【感想・ネタバレ】ある小さなスズメの記録 人を慰め、愛し、叱った、誇り高きクラレンスの生涯のレビュー

あらすじ

小さな生き物への愛情と尊敬に満ちた奇跡の実話

第二次大戦中の英国でひ弱な雀が寡婦に拾われた。雀は愛情を込めて育てられ、驚くべき才能を開花させる。世界的ベストセラーの名作。

酒井駒子さんのイラスト、小川洋子さんの解説も完全収録。

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ネタバレ

人を慰め、愛し、叱った、誇り高きクラレンスの生涯

古書店巡りしてたときに偶然見かけて、
普段なら買わないジャンルなのですが妙に目が惹かれて、

購入。
読み、泣きました。

実話であり、できる限り感情を省いた記録だと著者が心がけており、
それでも滲み出る「この子が愛おしかった」故の表現の数々に私はとても嬉しくて……。

内容ですが、
戦時中、あるピアニストの婦人が拾ったスズメの記録です。

12年生きたスズメの生涯について、
老いて大病を患った彼の傍らで、思い出を語ってくれています。

小鳥と暮らしたことのある人なら
共感や想像が簡単だと思います。

首にぴったりくっついて同じベッドで眠るなんて、
多分飼ったことない人だと「潰さない!?」と驚くと思います。

でもそれが好きな子、いるんですよ……。
わかる……。

わかる……。

love……。

スズメが芸をすることについても、
小鳥って意外と協力的なことがあって……
信頼関係があれば可能で……

とりあえず……鳥好きに、おすすめ。

あと著者がイギリス人でキリスト教徒なので動物との向き合い方が少し知れて嬉しい。

■最後に

鳥が、好きです。

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2025年12月06日

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序に「私は野生の鳥は基本的には野にあるべきだと思っている」とある。だから、作者のキップスさんは生まれたばかりで巣から落ちた障害のあるスズメを深い愛情を持って育てながらも、彼がスズメであることを尊重して適度な距離感を保った視点で見ていたのだろう。この本がスズメの生態や人と一緒に暮らしていたからこそ開花した潜在的な能力などの観察記録としても興味深いものになっているのは、そのおかげだろうと思う。
科学的な興味もさることながら、このスズメの愛らしさと逞しさには驚かされる。巣に見立てたベッドで迸るような歓喜の歌をひとくさり歌ったり、老いて病気になってからも生きる意志と聡明さで自由が利かなくなっていく状況に自分を適応させたり。ティースプーンを見て「がっくりと小さな頭を落とし、視線をそらす」ところなどはかわいらしい上に、キップスさんとのしっかりとした信頼関係も窺えて、心温まる。
訳者の梨木香歩さんはキップスさんと似たところのある人なのではないかと思っている。訳者あとがきもよかった。

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2025年03月15日

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ネタバレ

第二次大戦下のロンドンで、著者クレア・キップスは一羽の子雀を拾う。子雀は翼と足に障害があり、自然界では生きられないと判断したため、手元で育てることにしたキップスだったが、子雀は二人の共同生活に想像もつかないほどの大きな喜びと驚きを与えたのだった……優れた野鳥観察記であるとともに、戦時下のロンドンで人々がどのように考え、生き、暮らしに喜びを見出していたかも垣間見られる戦時記録としても興味深い。

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2025年01月14日

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梨木香歩さん訳の、
1953年初版のベストセラー。
ある1人の寡婦が出会った、自然界では生きていけないだろう雀の子供。
その雀-クラレンスと名付けられた雀の、12年に渡る生涯。
フラットに書かれた文章に現れる、キップス夫人の洞察力の深さにも驚かさせるが、
街中で景色に溶け込むように眺めていた雀が
んなに感情豊かで、才能溢れる鳥であることを
本書を通じて知ることが出来てよかったと思う。
訳者も書いている通り、クラレンスが老いて、
いつ亡くなるのかも分からない中で書かれた
物語であるからか、クラレンスが全盛期である頃の生き生きとした描写の中にも、一貫して静謐さが漂っている。
全ての生き物が迎える老いと死を、静かに見つめるキップス夫人と、老いてなおその生命の尊厳を決して失わないクラレンス。
今頃2人で、天国で歌い合っているだろうか。
キップス夫人はピアノで、クラレンスはその高らかな歌声でー。

