【感想・ネタバレ】鳥と雲と薬草袋/風と双眼鏡、膝掛け毛布(新潮文庫)のレビュー

あらすじ

「土地の名まえ」の背景には、いつも物語がある。そこに暮らす、人々の息遣いがある。峠や湖川など、地形に結びついた名まえ。植物や動物に由来する地名。街道や国境など、人の営みをめぐる地名。音やまなざしから付けられた名まえ。消えた地名、新たに生まれた地名……。空を行き交う鳥や風のように伸びやかに、旅した土地の名まえから喚起される思いを綴る、二作の葉篇随筆を合本した文庫版。(解説・吉田篤弘)

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その土地の地名の成り立ち、謂れ、
なんとなく過ぎ去ってそういうものだと思っていることって多い。

名前ってとても大切だし、
文化、社会に密接に繋がる言葉をすごく面白いと思う。

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2024年07月27日

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梨木香歩さん。
1月に買ってちまちまちまちまと読み進め、やっと読み終えたのが本日。
丁度八重洲でモーニングしていた母が、今読む本がないというので差し上げてしまいました。
土地にまつわるエッセイ。
梨木さんの言葉遣い、視点が好きです。
優しさがあって、柔らかくて。
どれも1〜2、3ページくらいの短い内容なのも良かった。
最近集中力が途切れがちだったから。
ですけど、そろそろしっかり読書再開しますかねえ。

思えば2023年4冊目だった模様(3冊目失念してたorz)

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2023年05月27日

Posted by ブクログ

これは眠る前に少しずつ読むのに最適だった!(^^)地名の謎♪行ったことがある所が出てくると嬉しいし、全然知らなかった所を読むのは楽しい!( ゚∀゚)自分にも梨木さんくらい行動力があればなぁ~と羨ましく感じた(*^-^*)

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2022年12月30日

Posted by ブクログ

著者いわく、「専門的な知識もないまま、好きが高じて書き綴った「地名を巡る」小文」で成る、「鳥と雲と薬草袋」と「風と双眼鏡、膝掛け毛布」の二冊を一冊の文庫本にした本書。同じテーマを一気に読めてファンとしては嬉しい限りです。前者の目次を数えると49の地名について書き綴られているようで、後者はそれ以上でした。二冊のタイトルがなんとなく似ていることにも納得しました。

梨木香歩さんといえば、鳥、カヤック(と水辺)、草花、神話などにお詳しいと踏んでいます。が、地名にもこんなにお詳しいとは。そしてこんなにも日本各地に足を運んでおられるとは。しかし、「家守綺譚」の続編である「冬虫夏草」なんかを思い出してみると、本書にあるように足を運んでその土地を知ろうとする梨木さんは容易に想像できます。いつものことながら、その知的な好奇心というよりもっとなんというか、知ろうと、知らなければ、とそれ(今回だと地名)に寄り添う姿勢に深く感心いたしました。

「通る人がなくなると、道は消える」「歩かねば」と何か使命感にかられているのかと思いきや、謎が解けなかった地名については想像や考えにとどめ、そういう謎があってもよいとする軽やかさが心地よかったです。
地名や地形に思いをはせながら、例えば、「岬」について次のように綴っています。
「さきへ、さきへと岬の先端まで辿り着いて、鳥ならば飛べもしよう、魚ならば泳ぎもできよう、けれど人は、そこからどこを目指すのか。岬に辿り着いた人は、一様にしばらく声もなく呆然と海の彼方を眺める。
さあ、ここまでだよ、と限界を知らされることは、人にとって救いではないだろうかと、行き過ぎた文明の末路が目の前につらつくようになったここ最近、特に思う。もうここから先は行けないのだ、と悟ることは、もうここから先に行かなくてもいいのだ、という安堵にすり替わる。」
こういう思考がいかにも梨木さんらしくて「あぁ、また、なんという思考を・・・」と思うと同時に、はっとさせられるものがありました。

地名の由来を探り、その土地のかつての姿を自分の中に映し出そうとする中で、その土地に縁のある人物についての説明もたくさん出てきました。その博識さに感服ですが、私は沖縄の東風平(「こちんだ」と読むそう)で生まれ、今でいうパラハラに苦しんだ民権運動家(沖縄県史上初の方だそう)謝花昇(じゃはなのぼる)と、アイヌのところで出てきた、仙台藩出身で、脱藩後紀行家とでもいうべく世界に出ては、記録をつけたという玉蟲左太夫(たまむしさだゆう)の2人が印象に残りました。歴史に「もしも」はないけれど、「もしも」もっと長生きしていたら・・・と思いをはせました。つくづく、誰もが知っているような歴史上の人物ではなくても、聡明だったり、政治手腕が優れていたりして世の役にたち、重要な痕跡を残した人は、知らないだけでたくさんいるんだと思わされました。

