梨木香歩のレビュー一覧
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私にとって「りかさん」が特別な本なので、続編である「からくりからくさ」は今までなかなか読めなかった。
子供の頃の蓉子ちゃんとりかさん、そしておばあさんの関係性や雰囲気がとても好きで子供は大人になるのに大人になってからの話は読みたくないと思ってしまっていたけれど、またりかさんに会いたくて今回続編の本作を読んだ。
おばあさんは亡くなり、りかさんは浄土送りへ、蓉子ちゃんは大人になっていたけれどあの時のやわらかい雰囲気はそのままで不思議なやさしさがこの本にも込められていた。
おばあさんの家でルームシェアを始める4人の女性、草木染め、機織り、キリム、アーユルヴェーダとそれぞれ違う個性で違うものを追いつつも4人の暮らしを楽しんでいる様子にほっとした。
媒染によって色が変わる草木染め、同じようにしていても同じ色にならないってところが素敵だった。
私はやはり「りかさん」が好きだけれど、「からくりからくさ」を読むことで文庫版「りかさん」に収録されていた「ミゲルの庭」という短編がようやく繋がった
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花屋さんに並ぶ花はもちろん綺麗だけど、最近は自然に咲いている山野草に心惹かれるようになってきた。
八ヶ岳にも拠点をお持ちの梨木さんは、生活の中に山野草があるのだなと羨ましく思った。
波多野光さんの美しいイラストとエッセイが素晴らしくマッチしていて、ゆっくり楽しみながら読んだ。
ゆっくり読めた要因の一つが、「コデックス装」で作られていること。本がまっすぐ水平に開くので、手を離して絵画を観るように眺めることもできる。
細部までこだわりが感じられる本だなと思った。
どこの出版社だろう?と見てみたら、淡交社さん。
どことなく茶道の雰囲気が漂っていたのも納得。
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その人がその人であり続けてくれることへのありがたさを感じた。人と関わることの難しさとよろこびを知り、英国への憧れがうまれる、大好物なエッセイでした。
自分がこの世界の主人公ではない、と気づく時が人には絶対にやってくるじゃないですか。トランプ大統領とかはないやろけど。大谷翔平はそう気づきながらも主人公やけど。まぁそれはええねん。
ウェスト夫人も梨木さんもこの世界のイギリスの田舎の方にいた、なんでもないけどとても素敵な人たちで、ウェスト夫人との日々が梨木さんを主人公にして世界を創っていってるように見えたのです。
私もモブキャラながら、誰かの世界に影響を与えていて、それって本当に愛おしいことだなって。
夜行列車の車掌さんのエピソードがよかった。相手の事情を汲み取りながら、自分の感情を伝えるのは悪いことじゃないな。最後は笑顔で、人とわかり合いたい。わからなくても、受け止めたいよ。 -
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古い屋敷の鏡から異世界に行ってしまう少女のお話
おかっぱ頭の女の子を追いかけ、友人のおじいちゃんから話に聞いていた空き家の屋敷を訪れた照美
鏡を覗き込むと、不思議な声が聞こえてきて、名前を応えると見知らぬ世界に来ていた
裏庭と呼ばれるその世界は崩壊の危機に瀕していて
照美はその世界を救うため、そして元の世界に戻るために散り散りになった龍の骨を集める旅に出る
照美は旅をする中で、昔亡くした双子の弟の存在や、自分の事をを見てくれない両親の記憶と向き合う事になる
一方現実世界では、照美の両親や、屋敷の元住人で英国に移住した一家なども出てくる
3人のオババが傷について言及する言葉
「傷を恐れるな」「傷に支配されるな」「傷は育てなければならない」
自らの過去を恐れてはいけないし、だからといって過去にとらわれてはいけない
そして、そんな後悔や失敗が心を育てるからこそ、成長に繋げられるという教訓なのだろうか?
