梨木香歩のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ子どもの頃に読んで、なんだかよくわからない難しい話という印象だけがありましたが、大人になってから読み返すと色々な感情が。
章ごとに時代が現代から過去、過去から現在へ移り変わり若かりしおばあちゃんとコウコ2人の目線で物語は進んでいきます。
章ごとでの主観人物の移り変わりやおばあちゃん視点の章の昔な文章の書き方、認知症?のおばあちゃんの介護や嫁の苦労など、なるほどこれは小学生の自分にはたしかに難しすぎたな、と納得でした。
当たり前だけどおばあちゃんにも若い娘さんの頃はあったんだよなぁ、と自分の祖母に思いを馳せ、コウコと覚醒したおばあちゃんとの解釈の違いに切なさを覚えつつ最期にあのような時間を過ごせ -
Posted by ブクログ
ネタバレ色々な現代にある問題が、
コペルの周囲や、友だちなど身近な存在の問題として語られ、コペルがそれらについて考えていく。
中心としては、集団の考えに個が押し潰されてしまう状況下(集団の圧力)に耐えきれず、そこから距離をおいてひとりでならざるをえなかったコペルの周囲の人たちの話。
徴兵制、性的搾取、学校での安易な屠殺教育、ジェンダー、環境汚染など身近な問題からコペルは考えていく。そのなかで、自分が向き合えなかった問題に向き合い、自分の弱さを知る。
最後はやっぱり人には人(群れ)が必要なのだと思うにいたり、群れの温かさを必要としている人を受け入れられる人でありたいという思いで締め括られている。
感想 -
Posted by ブクログ
梨木香歩さんがデビューから様々な媒体で書き綴ったエッセイをまとめた一冊。悪くいえば雑多で脈絡がないのだけれど、むしろそうした雑多な感じが梨木さんという個人をより鮮明に浮かび上がらせてくる。作品を介さない、素の梨木香歩が垣間見える感じなのだ。個人的には「家の渡り」が読み応えがあった。
あとがきで梨木さんも書かれているように、編集者は大変だっただろう。およそ四半世紀にわたり他の媒体に掲載されたものを探し出すのはもちろん、それらすべての媒体から転載の許可を得るのは難儀なことだろうと思う。まあ、おかげで我々読者は労せずに梨木さんのエッセイをまとめて読めるわけである。 -
Posted by ブクログ
目を背けたい現実を突きつけられているようでもありながら、優しさに包まれているような感覚もある不思議な物語だった。
私の家でもエンゼルフィッシュを飼育しているため(今は何代目だろう…)、彼らの凶暴性や残虐性を初めて見たときの悲しさや怒りのようなものを思い出し懐かしく感じた。
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コウコは、寝たきりに近いおばあちゃんの深夜のトイレ当番を引き受けることで熱帯魚を飼うのを許された。夜、水槽のある部屋で、おばあちゃんは不思議な反応を見せ、少女のような表情でコウコと話をするようになる。ある日、熱帯魚の水槽を見守る二人が目にしたものは――なぜ、こんなむごいことに。コウコの -
Posted by ブクログ
祖父や父が亡くなってから何年経ってもたびたび感じる切なさは何なのだろうと考える。それは、あのとき聞いた思い出も、そこに祖父と父がいて色んなことを感じ考え生きていたという事実も、私が忘れたときに消えてなかったことになってしまうのだという焦りと寂しさなんだと思う。
その寂しさは、大学の民俗学実習で僭越ながらも感じた、「この習俗、伝承は今私が記録しなければいつか忘れ去られてしまうのだ」という危機感に似ている。
でも考えてみれば、人も歴史も生まれては変わって消えての繰り返し。寂しいけれど、そんなに切羽詰まって寂しがることはないんだよと慰められている気がした。 -
Posted by ブクログ
表紙絵に一目惚れして購入。第二次世界大戦頃の話だが、全く耳にしたことがない作者、作品であった。日本でも早くから出版され、根強い人気だったようだ。いくつかの書評にあるように、楽しく、幸せを感じさせてくれる素晴らしい作品だ。
「秘密の花園」のバーネットが書いた「私のコマドリ」と似ているが、鳥と作者との長い共同生活の結果であるため、類い希なる鳥類の研究記録となった。また擬人化表現(と言うか、このスズメの中身は本当にヒトなのかも 笑)によるユーモア溢れる文章でクスクスと読み手を笑わせてくれ、またこの小さき者が如何に人間に「教え」を示すかが語られていく。
どんな生き物にも、感情はもちろん、知性や個性があ