梨木香歩のレビュー一覧

  • エンジェル エンジェル エンジェル(新潮文庫)

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    なんと言い表せばいいかわからないけど、不思議な本だった。カフェイン中毒の女子学生のコウコ、認知症が始まったコウコのおばあちゃんのさわちゃん、2人の目線のお話が交互に書かれている。
    カフェイン中毒を治すために熱帯魚を飼い始めたコウコと、その熱帯魚を見ると饒舌になり活動的になるさわちゃん。熱帯魚がさわちゃんの何を動かしていたのか。
    お母さんがいう、「おばあちゃんは天使みたいだ」は場面によって違う意味を持つのだと思った。

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    2021年10月03日
  • 丹生都比売 梨木香歩作品集

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    ちょっと、違うかなぁ?
    今じゃないかなぁ?と読み進め、苔むしていると思い足を置いたら、ズブズブと底なし沼にはまってしまいました。

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    2021年10月02日
  • ある小さなスズメの記録 人を慰め、愛し、叱った、誇り高きクラレンスの生涯

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    スズメと人間の愛情関係を感じ、ほのぼのとする本。
    多分、この時代(二次大戦直後)のイギリスでこのスズメは戦時中の慰問芸でかなり有名だったのだろう、そんなスズメの日常、成長に伴う、歌や飛び方や日課や好きなもの、他の鳥や人間への行動などが、愛のある目線を持って回顧的に書かれている。小さくてムクムクで陽気で自分を慕ってくれる存在、可愛い。スズメって個性や思考があるなんてあまり考えないけど、12年も過ごしていた飼い主ならではの見え方。4、5歳が歌と情熱のピークだったのかな。

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    2021年08月30日
  • 炉辺の風おと

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    八ヶ岳の山小屋で過ごす日々を書いたエッセイとして読み始めたけれど、後半はお父さんの最期の日々に寄り添って考えたり感じたことや、コロナ禍で考えたり感じたことが主になっていた。もちろん、それはそれでとても興味深かった。
    鳥や植物など名前を聞いてもわからないのがほとんどではあったけれど、読んでいると自分もひんやりとした木の匂いのする森の中にいるような清々しい気持ちになれて、夏の暑さも少し忘れられた。
    私にとって人生の一冊ともいえるのが「赤毛のアン」なのだけれど、首都圏で生まれ育った私はやっぱり都会が好きで、都会以外では暮らせないと思っていた。でも数年前に「赤毛のアン」の舞台となったプリンス・エドワー

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    2021年08月24日
  • エンジェル エンジェル エンジェル(新潮文庫)

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    梨木香歩がこちらに少し分けて見せてくれる世界は、谷山浩子のいる世界と繋がっているような気がする。
    表現の方向性は違うけど、草間彌生とも少し。
    少女趣味で、メルヘンで、グロテスクで、甘く苦く、毒で薬で、ミステリアスというより不気味で、なのに美しくて優しくて、いつまでもここで道草食いたくなる。
    どんな物語もこちらの核心を無遠慮にふんわりとこじ開けようとしてくる。
    ファンタジックなくせに、汗ばんだ肌のようなリアルに生々しい質感と湿度を持っている。
    暗闇を理解している人だけが表せる光があるのだと感じる。

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    2021年08月12日
  • f 植物園の巣穴

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    2009年発行

    歯痛は、直接脳にガンガン痛みが響きます。

    痛みがあるのか、無いのか?疼いているコレが痛みなのか?本人にも分からない現実と夢の狭間で浮遊する主人公。

    ぼや~と読み終えました。


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    2021年08月08日
  • ある小さなスズメの記録 人を慰め、愛し、叱った、誇り高きクラレンスの生涯

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    著者はひょんなことから傷付いたスズメを拾う。
    名前はクラレンス。
    しかし、彼はこの名前が気に入らずBoyと呼ばれないと
    返事しなかったという。
    しっかりと人格(鳥格?)があり、性格があり、
    飼い主とは親子であり、友であり、敬う対等の間柄。
    鳥を飼ったことのある人なら誰もが共感するであろう。
    感情的な描写より、淡々と日々の出来事を語っていく。
    擬人化した文章表現のせいか、気付かぬうちに
    すっかり感情移入して読んでいたようだ。
    クラレンスの最期は涙なしには読めなかった。

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    2021年07月31日
  • りかさん(新潮文庫)

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    この作品はとても不思議な作品だった。理由は普通に人形がしゃべったり動いたり食べ物を食べたりするからだ。米国人形がつきさされた時はとても悲しい気持ちになった。少し

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    2021年08月11日
  • エストニア紀行―森の苔・庭の木漏れ日・海の葦―(新潮文庫)

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    想像していたような旅行記みたいなものとは少し違っていた。とても内面的で観念的。少し周辺情報が多くて、頭が疲れたりもする。でも自然の描写がとても綺麗で優しくて、自然の風を感じた。懐かしいような、そんな気持ちが、ふと訪れる感覚が心地よかった。

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    2021年07月25日
  • からくりからくさ(新潮文庫)

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    同居する四人の女性と人形のりかさん。染色と機織りの話や人形師の話やクルドの話まで絡んできて読むのに疲れた。

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    2021年06月19日
  • エンジェル エンジェル エンジェル(新潮文庫)