他にも裏庭世界の存在は様々なメタファーがあるのだろうけど、よくわからない
スナッフ、テナシ、一つ目の龍、崩壊する世界、自らの心で変わる服等など
裏庭への合言葉
「フー・アー・ユゥ?」
「テルミィ」
「アイル・テル・ユゥ」
のやりとり
そのシーンを読んだ時は、名前が偶然とさらっと流してしまったけど
後におばあちゃんが「あなたに娘が出来たら照美と名付けて」と言っていたのを知って
親子三世代に渡る繋がりを感じる
おばあちゃんはこの事をを知っていたからなのだろうな
梨木香歩さんは、「からくりからくさ」のように、実は昔から関係性がありましたという構図をよく作る気がする
一回読んだだけではちゃんと理解できてないと思う
いずれ読み返す事があるだろうけど、その時にどんな感想を抱くか楽しみではある
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昔、英国人一家の別荘だった、今では荒れ放題の洋館。高い塀で囲まれた洋館の庭は、近所の子供たちにとって絶好の遊び場だ。その庭に、苦すぎる想い出があり、塀の穴をくぐらなくなって久しい少女、照美は、ある出来事がきっかけとなって、洋館の秘密の「裏庭」へと入りこみ、声を聞いた――教えよう、君に、と。少女の孤独な魂は、こうして冒険の旅に出た。少女自身に出会う旅に。
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ネタバレとてつもなく有名な作品、このタイトルと始まりの1文だけは幼い頃から知っていました。それを大人になって改めて読んでみましたが、まず文章の美しさに感嘆します。西の魔女、おばあちゃんの家での暮らし、その生活の青々とした豊かさが情景として浮かぶようでした。ただ暮らしがそこにあるだけなんですけど、やっぱり文章で彩りを加えられることの素晴らしさを感じましたね。さすがの名作。幼い時にこの本を読んでいたらきっと文章がもっと好きになってただろうなぁと思います。こういう豊かな知識と語彙力、創造せいに富んだ文章は昔の作品の特徴ですよね〜昔の名作はこの文章力という点で評価が高いものが多い気がします。特に子供向けの作品では顕著な気がします。日本人の書く文章の素晴らしさをこういう所から知っていけるのはとてもいいですよね。
内容としては中学生の不登校になってしまった子がおばあちゃんの家に暮らすという話なのですが、終わり方がとっても好きですね。おばあちゃんは本当に魔女だったのかなと思える、希望のある終わりは亡くなった悲しさのあとの前向きな気持ちを与えてくれます。
名作とよばれる所以が分かりますね。短編集も良かったです。主人公が大人になった姿も見てみたくなってしまいました。 -
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「野山花々図鑑」のタイトル通り、野や山に生きる野生の植物たちが主人公のエッセイである。
豊富な知識で花々の解説と、イメージや思いを語っている。
その花々は、ホームセンターの園芸コーナーなどに並ぶ「リア充」っぽい花たちとは逆を行っている。
うつむき加減の花も多いが、気が弱いわけではない。そこに美しさを感じるだけ。
地味だが誇り高い。そんな植物が多く語られている。
著者は幼い頃から植物図鑑に親しみ、住んだところや出かけた場所の野山で実際に出会ったりして、植物との親交を深めてきたようだ。
『家守奇譚』に登場している植物も多いので、この本を紐解きながら再読するのも良いかもしれない。
写真で確認するのもいいけれど、この本の、波多野光氏の、どこか日本画風で落ち着いた陰影の植物画を眺めると、より物語の世界に入り込める気がする。
植物一つ一つの項のタイトルの植物名は、漢字とその後にカタカナが表記されている。
この漢字の植物名がなんとも雰囲気があると思う。
絵を鑑賞しやすくするためか、開くと平らに安定するような本の作り。落ち着いて、文章とイラストを楽しめる。 -
Posted by ブクログ
なるほどこういうのが「ネイチャーライティング」というのか、と解説を読んで知りました。
「水辺にて」から引き続きで読んだので、似通った雰囲気の内容に少しおなかいっぱいだなーと思いましたが、そこはさすが梨木香歩さんの筆力で、読み始めるとすーっと、知床やウラジオストックやカムチャッカの空気に触れるような気がしました。
今回も鳥だけでなく、木々草花、キノコ類にまで博識なところが見て取れて、もうひれ伏すしかないなと思いました(笑)名前が出てきても、ひとっつもそのビジュアルが浮かびません(涙)
こんなにも鳥や自然に惹かれて、せっせと足を運び、知り、考え、書いて・・・梨木香歩さんは何をどこまで求めるのだろう。
「春になったら苺を摘みに」に書かれていたことに関連するところもあり、このエッセイは大好きなので、そのタイトルが出てきた途端、背筋がピンとしました。歴史の重い重い事実が、このように丁寧に語られ、それを知らない人たちに読まれていくことの大切さを改めて感じました。
まだまだ読み深められていないので、いずれ再読が必要かな・・・。梨木香歩作品を読み続けたいと思います。