梨木香歩のレビュー一覧
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梨木香歩さんの書評集。
2002年から2021年にかけて書かれたもの。
最初の方、なんとなく既視感(既読感?)があった。
リンドバーグの『海からの贈り物』があったせいか?
ヨーロッパ文学への素養を感じられるから?
須賀敦子さんの『遠い朝の本たち』が頭に浮かんだせいもあるかも。
しかし、読み進めていくと、やはり梨木さんの本だと認識されてくる。
まず、ナチュラリストなところ。
(神沢利子がサハリンにつながる人だとは今回初めて知る。)
片山廣子(文学者としては松村みね子)や金子文子といった、大正・昭和の女性たちに心を寄せているところ。
片山廣子については、芥川龍之介の「越びと」で知っていたが、彼 -
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ネタバレ難解そうで積読になってたけど意外に引き込まれて一気読み。島に伝わる伝承や民間信仰、地名の変遷あたりは個人的に興味大。とくに地名は同じ音でも本来の意味とは別の漢字を当てたり、歴史がくだるにつれ変わったりするのが面白かった。
南九州の“遅島”という架空の島が舞台。そこへ人文地理学の研究者がフィールドワークへ向かい、遅島の地理や植生、家の構造、そして修験道の寺院遺構などを巡る。
かつて修験道の島として栄えた遅島だが神仏分離〜廃仏毀釈の影響をじかに受けた結果、当時の様子を想起させるようなものはほとんど残されていない。現地でそれを目の当たりにした主人公はそれを諸行無常ではとらえきれない、これが色即是 -
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著者いわく、「専門的な知識もないまま、好きが高じて書き綴った「地名を巡る」小文」で成る、「鳥と雲と薬草袋」と「風と双眼鏡、膝掛け毛布」の二冊を一冊の文庫本にした本書。同じテーマを一気に読めてファンとしては嬉しい限りです。前者の目次を数えると49の地名について書き綴られているようで、後者はそれ以上でした。二冊のタイトルがなんとなく似ていることにも納得しました。
梨木香歩さんといえば、鳥、カヤック(と水辺)、草花、神話などにお詳しいと踏んでいます。が、地名にもこんなにお詳しいとは。そしてこんなにも日本各地に足を運んでおられるとは。しかし、「家守綺譚」の続編である「冬虫夏草」なんかを思い出してみる -
Posted by ブクログ
野生の雀の孵化すぐと思われる雛を育て上げ看取るまでを回想の形で記した本。第二次世界大戦中から戦後の時代です。
動物を慈しみながら一緒に生活している全ての人がそうであると思うが、非常によく観察(?)されていて驚くほどだ。そして野生の雀とは異なる生態を時に見せていく事を客観的に捉えて記載されているところが凄い。研究目的ではないのだから。また文章が高尚で時には難しく哲学的雰囲気の事もある。
そして主人公の雀がまた凄いのだ。素敵な文章の中に登場するこの雀の一生が、通常の野生の雀とは一線を画している。その面白さが端的な文章にギュッと詰まってる。著者の雀との関係性も素晴らしい。決してヒトの思う通りにす -