東畑開人のレビュー一覧

  • 聞く技術 聞いてもらう技術

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    聴くと聞く、孤立と孤独‥一見同じような意味に見えるが、問われると違いが正確に答えられない。説明されて読んでみてなるほど!と思うが、中々実践してみようと思っても難しいと思った。
     自分の中の悪しき者が増殖してそれらに支配されない様に、心の中の空きスペースに小さな希望とつながりが持てるようにしておきたいと思える本でした。

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    2024年10月17日
  • 野の医者は笑う 心の治療とは何か?

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    ネタバレ

    スピリチュアル系が流行る理由として、マーケティング戦略の側面が大きいという話が現実的で納得できた。東畑さんが色々と試していく姿も面白おかしく書かれており読みやすく、新しい世界を知ることができた。

    治癒とは何か。軽躁状態を目指すのか、それとも弱さや苦しみの抱え方を探していくのか。治癒とは何か。
    臨床心理学とスピリチュアルは何が違うのか。完全に切り離そうすることは乱暴なのかもしれない。揺れる状態を見つめ抱えること。問い続けること。この本はその精神を教えてくれたように思う。

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    2024年09月04日
  • 野の医者は笑う 心の治療とは何か?

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    沖縄の野の医者を巡る旅は、作者のコミカルな文章と相まってとても面白かったです。読んだ後、沖縄がより好きになりました。
    夢の中でもこの本を読んでいて、何故か涙が出そうになるという不思議体験をしました。

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    2024年08月29日
  • 野の医者は笑う 心の治療とは何か?

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    東畑さんといえば、先ごろ『聞く技術 聞いてもらう技術』がすごく売れた。
    気取らない語り口が印象的だった。

    本書は、その東畑さんが若かりし日の話。
    沖縄で職を失い、自分の拠って立つはずの臨床心理学との関係を捉えなおすために、沖縄のスピリチュアル世界に飛び込み、フィールドワークを敢行した、その記録である。

    たしかに、心という見えないものを癒すとは一体どういうことなんだろう。
    誰が癒されたと判定するのか。
    どうなったら治ったと判断できるのか。
    心理学にもなじみがない自分には、そこから謎だらけ。
    それをこの著者は、精神医学、臨床心理学といったアカデミズムの権威をもったものから、宗教、街中のスピリチ

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    2024年08月16日
  • ふつうの相談

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    東畑氏はこれまで、「日本のありふれた心理臨床」などを通じ、純粋な学問的実践からは程遠い、日本のリアルな心理臨床の肯定的な理解と評価を目指してきました。
    今回の一冊では、さらにそこから一歩踏み出して、私たちが一庶民として、また一社会人(援助職)として何気なく行なっている「ふつうの相談」にまで触れ、専門職としての実践との接点や差異について触れています。
    補遺の「中断十ヶ条」もいい味を出していて、これまでの東畑氏の著作と結びつけながら理解をすると、心理専門職のやることから、一庶民としてやっている「ふつうの相談」まで、「相談する」「話す」ということそのものへの理解へ繋がっていくように思えます。

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    2024年06月10日
  • 野の医者は笑う 心の治療とは何か?

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    野の医者(スピリチュアル的な)と精神科医(カウンセリングやセラピー)
    この対比的に沖縄での暮らしが描かれていく。

    冒頭に、この本を書く前と後では私は変わってしまった。という趣旨の事が書かれていた。
    変わろうとして変わるのか、変わっていくのか、変わってしまうのか。自分が変わるということはそれだけ多様であるし、選択的に変わるわけではない。ということは私の中に深く残った。

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    2024年04月25日
  • 悲しみとともにどう生きるか

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    いろんな視点から「悲しみ」について書かれており、とても良い本でした。
    大小あれど悲しみのない人生なんて存在しないと思います。そんな悲しみに寄り添ってくれる本でした。

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    2024年03月12日
  • 精神分析的サポーティブセラピー(POST)入門

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    プロセスの一端を知っている(担っているとは言えない)ので、
    客観的な感想を言えば、
    「わかりやすい」。

