あらすじ
昔、英国人一家の別荘だった、今では荒れ放題の洋館。高い塀で囲まれた洋館の庭は、近所の子供たちにとって絶好の遊び場だ。その庭に、苦すぎる想い出があり、塀の穴をくぐらなくなって久しい少女、照美は、ある出来事がきっかけとなって、洋館の秘密の「裏庭」へと入りこみ、声を聞いた――教えよう、君に、と。少女の孤独な魂は、こうして冒険の旅に出た。少女自身に出会う旅に。(解説・河合隼雄)
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梨木香歩さんの『西の魔女が死んだ』を読んで作品世界に惹かれ、その流れで手に取った『裏庭』は、家族との関わりや自分の心を大切にすることの意味を深く考えさせてくれる物語でした。
読みやすさの中に心の奥に触れる言葉があり、現実での気づきへとつながっていく点に強く感銘を受け、主人公が異世界での体験を通して心の傷と向き合い、生きることや志を持つことの大切さを学んでいく姿は、私自身が日常で抱える葛藤や孤独と重なり合いました。
その過程で、子どもにどう向き合うか、愛情をどう注ぐかということを改めて考えさせられ、しっかりと心に寄り添い向き合うことが成長を支える大切な姿勢であると気づかされました。
梨木さんの作品は単なるファンタジーにとどまらず、現実の生き方や人との関わり方を問いかけてくる力を持っており、『裏庭』を読み終えた今、心の奥にある「裏庭」をどう耕していくか、自分自身の生き方を見つめ直すきっかけとなりました。
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小学生の頃、母に買い与えられて読み始めたが、ファンタジーの世界観に入り込めず断念。中高大と読む機会があったが、やはり理解出来ず、読みきれなかった。社会人になった今、改めて読んでみると、これはファンタジーでは無かったなと気がつきました。なんだかいつも側にいてくれた本として、私はとても好きです。
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20年くらい前に読んで衝撃を受けた作品
本の世界に没入するという体験を初めてした作品でもあります。
主人公の照美の近所にある
丘の麓のバーンズ屋敷
お化け屋敷とも呼ばれるそこは
子どもの頃の大人に怒られるかもしれないけど
行ってみたいという
子どもの好奇心をくすぐるような不思議な場所
照美のお父さんもお母さんも
実は小さい頃にそこで遊んでいたり
近所に住む友達のおじいちゃんから
そこの屋敷にまつわる話を色々聞いたり
近所ではあるけど
日常ではないそこがミステリアスで
なんともいえない魅力を放っています。
バーンズ屋敷に関わる"裏庭"
照美はそこに足を踏み入れていく
20年越しに読んでも感じ方は変わらなく
最後までとても面白く読む事が出来ました。
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特に印象深い言葉は
「自分の傷と真正面から向き合うよりは、似たような他人の傷を品評する方が遥かに楽だもんな」
SNSで多く見かける批判の中にはこうした感情の裏返しの面があると思った。
自分の傷と正面から向き合う主人公の照美との旅の中で勇気をもらえるような本でした。
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今の自分に置き換えて、生きるヒントをいただいたような、少し救われたような気持ちになった。
私は、傷を恐れ、支配されてしまいがちなので、読み進めるたびに反省...。鎧を着ても、傷は治らないんだよなぁ。
裏庭を冒険する照美ちゃんの姿を見て、勇気が湧いた。
実は高校生くらいの時に読んだけれど、その時はなんとなく世界観がイメージしにくかった。大人になって、やっと面白さがわかるようになった。
今出会えてよかったと思える作品でした。
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中学時代に読んだ本。
梨木さんの「西の魔女が死んだ」を読み、
他の作品にも興味を持ち、購入。
家族旅行の際に、この本を持っていき、夜ホテルで読み始めたら先が気になり、ページを捲る手が止まらなくなり、ほぼ徹夜をして読んでしまったことを今でも覚えています。
学生時代の私に良い読書体験をもたらしてくれた、かけがえのない作品です。
近々、再読したいです。
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自分の中の庭をどう育み、生きていくのか。
少女が自分の心の中にある家族へのわだかまりや罪悪感を抱きしめられる強さを得るためには、こんなにもしんどい試練を受けなきゃいけないのかと。何度も涙したし、一生読み続けたい大作。
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こんなに生死について書いてる本だとは
読み返しって大事だなあ
こんなにも印象が変わる、あの時は子供だったけど
旅が終わってまで親がびびるなんて、きつかったけど、この現実を自分の中に入れて生きていくんだなこの子はと
母親が知らなかった寛大さ、愛情の表し方を知ってるんだな
西の魔女が死んだも3代の女性のお話でしたよね…?
