Posted by ブクログ
2022年04月24日
先に読んだ『ノワール』の姫川視点の方『ルージュ』です。あちらが沖縄の沖縄問題に焦点を当てている一方、こちらは家族惨殺事件をメインに話が進みます。ある人物の殺人事件を支点に二つの事件が交差します。
警察に限ったことではないんでしょうが、縄張り意識の強いコミュニティは伏魔殿。正論だけを言っていても道は...続きを読むないし、まっ黒に染まってしまっては警察組織にいる意味がない。ガンテツという人、ほんとに嫌なヤツですが、必要悪というのか、直接絡まなければ使えるヤツなのかもですね。絡んでしまっては地獄。
そして、海外の人の目にうつる(典型的な)日本人像というのも改めて考えました。危機感のない平和ボケ、みんなと同じことをしていれば安心。戦後教育の良くも悪くもの賜物で自虐意識が刷り込まれていて、相手に強く出られない部分。狭い住宅に住み、残業も厭わず休日も惜しんでせっせと働く。そんな姿はもしかしたら他国の人には気持ち悪く取られることがあるのでしょうね。
昔、台湾の知人に教えてもらったたとえがあって、「目が合うとにこっとするのが日本人、目が合ってもにこりとしないのが韓国人、ずっとにこにこしてるのが台湾人」だそうです。そういうものかなぁと当時は思ったものですが。教育関係の軌道修正はきっと無理でしょうが、歴史認識も含めてなんとかしてもらいたいなぁと思います。
事件は解決しますが、悲しい結末でもあります。ラストには次へとつながるシーンもあり、もう気になって仕方ありません。