東畑開人のレビュー一覧

  • 精神分析的サポーティブセラピー(POST)入門

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    とても良かった。
    1年くらい前にに山崎さんの「精神分析の歩き方」を読んで分からなかった「力動的心理療法と精神分析的心理療法の変遷」についてや、「精神分析的心理療法を行うにしても、自我心理学の知識も大事だよね」と言ってくれている感じが、そうだよねと。いろいろとすっきりした。

    本の内容としては、
    「ユーザーが現実適応できるように、精神分析理論に基づいて、(心の奥の幽霊の声についてはとくに触れずに、でも治療者が心に留め置いて)ユーザーの自我を支持すべく対話をしてくれる心理療法」の本。

    そういう心理療法の実際の流れを2つのケースで書き記してくれて、その時治療者は何を心に留め置き、どう考え、持ちこた

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    2023年11月01日
  • ふつうの相談

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    タイトルはシンプルだし、エッセイ的な感じかしら?と軽い気持ちで読みはじめたら予想に反してバリバリ専門家向けの本(論文)。‥とは言え、本書の想定読者には「素人」も含まれているし、なんならわたし自身も家族として対人援助のお世話になったり、末端の介護職員として「ふつうの相談」を受ける経験もあり、読み応えのある一冊でした。本書出版記念のトークイベント‥行きたかったなあ。

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    2023年10月31日
  • ふつうの相談

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    公認心理師の資格ができ心理カウンセリングへの興味関心が強まっているなか、我が国の心理カウンセリング状況について、現場サイドでの率直な意見を述べている著者の最新刊。著者の最高傑作と私人は思っている「居るツラ」を理論的?に洗練させた書と思われた。「居るツラ」以降、著者の書作は迷走する。この著作で原点に戻ったと思われる。臨床と理念をつなぐ人は皆無だった中で、著者やその盟友の山崎氏は、今後の心理業界では期待が持てる逸材。今後の著作を期待したくなる一冊であった。

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    2023年10月20日
  • ふつうの相談

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    ケア概念を問い直す、秀逸な一冊。専門知に基づいて行われる専門的なケアだけがケアではない。本書で言う、世間知や現場知に裏打ちされた「ふつうの相談」にこそ、ケアの本質があると私は思う。臨床現場で奮闘する人以外でも、自身のフィールドに当てはめて読むべき一冊。

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    2023年10月16日
  • ふつうの相談

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    我々プライマリケア医も、ふつうの相談が多く行なっている。どの病気にも専門家がおり、どこか引け目を感じていたが、精錬の度合いの違いと考えると合点がいった。我々の診療は合金ではなく原石なのだ。
    居るのはつらいよ から、一緒に思考を深めさせていただいた感じがする。

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    2023年10月05日
  • ふつうの相談

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    『居るのはつらいよ』で「ケア」と「セラピー」の違いに目を開かれたのだけど、本書で本格的に「どこかにいる理想のセラピスト(わたしの場合、河合隼雄)」は、一種のファンタジーみたいなものなんだなと断ち切れた気がする。

    専門家ではないので、きれいに説明はできないけど、純粋に学派的な臨床心理学を追究している人から見たら、現場に即して形を変えたり、「無意識」や「深層心理」に触れることなく、日常的なやりとりや現実的なアドバイスで困り事を解決に導こうとするやり方は、邪道だと思われがちだ。
    でも、そうではない、というのが本書の主張。
    真ん中にあるのはあくまでも「ふつうの相談」で、そこには専門家だけでなく、友人

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    2023年09月23日
  • 精神分析的サポーティブセラピー(POST)入門

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    良書。
    精神分析を専門に勉強してきたわけではないため、臨床的な介入の中で精神分析を行うことはまずないが、それでも事例の見立てに精神分析的な観点を取り入れることがしばしばあり、そのやり方を洗練させるためのヒントが本書にはあったように思う。これまで真似事でやっていた見立てを、どの部分に着目して精緻化していく必要があるのか勉強になった。

    たしかに精神分析的アプローチとは異なる部分も多く、実践のしやすさが一つのポイントになっているが、今後、精神分析的アプローチへと切り替える場合のことを考えると、自己開示の扱い方や中立性についての問題をどれくらい意識して実践できるかがその後の展開の鍵となるだろうし、そ