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2024年12月02日

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文春文庫のフェア「戦火の記憶を未来へつなぐ」で平積みになっていたのをたまたま手に取り呼んだ。“言葉を解さない”動物たるスズメと、これほどに感情を汲み交わし寄り添いあった事実があったのだ。
読み終えて、というより読み進めるうちから、自らの傍らにあるものとの関係を(それが人であれ動物であれ、自然であれ)疎かにせず慈しもうと、そう思えてくる本だった。

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2022年11月10日

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読みたかった本の一冊。 いやー、冒頭から何かしら良い雰囲気を感じてましたが…、綺麗、興味が湧く、ドキュメンタリー、 良かった!! 実話なんですね。余計に凄い。 鳥を飼ったことがある人ならば、必ず頭に画が浮かびます。そして顔がニヤけます。 読んで良かった✨

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2022年09月25日

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ネタバレ

 クレア・キップス著、梨木香歩訳「ある小さなスズメの記録」、2015.1(文庫)発行です。口絵・イラストは酒井駒子さん、解説小川洋子さんです。感動の書でした。第二次大戦下のイギリス、老ピアニストが出会った生まれたばかりの傷ついた小雀。愛情深く育てられた雀のクレランスとキップス夫人が共に暮らした12年間の記録。1940.7.1~1952.8.23、11歳を過ぎてからは老衰と闘いながら、最期は夫人の手の平の中で穏やかな死を迎えたいとしいスズメの物語です。
 人間との意思の疎通、哺乳類は勿論ですが、鳥類もかなりの疎通ができるのですね。昆虫、魚類、両生類、爬虫類は難しそうですが、共に暮らしていると愛情が湧くと思いますw。英国人のクレア・キップス夫人(1890~1976)は、1940.7.1、生まれて間もない雀の雛が巣から落ちているのを助け、右翼と左足異常の雀を育て上げ、12年余、共に暮らしました。この本はキップス夫人とスズメの友情の物語、スズメの生老病死の生き様の記録です。夫人の淡々とした語り口に、相互の信頼と支え合いの様子が伝わってきます。再読です。

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2017年10月03日

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野生の雀の孵化すぐと思われる雛を育て上げ看取るまでを回想の形で記した本。第二次世界大戦中から戦後の時代です。

動物を慈しみながら一緒に生活している全ての人がそうであると思うが、非常によく観察(?)されていて驚くほどだ。そして野生の雀とは異なる生態を時に見せていく事を客観的に捉えて記載されているところが凄い。研究目的ではないのだから。また文章が高尚で時には難しく哲学的雰囲気の事もある。

そして主人公の雀がまた凄いのだ。素敵な文章の中に登場するこの雀の一生が、通常の野生の雀とは一線を画している。その面白さが端的な文章にギュッと詰まってる。著者の雀との関係性も素晴らしい。決してヒトの思う通りにするのではなく、雀彼本人の個性にあくまでも寄り添う形で生活していく様が凡人には出来ぬことかもなと思った。雀の晩年に創意工夫をして如何に彼が快適に過ごせるかを模索しておりもう愛しか感じない。挿入される写真が慈愛に満ち満ちていてなんとも愛おしい。

酒井駒子さんの優しい装丁。
梨木香歩(西の魔女が死んだ)さんの訳本。
MRさんのタイムライン?で知った本ですがそこに本当に感謝♪

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2025年11月24日

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ある女性と雀の交流
ノンフィクション
①鳥が好き!
②梨木香歩さん訳!
③酒井駒子さんの表紙絵!
で何となく手に取ったのだけど
結果とても良い本!

鳥(雀)の知性と可能性に驚くし
人との深い愛情が
鋭いけど暖かな眼差しで描かれてて
生命の可能性に静かに感動

解説は小川洋子さん
好きな作家さん3揃い!
どんだけ贅沢な作品なんだ...

