あらすじ
小さな生き物への愛情と尊敬に満ちた奇跡の実話
第二次大戦中の英国でひ弱な雀が寡婦に拾われた。雀は愛情を込めて育てられ、驚くべき才能を開花させる。世界的ベストセラーの名作。
酒井駒子さんのイラスト、小川洋子さんの解説も完全収録。
感情タグBEST3
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Posted by ブクログ
人を慰め、愛し、叱った、誇り高きクラレンスの生涯
古書店巡りしてたときに偶然見かけて、
普段なら買わないジャンルなのですが妙に目が惹かれて、
購入。
読み、泣きました。
実話であり、できる限り感情を省いた記録だと著者が心がけており、
それでも滲み出る「この子が愛おしかった」故の表現の数々に私はとても嬉しくて……。
内容ですが、
戦時中、あるピアニストの婦人が拾ったスズメの記録です。
12年生きたスズメの生涯について、
老いて大病を患った彼の傍らで、思い出を語ってくれています。
小鳥と暮らしたことのある人なら
共感や想像が簡単だと思います。
首にぴったりくっついて同じベッドで眠るなんて、
多分飼ったことない人だと「潰さない!?」と驚くと思います。
でもそれが好きな子、いるんですよ……。
わかる……。
わかる……。
love……。
スズメが芸をすることについても、
小鳥って意外と協力的なことがあって……
信頼関係があれば可能で……
とりあえず……鳥好きに、おすすめ。
あと著者がイギリス人でキリスト教徒なので動物との向き合い方が少し知れて嬉しい。
■最後に
鳥が、好きです。
Posted by ブクログ
第二次大戦下のロンドンで、著者クレア・キップスは一羽の子雀を拾う。子雀は翼と足に障害があり、自然界では生きられないと判断したため、手元で育てることにしたキップスだったが、子雀は二人の共同生活に想像もつかないほどの大きな喜びと驚きを与えたのだった……優れた野鳥観察記であるとともに、戦時下のロンドンで人々がどのように考え、生き、暮らしに喜びを見出していたかも垣間見られる戦時記録としても興味深い。
Posted by ブクログ
クレア・キップス著、梨木香歩訳「ある小さなスズメの記録」、2015.1(文庫)発行です。口絵・イラストは酒井駒子さん、解説小川洋子さんです。感動の書でした。第二次大戦下のイギリス、老ピアニストが出会った生まれたばかりの傷ついた小雀。愛情深く育てられた雀のクレランスとキップス夫人が共に暮らした12年間の記録。1940.7.1~1952.8.23、11歳を過ぎてからは老衰と闘いながら、最期は夫人の手の平の中で穏やかな死を迎えたいとしいスズメの物語です。
人間との意思の疎通、哺乳類は勿論ですが、鳥類もかなりの疎通ができるのですね。昆虫、魚類、両生類、爬虫類は難しそうですが、共に暮らしていると愛情が湧くと思いますw。英国人のクレア・キップス夫人(1890~1976)は、1940.7.1、生まれて間もない雀の雛が巣から落ちているのを助け、右翼と左足異常の雀を育て上げ、12年余、共に暮らしました。この本はキップス夫人とスズメの友情の物語、スズメの生老病死の生き様の記録です。夫人の淡々とした語り口に、相互の信頼と支え合いの様子が伝わってきます。再読です。