梨木香歩のレビュー一覧

  • りかさん(新潮文庫)

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    小さい頃遊んだ、りかちゃん人形、緑色のドレスを着たフランス人形を思い出した。
    実家を出る時に処分してしまっけどきちんと感謝してお別れすれば良かったなと思ったり。
    子供の人形遊びは、心の成長にとって大切なステップなんだなと再認識した。

    生きてる人間の強すぎる気持ちをどんどん整理する使命を持った人形。人形に想いを預ける以上人には人形を慈しむ責任が生まれる。その愛があればこそ人形は重荷に耐えて微笑んでいられる。

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    2023年07月04日
  • やがて満ちてくる光の(新潮文庫)

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    梨木香歩さんがデビューから様々な媒体で書き綴ったエッセイをまとめた一冊。悪くいえば雑多で脈絡がないのだけれど、むしろそうした雑多な感じが梨木さんという個人をより鮮明に浮かび上がらせてくる。作品を介さない、素の梨木香歩が垣間見える感じなのだ。個人的には「家の渡り」が読み応えがあった。

    あとがきで梨木さんも書かれているように、編集者は大変だっただろう。およそ四半世紀にわたり他の媒体に掲載されたものを探し出すのはもちろん、それらすべての媒体から転載の許可を得るのは難儀なことだろうと思う。まあ、おかげで我々読者は労せずに梨木さんのエッセイをまとめて読めるわけである。

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    2023年06月16日
  • やがて満ちてくる光の(新潮文庫)

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    梨木さんのエッセイを読んでいると、著者が手を差し伸べてくれていて、一緒に森の中を散策している気分になります。ふと気づくと悩みが消えていく感覚。。どこへ行くか分からなくなってしまって立ち止まった時にいつも読む本です。

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    2023年06月15日
  • 椿宿の辺りに

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    痛みに導かれるように椿宿へと向かう。
    こんがらがっていた紐が解されるように徐々に優しくあるべき姿にもどる。
    痛みの描写に何度も顔を顰めたけど、視界がだんだん見えてくるようになる展開は素敵です。

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    2023年05月22日
  • エンジェル エンジェル エンジェル(新潮文庫)

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    目を背けたい現実を突きつけられているようでもありながら、優しさに包まれているような感覚もある不思議な物語だった。
    私の家でもエンゼルフィッシュを飼育しているため(今は何代目だろう…)、彼らの凶暴性や残虐性を初めて見たときの悲しさや怒りのようなものを思い出し懐かしく感じた。
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    コウコは、寝たきりに近いおばあちゃんの深夜のトイレ当番を引き受けることで熱帯魚を飼うのを許された。夜、水槽のある部屋で、おばあちゃんは不思議な反応を見せ、少女のような表情でコウコと話をするようになる。ある日、熱帯魚の水槽を見守る二人が目にしたものは――なぜ、こんなむごいことに。コウコの

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    2023年05月17日
  • 椿宿の辺りに

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    良いです。起承転結はあるものの浮き沈みが緩やかで先が気になるけれど淡々と進むお話。普段の日常って思い通りにいくこともそうでないことも受け入れたり抗ったり。それを踏まえた話の流れが綺麗で引き込まれる小説ですし、私は好きです。

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    2023年05月02日
  • 海うそ

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    祖父や父が亡くなってから何年経ってもたびたび感じる切なさは何なのだろうと考える。それは、あのとき聞いた思い出も、そこに祖父と父がいて色んなことを感じ考え生きていたという事実も、私が忘れたときに消えてなかったことになってしまうのだという焦りと寂しさなんだと思う。
    その寂しさは、大学の民俗学実習で僭越ながらも感じた、「この習俗、伝承は今私が記録しなければいつか忘れ去られてしまうのだ」という危機感に似ている。
    でも考えてみれば、人も歴史も生まれては変わって消えての繰り返し。寂しいけれど、そんなに切羽詰まって寂しがることはないんだよと慰められている気がした。

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    2023年04月05日
  • エストニア紀行―森の苔・庭の木漏れ日・海の葦―(新潮文庫)

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    梨木香歩の世界観が満載の紀行記。彼女の着眼点が顕になることによって、あの独特の作風の根を垣間見ることができる。良作。

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    2023年03月08日
  • 丹生都比売 梨木香歩作品集

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    言葉のひとつひとつが透明で、その美しいきらめきが私を迎えてくれる。
    『月と潮騒』では、引っ越ししたてのマンションの一室がまるで海底にあるかのような豊かな描写に、思わず潮風を感じた。

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    2023年02月25日
  • ある小さなスズメの記録 人を慰め、愛し、叱った、誇り高きクラレンスの生涯

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    表紙絵に一目惚れして購入。第二次世界大戦頃の話だが、全く耳にしたことがない作者、作品であった。日本でも早くから出版され、根強い人気だったようだ。いくつかの書評にあるように、楽しく、幸せを感じさせてくれる素晴らしい作品だ。
    「秘密の花園」のバーネットが書いた「私のコマドリ」と似ているが、鳥と作者との長い共同生活の結果であるため、類い希なる鳥類の研究記録となった。また擬人化表現(と言うか、このスズメの中身は本当にヒトなのかも 笑)によるユーモア溢れる文章でクスクスと読み手を笑わせてくれ、またこの小さき者が如何に人間に「教え」を示すかが語られていく。
    どんな生き物にも、感情はもちろん、知性や個性があ

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    2023年03月05日
  • 春になったら莓を摘みに(新潮文庫)