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2025年06月06日

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キップス夫人が家の前で拾ったスズメと、約12年間一緒に暮らした日々の記録。
夫人はスズメくんに愛情を持ちながらも、観察する姿勢は研究者的なところも感じた。

ある日家の前で弱ったスズメの雛を見つける。介抱して元気にはなったが、そのスズメは生まれつき足と翼に障がいがあり、自力では自然界には戻れないだろうということで、キップス夫人が子供のように育てる。
ベッドに潜って一緒に寝たり、服のポケットに巣篭もりしたりする様子が可愛い。
成長するに従って、夫人のピアノに合わせて歓喜の歌を歌ったり、ちょっとした芸を披露して戦時中、子供を癒したりと大活躍。
そんなスズメくんも老いには逆らえず、11歳の時に病気を患う。ティースプーンで薬を飲まされていた彼は、「ティースプーンが目に入ると、彼はがっくりと小さな頭を落とし、視線をそらすのだった」という可愛さよ。
あとシャンパンを飲み交わす場面もあったなぁ。
思うように体が動かなくなってからも、今まで使ってこなかった障がいのある足の使い方を発見し、精一杯生きていく姿に感動した。

総じて、可愛かった!
生態についても初耳なことが多くて、色々な面で面白い一冊だった。

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2025年02月26日

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あまりにも有名なスズメの話。

勇敢で賢いのはスズメだけでなく、スズメを救った作者も同じ。
誇り高く尊い。
自然の中ではあり得ないほど長生きしたスズメは何を思って生きていただろう。

スズメの歌を弾いてみた。
きっともっと気高いものだったろう。

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2024年11月21日

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このクラランスの伝記を読んでいると、
作者とスズメの関係が、
単なる飼い主とペットの主従の関係ではなく、
一人の人間に接するかのように、
時には一人前に男として、
スズメを尊重し、愛情と敬意をもって
スズメを大事に育てたのかが伝わってくる。

空襲の中、明日、死ぬかもしれない
戦時下の中を、12年間も長く生きる事が
できたのは、作者の深い愛情と支え。
逆も然りで、
クラランスの存在自体が、作者や
戦時下の人々の喜びに。

だから尚さら一層、脳卒中を患ってから、
だんだんと弱って行く姿を読むのは、辛い。

不自由な体になってからも、生きることを諦めずに、最後はぼろぼろの羽毛になったが、
命を全うする最後の瞬間まで、命の輝きを
失わなかったクラランス。

私も小鳥を飼っているが、
動物を飼っている人は、誰もが直面する
生老病死。
あまり、考えたくはないが、この本を読んで、
尚一層、小鳥達が愛おしく、彼らと一緒に過ごす時間をもっと大切にしたいと思った。

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2024年11月01日

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私がプロフィール画像を小鳥(ジョウビタキ)にしているのは小鳥が好きだから。
そして、小鳥たちの中でも一番好きなのが、スズメ。

野鳥は普通飼えないのだが、このスズメは生まれてすぐに巣から落下し、脚と翅に障碍を持っていた。
自然に返せるような肢体を持っていなかったので、保護するかたちで12年も一緒に暮らすことになった。
生まれてから老衰で死ぬまでのスズメの記録なんて今後出会うことはないだろう。

本編は150ページと短い。
本編が終わって原書の解説がある。
さらに梨木果歩さんの訳者あとがきに続いて、小川洋子さんの解説があった。
これらの解説だけで40頁もあり、本書の要約にもなっている。

人間にはイヌやネコと出会い一緒に暮らす人生と、出会わない人生がある。
小鳥と暮らす人生もあるだろうが、スズメと暮らす人生はほぼない。

動物は、成長し、成熟し、充実した時期を迎えると、自分がリーダーになりたがる性質が現れる。
これは、言葉を理解し人とコミュニケーションができた有名なヨウムの"アレックス"も同じだった。

ほとんどのペットは、飼い主が「主人」だ、と思い知らされる「しつけ」を受けてリーダーにはなれない。
いつの間にかリーダーの座を獲得しているのはネコくらいだ。

このスズメの"クラレンス"は、リーダー気分を味わえた。
キップス夫人がたくましくなった"クラレンス"を「立派な一人前の男になった」と喜び、余裕しゃくしゃくで彼の要求に答えたからである。

