梨木香歩のレビュー一覧
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ネタバレ読みは、椿宿(つばきしゅく)。
「f植物園の巣穴」の続編だと聞いていたから、なんと現代でびっくり。
巻き込まれ体質の語り手による地の文がシリアスでコミカル。あと亀シの口調も面白く、「かぐや姫の物語」の女童で脳内再生。
途中で割り切って、家系図を作った。ガルシア=マルケスっぽい読み方。
親や兄弟って、滞り、絡まり、しがらみ、という面もある。
神話に遡って、その上神話内に新キャラまで出して、随分自由だな>祖父藪彦。
しかし作品内で、登場しない人物(亡き祖父や曾祖父)が影響力を持つことはあっても、存在しなかった存在(道彦)の影響をここまで描くって凄い。
一見いい話に見えるが、ブツ切りの構成も含めて、 -
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『君たちはどう生きるか』
『僕は、僕たちはどう生きるか』
ジョコビッチが自分の失敗を観衆に拍手され、乱した気持ちを取り戻すまでの話。
石川さんが村の不正を糾弾し、村八分にあってしまう話と、その後の話。
話のテーマを表す具体例が、どれも印象的だった。
同調そのものは、私は大切なことだと思う。
共感や寄り添いも、含まれているように思うから。
けれど、それが「圧力」と化す時、私たちにそこで見えないことが生じている気がする。
何を潰してしまっているかということを。
流されて見えないまま動いてしまうのではなく、自分の中に、自分を、周りを、小さくも、大きくも見る目を養うこと。
そこに声を、つまり言 -
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段飾りの雛人形が印象的な表紙。
主人公のようこは、自分と同世代くらいだろうか。
1970年前後に生まれた女の子が、小学生の頃のお話だ。
いわゆるリカちゃん人形が欲しかったのに、おばあちゃんがくれたのは、日本人形のりかさん。
ちょっとガッカリしたけれど、このりかさん、なんとようこと意思疎通ができるのだ。
雛祭りの頃、大きな蔵のある登美子ちゃんのおうちに、りかさんを連れて遊びに行くと、登美子ちゃんの段飾りの雛人形や古いお人形達の声が聞こえてくる…。
人形たちとその持ち主たちとの思い出が、人形の中に宿っている、ようこは、りかさんを通して人形たちの声を聞き、そこにある障りを解決していく。
りか -
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ネタバレ「喪失」「再生」「修験道」「島」
喪失を抱えた私は、廃仏毀釈により、元々の信仰を喪失した島を巡る。
そして、50年後に再度島を訪れ、喪失と向き合う。
前半は、「私」の旅の理由は朧げにしか分からないものの、この旅は「私」にとって特別な意味があることなのだろうなと思いながら読み進めました。
自然や信仰の残骸から、独特の神秘的な雰囲気を感じました。
一転し、後半は、その慣れ親しんだ情景や交流した人々との繋がりが失われている様に、喪失感を感じました。
「私」は最後、喪失を超え、前向きになりますが、自分は島の雰囲気に入り込みすぎていたのか、最後まで喪失感から抜け出せず、もの悲しかったです。
読み手に -
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地名譚には手を出すなと指導教官がよく言っていた。あんなものは大抵眉唾で、なんの証拠もないのだと。別の機会に、国文学の教授も似たようなことを口にしていた。手を出さないほうが無難だと。
学術的にはそんなものなのかもしれない。そう思って梨木さんの本書を読むと、確かに、…だろう、…気がする等、文章の末尾が歯切れの悪いものが多い。しかし、地名譚には、郷愁にも似て人を引きつけるものがある。真実はどうであれ、その土地に住む人が、自らの土地をどう語り、伝えてきたのか。その思いに引きつけられるのだろう。自然や土地に根付く声なき声に耳を傾けられる人になりたい。
本書は短い断片の寄せ集めのような作りなので、一気