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    2023年09月19日
  • 日本のありふれた心理療法

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    ヘルス・ケア・システムの話は勉強になった。
    ケアしていると、だんだんどこに向かっているのかわからなくなって来るので、俯瞰できてよかった。民間セクター、民族セクター、専門セクターが意外とこういう勢力図なんだっていうのは正直驚きだった。
    もう一度読み直したい本。

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    2023年09月08日
  • 日本のありふれた心理療法

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    ありふれた心理療法について、臨床心理学および心理臨床学の歴史と医療人類学と筆者の事例を軸にしながら語られたもの。日々の臨床を真摯に成していくことは大前提だけれど、臨床の知のありふれた一粒を抽出すべく、ありふれた事例研究を書こうと思わせてくれる。妥協と交渉により合金の心理療法しか提供できないけれど、そこには個別性の極みが確かにあり、そこから『心理学すること』と『関係すること』を丁寧に紡ぐことで普遍的な物語となる。その時の自分に可能な範囲で精度の高いものをまとめる。できればどこかでおずおずと発表する。そう決意をさせてくれる一冊。私の師匠も、年に一度は事例をまとめて発表すると、それをご自身に課し今も

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    2023年06月06日
  • 聞く技術 聞いてもらう技術

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    本書は、コミュニケーションのための本ではなく、心の言葉を聞くためのカウセリングのための本です。

    聞く技術ではなく、聞いてもらう技術とは、人に聞いてもらえないから。
    ちゃんと聞いてという訴えを「聞く」のは難しい。
    心の奥底にふれるよりも、懸命に訴えられていることをそのまま受け取るほうがずっと難しい
    「聞く」が不全に陥るとき、聞かなければならないとおもっている。それなのに、心がせばまり、耳が塞がれて、聞くことができなくなる。
    それは、「聞いてもらう」からはじめよう。

    気になったものは、以下です。

    ■聞くための前提とは

    ・どこで話そうか、どれくら時間があるといいのか。まずは時間と場所を決めて

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    2026年01月03日
  • 認知行動療法の哲学 ストア派と哲学的治療の系譜

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    超いい本
    っていうか認知行動療法ハマってる人の中でそもそも中高生の時からストア派好きな人沢山いるとおもうもん

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    2022年11月18日
  • 認知行動療法の哲学 ストア派と哲学的治療の系譜

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    面白かった。ストア派入門としてもいいのでは。
    ストア派に、認知の流れも行動の流れもあって、第二世代までは自覚的に自分を西洋哲学ないしストア派の流れの延長に置いていたとのこと。

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    2022年08月23日
  • 悲しみとともにどう生きるか

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    個人的に興味深い作者名が並んでいたこともあり、本屋で衝動買いしたもの。ただひたすら真摯に、悲しみと向き合ったからこそ到達し得た心境が、ことばで生きている諸氏によって語り起こされる内容は圧巻で、それぞれに異なった対峙方法にも関わらず、通底する温もりは十分に享受できる。心のどこかに本書の存在を認識しているだけで、ずいぶん楽に感じられる、そんな座右の一冊。

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    2021年01月12日
  • コロナ後の世界を語る 現代の知性たちの視線

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    ネタバレ

    1人めの養老先生の「私の人生は「不要不急」なのか?」という問いでガツンと来る。数に限りがある人工呼吸器を若い患者、高齢の患者どちらに使うかで、現実にトロッコ問題が発生しているとは。「トライアル・アンド・エラー」ではなく「トライ・アンド・エラー」という表現は相変わらず気になる。伊藤隆敏さんのページにもあるように現金給付は一律じゃなくてもよかったんじゃないかと思う。ブレイディみかこさんのページにあるように普段質問しなかった子がオンラインだと質問するようになったみたいな予想していなかった変化は今後も起こるだろう。

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    2020年09月22日
  • カウンセリングとは何か 変化するということ

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    カウンセリングで話を聞いてもらうことで、何が変わるのだろうと思っていた。
    読み終えて、カウンセリングは生活を立て直すためだけのものではなく、心が自由になるための場でもあるのだとわかった。

