梨木香歩のレビュー一覧
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「からくりからくさ」の主人公である蓉子がりかさんを祖母である麻から受け取り、子供ながらに人形の抱える念とその念に惑わされる人の業を学んでゆくという話である。漢字にルビが振ってあるところを見ると、対象にしているのは主人公である、ようこ、と同じ位の年頃、ようやく一人でバスに乗れるようになった位、の子供のようである。しかし、これは決して児童文学にありがちな一層のみお話しではなくて、むしろ「からくりからくさ」の番外編として多層的に読んで面白いものだと思う。「からくりからくさ」はミステリー風の異次元物語という調子の話で、本の中で一応の解決を見てはいるけれども、多くは語られていない謎も沢山あり、そのことが
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ネタバレ梨木香歩さんの書きおろし短編があるとのことで購入。豪華なメンバーでどの短編も完成度が高いと感じたが、好みだったのは町田そのこさんの「きっとあの日の光と同じ」かな。まっすぐすぎて眩しいくらいにまっすぐな恋愛ものだけど、いかにも夏って感じで良かった。甘さもしょっぱさも素直な気持ちが自然に描かれていてほほえましかったな。町田さんの本は初めて読んだんだけど、もっと読んでみたいかも。
肝心の梨木さんの短編はあまり刺さらなかった。向かいの家の様子を逐一観察していたり洗濯物が通りから見えると地価がどうこうとか書いているのがなんか生々しくいやらしいなと感じてしまい、そこから松の残留思念という梨木さんらしい浮世 -
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ネタバレ7人の作家による短編集。テーマは夏。
町田そのこ先生の『きっとあの日の光と同じ』が良かった。「ひと夏の恋というものをしてみたい。」始まりから甘酸っぱさと青さが広がる。友情と恋が混ざり合う青春が大人になった後も小さく続いていく。読み終わった後に心が晴れやかになるような、花火をしたくなるような作品だった。
米澤穂信先生の『無明』が良かった。新宿駅の地下通路で、赤ん坊の首を絞めようとする母親。その背景を知るごとに同情と母親の苦しさが伝わってくる作品だった。生きて欲しいから殺そうとする、まるでジメジメとした夏の暑さのような苦しさが残る作品だった。 -
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最近、10代、20代のときに読めなかった本をもう一度読むことをしている。太宰の人間失格は、ばっちりお気に入りの本になった。その流れで、本作も読んだ。あのときなぜ挫折したかは覚えていない。今回は最後まで読むことができた。けど、やはり時間が経っているのもあって、どことなく時代が古い印象が漂ってきたのが否めない(たまごっち、とか、テトリス、とか物質として古いものが出てきているわけではない)。実際に、主人公が前より一人でできることができるようになり自負心を覚えたときに「一人前の主婦になったような気分」とあり、う~んと思った。
設定としては、おばあちゃんがイギリス人で、ママがハーフ、という少し現実から離 -
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中高生で読めばまた感じ方が違ったのかな。
学校にうまく馴染めない主人公が、おばあちゃん家で過ごした1ヶ月で、主人公は自然、動物、おばあちゃんの持つ価値観に触れて成長していくという物語。自然と触れ合い豊かになっていく姿はとてもよかった。とくに、魂と身体の関係については興味深かった。身体は死んだらなくなるけれど、魂はその後も旅を続けている。死んでまた身体を持つ必要があるのか、という問いに対して、「身体があるからこそ、見たり、聞いたり、感動したりすることができるのだ」という趣旨の話をおばあちゃんがしていて、魂を成長させ続けていくことは、自分が死んだあとにもきっと繋がる何かがあるのだろうなぁと感じた。 -
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ドイツ生まれの絵本作家ブリッタ・テッケントラップの作品について、だいぶ前に読んだ「おなじそらのしたで」もそうだったけれど、老若男女問わず、誰の心にも響くような普遍性を帯びた作品を描くイメージがあり、それは本書も同様なんですね。
ブランコって、何故いくつになっても見つけると乗りたくなるのかという謎はともかく、ここで登場するそれは海の見える景観も抜群な丘の上にあって、そこを訪れる様々な人間模様を様々な季節や時間、状況を通して描くことによって、ここで登場するブランコが如何に皆から愛されていて、気のおけない友人のように人間や動物たちの心の支えになっているのかということを実感でき、それが正に皆にと -
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◼️ 梨木香歩「エストニア紀行」
バルト海に面した北の国。読んで字の如く、だけど、やっぱり梨木香歩さんしてます。
バルト三国、リトアニア、ラトビア、エストニア。ゴルバチョフが打ち出したペレストロイカのもと独立の機運が高まり1991年にソ連から独立を果たした。ちょうど学生時期で新聞によく載っていたので、なぜか南からの順番で覚えた。
今回の舞台は北の果て・・梨木香歩は最初は首都・タリンで昔の地下通路などを訪ねる。まさに紀行ものらしい。建物や人の機微を心中よく捉えている。
バルト三国最北の国、というのは知ってた。でもさすがになじみのない国、タリンではもう一つ想像しにくいな、と感じたが、北部、