梨木香歩ってすごいんだなあ
照美の感情(環状)がごちゃ混ぜで、だからこそ私も一緒に旅をした実感があるのだと思う、結末を全て納得できるのだと思う
描き方がすごいってことなのね
ファンタジーや児童文学でこそ人生で大切なことって実感して学べる気がするな、私の場合は
とゆうか育っていない子供の部分を今さら児童文学で学んでいる感じかもな
あとどうしても千と千尋を思い出してしまう…この日本人のDNAが…
裏庭好きだって言ってた大学の同級生を思い出す
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☆4.0
再読。
こんなに愛しく哀しいお話だっただろうかと思いながら読んだ。
昔読んだ時より重ねてきた時間がそう思わせるのかも。
手を取って優しく引いてくれることはないけれど、必ずそこで待っていてくれている。
ちょっとだけ寂しい、でも微笑んでしまう。
そんな作品。
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静かに沁み渡るような、そんなお話でした。
誰もが密かに抱える、苦しみ、悲しみ、それらをどうやって乗り越えていくのか。
誰もが裏庭の主人であり、自分の世界を作り上げていく。
傷付いた心と向き合う行為を丁寧に描いたお話だと思いました。
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学生時代に挫折したのですが社会人になり完読できました。
学生の頃とは違い、テルミィを我が子のように見守りながら読みました。
ショッキングなシーンもありましたが、それ以降のシーンで救いもあり、最後には一緒に冒険をしたかのような読後感がありました。
梨木香歩さんの他の作品と少しテイストが違い普段読みなれないブラックファンタジー?な世界観なのと、時代や世界、語り部が交差するので少し読みづらかったです。
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エピローグで全部持ってかれた。
裏庭
家庭
バックヤードこそ本質
本質に飛び込む勇気
自分が自分であるために自分の傷を見て生きることそしてその傷に触れるとしんどいから見て見ぬ振りしてる
裏庭家庭に必要なのは、いままでとちゃう新しい茶かもしれない
抽象的な文章で読むのしんどかったけど、最後とてもよかったっすね
裏庭278p
薬つけて、表面だけはきれいに見えても、中のダメージにはかえって悪いわ。傷を持ってるってことは、飛躍のチャンスなの。だから、充分傷ついている時間をとった方がいいわ。薬や鎧で無理に誤魔化そうなんてしない方がいい。
鎧をまとってまであなたが守ろうとしたのは何なのかしら。傷つく前の無垢なあなた?でもそうやって鎧にエネルギーを取られていたら、鎧の内側のあなたは永久に変わらないわ。確かに、そのあなたの今までの生活や心持ちとは相容れない異質のものが、傷つけるのよね、あなたを。でも、それは、その異質なものを取り入れてなお生きようとするときの、あなた自身の変化への準備とと言えるんじゃないかしら、その傷つきによって。
傷ついた自分を誤魔化さずに見つめて素直にまいっていれぱいいのよ。生体というのは自然に立ち上がるものだから。
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佐藤さとる的な分かりやすいファンタジーかと思って読み始めたのだが、裏庭の意味がかなり重層的で、現実世界の人物だけでなく、出来事や感情などが暗喩として表出されていて、その対比構造が一回では読み込めなかったです。
裏庭に触れたあとの現実がよくあるような全部良い変化をするわけでもないところが好きです。
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昔は不思議な話だな…で終わってたけど、今読み返すと心の傷を包んでくれるんだろうなと思い返す本。不思議で寂しくて暖かい。スピッツのロビンソンがずっと流れてる。Tell me. I’ll tell you.
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双子の弟、純を幼い頃に無くした少女照美が鏡の中にある裏庭の世界に旅立ち、成長して戻ってくる物語。
裏庭を旅する中で少女は数多くの傷をその身に負う。しかし、その傷こそが自分を自分たらしめるものであり、傷を負いながら人は成長していくということを、少女は身をもって実感する。
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ファンタジー/ミステリー。ある洋館に別世界への入り口があり、主人公の照美が「テルミィ」として旅をし、戻ってくるまでが書かれる。個人的には欠けたものを継ぎなおす話と受け取った。
現在と別世界の話が並行して進み、交差しながら展開していく。登場人物も多く、関係も複雑で、さらには別世界の人物が実は○○だったなどの展開もあり、個人的には理解する難度が高めだった。
現在の文章は分かり易く、別世界はファンタジー感のある抽象的な文章。それぞれでフォントまで違うなど、作品、本としての仕掛けもあまり見ないもので印象に残った。
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伝えたいことはなんとなくわかった気がするが、全体的に自分の心の大事なところには響かなかった印象。
ファンタジーだけど少年少女がワクワクするような描写がさほど多くなかったような…あんまりカラフルな印象を受けない作品世界の描写だったし、展開が悪い意味で唐突感がありストーリーがぼんやりした印象がある。スナッフは突然殺されるし終盤いきなり新キャラが照美ちゃんについてくるし…。ソレデとカラダがおじいちゃんなのはなぜ…?おじいちゃんに影響を受けている裏庭世界の登場人物ならせめて土を耕すようなキャラにならないのか…?私が安直なのかもしれない。
読んでる間、登場人物に対して心が寄り添うことが少なかったからそう思うのかな…??
