【感想・ネタバレ】エンジェル エンジェル エンジェル(新潮文庫)のレビュー

あらすじ

コウコは、寝たきりに近いおばあちゃんの深夜のトイレ当番を引き受けることで熱帯魚を飼うのを許された。夜、水槽のある部屋で、おばあちゃんは不思議な反応を見せ、少女のような表情でコウコと話をするようになる。ある日、熱帯魚の水槽を見守る二人が目にしたものは――なぜ、こんなむごいことに。コウコの嘆きが、おばあちゃんの胸奥に眠る少女時代の切ない記憶を呼び起こす……。

...続きを読む
\ レビュー投稿でポイントプレゼント / ※購入済みの作品が対象となります
レビューを書く

感情タグBEST3

Posted by ブクログ

高校生のときに読んだもの再読
人は神を必要としている。神もまた、人を必要としたのだろうか。その善良なだけではいられなかった在り方に、失望だけではない憐れみを抱いてくれたのだろうか。そうなら救われるのに。と思ったことを思い出した。今ようやく言葉にできた。

0
2026年01月04日

Posted by ブクログ

ネタバレ

軽いのに不思議とずしりと重みを感じるような作品
根源的で不気味なものに近づいたような、不思議な気持ちになった

0
2025年09月14日

Posted by ブクログ

洋酒の効いたパウンドケーキ。
昔はよくわからなかったけれど、大人になるとその苦さも甘さも全部美味しくなってしまうような。
子供の時に読んで、大人になってまた読むべき本。
昔はふんふんと流して読んでいたフレーズが、「私が、悪かったねぇ」という彼女から溢れた何気無い言葉が、やっと救いの言葉に響いて、朝から涙ぐんでしまった。
ご馳走様でした。

0
2024年07月20日

Posted by ブクログ

中学生くらいの時は全く意味がわからなかったけど、30過ぎて読んだら面白かった。いろんなところが呼応しててドラマの脚本みたい。

0
2023年08月19日

Posted by ブクログ

これも すごい梨木さんの世界。

あっちの世界とこっちの世界。
人の中も複雑。
天使と悪魔。
それは本当にそれほど違う??
なにもかも認めることができれば、それはすごいことだと思う。

梨木さんの本は やっぱり良いなぁと思います。
まだ買い置きしているものがあるので、順番に読んでいきたいと思います。

0
2021年02月17日

Posted by ブクログ

ネタバレ

文体から、いい子ちゃん小説かと思いきや、まったく逆ベクトルの凄まじい小説だった……!
悪意、暴力、女性性、旧約聖書の世界、罪と罰、罪悪感、の連鎖。
死体を石で幾度も打ち付ける場面には背筋が凍る思いをした。
願わくば最後に飛び出してきたエンジェルが、さわちゃんの心に届かんことを。

0
2021年02月17日

Posted by ブクログ

さりげない日常が昔の記憶を呼び戻すことがある。聖書をちゃんと読んでいたらもっと理解が深まっただろうけど、個人の罪とその懺悔の物語の深さは十分理解できた、と思う。これ何度読んでもラストシーンで泣いてしまうんだよな。ラストがどうなるか分かってるのに。梨木香歩すきすぎる。

0
2021年10月05日

Posted by ブクログ

寝たきりになったばあちゃんの夜のトイレの付き添いをママの代わりに手伝うことになったコウコ。

最近のコウコの精神不安はカフェインの取り過ぎだという思いと、熱帯魚を飼うことで心の安らぎを取り戻そうとしていること。

その頃からばあちゃんと私は、さわちゃんとコウちゃんお呼び合い、ここにいないかのようなばあちゃんとの不思議な会話をするようになる。

キリスト系の女学校に通うさわこが好きな人たちは、ばばちゃま、女中のツネ、担任の翠川先生と仲良くなりたいと思っている山本孝子さんだった。

翠川先生と山本さんが親密な関係であることを知り、嫉妬のあまり山本さんにきつくあたり、彼女の不幸を願ったさわこは、その時から悪魔の側に行ってしまった自分を悔やんでいた。

熱帯魚のエンゼルフィッシュはネオンテトラを攻撃するようになり、その様子をどうすることもできないままでいた、ばあちゃんとコウコ。

人はどんな時にでも、誰だって良い人でありたいと思うと同時に心にいる悪魔を飼っているのかもしれないね。

それが悪意となって外に出てしまった後の後悔を、ばあちゃんはずっと抱えていたのだけど
孫のコウコを通じて気持ちの整理がついたとき、ばあちゃんは本当の天使になった。

純粋に、こんな時代を超えての人の人生を書けるって
すごいなあって思う。

梨木さんの書く文は好きだなあ。

0
2025年06月19日

Posted by ブクログ

p80「ずっと後になって、私は、本心、というものが、それを言った当初はそう思えなくても、実は段々にそれに近くづいていくこともあるのだと思った。
むしろ、その時にはわからなかった本心がひょこっとかおをだす、ということがあるのかもしれない」

