誉田哲也のレビュー一覧
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姫川シリーズなどのエグい内容の作品が多いイメージの誉田哲也だが、本作はエグくない方の誉田哲也。爽やかな青春小説だ。
タイトルに惹かれた。世界でいちばん長い写真⋯なんじゃそりゃ? 実話を元にしていると後で知って驚いた。世界一長い写真を撮れるカメラに出会ったことで、主人公の青春が輝き始める。一人称の語り口がライトでスラスラ読み易く、終始楽しく読めた。
自分って何者? はっきりと言葉にしていたわけではないけれど、誰しもが抱えたことのある(もしくは今も現在進行系で抱えている)悩みだろう。本作の主人公も、そんな悩みに気づいていないながら、のっぺりと日々を過ごしていたが、物語が進んでいく内にどん -
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「ジウ」サーガの5作目であり、6作目以降のエピソード0のような作品でした。
警視庁特捜一係堀田班の津原英太とその同僚は、宝飾店オーナー殺人事件の継続捜査を担当し、自供により容疑者を逮捕。だが直後、班員全員に異動辞令が下され、公判では警察の自白強要があったと証言されてしまう、というお話。
穏やかな雰囲気からの振れ幅がすごく、主人公の感情が揺さぶられるシーンは、「文字で魅せる」と言いたくなる迫力ある描写で読み応えがすごかったです。
ジウサーガ1〜3作品目と比べるとかなりハードボイルドで、良い意味で男くさい面白さもありました。
今後ここからどう新しい世界が広がっていくのか今から楽しみです! -
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見事に一本決められた一冊。
主人公の磯山香織と西荻早苗。この二人の正反対な「武士道」がとにかく面白い。
宮本武蔵を心の師とあおぎ、愛読書は『五輪書』。香織の武士道は「斬るか斬られるか」の真剣勝負。それはもはやスポーツとしての剣道ではなく、武士そのものだ。この時代錯誤な感じが私は好きだ。
一方の早苗は、勝ち負けにこだわらない「ゆるふわ系」のエンジョイ派。水と油のような二人が、ある試合をきっかけに出会い、ぶつかりながら成長していく姿が最高に熱かった。
特に試合のシーンは臨場感が凄い。香織のヒリつくような気迫、お互いの息づかい、一瞬の技の読み合い……。鋭い一撃とそれを受け流す独特のリズムが、まるで -
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中国女のハニートラップにかかった警視庁の公安警察官佐島賢太。
佐島の学生時代の友人稲澤敏生の恋人で佐島が片思いした相手、岸本綾。
女、矢代愛美こと徐若晴は当時事故死した綾に瓜二つだった。
稲澤の下で働いていた愛美の遺体が見つかり、容疑者となった稲澤の事情聴取を求められた佐島。
が、聴取後逮捕されたのは佐島だった。
第1話「レイン」だけで完結しており、公安絡みの短編集かと思ったら、続きがあった。
1話ごとにそれまでの想定が覆り、翻弄される。
警視庁内に深く入り込んだ中国秘密警察。
明らかになった真相は、独裁国家の犠牲となった2人の女性の悲しい運命だった。
大崎警察署刑組課盗犯係の竹