東畑開人のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ありふれた心理療法について、臨床心理学および心理臨床学の歴史と医療人類学と筆者の事例を軸にしながら語られたもの。日々の臨床を真摯に成していくことは大前提だけれど、臨床の知のありふれた一粒を抽出すべく、ありふれた事例研究を書こうと思わせてくれる。妥協と交渉により合金の心理療法しか提供できないけれど、そこには個別性の極みが確かにあり、そこから『心理学すること』と『関係すること』を丁寧に紡ぐことで普遍的な物語となる。その時の自分に可能な範囲で精度の高いものをまとめる。できればどこかでおずおずと発表する。そう決意をさせてくれる一冊。私の師匠も、年に一度は事例をまとめて発表すると、それをご自身に課し今も
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Posted by ブクログ
本書は、コミュニケーションのための本ではなく、心の言葉を聞くためのカウセリングのための本です。
聞く技術ではなく、聞いてもらう技術とは、人に聞いてもらえないから。
ちゃんと聞いてという訴えを「聞く」のは難しい。
心の奥底にふれるよりも、懸命に訴えられていることをそのまま受け取るほうがずっと難しい
「聞く」が不全に陥るとき、聞かなければならないとおもっている。それなのに、心がせばまり、耳が塞がれて、聞くことができなくなる。
それは、「聞いてもらう」からはじめよう。
気になったものは、以下です。
■聞くための前提とは
・どこで話そうか、どれくら時間があるといいのか。まずは時間と場所を決めて -
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Posted by ブクログ
とても勉強になりました。
今も周りでトラブルはあるけれど、「あ、この人は今、PSの状態なんだな」と思えたし、そうか、外からケアするやり方もあるのか…、と思えるところもあり…。
わたしは心理カウンセラーの資格は持っているけれど実務経験は無くて、日々の人間関係にしか活かせてないと思いつつ、日々の人間関係にすら活かせてないのでは…?と思って以前から気になっていたこの本を購入しました。
難しい言葉も出てくるし、知らない精神分析家の名前も出てきたけれど、本当に勉強になった…。
子どものことや親の心理……
人とのこころに寄り添い、向き合おうとする心理士さんたちって、本当にすごいなぁ…と思います。 -
Posted by ブクログ
著者の本は何冊か積ん読になってて,初めて読んだ。20年の臨床家としての集大成。臨床心理学+医療人類学という独自の視点が為せる業ですね。
作戦会議としてのカウンセリングと冒険としてのカウンセリングという大枠の中で,自己-心-世界モデルに基づいた介入の技法としてのカウンセリングが整理される。
科学的変化と文学的変化。
カウンセリングは心の非常事態を扱う技法。
個人の物語。
カウンセリングとは何であったのか。
→過去化すること。
話すことは離すこと。
心の時代から生存の時代へ。確かに時代は変わったけど,そういう捉えかたはできてなかった。全ては繋がってるなぁ。ここでも問題は近代なのだ。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ人の心理に影響を及ぼすといったらおこがましいが、人の心にポジティブな影響を及ぼせるヒントがあるのではないかと思って読んだ。
私の動機のようにそもそも悩みを聞くということは非カウンセラーもやっている中で、カウンセリングは何が違うのか。あるいは宗教やスピリチュアルとは何が違うのかについて書かれている。前者は友人や家族等に頼れない非常時の人が活用する、後者はその原因を外部の見えない力等に求めるのではなく自分の内部(心)に求めるということ。
その上でカウンセリングには2つのアプローチ方法(生存を重視する作戦会議と生存は保証されているもののその代償として心を犠牲にしている人向けに行う冒険としてのカウ -
Posted by ブクログ
ネタバレ勇気を待つ。それまでできることをし続ける。
ずっと同じ悩みが続いている。
あともう少しが踏み出せない。というか、踏み出していいのかわからない。
でも突然その勇気が湧いてくる。突然何かが変わったりして湧く時もあれば、自分でタネを蒔いていたものが突然大きくなったり。
勇気を待つのはとても大変だ。
いつその勇気がおこるかわからない。明日かもしれないし、5年後かもしれない。
それを待ってくれる人がいることはとても幸福だと思う。
幸福には三つの状態があることや、心は馬とジョッキーにわかれていること、今まで漠然と捉えていた心を分けることで少しわかることができた気がする。
自分も勇気を待ってみようと