自分はその場の雰囲気に馴染まないような意見が言えない。はじめに賛同してしまう。こうちゃんの気持ちに自分を重ねてしまった。
でもその時は本心じゃなかったって悩んでいたこともこれで正解かもって思えるような勇気をくれた言葉だなぁ。

陀羅尼助っていう馴染みの腹痛薬が出てきて嬉しい。奈良県民には良薬として親しまれているんだ。

p79「時間というものは不思議だと思う。
その時点ではわからずにいた言動が、あとになって全体を振り返ってみると、あらかじめ見事にコーディネートされた一つのテーマに統一されているように見える。」
今の自分は過去の自分の積み重ねだ。
その積み重ねが糧となって一歩ずつ前に進んでいる。時間は繋がっている。

0
2025年04月28日

Posted by ブクログ

過去と現在が
交差しながら進む物語
ひとつひとつの繋がりが
徐々に徐々に解けてゆく
押し付けがましくなく
程よく空想の余地を残して展開し
閉じていくのがよい

0
2025年04月06日

Posted by ブクログ

梨木さんはあの世とこの世行き来するような作品が多いイメージがあるが、この作品もそんな感じ。
少ないページ数でも読んだ後の満足感が得られた。

0
2025年02月28日

Posted by ブクログ

ネタバレ

梨木香歩さんの本を久しぶりに読んで、切なく、そして心が震えた。タイトルがすごくきいているのもいい。孫と祖母の話が交互に展開していく中、老いること、生きて死ぬこと、誰かにバトンを繋いでいくこと、そういった戦災な優しさの詰まった名作。
ツネがさわちゃんに託した天使が、コウコのところにやってきたこと、たとえ、本人に物が伝わらなくても、会えなくても、大切なものは時間をかけてやってくること、とても切ないけれどいいラストだった。

0
2024年11月21日

Posted by ブクログ

熱帯魚を飼う代わりにおばあちゃんの夜のトイレの介助をする事になってから起こる不思議な出来事
おばあちゃんが昔の事を思い出したり、エンゼルフィッシュが攻撃的になったり……

以下、公式のあらすじ
------------------------
コウコは、寝たきりに近いおばあちゃんの深夜のトイレ当番を引き受けることで熱帯魚を飼うのを許された。夜、水槽のある部屋で、おばあちゃんは不思議な反応を見せ、少女のような表情でコウコと話をするようになる。ある日、熱帯魚の水槽を見守る二人が目にしたものは――なぜ、こんなむごいことに。コウコの嘆きが、おばあちゃんの胸奥に眠る少女時代の切ない記憶を呼び起こす……。
------------------------

おばあちゃんの回想が旧仮名遣いなので、ところどころ読みにくい
でもまぁ、そんな仕掛けなので雰囲気はよく伝わってくる

こうこ、さわちゃんという名前の呼び方の一致
過去と現代の重なる部分
そして、
エンゼルフィッシュがネオンテトラを殺す残酷さ


昔読んだときの事は殆ど覚えてないんだよね
でも、何となく不思議な話だったのは覚えてた

ラストの展開は結構あっさりしている
ただ、単行本の方とはラストがちょっと違うらしい

文庫本の方が削除されている部分があるようで
普通は文庫化に際して加筆する事が多いんですけどね

単行本の方を読んでないので何とも言えないのだけれど
「語りすぎた」という事なのでしょうねぇ

読者に想像の余地を残したかったのかな?

0
2024年10月17日

Posted by ブクログ

ネタバレ

子どもの頃に読んで、なんだかよくわからない難しい話という印象だけがありましたが、大人になってから読み返すと色々な感情が。
章ごとに時代が現代から過去、過去から現在へ移り変わり若かりしおばあちゃんとコウコ2人の目線で物語は進んでいきます。
章ごとでの主観人物の移り変わりやおばあちゃん視点の章の昔な文章の書き方、認知症?のおばあちゃんの介護や嫁の苦労など、なるほどこれは小学生の自分にはたしかに難しすぎたな、と納得でした。
当たり前だけどおばあちゃんにも若い娘さんの頃はあったんだよなぁ、と自分の祖母に思いを馳せ、コウコと覚醒したおばあちゃんとの解釈の違いに切なさを覚えつつ最期にあのような時間を過ごせたのは一生思い出に残るだろうな、と感じました。

