東畑開人のレビュー一覧
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ネタバレ会社を退職するたびに抑うつを繰り返し、休職期間や無職のときにようやく読書時間を設ける体力と意識が働き、文化的に生きて、内省を経て心を取り戻す癖があり、この本を読んでp127.「心にはまだ形になっていない言葉が蓄積され、カチコチに固められている。朝が来ると日常音にかき消されてしまう。」。助けて欲しいと発する事で、整えられるとのことで、1人で勝手に退職を決めて静かに立ち去り、私なんかと自暴自棄になる前に一言、「助けて」と言えるようになれたら、それで仕事を続けられたらと良いなぁと思った。
p38.「いったん止まって様子を見る。」これも大切でメンタルヘルスの最終奥義のようですが、本当に大切。コロナ禍 -
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めちゃくちゃ良かった。
本書は、カウンセリングというものを体系的に整理し、原論を導き出そうというもの。
専門知識が土台にありながらも、社会側(ユーザー側)における位置づけとして整理することで、素人にも読みやすい読み物となっている。
また、架空のユーザーが登場し、実際のカウンセリングの様子をエピソード仕立てで要所要所に配置されていることで、感情移入しやすく、惹きこまれる。
かといってただの小説や物語になっているのではなく、理論も語られていて、読者を引き込む物語と理路整然と整理された論文調のバランスが素晴らしいと感じた。
本人も語られているが、まさに東畑先生の集大成でありその達成感を感じた。
レベ -
Posted by ブクログ
僕は占いのみで生計を立てています。
つまり、本書でいうところの “野の医者” です。
これまでいくつかの東畑先生の著書を読んできましたが、本作も最高に笑わせていただきました。
無職時代の東畑先生が、トヨタ財団研究助成プログラムの支援を勝ち取り、沖縄を舞台にスピリチュアル界隈を縦横無尽に駆け巡る、ワクワクするフィールドワーク冒険譚です。
スピリチュアルのエネルギーは良くも悪くも強力です。
臨床心理士として確固たる信念を持っているはずの先生でさえ、大量の謎のスピリチュアルエネルギーに染め上げられ、ミイラ取りがミイラになってしまいます。
しかし、その包帯の隙間から覗く心理士としての眼を光らせ、 -
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野の医者とは何者か?
“癒しに関わり正規の科学から外れている人で、自身が病み、癒されたい人”
大方、このように臨床心理士の著者は定義しています。
“野の医者”を見ることで、臨床心理学はどういう学問か再考してみるというのが、本書のテーマです。
何だかこのように書くと小難しい感じですが、いやいやどうして著者の語りは、めちゃめちゃ面白い。著者の東畑さんは、ご自分のことを“野の学者”と称しています。東畑節さくれつで、「ちょっと真面目にやってください!」とツッコミを入れたくなるぐらい面白い。
場所は沖縄で、著者自らがヒーリング(怪しい治療?!)を受け、実況中継してくれるので説得力があります。な -
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2025.12
今年読んだ本で一番良かったかも
救われる気持ち
まさに読むセラピー
すごい
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P29 体が回復するとき、体は異常な状態から正常な状態に戻ります。折れた骨がつながり、バイキンが体から除去される。そうやって、体が以前の状態に戻ることを、僕らは「回復した」と言います。だけど、心の回復は違う。たとえば、働きすぎて「うつ」になったとき、治療をして元通りになっただけであれば、再び働きすぎてしまうでしょう。心が回復したと言えるには、以前とは違う働き方ができるようになっていないといけません。つまり、これまでとは違う生き方をインストールしなくてはいけない。そうはいっても、どういう -
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いい意味で期待を裏切られた一冊。
「どうやったら日常のなかで相談できるか(もしくは、のれるか)」を知りたくて読み始めたが、そういう実践知みたいなものは、あまり書かれていなかった。
この本で書かれているのは「社会のなかでの、ふつうの相談の位置づけ」専門性が重宝されがちな社会において、専門的でない「ふつうの相談」は軽んじられがちだが、実はそうではない……ということが書いてあるのかなと感じた。
「システムのなかで、どこに相談の受け手がいるのか?」「それぞれの受け手は、何にその行動を規定され、どのような限界があるのか」など、「システムの中における相談」を俯瞰して考えることができ、面白かった。
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なかなか読み込むのはハードだったけれど、読めてよかった。とてもよかった。
認知行動療法が、近代の科学的アプローチとして
突如出てきたのではないということ。
「仄暗い夜明け前の古代からの前史があったというイマジネーションに勇気をもらった。」という東畑さんのあとがき、本当にその通りだなと思った。
力動的なものと認知行動療法、非理性と理性、
より糸のように組み合わさり、すべてのアプローチに二重性があるということ。
これが絡まり合いながら、時期によって濃度を変え営まれる両眼視の視点。
認知行動療法の見方がだいぶ変わった。
聞くことで心を支援する
この営みの途方のなさに疲れたとき、古代から人間っ -
Posted by ブクログ
東畑さんのエッセイは面白いっ!こんなに面白く書けるなんてズルいと思うくらいに面白い。
文春への連載記事をまとめた一冊である。
本の内容とは離れるが、この本のあらすじには、1年間の連載のなかで東畑さんが何を考えていたかという「舞台の裏側」が書かれている。
いつか本を書きたいと思う私にとって、この舞台裏は大変学びになるものが多かった。
大きすぎる物語のまえで、脅かされる小さすぎる物語たち。心はどこへ消えたか?それは大きすぎる物語に吹き飛ばされたのである。心はどこで見つかるのか?それはエピソードの中にある。
私もエピソードを書いてみたい。そして迷ったら、この本をまた読み返したいと思った。