東畑開人のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
色々なところで出てくるカウンセリングとは何かがよくわからなかったので、何度か名前を聞いた著者の本を読んでみた。
結論から言えば、カウンセラーとは都会の孤独な人の相談相手であり、前近代では不要だったもの。以前は親兄弟や親戚、または友人が相談相手となり、生活の改善や精神の安定を図ってきたのだろう。
共同体が破壊され、個人が尊重、孤立する近代で、一人で人生に迷う人達が頼るもの、それが宗教であり、カウンセラーだと思う。
自分としてはできれば一生関係したくはない。
この本で出てきた二つの具体例のうち、出勤が困難となっていた青年のケースはまだカウンセリングの有効性は理解できる。
とはいえ、青年が障壁と思 -
Posted by ブクログ
1人でいる方が楽だと思っても、どうしたって人と関わり合いながら生きるしかない。
自分を肯定できるのも、救われるのも、他者の存在が必要なんだと再認識させられた。
私は1人でいたい派だけど、本当は人が好きだって分かっているもの。
現実は複雑。
その中で生きてる私たちってすごいや。
ストーリー展開の都度、解説が入る流れだったけれど、核心が飲み込みにくく…。ユーモアを交えた例えや、ドロン!とかの絵本的な表現が私には合わず、頭の理解もだいぶ鈍くなってしまった。辻褄合わせが大変と言うか…。理論的な話を求めている中にファンタジー要素が来ると苦手なのかもしれない。自分のそうゆう一面を知った。 -
Posted by ブクログ
今まさにカウンセリングを受けている人が、カウンセラーの技量に疑問を感じたら読んでみるとよいのかもしれない。一方で、これからカウンセリングを受けようとする人が、なるべくよいカウンセラーを見つけるために本書を読んだとしても、その良し悪しを見分ける目は養えない。
事前情報のみで選ぶなら「臨床心理士」や「公認心理師」を持っているかどうかは一つの判断材料になるかもしれない(それでもピンキリだが…)。上記の二つ以外の資格であれば、取得方法を調べることを推奨する。ただ、これも厄介なことに、取るに足らない資格しか持っていなくても、抜群の臨床センスを発揮する人がいるのは事実である。ちなみに、臨床歴はあまり参考に -
Posted by ブクログ
冒頭で、このテーマなだけあって、堅い内容なのかなと少し身構えたが、筆者が自分の恥(?)も開示していくスタイルだったので親しみを持って読めた。
カウンセラーの仕事は自身も心を病んでしまう方が多いと聞くが、東畑先生の人となりがわかるエピソードを読んでいると、芯があって逞しいから大丈夫そう!と感じる(偏見)
内容は、自分が疑問に思ったことに対しての答えを得られたり(自分を自分で責める声は「超自我」と言うらしい等)、とても意義深いものだった。
地の文がフレンドリーなのに対して、カウンセリングの場面で急にシリアスになるので驚いたりもした。相談内容を知ると、そりゃ真剣に向き合わないと蟠りをとけないよな -
Posted by ブクログ
臨床心理士の方が書かれた本を読むのは初めてだった。辻村深月さんが解説を書かれているのとYouTubeでこの本が勧められていたので購入。心理についてど素人にも分かりやすく書かれていて読みやすかった。特に「スーパーヴィジョンにて」という話で登場する女性が自分で深く考えずに正解をすぐに求めようとしてしまう自分の性格と重なって響いた。ただ、プライバシーの問題があるのは重々理解しているけれどもう少しカウンセリングの方法や心の変化が細かく知りたかった。
東畑さんの本は初めてで、他の本には書かれているかもしれないのでもっと他の本も読んでみたいと思った。一つ一つのエピソードが短いので、読書初心者さんにおすすめ