誉田哲也のレビュー一覧
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荻野康考
内海警視
警視庁本部捜査一課長小菅警視正
理事官 大倉警視(サイダー)
民代はなんで被害者の親指が無いことを知ってるの?
1はは石本真弓の話。転落死、自殺。→違った。高木清彦だった。2人とも転落死?
池上真二郎は死んで由利岳彦(高木清彦の双子の兄)の体内?精神にいる
清彦は彩奈の中にいる。何かがあって自殺したりすると映るのか?
→親子の遺伝子情報で記憶等を継承できる
民代の中に真弓はいるんだろうな
双子に用があって民代は同じ児童養護施設に移ってきた
なにか繋がりだあるんだろうな
→真弓の前にも由利というか真二郎に配偶者を殺されていた
結果民代は由利の子を妊娠してしまい、真弓と民代の魂は殺された。
そして由利の魂が子供に継承されてしまい、子を曽根崎は殺した。
終止符は打てたが、この頃には最初曽根崎が赤ちゃん殺したの忘れてたからここに繋がるのかあってビビった
普通にミステリーだと思ってたらSFみたいな魂の継承が出てきて度肝抜かれた
面白かった -
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ネタバレジウ・サーガや東刑事周辺に登場した過去のキャラクターが大集合のお祭り回。
クロスオーバーが大好きな自分にとっては、ジウ・サーガを全部読んできた『ご褒美』のような1冊。国境事変も読んでいたからこそ、あっ!となる部分もあったり…
改めて、東刑事も丸くなったなあ…と。やっぱり、身内に味方は少なくても、かつては毛嫌いしていたはずの公安に頼れるひとができたり、陣内さんが守ってくれるって気付いて、わかったからかな。
東刑事が生きている姿を見られるなら、何部作になっても追いかけられる。
東刑事、もうおじさんらしいけど、ずっと元気でいてほしい。 -
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監禁目的と思われる改築が施された民家で、男性の遺体が発見される。証拠が徹底的に消された奇妙な現場を前に、姫川玲子率いる捜査班が事件を追う。そこへ魚住久江が加わる。
被害者と加害者、双方の視点が丁寧に描かれ、読み進めるほど「いったい誰が被害者で、誰が加害者なのか」と揺さぶられる。単純な善悪では割り切れない。そして、人の悪意がやがて取り返しのつかない大きな悲劇を生んでいく。その悲しさが強く心に残った。
そして何より印象的だったのが、姫川玲子と魚住久江。
頑なに捜一への異動を拒んできた魚住が、なぜここにいるのか。その背景が明らかになったことにも納得。
人の心を読み取ることに長けた魚住の目を通して見る姫川玲子が、とても新鮮だった。直感と行動力で突き進む姫川と、人に寄り添い、その心を丁寧に読み取る魚住。まったくタイプの違う二人が互いを認め、刺激を受け、補い合っていく関係がいい。
これまでの出来事によって、どこか以前の勢いを失いかけていたように感じた姫川。しかし魚住との出会いによって、自分自身と向き合い、再び前へ進み始めたように見えた。
この二人なら、これからどんな姫川班になっていくのだろう。
そして、また思い切り“暴れる姫川”が見られそうな予感。
次作がますます楽しみになった。 -
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僕は「ドルチェ」に登場する魚住は「嫌い」で、「ドンナビアンカ」に登場する魚住は毒気の無い、物足りない人物に見えていた。
今作「マリスアングル」については、姫川と魚住の邂逅と謳われているが、実際、魚住のキャラクターが姫川に及ばない、せめて菊田や日下、井岡に次ぐ程度の登場人物、合流になるだろうと捉えていた。
しかし、まさか魚住を用いる事によってこんなに劇的に作品の雰囲気が変わるなんて。今作に登場する「魚住」は正しく僕の期待した通りの役回りであり、だからこそ彼女が主人公の二つの作品はとても残念だし、三作目を是非とも現在の時間軸で発表して欲しいと思う。
