梨木香歩のレビュー一覧

  • 渡りの足跡(新潮文庫)

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    まさか梨木香歩に対して「かわいいい」ともだえる日が来るなんて思わなかった。
    ...何を言ってるんだ私は。

    人間が生きることを、どこまでもまじめに、真摯に追求するのが梨木さんだ。うっかり通り過ぎてしまいそうな気持ちを拾い上げて形を与え、途方に暮れてしまう問いかけも少しずつ言葉を探して近づいてゆく。一緒に遠回りしていると、いつのまにかとても深いところへたどり着いている。そんな読書体験ができる。

    「春になったら苺を摘みに」の文庫版の解説で「あまりにもすきを見せまいとする用心深さに、時折わずかな隔たりを感じる。もっと正直に自分をさらけ出したって大丈夫だ、梨木香歩なんだから。」というようなことが書か

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    2013年08月05日
  • ぐるりのこと(新潮文庫)

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    身の回りの出来事から社会問題へ、社会問題から身の回りの出来事へ、作者の物事の感じ方がよくわかるエッセイ
    自分もこんなふうに感じたなという共感と、こんなふうに感じる人がいるんだという発見がありました

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    2013年07月05日
  • ぐるりのこと(新潮文庫)

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    映画の「ぐるりのこと」の原作かと思って手にとってしまったら、全く関係なかった(^^;
    梨木香歩さんのエッセイ、身の回りのこと=自分のぐるりのこと、に関しての梨木さんの思考の足跡。
    最初は読むのがとても大変で、梨木さんの思考になかなか入っていけなかったのだけど、ゆっくり丁寧に読んでいくと、じわじわと入り込め、いろいろなことに立ち止まり、深く考え、自分の言葉を紡いでいく様子に舌を巻く…。
    梨木さんの小説「沼地のある森を抜けて」誕生のための思索とも言える…と、解説に書いてあって、そう読むと、すごくわかりにくく、消化不良になってしまった「沼地のある森を抜けて」がちょっと身近になったので、今度また読み返

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    2013年06月07日
  • 渡りの足跡(新潮文庫)

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    梨木香歩のエッセイは難しいです。でもただ単に難しいのでなく、実に面白いんです。咀嚼するのに時間が掛かるだけ。それだけ読み応えのある1冊です。
    渡り鳥の観察を通じて「渡るもの」たちへ想いを寄せる。単なる自然観察エッセイに留まらず、鳥たちの想いを想起し鳥たちへの畏敬の念と親近感を抱かせる。そして話は鳥たちに留まらず渡る(移民する)人々へも広がっていく。作者の観察眼が客観的でありながら、対象を自分の元へ引き込み想像たくましく想いを寄せる術が実に面白いんです。そのため、今まで興味を全くもっていなかった鳥たちをしっかりと感じることが出来ます。それはそれぞれの鳥たちの解説にも表れており、学術的な説明だけで

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    2013年05月22日
  • りかさん

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    私は人形が苦手です。
    ぬいぐるみはまだマシですが。
    そこに「居る」という気配がするのが怖いんですね。

    人形には魂が宿るという話は洋の東西を問わず多いのではないでしょうか。この物語も日本人形のりかさんやお雛様たちが魂を持ち、その思いに主人公の女の子が巻き込まれる、というものです。
    しかし、こうした人形ものにありがちなおどろおどろしさというのは比較的薄く、読みやすかったです。

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    2013年05月17日
  • 渡りの足跡(新潮文庫)

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    ネタバレ

    渡り鳥や自然にまつわるエッセイ。
    自然に分け入っていく楽しみが伝わってくる。
    章の最後の丁寧な鳥の解説も、わくわくしながら読み入りました。

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    2013年04月11日
  • 渡りの足跡(新潮文庫)

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    ネイチャーライティング。
    しっかりと根付いたものがなければ、渡ってはゆけない。生きることの厳しさ、だけれども超えてゆかねばならない道。
    静かな中にも熱い火が点り、著者の伝えたいことが感情の波が押し寄せてくるようなエッセイ。なかなかに辛辣でまた違った一面を見る。

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    2013年04月08日
  • 渡りの足跡(新潮文庫)

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    基本は渡り鳥たちを見に行く旅。だがその中には、生きること、還る場所のこと等と鳥を通した作者の考察が散りばめられている。自分の行き先を見失いやすい時代だからこそ、この本が渡り鳥が渡りの頼りとする星の位置のように、輝いている。

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    2013年04月05日
  • りかさん

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    皆が持っているリカちゃん人形が欲しかったのに…おばあちゃんにほしいものを聞かれて答えたら、おばあちゃんは自分が大事にしているりかさんを欲しがっていると勘違い。でも、人形の気持ちがわかることで、ようこはりかさんと強くつながっていく。人形が愛されるために存在することを考えさせられる本だった。

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    2012年10月01日
  • f 植物園の巣穴

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    ネタバレ

    たくさんの植物が散りばめられた、植物好き的にも美味しい一冊。
    珍しく男性が主人公で、漱石ら辺の時代を思い起こすような硬質な文体。
    それなのにふわふわと夢を見ているような物語でした。

