梨木香歩のレビュー一覧
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「椿宿の辺りに」の書評で皆さんが本書のことを触れている。椿宿はそんなに感銘した本ではなかったが、手を出してみる。
植物園の水生植物園の園丁である主人公。歯医者の家内の前生は犬、下宿の女大家の頭は鳥に見える。子どもの頃のねえやの千代、妻の千代、レストランの女給の千代が混然としてくる奇妙な暮らし。やがて植物園の水辺で椋の木の巣穴に落ちたことを思い出す。
大叔母から聴いたアイルランドの妖精譚、アイルランドからの招聘教授マルクーニ先生から貰ったウェリントン・ブーツ、ねえやの千代や妻の千代との昆虫や木花の思い出。やがて水の中に入り、相棒と出会い、川に沿って進んでいく。
次々に奇想天外なことが起こり -
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私がプロフィール画像を小鳥(ジョウビタキ)にしているのは小鳥が好きだから。
そして、小鳥たちの中でも一番好きなのが、スズメ。
野鳥は普通飼えないのだが、このスズメは生まれてすぐに巣から落下し、脚と翅に障碍を持っていた。
自然に返せるような肢体を持っていなかったので、保護するかたちで12年も一緒に暮らすことになった。
生まれてから老衰で死ぬまでのスズメの記録なんて今後出会うことはないだろう。
本編は150ページと短い。
本編が終わって原書の解説がある。
さらに梨木果歩さんの訳者あとがきに続いて、小川洋子さんの解説があった。
これらの解説だけで40頁もあり、本書の要約にもなっている。
人間に -
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受け入れる。これだけでいかに救われるか。おばあちゃんの包容力 外人が話す日本語のへんてこさと日本人でも難しいんじゃないかと思う古めかしい言葉の部分にちょっと違和感を感じたものの、全体的には小ざっぱりとしたシンプルな生活をしているおばあちゃんのスタイルがステキだな、と思った。
ものすごい涙を誘うストーリーではないが、おばあちゃんのあったかさと包容力は国を超えて存在するし、どのおばあちゃんもこうなるわけではないので、こうゆうゆったりとどっしりと、答えだけを見せるのではなく、包み込みながら答えはその先にあり、それはあなた自身で見つける、感じとる、気付けるものなんですよ、と示唆する態度って本当にステキ -
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ネタバレ沼地のある森を抜けて
先祖がぬか床を持って駆け落ちして以来、ずっと守られてきたぬか床。叔母の死をきっかけに、叔母のマンションと共にそのぬか床を継いだ主人公の物語と、ぬか床の中の酵母やら細菌やらから見た物語とが交錯しながら話が進んでいきます。
自分のアイデンティティ、命のはじまり、何故有性生殖か?、そして命は何を目指してどこにいくのか?
こういった問いが詰まった(結局結論は出ませんが)難しい話を、ある程度の難しさを残してはいますが、エンターテイメントにしてしまう著者の力量はたいしたものだなあと思います。
ぬか床が呻いたり、ぬか床の卵から人が出てきたりと幻想小説っぽいところもありますが、「家守奇 -
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ひな祭りの前に『人形の家』を読んでいたころに知人から勧められ、人形やぬいぐるみと人との関係に興味が尽きないところ。
ゴッテンの人形の家 に出てくる人形たちはエミリーとシャーロットの家に暮らしていたけど、りかさんは外からやってきます。
おばあちゃんから電話で、今度のひな祭りに何が欲しい?と聞かれたようこは、リカちゃん人形が欲しいと答えます。
おばあちゃんは、
「お人形のりかちゃんなら気立てのいい子だ、雛祭りにはぴったりだ…よし。」
怪しいですよね気立てがいいとか…おばあちゃん、知ってるのかな…
で、やって来たのは半紙に『りかちゃん』と筆で書かれて古い箱に入れられた、真っ黒な髪の市松人形だ