事件は男性の監禁、殺人事件であり、とある家から発見された身元不明の死体と同時期に病院に運び込まれた交通事故にあった重体患者について姫川班が捜査する事になっている。
姫川が武見といつのまにか深い仲になっている事に驚いたが、武見は相変わらず飄々としており、いまだにつかみどころがない様に見える。
今作は登場人物の読ませ方がとても上手で、姫川、魚住それぞれの役回りがとてもわかりやすく割り振られている。また、脇役の使い方も上手で、菊田、日下や小幡、井岡は勿論の事、若い初登場の警察官達も姫川魚住との関わりが読み取り安くなっている。今作の犯人に比べれば可愛いものだが、ガンテツがわざわざ魚住に忠告する為に現れたのも印象的だ。井岡とガンテツはある種のスパイスになっていて、特に井岡は毎回どこで登場するのかが楽しみになってしまっている(笑)今回も活躍はしており、もう少し評価されてもいいのになぁと思う(笑)
魚住が姫川班に入った事で殺伐とした今までの作品よりも少しマイルドになった印象。姫川が魚住の言葉を受けて自分を許し、幸せになるストーリーもあるかと思うし、更なる逆境に向かう可能性もある。
魚住が犯人に向き合う場面は実物だが、一方で今回の黒幕的な嫌な人物と相対したらどの様にするのか見てみたい。
完全に玲子と久江は対になる形で描かれていて、それぞれの長所、短所の組み合わせが見事に調和している。今後もシリーズが楽しみである。 -
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誉田さんのホラーではない純粋な青春ストーリー。『疾風ガール』の続編だが、前作が自殺をテーマにしたミステリー風だったが、今回はコミカルな場面もあり、青春感動編のような趣き。
主人公の柏木夏美は19歳で、歌手デビューを控えている。親の問題もあり、自活しているヤンキー風な女の子。酒やタバコの場面も多く、未成年であることを忘れてしまいそうになる。デビュー作も経営陣と大激論で自分の意見を通してしまう。
そこに現れた、シンガーソングライターで有名な二世タレントのルイ。育ちも音楽も違い、真向からルイに反発する夏美だが、突然出てきた夏美の行方不明の父親。父親の借金を前借りの条件でルイと組むことになった夏美。色々なトラブルを乗り越え、経験を積み信頼しあう二人。タイトルの意味はこの二人の関係だった。あっという間の期間に、超一流のバックバンドを従え、武道館公演まで上り詰めてしまった。徐々に認め合う二人の関係が丹念に描かれている。
挟み込まれる夏美の父親とのエピソード。借金取りに殺されるか、自殺するかと思われた父親が、最後はクスッと笑わせてくれる。 -
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葛飾区のマンションで起きた女子大生殺害事件。姫川班が捜査に加わるが、浮上した容疑者はすでに別件で逮捕されていた。一方、勝俣は独自の動きを見せる。一見無関係に思える物語が交錯し、事件は思いもよらない方向へと転がり始める。
まさか、こんなスケールの物語になるとは思わなかった。
一つの殺人事件を追っていたはずなのに、真相へ近づくほど、その向こうにさらに大きな世界が見えてくる。姫川玲子シリーズそのものの世界が、一気に広がったように感じた。
それなのに、読み終えて胸に残ったのは、その壮大さではない。
何とも悲しくて、切ない物語だった。
真相が分かるにつれ、同時に「どうにもならないこと」まで分かっていく。
大切な人を救いたい。ただそれだけだったはずなのに、どれだけ願い、行動しても届かない。そしていつしか、自分には誰も味方がいないと思うほど孤独になってしまう。
何をしても解決には向かわない。それでも、何かをせずにはいられない。
その思いを知るほど、真相は重く、やるせないものになっていった。
そして本作では、「加害者」と「被害者」という境界さえ、そう簡単には割り切れない。傷つけられた人間が、その傷を抱えてどう生きていくのか。その選択の違いまで考えさせられた。
