誉田哲也のレビュー一覧
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うーん。これは、どこまでがネタバレになってしまうのか、微妙なところではあるけど、やはり何も知らずにまっさらな状態で本作を読んだ人に配慮したレビューがいいのかな。
本作は、誉田哲也が擁する二つの警察小説シリーズ、〈ジウサーガ〉と〈姫川玲子シリーズ〉がリンクし合った二作品の、ジウサーガの方の一作である。
扱っている事件は別々だし、リンクといってもお互いにあまり影響せず、それぞれ単独で読んでも楽しめる。
ちなみに私はどちらのシリーズのファンでもあるのだが…。
もうさぁ!「歌舞伎町セブン」カッコよすぎるよ!!笑 最後の献杯のシーン、本当に涙出たよ。
ダークヒーローはこうでないと。
確かに、悲しい事 -
Posted by ブクログ
冒頭からエグいシーンがあって、私は朝の通勤電車でこの本を読み始めたので参った。
〈ジウサーガ〉の歌舞伎町セブンシリーズ2作目。
前作で謎の人物だったメンバーの正体が明かされていて、一人は予想通りだったがもう一人はびっくりした!!あなただったのね。
今作は7年前の、ジウが起こした"歌舞伎町封鎖事件"からジウに憧れているという「ダムド」が、本当にエグい殺し方で次々と歌舞伎町の人々を血だるまにし始末していく。
クスリを使ってジウのある体質まで再現しようとしていて、その狂気が恐ろしかった。
一方で新宿署の東警部補の命も複数のグループに狙われる事態が起こり、「新世界秩序」の生き残 -
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ネタバレ圧倒的、徹底的に守る「オサメ」を求道することもひとつの剣道。
和の象徴香織にノーマッチルールでぶつかった戦勝国の論理を持つ米国人ジェフが完全にオサメられたのちプロポーズするという「オサメた後」のストーリーで人間の不思議で素敵な感覚を味わえた。
あと一本でも何か喰らえば、自分は負けになってしまう。何かないのか、何かないのか──。 何もない。それが、ジェフの出した結論だった。
「……しかし、それを許してきたのは、誰でスカ。悪いのは日本、日本の軍隊、そういう宣伝の、スタートは、アメリカかもしれない。しかし、それを受け入れてきたのは、誰でスカ……日本人です。主張があるなら、それをするのがいい -
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ジウ三部作が新装版で出たと知り、これを機に再読。
その犯行の残酷さ、凄惨さと、ジウの無垢さや孤独などが矛盾しないということにまず驚いた。
黒幕は別にいるということも関係しているとは思うが、やはりジウのバックグラウンドがあまりにも悲惨というか、何とも言えない哀しさがある。
でも、決して犯罪を犯してはいけないのだよね。
どんな理由があっても、人を傷つけたり殺したり、存在を脅かしてはいけない。
ジウの哀しさと警察側の正義、具体的には東と美咲の地道な捜査と正義感のコントラストが強くてくらくらしてしまう。
そこに伊崎基子という、これもまたジウに似た背景を持つ孤独な人間の人生も交錯してきて、これは警 -
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誉田哲也『歌舞伎町ゲノム』中公文庫。
〈ジウ〉サーガの第9弾。ジロウ、市村、杏奈、シン、陣内のそれぞれの視点で描かれる5編の連作形式の短編で、現代の必殺仕置人、歌舞伎町セブンの活躍を描く。
今回も法の網をかいくぐり、悪行の限りを尽くす悪党どもに歌舞伎町セブンが胸のすくような正義の鉄槌を下す。
短編であるがためか、少々物足りない気がする。出来れば長編で歌舞伎町セブンの活躍とスリリングな物語を味わいたいものだ。
『兼任御法度』。ジロウの視点で描かれる短編。三人組の大学のラグビー部OBによる極悪非道なレイプ事件。被害者の女性は自殺し、思い詰めた婚約者の男は歌舞伎町セブンに復讐を依頼する。
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これはいい。
久々に一撃で読み続けてしまった。
誉田さんの作品は、テンポが良くキャラ映えが強いので、頭にすんなりと入って読みやすいイメージがあり、やや漫画を読んでる感覚に近いと感じる。そのせいか、読後感は「うん、面白かったな」くらいのさらりとした印象しかなかった。
本作品もそういう意味では同様だが、内容がいつもの現実的の事件解決とは異なり、まさかのファンタジー、ある意味ではホラーといった珍しい感じ。
ストーリーの進み方がとても良く、続きも気になるし、恒例のYouTube巡りも就寝時間もすっ飛ばして、読み耽ってしまいました。
改めて考えると、そんなに度肝を抜かれるほど凄いストーリーではな -
購入済み
今回も👍
「警官の貌」に続くアンソロジー集。
前作がとても良かったので、早速こちらも読んでみましたが、さすが期待を裏切りませんでした。
今野敏氏:好きなシリーズの短編
萩尾警部補もの、特に短篇は人情味アッ
プで◎
五十嵐貴久氏:私にとってはお初の作家さん。
途中、あまりにやるせない話で読む
のが辛くなりましたが、終わってみ
れば感動
三羽省吾氏:こちらもお初でしたが、後味の良い、
心暖まる話。
主人公の佐田も良かったですが、脇役
の那智、いい味出してました。
誉田哲也氏:正直、「裏切り」 -
ネタバレ 購入済み
GOOD👍
もともとは、今野敏さんの「常習犯」が読みたくて購入したのですが、他まったくタイプの違う3作品も一度に読めて、すごく得した気分です。
1作目:今野敏氏の萩尾警部補作品、人情話です
2作目:誉田哲也氏作品、私的にイヤミスです
3作目:福田和代氏作品、最近の世相を反映した話で外国人犯罪を取り上げています
4作目:貫井徳郎氏作品、裁判員制度について考えさせられる話です
短篇とは言え力作揃いでおススメの一冊です。
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Posted by ブクログ
いよいよ本題に切り込み始めた感のある2作目。
「一般社会と超能力者の共存」を実現させるために越えなければいけないハードル。正面から取り組もうとする増山と裏で動く高鍋。2人のスタンスが明示された。(高鍋との力量差は歴然。対峙すべき時は必ず来ようが、増山はそれをどう克服するのか)
さらに勢力拡大に超能力を不正利用しようと企む国家レベルの陰謀の存在。(ない方がおかしいよね。個人レベルでは如何ともし難い問題だが…)
そして増山の妻子、特にアリスの能力。(今後、こちらに力点が置かれることになると思う)
緊迫の度合いを増しつつ次作へとつながるはず。ああ待ち遠しい!