0
2023年11月18日

Posted by ブクログ

目を背けたい現実を突きつけられているようでもありながら、優しさに包まれているような感覚もある不思議な物語だった。
私の家でもエンゼルフィッシュを飼育しているため(今は何代目だろう…)、彼らの凶暴性や残虐性を初めて見たときの悲しさや怒りのようなものを思い出し懐かしく感じた。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
コウコは、寝たきりに近いおばあちゃんの深夜のトイレ当番を引き受けることで熱帯魚を飼うのを許された。夜、水槽のある部屋で、おばあちゃんは不思議な反応を見せ、少女のような表情でコウコと話をするようになる。ある日、熱帯魚の水槽を見守る二人が目にしたものは――なぜ、こんなむごいことに。コウコの嘆きが、おばあちゃんの胸奥に眠る少女時代の切ない記憶を呼び起こす……。

0
2023年05月17日

Posted by ブクログ

ネタバレ

孫の「こうこ」に古き思い出の公子さんを投影していたのだろうか。「こうちゃん」と呼びたかったことや翆川先生と山本さんの姉妹の関係が羨ましたかったこと。エンゼルさま(エンゼルフィシュ)が少女時代の後悔を抱くさわこへ僅かな時間をくれたのだと思う。
止められない嫉妬心・攻撃的な態度で人を傷付けてしまった過去。そういう黒い気持ちってずっと忘れられないものだよね。
それを、どうにもできなかったエンゼルだってかわいそうだよと、他ならぬ「こうちゃん」に許された。
きっと安心して旅立だっていけたのだろうな

0
2022年04月17日

Posted by ブクログ

「さわちゃん、もし、このモーター音がうるさかったら、水槽、私の部屋にもっていくけれど……」
私は、ゆっくりと、言葉を切りながら言った。ばあちゃんはちらりと私を見遣ると、やはりゆっくりと、
「でも、そうしたら、私、コウちゃんとこうしてお話し出来なくなるかもしれない。私、消えてしまうかもしれない」
と、視線をそらしながら言った。

「……コウちゃん、神様もそう呟くことがおありだろうか」
「え?」
「神様が、そう言ってくれたら、どんなにいいだろう」
「え?」
「私が、悪かったねえって。おまえたちを、こんなふうに創ってしまってって」

0
2022年04月01日

Posted by ブクログ

コウコが熱帯魚を飼った現在と
おばあちゃんが少女だったころの過去の記憶が
交互に描かれ、巧妙にリンクする
短いけど深く重い作品。

読み進めるたび強くなる不穏な香りに
導かれるように一気読み。

透明で上品で精巧で、ほの暗く切なく苦しい。

特に少女のさわちゃんが
自分は暗い世界に行ってしまったんだと、
もう明るい世界には戻れないんだと
絶望する描写は心を抉った。


天使が、熱帯魚が、神様が、カフェインが、お茶の木が、聖書が、シュークリームが、木彫りが……
些細な描写が重要な意味を持って、
この作品の世界を形作っている。

細部まで意思がこもっていて、
一瞬たりとも気が抜けない。
(しかもこの事実は、その描写を通り過ぎて
読み進めないと気づかない!)

梨木先生さすがです、としか言いようがない。


“私が、悪かったねぇって。
おまえたちを、こんなふうに創ってしまってって”

自分の中に巣食う悪魔と、
それを自分が、他者がどう思うにせよ、
多分、結局は一緒に生きてかなきゃいけないんだ。
理性の及ばない、どうしようもない何かを抱えて、
存在を認めて、飼い慣らして。

ばばちやまみたいに上手に、
あるいはツネみたいになるたけ優しく
生きていきたいものだなぁ。

少なくとも悪魔の所業には
さわちゃんみたいに、心を痛める自分でありたい。

0
2021年04月10日

Posted by ブクログ

すぐに読み終わるけど、ページ数に不釣り合いな重さ。
梨木さんの書く話はいつもそう。
穏やかさの中に黒々とした不気味さがある。人間の嫌な部分に輪郭を持たせて、読者に訴えかける。
びっくりするような思いがけないグロ描写(私がグロだと思っているだけかもしれない)もあったりする。
だから無意識に、命にフォーカスした読み方をするようになる。
そして考える。梨木さんの作品はいつも、考えさせる。好きだ〜!!そんな梨木さんの作品が好きだ〜〜!!!