    私たちが抱いてきた違和感や傷つきや、
    疎外感や怒りも含めて、
    言語化しながらどこまでも論理的であろうとするところが、
    限りなく臨床的だと思う。

    一方で、
    精神分析にそこまでの葛藤を抱いていない臨床家には、
    わかりやすさが危うさにもなるのではないか。
    手軽に、深く思考できないことを自己肯定できる手段になる気がする。
    それは、
    実際にそういう臨床家を見てしまったからだ。

    でも私が感じたその感情ですら、
    権威主義との同一化になりうるのかもしれない。
    ここから一層、
    内省と客観視を深めたいと思

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    2024年03月01日
  • ふつうの相談

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    読み出してから、これは一般向けの本ではないのだと気がついた。心理療法に携わる人たちを読者に想定した、心理療法論の論文であった。それでも、東畑さんのこれまでの著作はどれも非常に興味深く、そうか!と思うところが多々あったので、素人にはわかりにくいところもあるだろうけど読んでみようという気になった。で、やはりおもしろかったし、何というか勉強になった。

    心理療法論と言えば、大学で教えられ書店に研究書が並ぶあれこれが思い浮かぶ。精神分析・ユング心理学・認知行動療法・人間性心理学などなど。著者は本書で、そうした「学派的心理療法」や一般に行われている折衷的な「現場的心理療法」と、そうした専門家の扉を叩く前

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    2024年02月17日
  • こころの支援と社会モデル トラウマインフォームドケア・組織変革・共同創造

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    東大で行われているTICPOC C-2コースの概略と講義である。講義と言っても、それぞれの文書はそれだけでも一冊になるようなエッセンスが詰まったものである。TICPOCというのはTICはトラウマインフォームドケア、CPは共同創造、OCは組織変革をつなげた語呂合わせ造語だそうだが、現在のメンタルヘルス領域は大きな変革の時期にあり、そのエッセンスを学べるものと考える。世界的な潮流だけでなく、我が国の実践に合わせたものとなっている。コースに参加して議論するのが更に良いのだろうが、本書を読むだけでも大きな学びにはなる。

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    2024年01月12日
  • 野の医者は笑う 心の治療とは何か?

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    文庫版で追加された部分だけ読むのももったいなく感じて、全編通して読みました。これは再読になるのかな。

    今年読んだばかりだったので新しい気づきはないかもしれない、と後ろ向きな気持ちで読み始めましたが、ぐいぐい引き込まれるおもしろさがあり、最後まで楽しく読みました。

    野の医者、臨床心理学、人の心の治療に携わるということ。それは生活に、人生に結びついていて、治療者もまた、たくましく生きていかなくてはならないということ。終盤の考察、展開がリアルで、東畑さんいいなぁ、と思いました。

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    2023年12月31日
  • ふつうの相談

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    ネタバレ

    本の中に「この論文は」と書いてあるとおり、論文チックで内容が難しい。
    ふつうの相談とは。
    「人と人がつながること。人が人を支えること。これが普通の相談の根源で響いている」
    普通の相談ややり取りによって相手が楽になったり何かしらのほっとすることがあればいいなあと思った。こういう何気ないやり取りっていつか詳細に調査されるんだろうか。

    ・この本は、専門家、メンタルヘルス・ケアに関心を持つ読者、一般市民に向けて、ふつうに相談したり相談に乗ったりすることが、心にとっていかなる治療的意味を持つのかを書いてある
    ・球体の臨床学。それは人と人とがつながること、人が人を支えることについての基礎学である。

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    2023年12月25日
  • こころの支援と社会モデル トラウマインフォームドケア・組織変革・共同創造

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    オムニバス形式で内容は若干まとまりを欠いているように思えるが、学びは多く、今後は個人のカウンセリングだけでなく、組織や社会を巻き込んで広い視点から臨床実践を考えて行く必要があるなと思った。価値に沿った実践ということで、セラピストの価値とクライエントの価値、セラピストの所属する組織の価値などは、それぞれどこまで擦り合わせていけるのだろうか。単に、雇う側と雇われる側の関係だと、そこまで意識されないのかもしれない。ただ、臨床をしていく上で、組織の制約を受けているなと感じることは多々ある。心理的安全性の話もあったが、こういった側面からの組織改革が個人的に興味を惹かれた。