読み終えて改めて、『ノーマンズランド』というタイトルが胸に残る。
どれほど手を伸ばしても届かない場所。
誰にも助けてもらえないと思い、自分の居場所さえ見失ってしまう場所。
人と人の間にも、人の心の中にも、「ノーマンズランド」は存在するのかもしれない。
今回はガンテツこと勝俣の人物像もさらに掘り下げられる。それでも、ガンテツはガンテツ。その一筋縄ではいかない存在感は変わらない。
新しく上司となった日下との関係もいい。玲子を部下に持ち、今泉の苦労を実感する姿には、重い物語の中で思わずニヤリ。新たに登場した検事・武見諒太も、この先が気になる存在だ。
そして、玲子。
過去の傷を抱え、林の件を引きずりながらも、周囲に支えられて再び立ち上がる。やはり玲子には、傷つきながらも立ち向かっていく姿が似合う。一度決意したら、一歩も引かない。
今回改めて思った。
玲子は被害者を救おうとするとき、その痛みに自分自身を重ねているのではないか。
救われなかった過去の自分を重ねながら、目の前の誰かに手を伸ばす。誰かを救おうとすることが、同時に玲子自身が再び立ち上がることにもなっているように感じた。
シリーズ開始当初は「姫川玲子を描く物語」だった。
それが本作では、「姫川玲子が生きていく世界を描く物語」へと大きく広がったように感じる。
その世界で玲子がこれからどう生きていくのか――。
その生き様を、さらに追っていきたい。 -
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『インビジブルレイン』を経て池袋署へ異動した姫川玲子。現在の事件から若き日の姿まで、『ブルーマーダー』前後の時間をつなぎながら、さまざまな玲子の貌を描く全8編の連作短編集。
第2シーズンまで来て、ようやくこのシリーズならではの楽しみ方が分かってきた気がする。
長編で濃密な物語に浸り、短編集で少しひと息つきながら人物や物語の隙間を味わい、そして次のシーズンへの期待を高めていく。この流れが実に楽しい。
中でも、若き日の玲子を描いた「彼女のいたカフェ」はどこかほっこりさせられ、「落としの玲子」では、今泉管理官をやり込めてしまう玲子がなんとも面白い。一方、「夢の中」「闇の色」は、長編になってもおかしくないほど内容が濃く、短編集だからといって満足感が薄れることはなかった。
『シンメトリー』でも感じたが、長編に盛り込めばテンポを損ねそうな人物の日常や過去、事件の余白を、短編だからこそじっくり味わえる。そうした物語が加わることで、シリーズの世界が少しずつ厚みを増していくのが嬉しい。
さらに、ここから先へつながっていきそうな気配も随所に感じられ、ひと区切りついたはずなのに、気持ちはもう次のシーズンへ。
長編が物語を前へ進め、短編集がその世界を横へ広げていく。そんな読み方ができるのも、このシリーズの大きな楽しみになってきた。 -
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姫川玲子、勝俣健作、倉田修二、葉山則之――それぞれが関わる、一見無関係な事件。別々に見えていた物語が少しずつ結びつき、やがて一つの大きな輪郭を浮かび上がらせていく。
面白かった。勝俣、倉田、葉山が違和感なく主役級に物語を背負えるところに、このシリーズの登場人物の厚みを改めて感じた。
勝俣はたっぷり出番があり、その存在感を存分に味わえる。姫川玲子を嫌っているようでいて、完全に彼女を意識し、対抗している。その様子を見ていると、むしろ好きなのではと思ってしまうほどで、この二人の関係性も面白い。
倉田は登場こそ短いものの強烈な印象を残し、個人的には『シンメトリー』のとき以上に興味を持った。葉山も、これから本編でどう成長し、どんな活躍を見せるのか楽しみになった。
そして不思議なのは、これだけ周囲の人物が濃く活躍しているのに、姫川玲子が前面にいないことを寂しく感じることだ。それだけ玲子というキャラクターの存在が強い。スピンオフでも十分に濃厚で重厚。それでもやはり、姫川玲子シリーズなのだと思わされる。