0
2021年04月03日

Posted by ブクログ

『西の魔女が死んだ』を読む前に文章の雰囲気を知るために購入。最初から伏線が散りばめられていて最後にかけて拾っていく構成が良かったです

0
2025年09月12日

Posted by ブクログ

おばあちゃんと娘の二つの話がスイッチする。おばあちゃんの時はやや文が読みづらいがそれもまた良し。熱帯魚を飼いたくなるような、躊躇うような。聴こえないのに水の音がしてくるそんな心地よい小説。

0
2025年08月25日

Posted by ブクログ

とても短い本なのに、質がいいってこういう本のことなのかな。二つの物語のスイッチ、入れ替わる時の滑らかさが、とても素敵。若さゆえの傲慢さとか、やるせなさとか、切なさとか、後悔とか…

0
2025年05月18日

Posted by ブクログ

ネタバレ

おばあちゃんと孫の対話
入れ子になっている物語を読み進めていくと段々と全体が見えてくるミステリーのような不思議な話だった
曖昧に夢現を行き来するような、常世と彼の世が行き来するような…。
ずっと罪の意識があったり、切ない。
おばあちゃんは最後に救われたよね

0
2024年09月09日

Posted by ブクログ

この物語から何を受け取ったらいいだろうか?
読みながら、なにかしらの意味や意図を探していたのですが、途中からなんだか読むのが謎の心地良さがあって物語を漂っていたら終わってしまいました。

御伽噺のようで、ちょっと怖いような、でも根底にはあたたかいような…。そしてちょっと懐かしいやうな。あの世とこの世、とかスピリチュアルなことは思いませんでしたがふと自分の先祖の存在を考えました。

0
2023年09月12日

Posted by ブクログ

おばあちゃんの深夜のトイレの手助けをすることを約束に、熱帯魚を飼うことを許されたコウコ。それ以来、夜中に覚醒するおばあちゃんと、水槽の中の悲劇。おばあちゃんの少女時代と聖書とコウコと熱帯魚の話。

「神様は悪魔のこと、かわいそうだなんて思ったのかな」
「創った私が悪かった、なんて呟いたんだろうか」
この2つの言葉に何となく癒された。
神様にも人格があるのだと考えると、世の中失敗してもまだ終わりじゃないって思えるような気がする。

0
2023年08月04日

Posted by ブクログ

読みやすかった
寝たきりの天使みたいなおばあちゃんと孫のコウコと熱帯魚
深夜のトイレを手伝うときだけ覚醒しておばあちゃんが昔の頃のように話す
おばあちゃんの少女時代のストーリーとおばあちゃんとコウコのストーリーが交互に進んでく

0
2023年04月30日

Posted by ブクログ

誰の心の中にもいる天使と悪魔、この世界を神様が作ったのなら、どうして悪魔が必要だったのだろう…
最期にサワちゃんはコウちゃんに「ごめんね…」と言えて救われたのだろうか…

0
2022年02月06日

Posted by ブクログ

なんと言い表せばいいかわからないけど、不思議な本だった。カフェイン中毒の女子学生のコウコ、認知症が始まったコウコのおばあちゃんのさわちゃん、2人の目線のお話が交互に書かれている。
カフェイン中毒を治すために熱帯魚を飼い始めたコウコと、その熱帯魚を見ると饒舌になり活動的になるさわちゃん。熱帯魚がさわちゃんの何を動かしていたのか。
お母さんがいう、「おばあちゃんは天使みたいだ」は場面によって違う意味を持つのだと思った。

0
2021年10月03日

Posted by ブクログ

梨木香歩がこちらに少し分けて見せてくれる世界は、谷山浩子のいる世界と繋がっているような気がする。
表現の方向性は違うけど、草間彌生とも少し。
少女趣味で、メルヘンで、グロテスクで、甘く苦く、毒で薬で、ミステリアスというより不気味で、なのに美しくて優しくて、いつまでもここで道草食いたくなる。
どんな物語もこちらの核心を無遠慮にふんわりとこじ開けようとしてくる。
ファンタジックなくせに、汗ばんだ肌のようなリアルに生々しい質感と湿度を持っている。
暗闇を理解している人だけが表せる光があるのだと感じる。

0
2021年08月12日

Posted by ブクログ

タイトルの3つのエンジェル。
コウコとおばあちゃんとエンゼルフィッシュのお話。
それぞれ、ちょっと残酷なところがあって…でも、それをまざまざと描き出されると目を背けたくなってしまう。短くてあっさり読めてしまうのに、読んでいる間ずっしりとした重みを感じる。

0
2021年04月22日

「小説」ランキング