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2026年01月21日

Posted by ブクログ

ネタバレ

地名に関する葉篇集
掌編ではなく~の理由が梨木さんらしくて好き

論文のように堅くなくてあくまでこうかな?そうだったらおもしろい、というスタンスなのが読みやすい。
実際にその土地に訪れたからこそわかる空気感が伝わる。行ってみたくなる。

子音+yuuの音
古代、使われていた言葉の発音は、今の日本語のようにかっちりしたものではなく、もっと風の吹く音のような、小鳥のさえずりのようなものだったのではないかと思うと、そういう言葉が飛び交う日常を想像して楽しい。
叱る声さえ、鳥の声のように流れていく、そういう日常。会議や怒号になると、大風が吹いているような感じなのだろうか。

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2022年04月13日

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旅に出られない日々に、こんな一冊もいい。

筆者が旅した土地とその名まえに引き寄せられた思いを書き綴ったエッセイだ。
旧街道の宿場、岬、島、峠。
国境、湖川の側の地名。沖縄やアイヌ語由来の地名。
心がざわつく地名なんていうくくりもある。

土地を訪ね、人々の暮らしを垣間見、時に歴史をさかのぼって調べる。
そんな営みを繰り返すエッセイだ。

取り上げられる土地は、知っている場所もあるし、全く知らないところもある。
なのに、この本を読んでいると、なぜか懐かしい気持ちになってくる。
私の生まれて3歳までを過ごした家も、旧街道の小さな宿場町であったせいだろうか?

谷戸と迫、そして熊。
いずれも地形に由来する名前だそうだ。
土地の様子がわかる地名がなくなっていくのは、確かに残念だ。

昔からの呼び声を聞き取ろうとする梨木さんの姿勢は、文章の引用方法にも見て取れる。
岡本かの子の『東海道五十三次』(そんな作品があったことも知らなかった…)を引用する際、旧仮名遣いはもちろんのこと、旧漢字で引用していた。
つい先だって、高島俊男さんの本で、新字がまったく意味の違う複数の漢字を一つにしてしまい、混乱させたことを繰り返し批判していたのを思い出した。

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2022年03月31日

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ネタバレ

再読。気がつかないうちに失われていく地名。それに対して無知であり、関心を持たない自分。その事実と大切さに気づかせてくれる本だった。これ以上失うことがないように祈ることしかできないけれど。

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2022年03月14日

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地名を糸口にその土地の歴史や物語に思いを馳せる本。知っているところ、聞いたことのある地名の項は興味深く読んだ。

一気に読むというより、家のどこかに置いておいて、時々開いて気になったところを読む、という読み方が向いていると思う。

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2026年01月14日

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土地の名前をテーマに、その由来や感じるところを短い文章で綴る。わからないことはわからないまま、想像は想像として、フラットに語っているところが好き。

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2023年09月24日

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ネタバレ

 梨木香歩さんが旅した土地の由来から喚起される思いを綴ったエッセイ。長いタイトルです。「鳥と雲と薬草袋/風と双眼鏡と膝掛け毛布」、2021.10発行。西日本新聞のコラムに連載されたものとPR誌「波」に掲載されたものだそうです。改めて、著者の炯眼に大拍手です。自分の知ってる土地の箇所は、特に念入りに楽しみましたw。消えた地名に味わい深い地名が多く、新しく生まれた地名は薄っぺらな気がします。

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2023年05月30日

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地名譚には手を出すなと指導教官がよく言っていた。あんなものは大抵眉唾で、なんの証拠もないのだと。別の機会に、国文学の教授も似たようなことを口にしていた。手を出さないほうが無難だと。

学術的にはそんなものなのかもしれない。そう思って梨木さんの本書を読むと、確かに、…だろう、…気がする等、文章の末尾が歯切れの悪いものが多い。しかし、地名譚には、郷愁にも似て人を引きつけるものがある。真実はどうであれ、その土地に住む人が、自らの土地をどう語り、伝えてきたのか。その思いに引きつけられるのだろう。自然や土地に根付く声なき声に耳を傾けられる人になりたい。

本書は短い断片の寄せ集めのような作りなので、一気読みにはそぐわない。著者の梨木さんの言うように、一日一編、語られるその土地に思いを馳せながら読むのがよいように思う。

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2021年12月23日

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