タイトルの「感染遊戯」とは、正義そのものが感染していくことなのだと感じた。情報や印象の与え方ひとつで誰かの正義感を刺激し、自ら手を下さず、その人自身に「裁くべきだ」と思わせる。何より怖いのは、悪意ではなく正義感が利用されること。自分では正しいことをしているつもりだからこそ、その感染には気づきにくい。
復讐したいという感情そのものまで悪だとは思えない。けれど、復讐という行為を正義と呼ぶこともできない。憎んでいる相手と、知らず知らずのうちに同じことをしてしまう。そんな人間の皮肉まで含めて、「何が正義なのか」を考えさせられた。
『シンメトリー』のような短編集にせよ、『感染遊戯』のようなスピンオフにせよ、本編とは違う角度から人物や世界を楽しめる。その振れ幅こそ、このシリーズのエンターテインメント性なのだと思う。
姫川玲子シリーズの懐の深さと、正義が凶器にもなり得る怖さ。その両方を堪能できる一冊だった。 -
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暴力団員の殺害事件を追う姫川班に、「犯人は柳井健斗」という情報がもたらされる。ところが警察上層部から下されたのは、その名が捜査線上に浮かんでも追及してはならないという不可解な指示。組織の思惑が交錯する中、姫川玲子は一人で事件を追い始める。
これまで姫川班の仲間とともに捜査してきた玲子が、今回は誰にも頼れず単独で動いていく。そこで浮かび上がるのは、一人で動く心細さと、これまで当たり前のようにそばにいた仲間の存在の大きさだった。
一人で強く生きてきた玲子だからこそ、仲間から離れたことで、自分の判断が自分だけでは済まず、仲間にも影響を及ぼすことを強く感じたのではないかと思う。組織を背負う以上、責任は一人だけのものではない。信念を貫こうとすればするほど、その信念がかえって行動の足枷になることもある。
さらに、ある人物との出会いによって、「警察官としての自分」と「素の自分」との間でも揺れる玲子。けれど、それは彼女にもどうすることもできなかったのだと思う。刑事としての信念も、一人の人間として抱いた感情も、どちらかが偽物なのではない。どちらも玲子自身なのだから。
そして、ある場面で語られる組織についての言葉にも胸が熱くなった。同じ形のまま永続することが大切なのではなく、新しいものを取り込みながら、それぞれが地に足をつけて踏ん張り、支えていく。その言葉は、組織というものの強さと脆さを同時に突きつけてくるようだった。
人と人との歯車が噛み合えば、組織は強くなる。けれど、一つ歯車が外れれば、その強さは思っている以上に脆く崩れてしまう。
組織の中で生きる個人と、その一人ひとりによって支えられる組織。その関係を強く感じた物語だった。
人はその中で迷い、傷つき、ときに見えない涙を流しながら、それでも歯を食いしばって前を向く。
読み終えたあと、『インビジブルレイン』というタイトルが静かに胸へ残った。 -
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ベースになった実際の事件についてはうっすら知っています。
「冷たい熱帯魚」は観てます。
「胸くそ悪いのわかってるから最初から読まない」と悪評高いそうなので、そう聞くとつい手に取ってしまう。
私には合っていて一気に読み終えました。
実話ベースだけあって全てが解決するわけではなく、スッキリしない結末ではありますが、それがある意味ホラーとしては質が高く感じます。
ジャンルとしてはホラーと言うよりミステリーだと思うのですが、本書の、「解決はせず最後まで嫌な気持ちが残る」というのはある意味ホラーとしては最強です。
ホラーはもともと、「解決して対決する段になると失速する」という宿命を帯びていますが、本書のようにミステリの体裁を取りつつも解決しきらないし対決もさほどないと、最後までゾワっと怖いんですよね。
だから私の中では本書はホラー小説で、かつ、★5です。
オススメはしません。