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    2025年05月28日
  • からくりからくさ(新潮文庫)

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    人形のりかさんを含め登場人物の動きがいい。
    それぞれ性格も違うのに、ツナガリが深いのは解説にもあるように「手作業」にヒントがある?
    染色や織物に関する記述も興味深い。

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    2021年02月20日
  • りかさん

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    「リカちゃん人形がほしい!」って言ったら、おばあちゃんが市松人形の「りかさん」を送ってきた・・・。
    うーん、それは予想の斜め上をいかれた。

    そんな児童小説かと思いきや、どっこい大人が考えさせられるお話でした。
    あんまり人に本を薦めたりはしないんだけど、これはお勧めの1冊だと思います。

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    2010年05月03日
  • りかさん

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    『からくりからくさ』以前のお話。
    ぜひ併せて読んでいただきたい。
    児童書だといって侮るなかれ。

    リカちゃん人形をおばあちゃんにおねだりしたようこであったが、
    彼女の手元に届いたのは、市松人形の「りかさん」だった。
    はじめはショックを隠しきれなかったようこも
    次第にりかさんと心を通わすようになり、
    同時に人形の声を聞くことができるようになった。
    そしてようこは、自分や登美子の家に伝わる人形たちの深い歴史を旅する。

    かつて私も、スリーピング・アイを持った
    ジェニーちゃんという名のドールを持っていました。
    だのに私は彼女がいつ我が家からいなくなったのかも忘れてしまった…。
    もっと大切にすれば良か

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    2010年03月11日
  • りかさん

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    文字の大きさからして児童向きだけど…字が小さいほうがいい人は文庫版をどうぞ。今度から人形を見る目が変わります。

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    2009年10月04日
  • りかさん

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    「からくりからくさ」の主人公である蓉子がりかさんを祖母である麻から受け取り、子供ながらに人形の抱える念とその念に惑わされる人の業を学んでゆくという話である。漢字にルビが振ってあるところを見ると、対象にしているのは主人公である、ようこ、と同じ位の年頃、ようやく一人でバスに乗れるようになった位、の子供のようである。しかし、これは決して児童文学にありがちな一層のみお話しではなくて、むしろ「からくりからくさ」の番外編として多層的に読んで面白いものだと思う。「からくりからくさ」はミステリー風の異次元物語という調子の話で、本の中で一応の解決を見てはいるけれども、多くは語られていない謎も沢山あり、そのことが

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    2009年10月07日
  • 西の魔女が死んだ(新潮文庫)

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    おばあちゃんと過ごしたひと夏を回想する形で描かれるお話。ジブリみたいな世界観で私もこんな生活してみたいな~って思った。
    まだ幼い主人公が自分で決めて自分の意思で歩んでいく成長の過程も描かれていて、何だかあたたかい気持ちになる作品。最後の約束が守られるシーンはジーンときた。おばあちゃんの放つ言葉がとても素敵。

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    2026年03月16日
  • 西の魔女が死んだ(新潮文庫)

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    中学国語の教科書を読んでいる感覚を思い出しました!ついつい国語のテスト問題を想起してしまうのは私だけではないと思います。もちろん作品内容も主人公の心の成長が素直に描かれていています。

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    2026年03月15日
  • ブランコ

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     ドイツ生まれの絵本作家ブリッタ・テッケントラップの作品について、だいぶ前に読んだ「おなじそらのしたで」もそうだったけれど、老若男女問わず、誰の心にも響くような普遍性を帯びた作品を描くイメージがあり、それは本書も同様なんですね。

     ブランコって、何故いくつになっても見つけると乗りたくなるのかという謎はともかく、ここで登場するそれは海の見える景観も抜群な丘の上にあって、そこを訪れる様々な人間模様を様々な季節や時間、状況を通して描くことによって、ここで登場するブランコが如何に皆から愛されていて、気のおけない友人のように人間や動物たちの心の支えになっているのかということを実感でき、それが正に皆にと

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    2026年03月13日
  • 西の魔女が死んだ(新潮文庫)

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    自分で決める、選択する。
    でも直観に取り憑かれてもよくない。
    これはシンプルで簡単なようだけどものすごく難しい‥タイムマシンがあるなら、若かりし自分に、この本を送りたいです。

    優しく温かく見守り、生きるヒントを示す「西の魔女」こと、おばあちゃん。生き方を伝えていくことって難しいし、受け取ることも難しいですね‥

    これから、自分を確立していく、個性が集まる集団の中で自分として立っていく、そんな皆さんは「まい」の視点に立つだろうし、ぼくの世代になるとご両親やおばあちゃんの視点になるだろうなぁ‥どちらからでも楽しめる優しい気持ちになれる物語でした。

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    2026年03月08日
  • 西の魔女が死んだ(新潮文庫)

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    優しいお話だったと思う。
    しっかりとした感動だったり、刺激を求める人には読み進めるのがしんどいかも。リタイアしちゃう可能性あり。

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    2026年03月08日