梨木香歩のレビュー一覧

  • 裏庭(新潮文庫)

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    その日はしとしとと、音もなく小雨の降る日で、ほら、そんな日は人と人との距離がとても短くなるものだ。気を付けなければならない。(本文より)

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    2024年08月29日
  • f 植物園の巣穴

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    「椿宿の辺りに」の書評で皆さんが本書のことを触れている。椿宿はそんなに感銘した本ではなかったが、手を出してみる。

    植物園の水生植物園の園丁である主人公。歯医者の家内の前生は犬、下宿の女大家の頭は鳥に見える。子どもの頃のねえやの千代、妻の千代、レストランの女給の千代が混然としてくる奇妙な暮らし。やがて植物園の水辺で椋の木の巣穴に落ちたことを思い出す。

    大叔母から聴いたアイルランドの妖精譚、アイルランドからの招聘教授マルクーニ先生から貰ったウェリントン・ブーツ、ねえやの千代や妻の千代との昆虫や木花の思い出。やがて水の中に入り、相棒と出会い、川に沿って進んでいく。

    次々に奇想天外なことが起こり

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    2024年08月24日
  • 椿宿の辺りに

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    まさかのF植物園の巣穴と繋がるとは知らず読んでいてびっくり。意味がわからなかったけど、まさかのここであぁーーーと付箋回収された感じでした。

    相変わらず面白い、山幸彦と海幸比子ってのも笑えたし2人のやり取りも結構好き。

    山幸彦みたいな人と出会っても話したくないなー、この人にこんな変な物語聞かされたら単純に引くだろうなーと不思議な気分で一気に読破しました。

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    2024年08月19日
  • からくりからくさ(新潮文庫)

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    精神世界と物理世界が絡み合う表現に編み物を使うというのがいい。美しい世界。一つ気になることは、妊娠は嫌だ。その話題は読みたくない。気持ち悪いのだ。

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    2024年08月18日
  • 冬虫夏草(新潮文庫)

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    『家守綺譚』の続編。
    前作同様、何事も分け隔てなく受け入れる征四郎の有り様が気持ちいい。
    最後、頭に情景が浮かんで、霧が晴れたようなすごく晴れやかな気持ちになった。

    ゴローの冒険譚もなかなかだったに違いない。
    征四郎とゴローの帰路はどんなだったろうか。


    前作『家守綺譚』を読んで祖父母の家を思い出したが、今回、鈴鹿山脈が出てきたことで、そう遠くない地方だったんだなと改めて気がついた。
    また読もう。

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    2024年08月16日
  • 村田エフェンディ滞土録(新潮文庫)

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    以前読んだ「家守綺譚」のスピンオフ
    最後にちょっと物語がつながる

    洋を問わない人々と
    動物(鸚鵡)は勿論のこと
    古代の神とされていたものや
    日本の神(お稲荷さん)も
    並行世界にちゃんぽんで
    自然に描かれてる世界感が素敵!
    最後に暗い影を落とされて
    現実社会の切なさを思う

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    2024年08月13日
  • 春になったら莓を摘みに(新潮文庫)

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    Kの経験すること、出会う人たち、全てがわたしに新しい考えと見方をくれました。魅力的な世界を生きていることをうらやましく思い、わたしも世界へ行って経験をしたいという気持ちになります。

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    2024年07月23日
  • ある小さなスズメの記録 人を慰め、愛し、叱った、誇り高きクラレンスの生涯

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    私がプロフィール画像を小鳥(ジョウビタキ)にしているのは小鳥が好きだから。
    そして、小鳥たちの中でも一番好きなのが、スズメ。

    野鳥は普通飼えないのだが、このスズメは生まれてすぐに巣から落下し、脚と翅に障碍を持っていた。
    自然に返せるような肢体を持っていなかったので、保護するかたちで12年も一緒に暮らすことになった。
    生まれてから老衰で死ぬまでのスズメの記録なんて今後出会うことはないだろう。

    本編は150ページと短い。
    本編が終わって原書の解説がある。
    さらに梨木果歩さんの訳者あとがきに続いて、小川洋子さんの解説があった。
    これらの解説だけで40頁もあり、本書の要約にもなっている。

    人間に

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    2024年07月01日
  • 本からはじまる物語

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    まだ本を本格的に読み始めたばかりなので、各作家さんの特徴など、自分にとって読みやすかったなどが分かり、これから本を…という人におすすめ!
    本屋を巡る話しはどれも面白かった!

