができるのだろうか。

    言葉にできないけれど、こんな今だからこそ、大事に何度も何度も読み返したい。

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    2020年11月15日
  • f 植物園の巣穴

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    地球っこさんに教えていただいた前回読んだ「家守綺譚」がとっても面白かったので、次も地球っこさんが読まれていたこの本を読みました。

    うーむ とっても面白い。
    家守綺譚より、こちらの方がよりハマってしまいました。。

    解説から
    「穴」は垂直の移動。「川」は水平の移動を表す。

    語り手の人生における、三つの大きな喪失を巡る物語。

    この小説は、生と死の世界の間を往復し、死人と交流する物語でもある。

    読み終えて、初めからもう一度物語をたどり直してみると、あちこちに差し挟まれたエピソードが、初読時とは違う深い意味を帯びて迫ってくる。


    地球っこさん ありがとうございました。
    梨木香歩さんの本をもう

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    2020年11月09日
  • 不思議な羅針盤(新潮文庫)

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    自粛生活に伴い実家から送ってもらった本の中から再読。以前はいつ読んだか思い出せない。
    エッセイ本嫌いの私が、なぜかこの著者のエッセイ本だけは夢中になって読んでしまう。
    2007年から3年間雑誌に連載していた短編を集めた本だが、社会が少しずつきな臭くなっていく流れを危惧する言葉も並んでいる。2020年の今読み直してもリアルタイムで感じている心の靄を共有できる。今同じように社会がきな臭くなってきたわけではなく、この頃から少しずつ少しずつ、首を傾げてしまうような変化が続いているんだと思う。そして著者の描く他人との距離感は、今の社会情勢だからこそ一読の価値があると思う。

    この本の記憶は、狭い世界で豊

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    2020年08月15日
  • 僕は、そして僕たちはどう生きるか

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    中学生の姪によいのではないかと取り寄せ、まず自分で読んでみたら、すごくよかった。どんどんキナ臭くなってくる国を憂いてた梨木さんが若者のために書いた小説。同調圧力に負けない、些細な違和感を大事に、寛容であろうとすること、大人になるために大切なことがぎゅっと詰まっていた。

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    2020年07月31日
  • f 植物園の巣穴

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    この人の本の凄いところは、読み直せば読み直すほどどんどん好きになっていく不思議さにあると思う。続編を読むための再読だったけれど。繋がりがあるとこの本が生きる。どうか続編と続けて読んでほしい。

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    2020年07月05日
  • ぐるりのこと(新潮文庫)

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    言葉が分からないという関係のなかで、どうにかして相手を理解しようとすることが、コミュニケーションの大事な部分であると思う。
    相手の人生観、宗教的な背景、など知ろうとすること。
    通訳を通して得た言葉は、ただの言葉として分かりやすいけれども、本当に得るべきものは、相手を知ろうとする意識なのだと思う
    旅の途中、共通言語のない人との会話に四苦八苦したときのことを思い出した。

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    2020年05月14日
  • ぐるりのこと(新潮文庫)

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    梨木さんの文章や思考は循環的というか、むしろ連想的というか、思考の順番をそのままにしているので、ちょっと分かりにくいところもあるが、それでいてとても奥が深い。

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    2020年03月03日
  • 渡りの足跡(新潮文庫)

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    これまた素晴らしい一冊だった。日本のネイチャーライティングの到達点とあった。
    外部を、自然を探索することが、自らの内面を探る旅であるということが、渡り鳥の定位のメカニズムを通じて語られる。

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    2020年02月18日
  • りかさん

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    1999年初版から20年、再読。 
    何回読んでも、大好きな世界。
    ようことおばあちゃんが感じとる世界がとても好き。こんな世界を描ける梨木香歩さん、凄いです。
    りかさんを通して人形たちのざわめき、想いをたくさん聴いた。
    人形はそれぞれの想いを抱えて、そこにいる。
    アメリカから親善大使として贈られてきたアビゲイルも、いっぱいの愛を蓄えられて、その愛を届けるために来たのに…。その悲しみを引き受けて守り続けている汐汲み人形も憐れ。
    人は業が深いから人形を必要とした、と同時に人形を慈しむ気持ちも持ち合わせている。
    人形の使命は人間の感情の濁りを吸い取ることだという。
    「濁り」この言葉は、ようことおばあち

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    2019年12月22日
  • 丹生都比売 梨木香歩作品集

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    「丹生都比売 梨木香歩作品集」(梨木香歩)を読んだ。
    「トウネンの耳」はなんとも愛おしい作品。こういうのたまらなく好き。
    「夏の朝」もいい。
    しかし何と言っても表題作の「丹生都比」は出色だな。
    『草壁皇子』のしだいに透き通っていく命の美しさが胸を打つ。
    さすが梨木香歩である。

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    2019年09月24日
  • ぐるりのこと(新潮文庫)

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    日々の生活の中で梨木さんの胸に去来する強い感情、そして歴史や政治、社会問題に関する深い教養に裏付けされた思索が、エッセイの形で書かれていた。受験勉強などを通じて、目的に対して最小の労力でそれに辿り着く最短距離ばかり追い求めてきた私にとって、このような、自分を芯に添えて、ぐるりのことと交流しながら深く思考するということはとても新鮮だった。受験勉強で習ったことも、ただの知識に留まらず、思索の幅を広げる道具に出来たらいいなと思った。純粋に考えることの楽しさを感じた物語だった。


    『共感する、というのは、大事なことだ。が、それはあくまで「自分」の域を出ない。自分の側に相手の体験を受け止められる経験の

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    2019年09月04日
  • 僕は、そして僕たちはどう生きるか

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    うこぎご飯はまじで美味しい。
    うこぎは天ぷらも美味い。

    私もコペルくん程ではないにしても、相手の気持ちを読んだり、色々考えるすぎる人間なので、言葉にできない生きにくさを子供の時から感じてた。
    だから、自分に子どもが生まれた時、我が子にはこういう繊細な子になってほしくない、もっとイージーに生きてってほしいと思っていた。

    でも、この本読んでその考え方は変わった。
    世の中がこれからどうなるか分からない中で、考える力を持たないことはすごくか弱いことだ。

    この本読んで、命が大切にされる世の中になってほしい、そうしなきゃ、という気持ちに行き着きました。

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    2019年04月20日