だが主従関係を感じることはなくて、お互いに信頼し合っている関係が伝わって来る。

ヨウムの"アレックス"は気持ちを人の言葉で伝えることができたが、スズメの"クラレンス"は人との共通言語を持たなくても理解し合えている。

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2024年07月01日

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表紙絵に一目惚れして購入。第二次世界大戦頃の話だが、全く耳にしたことがない作者、作品であった。日本でも早くから出版され、根強い人気だったようだ。いくつかの書評にあるように、楽しく、幸せを感じさせてくれる素晴らしい作品だ。
「秘密の花園」のバーネットが書いた「私のコマドリ」と似ているが、鳥と作者との長い共同生活の結果であるため、類い希なる鳥類の研究記録となった。また擬人化表現(と言うか、このスズメの中身は本当にヒトなのかも 笑)によるユーモア溢れる文章でクスクスと読み手を笑わせてくれ、またこの小さき者が如何に人間に「教え」を示すかが語られていく。
どんな生き物にも、感情はもちろん、知性や個性があると信じさせてくれる。そして、生を受け、精一杯生き、生の尽きることを受け入れ、やがて静かに眠りに帰るという生き物の務めと至福を考えさせてくれる良書である。
以下、クラレンス様(スズメ)が読んでいたマタイ伝の箇所⭐「スズメは二羽まとめて一銭で売っているほどのものである。しかしそういうスズメの一羽ですら、主の許しなしでは、地に落ちることもかなわないではないか」
それが、単なる偶然か神様のいたずらだったのかは分からないが、生きるチャンスを得たクラレンスは、スズメの持つ可能性を最大限に発揮してみせたのだ。何の気負いもなく、ただ明るく前向きに・・・。彼の最後を、作者は「ぼろぼろになった羽毛の、ほんとうにちっぽけな一塊」と書いているが、生を謳歌した、なんて偉大な羽毛の塊!
今回の装丁の酒井駒子さんの絵も大好き。以前、本屋で手を伸ばした「ビロードのうさぎ」も彼女の作画と知り、納得。素敵なお話に導いていただけた。

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2023年03月05日

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イギリスのピアニスト、クレア・キップス(1890-1976)は、対ドイツ戦で灯火管制の続いていた1940年、玄関先で障がいを負ったスズメの雛を拾う。その日から12年間、スズメのクラレンスが老衰で亡くなるまで母子とも友愛関係とも取れる2人の交友が始まる。

マッチ棒の先のミルクを頼りに生命を繋いだ幼少期から、俳優のように地域の人気者になり、奇跡の歌声をむつみ出した青年期、卒中で倒れたあとシャンパンの「薬」によって奇跡の復活を果たし、眠るようにクレアの手のひらで亡くなった老年期。その一生は、本にされるや英国のみならず、世界中のペット愛好家から愛された。

私はつい最近、同じく英国で拾われたホームレスでビッグイシュー売り子の飼い猫が、瞬く間にロンドン子の人気者になって、映画出演まで(しかも2回)果たしたエピソードを思い出した。古今東西愛されペットの話は多いが、英国の愛され方は質が違うように思える。売るためにプロデュースされたペットは、時代を跨がない。僥倖にも拾われたペットが、その存在だけで、人に希望を与えるのである。思えば、ペルーからやってきて途方に暮れていた熊のパディントンも「拾われた」のでした。

その存在だけで?
いや、今回の相棒、2年前に夫を亡くしたばかりのクレアにとっては、唯一無二の個性と才能と愛らしさを持ったクラレンスは、彼女の冷静かつ詩的な文章によって普遍性のある人格まで(鳥格?)高められている。梨木香歩さんの訳も素晴らしい。むかし手乗り文鳥の飼育に失敗して可哀想なこともし、後悔の檻がずっと溜まっている私にとっても、とても癒しになる読書だった。

正月、ねおさんのレビューにより、本の存在を知った。ありがとうございます。

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2023年01月30日

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『もしも物思いに耽りやすい夏の宵闇に、どこかで報われない恋の涙が落ちたとしたら、窓硝子の遥か彼方で彼女か流したものだったに違いない。』


第二次世界大戦下のイギリス。夫に先立たれた一人の老ピアニストが出会ったのは、一羽の傷ついた小雀だった。愛情深く育てられた雀のクラレンスは、敵機の襲来に怯える人々の希望の灯となっていく―。特異な才能を開花させたクラレンスとキップス夫人が共に暮らした12年間の実録。


