誉田哲也のレビュー一覧
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友人から薦められて読んでみた。
誉田哲也さんは映像化されるような
たくさんの有名作品を書かれているのに
本を読まない私は全く知らなくて
教えてくれた友人に感謝した。
冒頭の書き出しからすぐ
物語の世界に引き込まれた作品。
学生時代のモヤモヤした気持ちや
やり遂げる感動と楽しさが文字だけで伝わる作品。
登場人物も魅力的で、
周りにいたらどれだけ楽しいかと
主人公を羨ましく思ってしまった。
いつも中途半端になる私が
最後まで読み切り
みんなで作り上げる1作品に
一緒になって喜び大人になってから再確認する
学生時代の心の純粋さと懐かしさを感じた。
何かをやり遂げたくなる素敵な作品。
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Posted by ブクログ
誉田哲也『妖の掟』文春文庫。
デビュー作である『妖の華』の17年振りの続編。伝奇ノワール小説。
前作より明らかに面白くなっているのは、誉田哲也のキャリアの賜物だろう。
不死身の吸血鬼と暴力団の跡目争い、奇妙な殺人事件を捜査する警察、自分たち以外の吸血鬼の存在を認めない吸血鬼村の重鎮たち……
時代を越えて生きる吸血鬼一族である闇神の紅鈴と欣治は都会の片隅でひっそりと暮らしていた。400歳を超える紅鈴は風俗で働き、200歳を超える欣治はそのヒモという関係だった。
ある夜、ヤクザに暴行を受けていた情報屋の辰巳圭一を助けたことから、紅鈴と欣治は圭一のアパートで暮らすことになる。圭一に闇神の正 -
購入済み
しゃれた構成のアンソロジー
煙草をテーマに有名作家の有名小説の番外編ばかりを集めたという大変にしゃれた構成のアンソロジー。
もとの小説を読んでいれば読み返したくなるし、読んでいなければ読みたくなるという、出版社 作家の術中にはまってしまうたちの悪い本。
番外編ではあるが元の本の色合い香りを程よく保った佳作が多い。 -
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ネタバレ<ジウ・サーガ>7冊目。
“歌舞伎町セブン”の義賊としての一面と、人間らしさが描かれた巻。
ジウの後継者を名乗る人物<ダムド>が、歌舞伎町で殺戮を繰り返す。
そして、ついに東弘樹殺害の依頼がダムドに。
一方、子供を人質に殺戮要員として駆り出されたミサキ、こと伊崎基子も東弘樹殺害を命じられる。
歌舞伎町セブンは、東の護衛に回り、そしてミサキを助けるために作戦を決行する。
ようやく伊崎基子がどうのようにして“ミサキ”になったかが明かされる。
こういうことだったのか。
<新世界秩序>まだ残ってたのか。
一体どんな闇の集団なんだよ……。
『ジウ』三部作がどんなだったか、詳しくは思い出せない部分も -
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警察小説。切れ味抜群のアクション満載。女子2人の人情にグッとくる。
悪漢のミヤジもまた苦悩の果てに大人になった人と2巻でわかっている。
ジウの来歴は1巻の犯人が語っている。あの生い立ちで、そのセリフは…。何を言ったか美咲が知った時、私も思わず泣けてきた。
悪い犯罪者だとは知っている。憎むべきだとわかっている。それでも、この子の人生って、と思うと、抱きしめてやりたいような衝動に駆られる。
どちらサイドでも、主要な人物には彼らの人生があって、そこが深みになっていると感じた。
人物の背景がしっかりしているから、物語の運びに説得力がある。展開もスピーディ。
とても面白かった。 -
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作家の名前だけで購入したのだが、武士道シリーズをもっと青春よりの小説にした本で面白かった。ギネスとなった実話を元にした本とか。
親友が引越して一人になった弱虫の主人公の宏伸。リサイクル店を経営する祖父。変人で一ヶ月も世界を放浪し行方不明になるが、孫娘の従姉妹が店番をし、そこに宏伸は入り浸る。この孫娘が美人だが、ガサツでいちいち面白い。このリサイクル店に持ち込まれた特殊なカメラに引き込まれる写真部の裕伸。勝ち気な写真部の女性部長に引きずられて、このカメラの改良版で卒業記念の写真を撮るための実行委員長に祭り上げられる。
同級生への淡い恋愛感情が芽生えたり、従姉妹の結婚話しがあったり、楽しい内容だっ -
Posted by ブクログ
前作(3)では本作の前振りの話題が幾つもあったのに、出版されたのは6年後と随分間が空いていた。冒頭から結婚式のシーン、まさか香織がと思ったら早苗だった。きっちりと6年後の時間が経っていて、早苗は香織の行っている道場の師範代と付き合っていて、香織も道場主も知らなかったとか。道場主が体調を崩し道場の継続が問題となるが、この道場には大きな秘密があった。前作で明かされた秘密を師範代と香織が対応していくが、今まで「お気楽不動心」の早苗が心配して強く反対を続ける。早苗の恩師も現れて過去と向き合う。初めての香織の恋愛話しも飛び出し、この恋愛の行く末も気になるが、これでシリーズ最終話とは寂しい。