梨木香歩のレビュー一覧

  • 西の魔女が死んだ 梨木香歩作品集
    西の魔女が死んだは意外と普通だったけど、他の短編集が良かった。
    自分で自分の人生を決めること
    どんなときでも季節は巡って自然は動いていること
    どんな困難でも乗り越えられること
    子供の苦難や悩みと生きていく上での苦難や悩みがたくさん分かる小説だった
    穏やかな気持ちになれる1冊だった
  • ある小さなスズメの記録 人を慰め、愛し、叱った、誇り高きクラレンスの生涯
    よく鳥を飼ったことがない人に、鳥は表情が無くて面白くない。と言われるけど、嬉しい時には喉の奥で甘えたように小さく鳴くし、羽はふわふわに広がりほんのり足が温かくなる。怒ったり驚いたときには体が流線形に引き締まり目がキリッと丸くなる。犬が友達なら鳥は恋人と言われるくらいパートナーとして甘えてくれるし、意...続きを読む
  • 裏庭(新潮文庫)
    ファンタジーとしては少し難しかった。それに残忍なシーンもあり、思っていたのと違うと感じながら読み進めた。
    心理療法家の解説を読んで腑に落ちたことが多くあった。自身のことと重ね合わせて考えることができ、これほど解説が大事(必要)と思った本は今までなかった。
  • りかさん(新潮文庫)
    子どもの頃に初めて読んだ時も優しいお話だなと感じたが、今読んでもじんわりと暖かくなる感覚があって、時々読みたくなる。
  • 炉辺の風おと
    旭川で買った『炉辺の風おと』(梨木香歩著:毎日新聞出版)をじっくり読む。読む量が一日10頁に満たなかったのは家事の隙間で開くからだが、「器用でもなく、意識をある深さに集中させる職人的な姿勢」(本書あとがき)で作られた文書を味わいたいからだ。『西の魔女が死んだ』の作者が、「人生の終焉近くなって、結局何...続きを読む
  • 春になったら莓を摘みに(新潮文庫)
    カタカナの名前を覚えるのがすごく苦手で、読むのに時間が掛かってしまった。これはほんとにエッセイ?と思うほど物語のような経験をしてる作者にびっくり。ウェスト夫人の「理解はできないが、受け容れる」は簡単なようで普通できないことだ思う、、一つ一つのエピソードがもう寛大という言葉じゃ薄っぺらいくらい素晴らし...続きを読む
  • 僕は、そして僕たちはどう生きるか
    2007年から2009年にかけて掲載された本書は震災やコロナ禍を経てもその問題意識が古びることがない普遍性を持っている。
    思考停止しないことの大切さ、
    集団で生きるしかない人間どおしの思いやり、
    まごころ、素直さの大事さを改めて考えた。
    ユージンの家のマップを写真付きで作りたくなった。
    植物の描写が...続きを読む
  • 冬虫夏草(新潮文庫)
    名作「家守奇譚」の続編。
     
    「家守奇譚」が、あの世界で暮らす綿貫征四郎の日常的エッセイだったのに反し、今作の「冬虫夏草」には一貫した目的があります。
     
    ゴローを探せ!
     
    綿貫征四郎は姿を見せなくなった犬のゴローを探しに、鈴鹿の山中を駆け巡ります。
     
    いや、半分は旅行気分、物見遊山といった体で...続きを読む
  • 海うそ
    一行目から 島の温度とかにおいとかが感じられる
    標高によって植物や虫や鳥 動物の種類が変わって
    それぞれの生活があるんだなぁ~って…感じられるなんて素敵すぎます!
    しかし、五十年たって変わってしまった島…
    変わらされてしまった島…
    泣きそうでした でも、生きていくって変わっていくことなのかもしれない...続きを読む
  • からくりからくさ(新潮文庫)
    高校生で読んだ際は、自分の好きなワードがたくさんあるはずなのに、どうしてか内容が頭に入らずもやもやしていました。
    再読してみて、紀久の心情を通し物語にすんなり入り込めるようになっていました。
    物語がゆったりと進行しているので、一読してから長い時間を置いてみて、また読んだのが良かったのかもしれません。...続きを読む
  • 僕は、そして僕たちはどう生きるか
    中学生のコペル、叔父と一緒に野草をとりに、ユージンの家を訪れる。