ただ、照美ちゃんやその両親が弟(息子)の死を自分の傷として受け入れる、という物語はよかった。
特に照美の母であるさっちゃんが一番血の通ったキャラクターのように感じたし、心理描写にも嘘がないなと感じた。
自分が大人になってこれを読んだからこう感じるのかも。少女だった頃にこれを読んだらもっと裏庭世界を身近に感じて、読んでて楽しかったかもしれない。
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バーンズ屋敷風の大きなお屋敷が実家の近くにあって入ったことがある
巨大なフサフサの生き物が目の前を横切って消えていったあれは、今思えばなんだったのだろうか、メインクーンの進化系?!
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洋館の裏庭から自分の心を取り戻すような旅に出る照美。 今でいう異世界に迷い込むような事なのかな?自分自身の心と向き合って、本当の自分を取り戻すような。 読んでいて不思議な気分になったけど、ラストは今までのもやもやがスッキリ晴れたし、ホッとした。
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"西の魔女が死んだ"を中学生の時に読んで好きだったので、同著の本を見つけて読んでみた。
あれよりも格段にファンタジー色が強くて、海外児童書のファンタジーが好きな人は好きだと思う。
雰囲気としてはミヒャエルエンデのモモとかに近いかなと思った。
分かるような分からないような、ポエティックな感じ。
雰囲気は好きだったんだけど、メタファーや意味するところが分からない箇所が多くて、そこは少し難しく感じてしまった…
もうちょっと集中して読むべきだったのか、感受性が鈍っているのか…
物語が進むにつれてテルミィや周りのキャラクターたちが自分の傷や醜い感情なんかと向き合い、わかり合っていくのはいかにもジュブナイル小説という感じで、最後はうるうるきてしまった。
読み解くのは確かに難しい部分もあったけど、読み返すほど、味がする本なのかも
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途中挫折してしまいそうな箇所も多かったが、時間をかけて読み終わった。
結構グロテスクな描写もあったけど、自分自身の心の傷と向き合う、その大変さと苦しさを物語で表現するとああいうふうになるんだろうな、と思った。
自分自身の傷も顧みて、向き合っていきたい。傷と向き合うことはすごく辛いことだけど、向き合った先に希望を見出せるような、そんな作品
なんとなくジブリの作画を思い浮かべながら読み進めていた
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裏庭の複雑な地形の描写、たくさんの登場人物のバックグラウンド、伏線が細かく書かれた作品でした。冒険の終盤に差し掛かって裏庭の世界が、住人が複雑にかつ抽象的に(まさにファンタジーに)描かれてるところから必死に頭の中で想像しながら読んでましたが、結局理解が乏しく最後はフワッとしたまま読み終わってしまいました。
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壮大な奥深いファンタジー
裏庭はバックヤードなのかガーデンなのか
小さな伏線がたくさん織り込まれている
「傷」はひとつじゃないし、誰もが皆傷ついているのだと感じた
傷ついていることに気がつかないほどに。
あたりまえのことだけれど今更ながらに思い出す一冊
傷を恐れるな
傷に支配されるな
傷を大事に育んでいけ
Posted by ブクログ
【2022年90冊目】
ファンタジーやSFを読まないので、話の中に自分を持っていくのになかなか苦労しました。裏庭と表の世界でフォントが変わるため、わかりやすくてよかったですが、話の視点が時折ころりと変わるので違和感を感じたりもしました。
文字で読むよりも映像化した方が良いかも、と思ったのとストーリーのボリュームが大きいのに描写が少なくて、イマイチ頭の中で映像化できないなという感想を抱きました。
絵本とかなら良いかも。
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とても内容の深いファンタジー、読むのに時間がかかってしまった。一度読んだだけで理解するのは私の想像力では難しかった。映像化されたものを観てみたい。
時間をおいて読み返したら次はどう感じるかな…
Posted by ブクログ
「西の魔女が死んだ」がとても好きなので、梨木香歩さんの小説を読んでみようと手に取りました。
ファンタジーの世界観が理解しにくく、私にはあまり響かなかったです。