わたしが好きな作家の梨木香歩さん訳、解説が小川洋子さんの作品だったので手に取った一冊。

戦争の描写は少なめで、雀との生活にフォーカスしているので楽しく読んだ。

雀のクラセンスには足に障碍があり、そのせいで巣から落とされてしまったらしいのだが、もし夫人と出会わなければ自然淘汰されていたであろう彼はとても個性的で、知的で、優しい音楽家だった。
なぜ彼が音楽家と呼ばれていたのかは是非読んでみて欲しい。

中でも好きなエピソードとして、近所に住んでいる野生の雌雀たちやアオガラから熱烈な崇拝を受ける様子が記されているのだが、その恋物語がなんとも微笑ましい。

本書には当時の写真も収録されているのも嬉しい。
そのおかげで想像を膨らませて読むことができた。

私たちの生活に当たり前に存在し、身近にいる生き物の雀がこんなにも愛らしく興味深い生き物だったとは思わなかった。

一羽の小さな雀を通して生き方を学べる一冊だ。



こんなひとにおすすめ.ᐟ.ᐟ
・動物が好きなひと
・梨木香歩が好きなひと
・小川洋子が好きなひと
・心あたたまる作品が好きなひと
・鳥が好きなひと

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2022年11月11日

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原題 SOLD FOR A FARTHING

CLARENCE
THE FAMOUS AND
BELOVED SPARROW
BORN JULY 1ST 1940
DIED AUGUST 23TH 1952

クレア・キップスとクラレンスのハートフルな12年。人を慰め、愛し、叱った、誇り高きクラレンスの生涯。ほんとに、副題の通り。もう奇跡ですね。
クラレンスが小さな本を見ている写真が好きです。
開いたページが「二羽のスズメ」(マタイ伝)という偶然も。

シジュウカラが会話することは日本の動物行動学者が解明しています。
チリリリリ(おなかがすいたよ)
ツピー(そばにいるよ)
きっと心を通わせれば、みんなクラレンスになれるんでしょうね。…話してみたい。

家スズメ(クラレンス)も森スズメ(日本とか)も、近年世界的に極端に数を減らしてます。シナントロープの代表とも言える隣人ですので、原因は人、なんでしょう…朝はチュンチュンという声で起きたい。名前の由来はスズ(鳴き声)メ(群れ)らしいですが…スズ?

ツピー

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2022年08月21日

Posted by ブクログ

よく鳥を飼ったことがない人に、鳥は表情が無くて面白くない。と言われるけど、嬉しい時には喉の奥で甘えたように小さく鳴くし、羽はふわふわに広がりほんのり足が温かくなる。怒ったり驚いたときには体が流線形に引き締まり目がキリッと丸くなる。犬が友達なら鳥は恋人と言われるくらいパートナーとして甘えてくれるし、意思疎通もできる賢い生き物だと思います。いつ空襲に遭うかもしれない戦時下において、動物は今も昔も変わらず愛情に応えてくれる愛おしい存在。あらゆる生き物、幸せになってクラレンス。

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2022年02月06日

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1940年第二次世界大戦時のイギリスが舞台。防空対策本部の隣組支部の一員、且つピアニストである
キップス夫人が、瀕死の子雀クラレンスと運命的に出逢い、深い愛情で彼に寄り添った12年間の記録。
愛情とはさまざまな成長を促し、その愛情には鋭い観察力が不可欠であることを感じた。キップス夫人の深い愛情に心温まり、さらに小さいクラレンスに、生き物の成長と老いについて考えるきっかけをもらえた。またいつか再読したい。

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2021年08月07日

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第二次大戦末期のイギリスで、巣から捨てられたスズメと、雛を拾った女性の共同生活の物語。生き物との友情の物語はたくさんあるが、この本で印象的なのは、拾われたスズメがとても長生きしたことと、女性のピアノに合わせて歌を歌うかのように囀っていたということ。家の中で飼われていたので、外敵に襲われる心配もないし、餌に困ることも、悪天候に悩まされることもない。女性との「友情」を得て、完璧な状態で生活できたのだろう。この件だけではなんともわからないが、このように、ストレスから解放されると生き物って長生きできるのかも。そして、隠れた才能を開花させることもできるのかも。人間もそうなのかなあ。