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    2023年12月18日
  • ふつうの相談

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    初めて理解した。臨床心理士と公認心理師の違い。ベースが学派か臨床か、の違いかあ、なるほど。

    本書の内容はとても学術的で小難しい面も多々あるけれど、でもいちいち納得。いちいちわかる。自分の臨床経験にいちいち合致する。

    中井久夫の個人症候群の話とか、熟知性のなかで起こる治療とか、臨床現場にいる人なら感覚的に腑に落ちる話。

    受けている著者のセミナーの質問コーナーでも、まあとにかくいちいち「わかる〜」とつくづく思えた。この納得感が、実際に現場で対人援助をしている人たちに猛烈に受け入れられ、だから著者は人気があるのだろうな。この「わかってもらった感」、ここが彼のカウンセラーたる所以か。

    そして何

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    2023年11月03日
  • コロナ後の世界を語る 現代の知性たちの視線

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    コロナ禍の数年前、未来がわからない時に書かれた文章を一応社会が再び動き出した時に読む。そこには色々な気づきがあると思いました。

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    2023年10月04日
  • ふつうの相談

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    原石である、ふつうの相談0を精錬していくと、ふつうの相談Bが産出される。これは冶金スキームではなく、精錬スキームで捉えることに利点がある。さらに、そこから、ふつうの相談C、ふつうの相談Aが産出される。 こういう切り取り方を面白いね、と思ったですが、こんなまとめ方では面白さが伝えられないな、とも。

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    2023年09月26日
  • 野の医者は笑う 心の治療とは何か?

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    東畑さんは「若書き」の著書で今となっては不本意な点も多々あるとしていて、確かにそういう面はあるとは思うが名著と言わざるを得ない。沖縄の多分2010年代スピリチュアル界の記録としても貴重。あとがきの8年後の答え合わせにじーんとする。「居るのはつらいよ」の登場人物がたまに登場するのも嬉しい。シンイチさんのメッセージがこれまた胸アツ。

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    2023年09月11日
  • コロナ後の世界を語る 現代の知性たちの視線

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    現在2023年4月末。先日、まもなく新型コロナが5類になることが正式決定されたとニュースで流れた。
    この本に掲載されているインタビューや手記は2020年。コロナ禍がいよいよ始まり、おそらく世界中の誰もが、今まで非日常と思ってきたことを日常的なものとしなくてはならないという不安に覆われはじめてきた、そんな時期の発言だ。そのような意味では、更に数年後、コロナ禍を振り返るための格好の史料となりうると思った。
    この本の中で多くの識者たちが言及していたと思うが、人間にとって一番厄介なのは、人間の心の中に生じる差別、偏見、批判なのだ。どのような状況下にあっても生じるこの心の動きに、私たちはどのように打ち勝

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    2023年04月28日
  • 居るのはつらいよ ケアとセラピーについての覚書 1

    無料版購入済み

    臨床心理士としての現実が描かれていてとても興味深かった。原作者である東畑開人さんの他の著書も読んでみたくなった。

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    2022年09月30日
  • コロナ後の世界を語る 現代の知性たちの視線

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    第2弾の方が面白かったから、遡ってこの第1弾も。識者による未来予測だから、概ね似た内容になるのはむべなるかなで、『とんでもないな』って思うことは無い反面、そこまでインパクトの大きい論説には出合えなかったり。ただ、そんな中でも探検家・角幡さんの投稿はかなり移植で、だからこそ際立って面白く感じられた。コロナ突入のちょうどその時期、極地単独踏破を敢行していたなんて、まさにリアル浦島太郎。そんな状況に身を置かれていたとは。色んな意味で得難い体験。面白かったス。

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    2021年12月09日