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    2024年06月27日
  • 沼地のある森を抜けて(新潮文庫)

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    ネタバレ

    沼地のある森を抜けて

    先祖がぬか床を持って駆け落ちして以来、ずっと守られてきたぬか床。叔母の死をきっかけに、叔母のマンションと共にそのぬか床を継いだ主人公の物語と、ぬか床の中の酵母やら細菌やらから見た物語とが交錯しながら話が進んでいきます。
    自分のアイデンティティ、命のはじまり、何故有性生殖か?、そして命は何を目指してどこにいくのか?
    こういった問いが詰まった(結局結論は出ませんが)難しい話を、ある程度の難しさを残してはいますが、エンターテイメントにしてしまう著者の力量はたいしたものだなあと思います。
    ぬか床が呻いたり、ぬか床の卵から人が出てきたりと幻想小説っぽいところもありますが、「家守奇

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    2024年06月07日
  • りかさん(新潮文庫)

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    〈再登録〉ようこが誕生日におばあちゃんからもらった市松人形の「りかさん」。りかさんと心を交わせられるようになったようこは、りかさんと共にに人形達が幸せになれる手助けをすることになる…「からくりからくさ」の続編「ミケルの庭」を同時収録。
    「からくりからくさ」以前のようこ(蓉子)とおばあさん、そしてりかさんの物語。「アビゲイルの巻」のアビゲイルと、幼くして死んだ少女の話はとても悲しい。りかさん達が人形達の悲しみを解いていく過程は、読んでいる側も幸せにしてもらった気分になりました。

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    2024年05月27日
  • 春になったら莓を摘みに(新潮文庫)

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    〈再登録〉梨木香歩さんの初エッセイ。「裏庭」の風景描写や異国情緒はイギリスの町、S・ワーデンで過ごした日々がルーツなのでしょうか。様々な人種が集まる土地で感じた価値観の違いに真摯に向き合う姿が印象的です。
    若い時にウェスト夫人という慈愛に満ちた人と共に過ごしたこと、彼女と変わらぬ友情を築いてきたことは一生の財産なのでしょう。

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    2024年05月26日
  • エストニア紀行―森の苔・庭の木漏れ日・海の葦―(新潮文庫)

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    梨木香歩さんによる、エストニアへの旅の記録。この人の文体は、物語でもエッセイでも好きだ。ファンとしてはそろそろ物語の新作を読みたいところである。

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    2024年05月18日
  • 渡りの足跡(新潮文庫)

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    自然に造詣の深い著者が、渡り鳥を追って冬の北海道~カムチャツカ半島へ。渡り鳥だけではなく、自然と共に生きる遊牧民や戦中戦後に「渡り」として生きるしかなかった日系人についての考察も。
    全体を通して、生真面目な梨木さんらしい一冊だと思いました。自然について、「渡り」について考えるいい機会になりました。

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    2024年05月18日
  • 裏庭(新潮文庫)

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    静かに沁み渡るような、そんなお話でした。
    誰もが密かに抱える、苦しみ、悲しみ、それらをどうやって乗り越えていくのか。
    誰もが裏庭の主人であり、自分の世界を作り上げていく。
    傷付いた心と向き合う行為を丁寧に描いたお話だと思いました。

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    2024年04月30日
  • やがて満ちてくる光の(新潮文庫)

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    書店で梨木さんのエッセイを見つけたので読んでみた。
    梨木さんの書く文章や表現は美しいなと改めて感じる。書かれている場所や植物を調べたりしながらゆっくり読み進めるのも楽しかった。

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    2024年04月02日
  • りかさん

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    ひな祭りの前に『人形の家』を読んでいたころに知人から勧められ、人形やぬいぐるみと人との関係に興味が尽きないところ。

    ゴッテンの人形の家 に出てくる人形たちはエミリーとシャーロットの家に暮らしていたけど、りかさんは外からやってきます。

    おばあちゃんから電話で、今度のひな祭りに何が欲しい?と聞かれたようこは、リカちゃん人形が欲しいと答えます。
    おばあちゃんは、

    「お人形のりかちゃんなら気立てのいい子だ、雛祭りにはぴったりだ…よし。」

    怪しいですよね気立てがいいとか…おばあちゃん、知ってるのかな…
    で、やって来たのは半紙に『りかちゃん』と筆で書かれて古い箱に入れられた、真っ黒な髪の市松人形だ

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    2024年03月12日
  • ぐるりのこと(新潮文庫)

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    作者の身の回りで起こること、発見したことを通して社会の在り方を考える過程を描く。やがて物語へと昇華するのだろう示唆。冷静な分析やある種開き直ったような極論を展開しつつ、本質を捉えようと葛藤する作者に共感する。

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    2024年03月09日
  • 沼地のある森を抜けて(新潮文庫)

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    親族から相続したのはぬか床。そのぬか床から現れるものは。久美と風野さんはぬか床の秘密を求めて「島」へと旅する。

    ずっと以前に読んでいたのだけど、何か消化不良で心にひっかかっていた本。再読です。
    梨木さんは、今のモノ・コトについて、その記録のページを一枚一枚めくるように思索を掘り下げていくのが得意な作家さんで、けっこうなナチュラリストでもあると思います。この本ではその科学的知識と命の進化から、生命とは何か、生命はどこから来るのか、という根源的な問いを深める作品でした。
    確か前に読んだ時は「結局そこに落ち着くのか」みたいな、ちょっとしたガッカリ感を感じたのではなかったかと思いますが、まあ今回も、

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    2024年03月08日
  • 村田エフェンディ滞土録(新潮文庫)

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    再読。9年ぶり。新潮文庫版ははじめて。
    結末がわかっててもやっぱりないた。この年になって読むと「芯なる物語」のある村田がうらやましいと思った。あとがきを読んで、今の世界の情勢に思考が向かいうまく言葉にならない。

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    2024年02月25日