梨木香歩のレビュー一覧
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まさか梨木香歩に対して「かわいいい」ともだえる日が来るなんて思わなかった。
...何を言ってるんだ私は。
人間が生きることを、どこまでもまじめに、真摯に追求するのが梨木さんだ。うっかり通り過ぎてしまいそうな気持ちを拾い上げて形を与え、途方に暮れてしまう問いかけも少しずつ言葉を探して近づいてゆく。一緒に遠回りしていると、いつのまにかとても深いところへたどり着いている。そんな読書体験ができる。
「春になったら苺を摘みに」の文庫版の解説で「あまりにもすきを見せまいとする用心深さに、時折わずかな隔たりを感じる。もっと正直に自分をさらけ出したって大丈夫だ、梨木香歩なんだから。」というようなことが書か -
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映画の「ぐるりのこと」の原作かと思って手にとってしまったら、全く関係なかった(^^;
梨木香歩さんのエッセイ、身の回りのこと=自分のぐるりのこと、に関しての梨木さんの思考の足跡。
最初は読むのがとても大変で、梨木さんの思考になかなか入っていけなかったのだけど、ゆっくり丁寧に読んでいくと、じわじわと入り込め、いろいろなことに立ち止まり、深く考え、自分の言葉を紡いでいく様子に舌を巻く…。
梨木さんの小説「沼地のある森を抜けて」誕生のための思索とも言える…と、解説に書いてあって、そう読むと、すごくわかりにくく、消化不良になってしまった「沼地のある森を抜けて」がちょっと身近になったので、今度また読み返 -
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梨木香歩のエッセイは難しいです。でもただ単に難しいのでなく、実に面白いんです。咀嚼するのに時間が掛かるだけ。それだけ読み応えのある1冊です。
渡り鳥の観察を通じて「渡るもの」たちへ想いを寄せる。単なる自然観察エッセイに留まらず、鳥たちの想いを想起し鳥たちへの畏敬の念と親近感を抱かせる。そして話は鳥たちに留まらず渡る(移民する)人々へも広がっていく。作者の観察眼が客観的でありながら、対象を自分の元へ引き込み想像たくましく想いを寄せる術が実に面白いんです。そのため、今まで興味を全くもっていなかった鳥たちをしっかりと感じることが出来ます。それはそれぞれの鳥たちの解説にも表れており、学術的な説明だけで -
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『からくりからくさ』以前のお話。
ぜひ併せて読んでいただきたい。
児童書だといって侮るなかれ。
リカちゃん人形をおばあちゃんにおねだりしたようこであったが、
彼女の手元に届いたのは、市松人形の「りかさん」だった。
はじめはショックを隠しきれなかったようこも
次第にりかさんと心を通わすようになり、
同時に人形の声を聞くことができるようになった。
そしてようこは、自分や登美子の家に伝わる人形たちの深い歴史を旅する。
かつて私も、スリーピング・アイを持った
ジェニーちゃんという名のドールを持っていました。
だのに私は彼女がいつ我が家からいなくなったのかも忘れてしまった…。
もっと大切にすれば良か -
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「からくりからくさ」の主人公である蓉子がりかさんを祖母である麻から受け取り、子供ながらに人形の抱える念とその念に惑わされる人の業を学んでゆくという話である。漢字にルビが振ってあるところを見ると、対象にしているのは主人公である、ようこ、と同じ位の年頃、ようやく一人でバスに乗れるようになった位、の子供のようである。しかし、これは決して児童文学にありがちな一層のみお話しではなくて、むしろ「からくりからくさ」の番外編として多層的に読んで面白いものだと思う。「からくりからくさ」はミステリー風の異次元物語という調子の話で、本の中で一応の解決を見てはいるけれども、多くは語られていない謎も沢山あり、そのことが
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ドイツ生まれの絵本作家ブリッタ・テッケントラップの作品について、だいぶ前に読んだ「おなじそらのしたで」もそうだったけれど、老若男女問わず、誰の心にも響くような普遍性を帯びた作品を描くイメージがあり、それは本書も同様なんですね。
ブランコって、何故いくつになっても見つけると乗りたくなるのかという謎はともかく、ここで登場するそれは海の見える景観も抜群な丘の上にあって、そこを訪れる様々な人間模様を様々な季節や時間、状況を通して描くことによって、ここで登場するブランコが如何に皆から愛されていて、気のおけない友人のように人間や動物たちの心の支えになっているのかということを実感でき、それが正に皆にと -
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自分で決める、選択する。
でも直観に取り憑かれてもよくない。
これはシンプルで簡単なようだけどものすごく難しい‥タイムマシンがあるなら、若かりし自分に、この本を送りたいです。
優しく温かく見守り、生きるヒントを示す「西の魔女」こと、おばあちゃん。生き方を伝えていくことって難しいし、受け取ることも難しいですね‥
これから、自分を確立していく、個性が集まる集団の中で自分として立っていく、そんな皆さんは「まい」の視点に立つだろうし、ぼくの世代になるとご両親やおばあちゃんの視点になるだろうなぁ‥どちらからでも楽しめる優しい気持ちになれる物語でした。