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2021年05月16日

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猫や犬なら飼い主と交流があるのは不思議はないけれど、鳥でも子どもの頃最初飼った手乗り文鳥は、私のことを友達と思って一緒に遊んだり、時々私に命令することがある。一方でそれほど感情のやりとりが感じられない個体もいる。著者は障害があって野性に返せないイエスズメのヒナを目が開く前から保護することになって、若い頃は友達として一緒に遊んだりピアニストである著者のピアノに啓発されてさえずりを発達させるのを目にしたり、その後は老年まで穏やかな関係をすごしてなんと12年以上を過ごしたという。野生の鳥でもこんなに気持ちが通じる個体もいるのだ。

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2025年07月27日

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ネタバレ

人間以外の生き物と暮らしたことがあって、『はたして彼らは私と共にあって幸せなんだろうか?』と、自問した事のある人は少なくないだろうけれど、この本はその幸運で幸福な例を示してくれたと思う。
じんと胸に迫るお話でした。

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2025年05月28日

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表紙が素敵で手に取った。
英国の女性と拾われたスズメとの暮らしの記録
人とスズメも心を通わせることができる。

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2025年10月06日

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すごい。
2019年に「読みたい」で登録して、2025年に願いがかなった笑
表紙のスズメに惹かれたのが一つ。
梨木香歩さんの翻訳というのがもう一つ。
鳥好きというのは前提。
愛のお話でした。
スズメと意思の疎通ができたと思ったことはないけど、きっと、こんな奇跡もあるのだなあと思った。

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2025年06月01日

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小さな雀と寡婦の優しい愛の話。
昔飼っていた可愛い可愛いウサギと柴犬を思い出す。
動物とは素直でなんと愛しい生き物か。

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2025年01月08日

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歴史に名を残した方の伝記本は沢山読んできたつもりですが、誇り高きすずめの生涯を記した本があったとは…

人を慰め、支え、時に人を愛し
嫌なことがあれば、人を叱り。
まるで人間のような表情を見せたとあるクラレンス。
命に対しての考え方見方が変わった本でした。

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2024年04月23日

Posted by ブクログ

梨木香歩さんの訳にひかれて読み始める
英訳だし時代もいまとは異なり、ところどころ理解できないところもあった
動物とこんなにも密な関係を築き12年もの間ともに行きたクレアさんが素晴らしく、また彼が逝ったあとの喪失感を思うと胸がえぐられるような痛みを感じた
戦時下の日常が描かれており興味深かった

青森旅行✈のお伴に

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2025年10月26日

Posted by ブクログ

飼い犬や飼い猫のちいさなしぐさで飼い主が意思を察するように、無表情にみえる雀も長く共に暮らせば気持ちがわかるようになるんだと読んでいて思いました。
病気になっても生きることに一生懸命で、産まれてから最後まで「ただ在る」ことに対しての喜びが雀の中にあったのではないかと思います。

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2022年02月11日

Posted by ブクログ

スズメと人間の愛情関係を感じ、ほのぼのとする本。
多分、この時代(二次大戦直後)のイギリスでこのスズメは戦時中の慰問芸でかなり有名だったのだろう、そんなスズメの日常、成長に伴う、歌や飛び方や日課や好きなもの、他の鳥や人間への行動などが、愛のある目線を持って回顧的に書かれている。小さくてムクムクで陽気で自分を慕ってくれる存在、可愛い。スズメって個性や思考があるなんてあまり考えないけど、12年も過ごしていた飼い主ならではの見え方。4、5歳が歌と情熱のピークだったのかな。

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2021年08月30日

Posted by ブクログ

著者はひょんなことから傷付いたスズメを拾う。
名前はクラレンス。
しかし、彼はこの名前が気に入らずBoyと呼ばれないと
返事しなかったという。
しっかりと人格(鳥格?)があり、性格があり、
飼い主とは親子であり、友であり、敬う対等の間柄。
鳥を飼ったことのある人なら誰もが共感するであろう。
感情的な描写より、淡々と日々の出来事を語っていく。
擬人化した文章表現のせいか、気付かぬうちに
すっかり感情移入して読んでいたようだ。
クラレンスの最期は涙なしには読めなかった。

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2021年07月31日

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