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    私は読書は同じ著者のものを続けて読んでしまうクセがあります。(またこの著者さんの本の感想かと思った方がいればすみません)
    こちらの書籍は、大まかに言うと人と人、過去と現在の問題や、日常のエッセイかと思います。様々な話題が取り上げられていました。
    一部の内容について、私自身、戦争はもちろん差別されるような環境にも置かれたことがない(認識してないだけかもしれないが)ので自分には難しい話だった。
    そうであっても、心によく入ってきて感情が揺り動かされて、初めてこういった話題は今まで理解はしようとしていても深く感情まで動いたことはなかったのだなとこの本で気付かされた。

    改めて世界の平和を心から願う。

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    2023年02月22日
  • 村田エフェンディ滞土録(新潮文庫)

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    19世紀末、トルコ・イスタンブールに留学した考古学者の村田君が、異国の人々と紡ぐ友情の物語。

    人種も宗教も価値観も違うけれど、彼らの友情はとても素敵で、淡々と語られる日常のその一瞬一瞬が輝かしい。

    帯に青春小説と書かれていて、最初はその要素を感じなかったが、読み終わって納得。
    青春ってそのときには気付かない。思い返してそれがかけがえのないものだったと気付く。読後にひしひしとそれを感じるような作品だった。

    最後の章で、彼らとの友情の集積が一気に思い起こされ、胸を打たれた。鸚鵡の言葉に、最後あんなに涙腺が刺激されるとは思わなかったな…。

    出会えてよかったし、また読み返したい一作。

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    2023年02月14日
  • 冬虫夏草(新潮文庫)

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    地図帳を開いて、綿貫の旅路を指でたどりながら読む。旅とは見知らぬ地にいる自分に出会うためにするのかもしれない。

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    2023年02月10日
  • f 植物園の巣穴

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    梨木香歩の文章は読み進めるうちにその空気がページから滲み出てくる。ぬかるんだ泥、雨に濡れた道路や外壁のにおい、呼吸する木々など。

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    2023年02月10日
  • 椿宿の辺りに

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    ユニークなのは名前だけではない。
    山彦と海子や母親とのやりとり、亀シの立ちふるまいなど、心の中はムハ、ニヒ、クック状態。
    願いは体の痛みからの解放。それが名前や屋敷の謎、なんでこうなったを追うことにつながってゆく。
    裏表紙の「深淵でいてコミカル」というのは、まさに言い得て妙。
    どこかすっとぼけたような味わいも感じられて、私にはそこが一番の魅力。
    この面々での日常を書いた、また違った作品も読んでみたい気がした。

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    2023年02月05日
  • ある小さなスズメの記録 人を慰め、愛し、叱った、誇り高きクラレンスの生涯

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    イギリスのピアニスト、クレア・キップス(1890-1976)は、対ドイツ戦で灯火管制の続いていた1940年、玄関先で障がいを負ったスズメの雛を拾う。その日から12年間、スズメのクラレンスが老衰で亡くなるまで母子とも友愛関係とも取れる2人の交友が始まる。

    マッチ棒の先のミルクを頼りに生命を繋いだ幼少期から、俳優のように地域の人気者になり、奇跡の歌声をむつみ出した青年期、卒中で倒れたあとシャンパンの「薬」によって奇跡の復活を果たし、眠るようにクレアの手のひらで亡くなった老年期。その一生は、本にされるや英国のみならず、世界中のペット愛好家から愛された。

    私はつい最近、同じく英国で拾われたホームレ

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    2023年01月30日
  • f 植物園の巣穴

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    序盤は読み辛い文体でよくわからなかったが、どんどん不思議な世界に引き込まれて行った。
    植物園の木のうろに落ちて気を失っている状態、夢にありがちな辻褄の合わないめちゃくちゃなストーリーなのは想像できたが、これがどうオチがつくのか想像できなかった。
    最後の最後「道彦」でこんなに温かいお話であったことに驚いた。
    主人公の過去を追体験することで固定観念が外れ、カエル坊や蝶の様に見事に変態を遂げて還ってきた。
    幸せな生活が待っている。
    (タイトルから植物や植物園の描写が多いかと思いましたが違いました)

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    2023年01月23日
  • 炉辺の風おと

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    ネタバレ

    いろいろな場所へ旅をし、想いを綴ってきた梨木さんだが、コロナ禍でおもむきか変わった。旅ができなくなったこともあるが、コロナをきっかけに起きた、政府の方針や、外出制限で、引きこもることが当たり前になったことで起きた社会の変化だ。

    梨木さんも引きこもりを余儀なくされ、思いはより個人の内側へと向かうかと思ったが、むしろ社会へ、政治へと向かっていた。コロナ禍の今を、誰もが危惧する戦争への足音を、梨木さんは書かずにはいられなかったのだろう。(これがのちに『ほんとうのリーダーのみつけかた』へ繋がっていく)戦前のジャーナリスト桐生悠々の『他山の石』を取り上げたり、ベラルーシでデモを行った若い人たちの声に耳

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    2023年01月17日
  • 裏庭(新潮文庫)

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    以前から、こういう冒険の話を探していた。
    少しメルヘンチックでどこか歪にも感じられる裏庭の世界の描写がすごく好きだった。

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    2023年01月16日
  • 裏庭(新潮文庫)

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    小学生か中学生の読書感想文を書く時に、読んだ記憶。
    この本で梨木香歩さんと出会って、ほかの本も探すようになった。

    また読み返したい。

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    2023年01月09日