東畑開人のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
「ミドル・エイジ」じゃなくて「中年」だろ!と思ったのは、河合隼雄の「中年クライシス」を知らなかった自分の勉強不足。
55歳になろうとする自分だが、一昔前と比較して年齢の意味合いが10歳ぐらい幼いのではと感じることが多いので、とても面白く、共感できる内容だった。
4人のインタビューにしても、中年の危機というだけでなく話自体が面白くて、人の歴史って大事だなと改めて思ったり、とりとめのないことを考えながら興味は広がるばかりだった。
20年後の「オールド・エイジ・ビギンズ」を待ちたいと思ったが、その時は75歳か…、本書の文庫化での追加あとがきを待つぐらいが関の山かも。
-
Posted by ブクログ
知は力なり、読書は知なり。読書は力なり。
読書体験は、決して味わえない他者の感情や思考や行動、社会との在り方をインプットしてくれる。現実に他者と会話しても分かりえないような領域を示唆してくる。生きる力となる。
色々な本がそうしてくれるけど、対談記録型で著者のそこに至る前提や全体の捉え方、考察を通じて、すなわち著者の生きる営みを丸出しにしたノンフィクションを読んだような体験をしたのがこの本。
その領域が心理学、心理支援、カウンセリングなもんで興味深い。中年は一読すべきかも。
--
個人的には現代の豊かさとは何か?を問うきっかけとなった。1つ横にスライドして進んだ気がする。次の螺旋階段を登り始めたというか。 -
Posted by ブクログ
占いもカウンセリングも同じ地下茎なのかなと思う。同じ地下茎のもっと遠くには宗教もあるんだろうな。
ココロをすくう方法はいろいろあるのだけど人はそれぞれ違うからみんな悩むんだね。正解はないしね。
二人が距離感をいい塩梅に保とうとしていたり
お二人それぞれがご自身の専門の話とフランクな話のバランスを取ろうとしていたりのがなんとなく感じ取れて好感が持てた。
対話4回目前編までは気楽にすいすい読んでいたけど4回目後編はグサグサと刺されてイタタタ!となってしまった。
この本の中で一番衝撃だったのは30年以上にわたって年上だと思っていた鏡リュウジさんが私より2学年下だと初めて知ったこと。 -
Posted by ブクログ
なんだこれ!軽い気持ちで読んだらいまの私に必要なものがつまった初めてのジャンルの本だった。
「心はどこへ消えた?」というタイトルは某チーズ本を連想させるし、著者も臨床心理士とのことで自己啓発本をイメージしてたけど、内容は自己啓発本とは真逆の印象。包み込み、はげまし、安心させてくれる本。いくつかのエピソードではカウンセリングを受ける人と自分を重ね合わせて涙が出そうになった。
仕事に一生懸命だと、脳さえコントロールできればうまく行ける気がしてくる。でも、心は心の存在を自分で意識できなくなると存在できないことに気づいた。
カウンセリング、全人間に必要な気がしてきた。もちろん私も。脳ではなく心に寄り添った時間をつくることができなくなってしまえば、きっと長い人生を完走することはできないね。 -
Posted by ブクログ
職業柄、聴くことは意識している。著者の言うように、私も聞くよりも聴くを重視していた。だが、聞くの大切さを冒頭からガツンと言われ、ハッとなる。言われてみれば確かにそうだ。
その後の聞くこと、聞いてもらうことの話はとても興味深い。著者が言うほど聞いてもらうことは簡単ではない。聞いてくれたらいいのになぁと思うことは日々たくさんある。だけど、それは聞いてもらうこちら側の何かが不足していたのかもしれない。たった一言、話を聞いて、で良かったのかもしれないな。
自分のことはみんな、話したがる。いつか自分の番が来るかなと思って聞くのだけど、なかなか回ってこない気もしている。だけど、きくと聞いてもらうをもっと上手に循環させていこう。 -
Posted by ブクログ
臨床心理士の東畑開人さんによる連載エッセイなのだが、各回の冒頭と前半部分がコミカルに書かれていて、とても面白く、クスッとしてしまう。かと思えば、後半のカウンセリングルーム内でのやり取りはシリアスそのもので、前後半のコントラストは鮮やかな程である。私は、この対比の中に東畑さんのもつ複数の心があらわれていると思う。肩肘張らず読める著書だし、著者もこの作品を最初に読んで欲しいようなので、まだ彼の著書を読まれていない方には導入に最適と考える。オススメは、部活動の「補欠」の話で、何を隠そう私も運動部の万年補欠だったので、ここまで鮮やかに控え選手の心情を代弁してくれた著書に出逢えたことはなかった。
文句なしの星⭐︎5つ!
-
Posted by ブクログ
ネタバレ東畑さんの著書を初めて読んだ時から完全にファンになり、これが4冊目です
読書が苦手な私でも、東畑さんの文章が面白すぎてどんどん読めます…気づいたら4時間一気読みしていて夜中3時と気づいて中断しました(笑)
こちらの著書では、ご自身の臨床心理士が行う治癒と、「野の医者」と東畑さんが名付けた、沖縄でスピリチュアルな治療、ヒーリングを行う方々の行為を対比されながら
そもそも目指している「治癒」の状態が違うこと
どちらが優れているとか比べるものではないことを導き出されていて、心にスッと入ってきました。
本を読む前は、スピリチュアルに対してやや不信感があった私ですが、読み終わった今、ヒーラー達が傷ついた過去から自身もヒーラーを目指したくなるその過程も知り、、
色んな人がいて、癒され方もそれぞれよね、と距離感を保ちつつ微笑ましく捉えられる様になりました。
東畑さんの笑いに溢れた講義が聞けるなんて…十文字学園女子大学の学生さん達が羨ましいですーーー! -
Posted by ブクログ
東畑さんの著作は2作目。
「カウンセリングとは何か」よりも、読者ひとりひとりに寄り添うように温かく語りかけてくれる。
心を単純化してしまいそうな時には補助線を引く。
2章 馬とジョッキー
p79.馬の声を聞け
馬とは僕らの心の傷ついている部分でした。心にはなかなかふさがらない傷口があって、そこには痛みがあります。馬は痛みに突き動かされています。その痛みを誰かになんとかしてもらおうとする。
3章 働くことと愛すること
p105.他者が安全であると信じられること。そういう他者が現実にせよ、心の中にせよ、「いる」こと。それが「愛すること」の正体です。
6章 スッキリとモヤモヤ
p228.恩師から言われた耳の痛いアドバイスを、スッキリしてしまうのはもったいない。その言葉は、あなたを傷つけるかもしれないけど、きちんとモヤモヤできたならば、あなたを成長させてくれるかもしれない。
7章 ポジティブとネガティブ、そして純粋と不純
p292.現実は本当のところ、灰色です。白と黒が入り混じった曖昧な色彩こそが世界の本格的なありようだと思うのです。
だから、悲しむことができたとき、僕らの心は以前よりも少しだけ、広く、深くなる。心に複雑なものを置いておけるだけのスペースができる。
これを僕は「ネガティブな幸せ」と呼びたい。