    かつて子供の頃、何度も訪れたユージンの家。
    広大な庭に広がる草木とのふれあい、不登校になったユージンに、そのわけを聞ける勇気もなく核心には触れずに接する二人。

    ユージンの従姉妹のショウコも加わって、食べられる野草を探し、料理して食...続きを読む
  • りかさん(新潮文庫)
    人形にも草木にも想いがあって、それぞれの物語があるっていう梨木さんの考えが優しくってとっても好きだ。何度も読み返すと、そのぶん物語の深みを感じられるところも好きなところ。なんだかうまく言えないけれど、小さい頃のわたしがこの物語を好きでいてくれて良かったなあと改めて。
  • 沼地のある森を抜けて(新潮文庫)
    壮大なスケールの話を、淡々と書いた小説。
    表紙の螺旋状の何かの様に、現実から、想像へ、一歩ずつ、気づかないうちに踏み込んで行って、今がどちら側なのか、わからなくなっていくような。(境目なんてないのかもしれないけど)
    生と死と、それはごく普通で、当たり前のこと。
  • 不思議な羅針盤(新潮文庫)
    いるかさんの本棚で見つけました

    梨木果歩さん
    濁りのないその目差しにとても憧れる
    だけど遠いなあ
    だけどとても近く感じる

    ふとした動植物、土や風景、人、食べ物にに注がれる見識と愛情が素敵だ
    やっぱ遠いなあ

    澄み切った秋空のようなエッセイ集でした

    ≪ 生きていく その羅針盤 すぐそこに ≫
  • 沼地のある森を抜けて(新潮文庫)

    言葉の羅列から、決して映像化し得ないようなイメージを享受する醍醐味を感じさせてくれる本。

    「たった一つの細胞の記憶ー孤独。」
    原始から脈々と受け継がれる「孤独」と「増殖の願い」は、自己を乗っ取るものと思えば恐ろしくもなり、全ての生き物が共有する感覚と思えば不思議な安息感をもたらす。
    生きるすべて...続きを読む
  • りかさん(新潮文庫)
    最初の読み初めはなんだ?という感触だったが、途中から世界観に一気に引き込まれた。
    我が家の雛人形もこんな感じ?と少し見る目が変わった
  • 不思議な羅針盤(新潮文庫)
    この本は2010年刊行。人との繋がり、時を満たすことの大切さ・・・コロナ禍にこの本を読む事は、何とも胸が苦しくなるが力づけられる読書ともなった。人と触れ合える時を取り戻してから必ず再読したい。
  • f 植物園の巣穴
    夢の中の迷路に迷い込んだような荒唐無稽な不思議なお話。
    途中から主人公のように理屈で物を考えるのを放棄し、この世界観にどっぷり嵌まると、なんと心地よいことか。
    物語は過去へ過去へと遡り、当時味わいきらなかったため膿のように溜まっていた感情を思い出し、知らぬ間に書き換えられていた真実があきらかになって...続きを読む
  • ある小さなスズメの記録 人を慰め、愛し、叱った、誇り高きクラレンスの生涯
    1940年第二次世界大戦時のイギリスが舞台。防空対策本部の隣組支部の一員、且つピアニストである
    キップス夫人が、瀕死の子雀クラレンスと運命的に出逢い、深い愛情で彼に寄り添った12年間の記録。
    愛情とはさまざまな成長を促し、その愛情には鋭い観察力が不可欠であることを感じた。キップス夫人の深い愛情に心温...続きを読む
  • 僕は、そして僕たちはどう生きるか
    人が悩んだり傷ついたりって、ほんとに本人しか感じない些細なことなんだろう。ユージンに取ったら些細なことではなかったけど、僕にとったら、え!あのことで!?ってなってた訳だから、人を傷つけたり泣かせたりしないで生きるって難しい。知らない虫の名前とか草木の名前が出てきて面白かった。