    今まで避けてきた他者との関係や、見ないようにしてきた自分の欲望に触れること。自分でも知らなかった自分に出会い、「自分に驚く」こと。そこには一人ではなかなかたどり着けないと感じる。

    心の病は特別なものではなく、誰にでも起こりうる。
    そしてその時に、対処するための技術があるということが知れてよかった。

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    2026年06月24日
  • 昼間のスターゲイザー 占いと心理学の対話

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    占いと心理学って、本の帯にもある通りまさに”混ぜるな危険”な組み合わせだと思ってた。
    ​占い師の鏡リュウジさんと臨床心理士の東畑開人さんの、それぞれの専門的な話も出てくるけれど、対話形式なので前提知識がなくてもスラスラ読める。お2人の語りに耳を傾けながら、「ああ、そういうことか」と一歩ずつ理解を深めていく感覚が心地良かった。
    ​占いと心理学の「見えないものを見る」アプローチを『昼間のスターゲイザー』と表現するタイトルのセンスもお洒落で好き。

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    2026年06月23日
  • 心はどこへ消えた?

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    これは他の人からしたらどうでもよい話だが、わたしの中の小さな物語。大学3年生の終わり頃、コロナが流行った。授業はオンラインになり、生活は不規則。衛生面が不安な飲食店でアルバイトをし、趣味は奪われた。卒業制作もできず、就職したかった業界はコロナ禍で存続が危ぶまれた。将来に希望なんてひとつももてなくて、精神を病んだ。当然の話。
    その頃にこの本がそばにあれば良かったのにな、と思った。このコラムをリアルタイムで読んでいたとしたら、もう少し大丈夫だったのかもしれないな、と。

    しかしながら、それから数年経った今この本を手に取ったことにより、過去の傷をやさしくさすってもらえたような気がした。この本に出会え

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    2026年06月23日
  • カウンセリングとは何か 変化するということ

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    著者は真面目で賢く、誠実でロマンティストな人なのだろうなと感じた。
    時折り文章が繰り返しになるが、基本読みやすく「カウンセリング」というものに対して抱いていた疑問や印象を全て語ってくれていた。

    カナタさんの筋トレと両親とのオンライン面接の話と、ハルカさんの長い冒険の話が印象的だった。
    臨床にものすごく興味が湧く。
    でも実際は臨床を続けていくことって本当に大変だろうなと思う…。
    自分を律し続けること、誠実であり続けることは、ある種の人間には可能なのか?
    というか、著者のように知識と誠実性と自立性があるカウンセラーに会ったことがない(人として善良な人はいたが)
    ああでもカウンセラーでない人では一

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    2026年06月21日
  • カウンセリングとは何か 変化するということ

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    カウンセリングについてミクロとマクロの視点から把握する一助になった。
    カウンセラーである筆者に対して「あなた(が食べていける)ために」通っていると語った女性の件は以前の著書でも触れられていたが、その細部が描かれていて興味深かった。

    トリアージ的な視点や、費用や期間の問題などはユーザー側からある程度理解したうえで利活用されればと思うが、実際の窮地に陥った際にどういった判断が行えるかは心もとなく、有効性や必要性はカウンセリングの「胡散臭さ」のようなものがある程度まとわりつくのも避けられなさそう。 

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    2026年06月20日
  • カウンセリングとは何か 変化するということ

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    カウンセリングという言葉は以前から知っており、どのようなことをするのかも何となく理解しているつもりだった。しかし、この本を読んで、カウンセリングの奥深さや難しさを改めて知ることができた。

    なかでも印象に残ったのは、「冒険」のカウンセリングについてである。一つのカウンセリングが10年、あるいはそれ以上続く場合もあると知り、とても驚いた。短期間で解決できる問題ではないとは思っていたものの、その年月の長さは想像以上だった。

    さらに、さまざまな悩みや苦しみを聞き続ける中で、カウンセラー自身の心は疲れたり、つらくなったりしないのだろうかと心配になった。しかし、相手に寄り添いながらも自分を見失わず、支

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    2026年06月14日