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    タイトルの3つのエンジェル。
    コウコとおばあちゃんとエンゼルフィッシュのお話。
    それぞれ、ちょっと残酷なところがあって…でも、それをまざまざと描き出されると目を背けたくなってしまう。短くてあっさり読めてしまうのに、読んでいる間ずっしりとした重みを感じる。

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    2021年04月22日
  • 炉辺の風おと

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    ネタバレ

    本当に大好きな梨木香歩さんなんだけど、最近の作品は政治的思想をまったくオブラートに包まずに書くようになってきて、しかも自分には理解できない価値観なので読んでいてぐったり疲れる。これは新聞の連載だからしょうがないんだろうか。「非暴力民衆一揆」という謎の言葉で原発をなくそうとか、ちょっとびっくりする。原発は電力確保のいち手段なのだから、本当になくしたいなら現実的に利用可能な代替手段の開発を援助するとか、そういう方向性で実現に向けた努力を確実に踏み出してほしい。
    戦争だって政治だってつまるところただの手段だし、そう扱うことで御すべきではないかと思うのだが、コロナ対策についてでさえ、政府に従うことは民

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    2021年03月28日
  • 炉辺の風おと

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    楽しめる内容もあったが、今の私にこの本を読むタイミングではなかったのか?と思わせられるところもあった。
    もう5年、10年…と時を過ごし読んだときには、沢山の新しい発見や日々の奥深さなど色々感じさせてくれる可能性をとても秘めている気がする。
    しばらく寝かせてから再度手に取りたい本。

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    2021年03月18日
  • エストニア紀行―森の苔・庭の木漏れ日・海の葦―(新潮文庫)

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    エストニア旅行をお膳立てした編集者、通訳、カメラマンに土地ごとの現地ガイドも絡んでの旅行記。慌ただしい日本人の旅行の印象。ちょっとらしくないと思う。
    確かに、この編集女史は有能な人なんだなというのは、判るんだけど。

    エストニアと云われて、頭にイメージが沸かない。解説に「境界」を訪ねる旅とある。「ぐるりのこと」も境界に関するエッセイというか思考の本だったな。

    一人森の中に入っていたり、ゆっくりカヌーを漕いだりする文章が梨木さんらしい。
    そして、月毎の風のゼリーを木の実やハーブから作る記述は、いかにもという印象。

    チェルノブイリ放射能の汚染で立入禁止になった地域に、バイソン、モウコノウマ、イ

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    2021年01月20日
  • 僕は、そして僕たちはどう生きるか

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    1930年代に、若い読者へ向けて書かれた本書は吉野源三郎氏の「君たちはどう生きるか」の15歳のコペル少年と錯覚してしまう。本作は、主人公・コペルが染織家の叔父ノボちゃんと共に疎遠になっていた親友・ユージンの庭によもぎを取りに行った一日のことが物語となっている。

    そして、その一日を共有した人たちが、それぞれの心に秘めている想い、考えを通し、作者が私たちに生きていく上での環境、社会について問題定義をしている。
    それは、弱いものを従わせる力。リーダーの存在意義。集団の中での無言の強制力などを戦争、性犯罪、環境保護などの社会問題を背景に、自分たちの立ち位置を常に考えるように、また考えて続けることの重

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    2020年12月20日
  • 炉辺の風おと

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    エッセイ
    私もそこで鳥の囁きに耳を傾けているように微睡む反面、中盤以降の噛み殺して砕け散った言葉の端々に悲しみが差す

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    2020年11月30日
  • 僕は、そして僕たちはどう生きるか

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    ネタバレ

    何かの問題を解決するという具体的な対象があるわけではない。登場人物がそれぞれの色を持ち、その人ならではの働きをする筋書のない物語。ただ田舎の自然の中で思い出を呼び起こしながら、遊んでいるだけのことだったように思う。インジャというキャラクターがどういう人か最後まで分からなかったなあ。群れることが大事だと最後に締めくくっている。僕も社会の中で群れが必要だ、仲良しさんを作っていいと背中を押してくれたストーリー。

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    2020年09月30日
  • 海うそ

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    50年前に既に風化し忘れ去られようとしている土地や言い伝えが、50年後、そこに居た人と共に蹂躙され壊され葬られ、それでもなお少しの片鱗が物語を喪ったまま散りばめられている。
    変わらないのは海うそだけ。
    そして不思議な、人との繋がり。

    「喪失とは、私の中に降り積もる時間が、増えていくことなのだった」

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    2020年07月02日
  • 沼地のある森を抜けて(新潮文庫)

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    シュールでも、もう少しユーモアで突き進むのかと思いきや、壮大な結末に至って少し驚いた。結末付近の風野さんとのくだりはいらなかったのではないかな。

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    2020年06月15日
  • 海うそ

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    主人公秋野がフィールドワークする架空の地 遅島。
    遅島では多様な植物や動物、かつて修験道だった名残を目にすることができ、島の所々で生を感じる。その五十年後、再び遅島を訪れた秋野は変わってしまった島の姿を目の当たりにする。山は削られ、道が切り開かれ、かつてあった動植物は姿を消していた。ここは遅島ではない。そう感じた秋野だったが、
    五十年前に見た海うそ(蜃気楼)は変わることなく、見ることができるのだった。

    五十年前も後も遅島は遅島である。
    その姿や人々の暮らしは変化すれど。
    失われたものもあれば、得るものもある。
    自分はそんな変わりゆく森羅万象の中にほんの少しだけ腰掛けているにすぎない。そんな気

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    2020年05月04日